それでは今回もどうか宜しくお願いします
第24話
最近気になる事がある、これを鈴に報告するかどうか……私は真剣に悩む事となった。
「全く、一夏は駄目だね。もっとちゃんとしないと」
「んん?おお悪りぃ」
あれやこれやと一夏君の世話を焼くシャルル君の事だ、甲斐甲斐しい妻のような感じで一夏君に構っている
(私は興味ないけどあれがBLって奴?)
一部の女子に莫大な人気持つBLと言う奴なのかもしれない。現にそう言う趣味の女子は鼻息荒く2人を見ている
「シェン、私は一夏を叩きのめす権利があると思うのだがどうだろう?」
「箒、落ち着こうよ」
血走った目で木刀を構えようとする箒を嗜める。ここで止めないと血の雨が降りかねない。すると箒の視線に気付いたシャルル君はふふんと勝ち誇った笑みを見せる、それはもう完全に箒を馬鹿にするような笑みだった
「くっ、何かムカつく」
「落ち着こうねっ?大丈夫一夏君はノーマルだよ」
私は鈴の味方のはずなのに、どうして箒のフォローをしてるんだろ?やっぱり鈴の言うとおり私はお人好し属性なんだろうか
「あれ?セシリアは?」
「うん?居ないのか?」
普段なら箒と一緒に暴走するセシリアの声がしない事気付き、辺りを見回すがセシリアの姿がない。箒もそれに気付いたのか辺りを見回している。
「おかしいなーセシリア何処行ったんだろ?」
箒とそんな話をしていると予鈴が鳴る。それから暫くし教室の戸が開いた
「ああ、ここね」
誰?私が思わず首を傾げた、次は織斑先生の授業の筈だが、入ってきたのは見たこともない女の先生だった。フォーマルスーツに白衣と言う目立つ服装に長いロングストレートの黒髪の一部に銀のメッシュを入れた綺麗な人だった
「ツバキさん!?どうしてここに!?」
私達が首を傾げているとラウラが立ち上がりその女性に近寄る
「はーい、ラウラ元気そうね」
「あ……はい。私は元気ですが。あの何故ここに?」
「後で教えてあげるわ。今は席に着いてなさい」
織斑先生と違う優しい声色だが。その声には妙に迫力があり思わず従ってしまいそうな感じになる
「ツバキさん、勝手にうろつかれては困ります」
「あら、早かったわね千冬。巻いたと思ったのに」
「大方ここだと思ってましたから」
はぁっと溜め息を吐く織斑先生、しかし織斑先生が敬語を使うとはこの人は一体?私が首を傾げていると本鈴が鳴る。あちゃーセシリア遅刻か?私がそんな事を考えながら椅子に座ると
「ねえ?千冬。あそこの席空いてるけど遅刻?」
「オルコットは少々用事でIS学園の外に居ます。戻ってくるのは昼前かと」
ふーんと白衣の女性は頷き、黒板に名前を書き始める
「今日から臨時講師としてIS学園に来た。ツバキ・V・アマノミヤよ。ISの整備と近接戦闘には自信があるから判らない事はドンドン聞いてね」
にこっと微笑むツバキ先生は教科書を見て
「あー私こういうの使うの駄目だわ。教科書ってあんまり意味無いわよね?」
「あの。そう言う発言は困るんですが?」
「良いから良いから、はーい、皆教科書は仕舞ってね。こんなの殆ど役に立たないから」
こんなの呼ばわり?一体この人は?私含め皆が同じ事を考えている事に気付いた、織斑先生が
「ツバキさんはフリーのIS研究者だ、それにこと近接戦闘においては私より強い、皆敬意を払うように」
織斑先生より強い?嘘……私達の目が点になっていると
「いやねえ。私ももう30後半よ?20代前半の千冬には勝てないわよ」
からからと笑うツバキ先生。えっ?いま30後半って言った?とてもそうは見えないくらい若いけど……
「さーてまずは近接戦闘の講義を始めましょうか。わからないところは質問してね。後急いでメモしないとドンドン消すからね」
そう言ってツバキ先生の授業が始まった
「はい、メモしたわね。消すわよー」
「ちょっとまってください!」
ドンドン理論を説明し黒板に書いていくが、それは2分と経たず消されてしまう。どれもこれも重要なので皆必死でメモを取る。何時もの倍くらいはメモを取った気がする
「はーい、今日の授業はここまでにしようかしら」
残り5分のところで授業を終るといったツバキ先生はイスに腰掛け
「何か質問があるなら聞くけど?あ、後仲良くなる為に授業の事じゃなくても良いわよ?」
ツバキ先生がそう言うと1人の女子が手を上げた
「はい!ツバキ先生の若さの秘密って何ですか!」
「ははは、行き成り授業関係無いの来たねー、まぁ良いけど。私の若さの秘密は簡単♪愛しい旦那と愛しい娘が傍に居てくれるのが1番若さを維持する秘訣よ。と言っても判らないだろうから……貴女もいい人を見つけると判るわよ。ん?チャイム鳴ったわね。じゃあねー」
チャイムが鳴るとツバキ先生はパタパタと出て行ってしまった。
「また勝手に!職員室に顔を出してください!」
慌てて織斑先生が追いかけていくのを見ながら、私は
(ツバキ先生ってどっかで聞いた気がするんだけど……)
暫く何処で聞いたのか思い出そうとしていたが思い出せなかったので、まぁ些細な事だと割り切り私は鈴の所に向かった
(一夏君がBL趣味の子に狙われてるって教えないと)
あのさっきのシャルル君の笑みは危険だと思った、これは早い内に手を打っておいたほうが良さそうだ。一夏君が毒される前に手を打とう
私はそんな事を考えながら教室を後にした……
IS学園の外れの小さなコテージの中で
「ねえーシェルニカちゃん~私何かエリスちゃんにしたかなー?なんか避けられてるんだけど」
「ツバキさん、とりあえず自分が何をしたか考えようぜ?」
ザッザッとフライパンを振りながら言う、
「えーと、エリスちゃんに可愛い服送ったのが駄目だったのかしら?」
「ちげーよっ!八神龍也がファントムタスクかもってメール送ったのが気に食わないんだよ!エリス様は!」
見当違いな事を言うツバキさんにそう言うと
「ううーそれ?それが原因なの?」
「だと思うぜ?エリス様は相当八神龍也に入れ込んでるからな、ほい!出来たぞ」
刻んだ焼き豚とネギと卵のチャーハンとスープを皿に入れてツバキさんの所に行くと
「だって~エリスちゃんが心配だっただけで……悪意はなかったのに」
「あーとりあえず飯にしよう」
ぶつぶつと呟いているツバキさん、この人のエリス様への溺愛具合は知っているが、無視された位でここまで落ち込まなくても
「ほら!今日の夜にでも話をして見たらエリス様も機嫌を直してくれるって」
「そうかなー」
「そうだって、エリス様もツバキさんの事好きだから。きっと時間が経てば許してくれるって」
励ますとツバキさんはそれもそうねと身を起こしチャーハンを食べた
「あー美味しいわね、これコツとかある?」
「チャーハンは炒めるくらいしかコツなんてないけど?」
「やってみたんだけどね、まる焦げになっちゃたの」
この人は本当IS以外の事はまるで駄目だな、こんなんだからエリス様の方が料理上手なんだよな……
「はいはい、じゃあIS学園に居る間は何か簡単な料理なら教えるよ」
「あー、ありがとう、シェルニカちゃんは頼りになるわねー」
はいはいと返事を返し私も昼食を再開した
「んで?どうしてここに来たんです?」
「んー学園内での八神龍也の動きを監視しようかなーって思ってね」
一応あっちこっちに監視カメラをつけているのでここでモニターできるが
「まだ疑ってるんですか?八神龍也がファントムタスク側って」
「ううん。違うわ。アイアスちゃんの送ってくれた戦闘データ見たけど、あれは人を護る剣よ、誰を傷つける剣じゃない」
きっぱりと断言したツバキさん、ではどうして八神龍也を監視するのか判らず私が首を傾げていると
「ファントムタスクではないのは確信したわ、でもそれと同時に彼が何者か判らない、だからそれを調べる為に監視するのよ。で?今八神龍也はどこ?」
「あーと、整備室みたいだな、お嬢とエリス様も一緒みたいだ」
「いくわ、大事な娘に悪い虫がつくまえに排除するわ」
「ダーッ!落ち着いてください!またエリス様に嫌われますよ!」
「そ、それもそうね」
ショボーンとした様子でモニターの前に座ったツバキさんと共に八神龍也の監視を始めた
~2時間後~
「どこも怪しいところなんてないですねー」
「いえ、怪しいところならあるわ。彼の整備の技能は高すぎる。エリスちゃんと簪ちゃんが見てない隙に一気にプログラムを組んで。弐式に組み込んでるわ」
そういわれると一気にコンソールを叩くスピードが増してるところがあるなあ
「本当に何者かしらね。彼……」
「あっ、整備終るみたいだな。エリス様達と別れて自室に向かってますよ」
「そう見たいね、うん。じゃあ私はエリスちゃんのところに行くから。あとよろしくー!」
ピューと走っていくツバキさんを見ながら私は大きく溜め息を吐き
「はぁーなんか疲れた。夕食の準備でもするか」
もう直ぐフレイアとアイアスが戻ってくる。それまでに夕食の準備をしようと思い。私はモニターの前から離れた
「遅くなりましたわね」
私は日が暮れる少し前にIS学園へと戻ってきた。本国からの指示で空港にヴィクトリアさんを迎えに行ったのだが。予想以上に時間が掛かってしまった。その理由は
「やはり日本製の服のほうが良いな」
「そうですか……」
私服が無いとかでそのまま街に行くと言って聞かない、ヴィクトリアさんに振り回されたからだ
「さてとでは私は行く」
スタスタと歩いて行くヴィクトリアさんに
「お礼くらい言えないんですか!」
案内をしたのだから礼位言ってくれたっていいはずだと思いそう言うと
「別に私が案内しろと言ったわけではない。だからお前に感謝する必要はない。それに私達は同じ国の代表候補として競い合う立場の人間だ。必要以上に馴れ合う気は無い」
ぐう……この人は本当に……今思えばこの人とは本国に居た時からそりが合わない。彼女は近接先頭においては私より実力者だ。だが射撃線では私のほうが上。何度か対戦したから良く判っている、コンビを組めばお互いの欠点をカバーし合えるが、どうしてもそりが合わないのだ
「そういえばセシリア」
「なんですの?」
思い出したように振り返るヴィクトリアさんに尋ねると
「八神龍也と織斑一夏、どっちが強い?」
「質問の意味が判りませんわ」
本当は彼女が何を言いたいか判っているが、業ととぼける。彼女は貪欲なほどに力を欲する、ここで下手な事を言えば一夏さん達に迷惑がかかると思ったのだ
「まぁ良いか。どの道、織斑一夏。八神龍也の2人と戦うつもりだからな」
しれっとそう言い放ったヴィクトリアさんはそのまま今度こそ振り返らず、歩き去った
「はぁ……よりによってヴィクトリアさんですか。私彼女苦手なんですけどね」
どうも彼女の雰囲気は苦手だ、何処までも鋭い刃のような彼女はどうも苦手なのだ
「まぁそうも言ってられないですわね。夕食にでもしましょう」
朝食べたきりなので正直空腹だ。少し早いが食堂に行くとしよう
「おっ?セシリアか?」
「い、一夏さん」
食堂に向かっていると一夏さんにばったり会いました
「俺さ今から食堂行くんだけど。良かったら一緒にどうだ?」
「あ、はい!ご一緒します」
今日1日ブルーな気分だったが、一夏さんから食事に誘われたといいう事で一気に幸せな気分になり。私は一夏さんと共に食堂に向かい
夕食を一緒に食べた、席が思いのほか埋まっており向かい合って食事にしたのだが
「ん?セシリアソースついてる」
さっと何気ない素振りで口元を拭われ、一気に心臓が高鳴り結局その日の夕食に何を食べたかと言うのはうろ覚えとなった……ただ一夏に口を拭われたと感触だけはしっかりと覚えていた……
「はーい」
「誰だ。お前?」
自室でくつろいでいると突然扉が開き、見知らぬ女子が入ってきた
「私?私は更識楯無。2年で生徒会長ね。初めまして悪を立つ剣さん?」
パンと扇子を開いた楯無、笑みこそ浮かべているがその雰囲気は一般の生徒からかけ離れている
(直接アプローチを仕掛けてきたか。だがこいつは私を何時も監視してる奴とは違うようだが)
「今時間いいかしら?少し話をしたいのだけど?」
「構いませんよ、ここでですか?」
態々なのはとフェイトの居ないタイミングで来た。これは明らかに私が1人の時を狙ってきたとしか思えない、この時点でこの楯無と言う女性徒の思惑とおりになって居るだろう。このまま相手の思惑通りに事を進められると不味いので、部屋の中に招きいれようと思いそう言ったが、楯無はにこやかに微笑みながら
「いえ、私の部屋にしましょう。部屋に紅茶とか用意してるしね」
態々乗り込んできてそのまま話をするほど馬鹿ではないか……向こうは向こうで探りを入れに来たのだろう。私達の正体がばれる可能性は0だが、探られるのは正直鬱陶しいならここは
「良いでしょう。どうせ暇ですしお付き合いしますよ」
ここは楯無の誘いに乗ろう、情報を得るにはとき自らを囮にしたほうが効率がいい。
「あら嬉しい♪八神君みたいな格好良い子連れてると目立って良いのよね」
にこにこと笑う楯無に連れられ、私は自室を後にした……
第25話に続く
楯無訪問前半でした。次回はもっと話を長くするつもりです、それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします