第38話
俺は未だかつてない危機を食堂で味わっていた
「さぁ、食べろ一夏」
「い、嫌に決まってるだろ!!! 湯気だけでも痛い物を食える訳ないだろう!!!」
不気味にあぶくを出す赤黒い料理。否こんなものを断じて料理などとは認めない。
「聞いたか楯無? 箒は食べたというのに何と情けない」
「ええ、チキン野郎ね」
龍也と楯無さんがぱっと扇子を開く、そこには「臆病者」の二文字。なんだこの抜群のコンビネーションは!? それに
「食べた箒が瀕死じゃないですか!? これを見てどうやって食べろと!?」
机に突っ伏しビクンビクン痙攣してる箒を見てどうして食べる事が出来るというのだ
「ではパスだな? 一夏パスだ、次ぎ負けたら2倍だからな? では最終戦に入ろうか?、次は何にしようか楯無」
「そうねえ……ダーツとか?」
「良しではダーツを用意しよう」
龍也がコートからダーツセットを取り出しセットするのを見ながら
(ど、どうしてこんな事に……)
全ては30分前の俺の一言が原因だった。俺は自分の言動がこんな大惨事を生み出した事を心底後悔していた
「しっかし、今日は暇だな。アリーナも使用禁止だし」
なんでもメンテナンスとかでアリーナも使用禁止だし、まぁ半日だが外出許可がでたので外出している生徒もいたが、俺は出かける気になれず食堂で箒達と雑談していた
「龍也何か良い暇つぶしはないか?」
本を読み紅茶を飲んでいる龍也(異様に様になっている一言で言うならそう……優雅だ
「暇つぶしとは?」
「簡単な罰ゲームとかありのトランプとか?」
鈴がそういうと龍也は
「ふむ。良いだろう、何か用意しよう」
立ち上がる龍也の顔にはにやりと言う感じの笑みを浮かべて歩いていった。それを見たラウラは
「なんだ? 強烈に嫌な予感がするのだが?」
「大丈夫だろ? 龍也は真面目だしそんなに酷い罰ゲームは用意しないだろ?」
俺はそんな話をしながら龍也が戻ってくるのまでの間、ラウラ達と雑談しながら待っていた
「うっ!? 何これ? 眼が痛い!?」
調理室から漂ってくる何かで目が強烈に痛む、私はハンカチで鼻と口を押さえ調理室に向かった
「ふむ。こんな物か」
「龍也君? な、何してるの?」
ゴーグル・マスクと完全防備の龍也くんがなべをかき回している。その余りに異様な光景にそう尋ねると
「ん? 楯無か。罰ゲームの用意をしてるのだよ」
「ば、罰ゲーム?」
くくっと笑う龍也君。悪戯や悪ふざけをしているとしか見えないその笑みに私は
「面白そうね。何罰ゲーム者にはそれを食べさせるの?」
湯気だけでも目と鼻が痛む鍋の中身を覗き込む
「麻婆豆腐?」
「そう。一口食べれば味覚が全て消し飛ぶ究極のマーボー。名付けて「この世全ての辛味~アンリマユ~」だ」
「ゾロアスター?」
「そうだ」
ゾロアスターの悪神の名前を関するマーボー一体どんな自体を起こすのか。私はそれに強烈に興味を持った
「興味を持ったな? このマーボーが何を引き起こすか? そう食べれば悶絶必須に加えとても面白い事になるだろう。そしてそれをお前は見たいと思ってしまったな? さてこのマーボーを食べるかどうか罰ゲーム、勝てば無問題悶える一夏達を見れるだろう。しかし負ければ私とお前が悶える事になる。このゲーム、乗るか? 楯無」
興味はある、しかしリスクもある……乗るか否か即断は出来ない。私が迷っているとオーブンレンジがチンと音を立てる
「おっ、焼けたな……糖質70%させつつ、胃にもたれず甘すぎない、究極のシュークリームが。夏前の時期にこれは効くぞ。ふっふっふ……」
これはあれだ。私の同類だ、普段は真面目だが羽目を外すときは外し思いっきり楽しむ。そういう人種だ
「さて? どうする? このゲーム乗るか?」
2度目の問い掛けに私は
「ええ、乗らせてもらうわ」
こんな面白い物を見て載らないという選択肢は既に私にはなく、にやりと不信感を煽る笑みを浮かべる龍也君に笑みを返すという形で参戦の意図を伝えた……今日は暇だったがどうやらとても面白い物を見れそうだ
史上最悪の悪戯コンビが結成された瞬間だった……
「ねえ?一夏。龍也は?」
食堂で暇つぶしをすると言って出て行った達也の姿がないのでそう尋ねると
「いや、暇だから何か罰ゲームつきのゲームでもと……」
「何て事を!?」
大変だ急いで逃げなければ!!! 私となのはが回れ右した瞬間
「準備が出来たぞ。おや? なのはとフェイトも居るのかこれは面白い事になりそうだ」
にやりと不信感を煽る笑みを浮かべる龍也に皆も嫌な予感がしたのか
(あれ? すっごいイイカオしてるけどなんで?)
(龍也は……悪戯好きなんだ)
何を用意してるかわからない。以前不死身に近い体力を持つスカリエッティを1口でKOさせた。この世全ての辛味でなければ良いのだが……
「さてと丁度12人居るから3グループに分かれてダウトでもやるか」
トランプを3組出す龍也と楯無。
今食堂に居るのは。龍也・楯無・なのは・フェイト・一夏・箒・シャルロット・鈴・セシリア・ラウラ・シェン・ヴィクトリア・エリス・簪で14人の筈だが……
「あ、あの罰ゲームって何?」
簪とエリスが尋ねると
「簪ちゃんは危ないからスコア係で、エリスちゃんは退院したばかりだからゲーム進行してね」
危険……あああ、やっぱりあれ? あれなの?
「ではトランプを配ろうか」
トランプを配る龍也。この勝負負ける=死だ……私は震える手でトランプを見つめた
(生き残るには誰かを蹴落とさないといけない)
4人での対戦で、私の居る組は「ラウラ・シェン・箒」だ。龍也の方は、「楯無・一夏・セシリア」そしてなのは「ヴィクトリア・弥生・鈴」だ。
1番不利なのはどう見ても。一夏とセシリアだ、龍也と楯無はグルだ、何が何でもセシリアか一夏を潰すだろう。では私はどうすると考え
(ごめん……箒)
嘘とかが苦手そうな箒を標的とした……
~数分後~
「フェイトの組は、箒。龍也の組はセシリア、なのはの組は弥生がドべになりました」
何で私がこんな事を? と言う顔で司会をしているエリスだが。彼女が1番安全だ
「では罰ゲームを……」
ゴゴゴッ!!!
この威圧感間違いない! あれだ!!
「罰ゲームの食品は2つ用意してある。好きなほうを選ぶといい」
箒達の前に2つずつ箱を置き
「最初取った方から変えるのは禁止だ、さあ選べ」
箒・セシリア・弥生がそれぞれ自分のほうに箱を引き寄せたところで
「開けて良いわよ?」
楯無の言葉で3人が蓋を開けた。箒の前には赤黒い何かが乗った皿が。セシリアと弥生はシュークリームだ
「ちょっと待て!? 私だけじゃないか罰ゲームは!! セシリアと弥生だけシュークリームって納得いかん!!!」
箒がそう怒鳴ると龍也が
「いや。いやそのシュークリームはれっきとした罰ゲームだ。味わいはそのままに糖質70%アップのシュークリームだ。 ちなみに食べたなのはとフェイトの申告によると1つで○キロ増加するらしい」
「そんなこと言わないでください!!」
「悪夢がーッ!!!」
糖質70%の言葉と○キロ増加という言葉にセシリアと弥生の顔色が悪くなる。 夏前にこれはない、っていうか1個で○キロってなんで?とか良いながらシュークリームを見つめている
「ではこれは?」
「この世全ての辛味~アンリマユ~だ」
ぼこぼこと煮立つ赤いなにか、差し詰め血の池地獄と言ったところだろう……
「何だその不吉なネーミングは!?」
ラウラがそう叫ぶ中
「まぁ食べたまえよ。パスしても良いが後2回のゲームを下りる権利を捨てる事になるが、どうする?」
パスすれば、食べなくても良いが。敗北者とすればあれを食べてこのゲームから抜ける権利が得られる。
「ええい! 私は食べる!!」
レンゲでマーボーを掬い取る箒は
「うぐ!? 目が痛い」
そのマーボーが放つ激辛の匂いで顔を顰めたものの。覚悟を決めた表情でマーボーを口にした
「ふぐうッ!?」
目を見開きジタバタと足を動かす箒、だが吐き出すと言う選択はないのか無理に飲み込み
「けひゃっ!? ふっひひいいッ!?!?!?」
机に突っ伏し奇声を発しながら痙攣し始めた
「「「「箒が壊れたアアアアアッ!?!?」
絶叫する一夏たちを見て龍也は
「ああ。愉悦はこれなのか」
「おもしろ!」
くすくすと笑う2人は
「さて、パスすれば、あれを食べなければならない可能性が出てくるが……どうするね?」
その問いかけに2人は無言でシュークリームを手にすると言う形で返答し、それを食べた……半分泣きそうな顔で
「では第2回戦と言いたいが同じゲームだと詰まらんな。何かイイアイデアは無いか?」
「そうねえ、黒髭危機一髪とかは?」
「良いなそれ」
龍也がコートの中から黒髭危機一髪を取り出し。私達の机に1つずつおく
「では飛ばした奴が、罰ゲームで」
にいっと笑う龍也に頷き神妙な顔でナイフを取るラウラ
「やれる、私なら!」
ラウラが躊躇い無くナイフを突き立てる。黒髭は飛ばないセーフだ
「俺は出来る! 出来る……ビョン……嘘だろおおおおッ!?!?」
「ぷふーッ!! 面白すぎ!!」
「全くだ!!!」
一発目から黒髭を飛ばす一夏を見て、楯無と龍也が笑ってる。その手には愉悦と書かれた扇子が握られていた
「あああーッ!?」
なのはの絶叫に振り返るとポーンと黒髭が宙を舞っていた
「嘘ッ!!」
そして今度はシェンの悲鳴に前を見ると同じく宙を舞う黒髭が……
「では選べ」
龍也の物凄く楽しそうな顔の前に3人はガックリと肩を落とし箱を選んだ
「あっ、セーフ」
「体重が増えるという面ではアウトだけどね」
「マーボーがああッ!?!?」
なのはとシェンは鬼畜仕様のシュークリーム。前に私が食べた時は体重が○キロ増えた。死にたくなった……なんで一個のシュークリームで○キロってありえない
「ちなみにこれは改良型なのでどれほどカロリーがあるか判らない」
もしかすると前より体重が増えるかもしれない。なのはは
「しくしく……夏前なのに……」
「せ、折角体重落としたばかりなのに」
涙を流しながらシュークリームを頬張るシェンとなのはに
「あの、これ」
「ありがとう。簪」
「凄く嬉しいよ」
紅茶を入れて渡す簪。さっきシュークリームを食べたセシリアと弥生にも紅茶を入れていた、結構気づかい出来る性格なのかも知れない
「さぁ、食べろ一夏」
「い、嫌に決まってるだろ!!! 湯気だけでも痛い物を食える訳ないだろう!!!」
「聞いたか楯無? 箒は食べたというのに何と情けない」
「ええ、チキン野郎ね」
龍也と楯無が挑発するが、一夏は断固拒否する
「ではパスだな? 一夏パスだ、次ぎ負けたら2倍だからな? では最終戦に入ろうか?、次は何にしようか楯無」
「そうねえ……全員参加のダーツとか?」
「良しではダーツを用意しよう」
龍也がコートからダーツセットを取り出しセットするのを見ながら
(なんとしても一夏を潰さないと)
(え?何で一夏を狙うのよ?)
(僕は嫌だよ)」
(私も余り気が進まない)
乗り気ではない鈴達に
(一夏がパスしたら辛さを2倍にされるんだよ!? 箒が瀕死になったのの更に2倍! 普通なら死んじゃうよ!)
まだ奇声を発している箒。あれの2倍と聞いた鈴達は無言で頷き、一夏を狙って行動し始めた
~数分後~
「嫌だーッ!!!」
「逃がすか!」
当然全員に蹴落とす対象と見られた一夏が勝てるわけもなく、敗北が決定した瞬間逃げ出す一夏を捕獲しようとする龍也だったが
「はぁ……お腹すきました。お嬢様、これ貰いますよ」
「え?アイアス!駄目!?」
「アイアス、死ぬよ!?」
見覚えのないアオザイによく似た服を着た2年生がこの世全ての辛味にへと手を伸ばしていた……
あ、アイアスちゃん、これちゃんとテストしておいてね? あとこれとこれ
「ツバキさんもちょっとお使いを見たいなのりで無茶を言ってくれる」
ツバキさんが開発している。自立式の特殊兵装の起動データを取る為に1日使ってしまった
「今日に限ってシェルニカは居ませんしね」
自分で作っても良いが、疲れているのでそれはパスだ
「仕方ない。食堂に行こう」
大量の香辛料を制服のポケットに入れ私は食堂に向かった。
「なに、この良い匂いは」
鼻を突き刺すような刺激臭、だがこれは僕にとっては良い匂いと思える物だった。その匂いにつられるように食堂に行くと
「嫌だー!!!」
「往生際が悪いぞ!!」
一夏を捕まえようとしている八神龍也とお嬢様達の姿が見える。そしてその前におかれた赤黒いマーボー。
くう……
可愛らしくお腹が鳴る、今の僕に必要なのはあれだ
「「はぁ……お腹すきました。お嬢様、これ貰いますよ」
「え?アイアス!駄目!?」
「アイアス、死ぬよ!?」
お嬢様とエリス様が止めるのも気に留めず、僕はそのマーボーを口に運んだ
「うっ!?」
「ああ、早く水を」
「美味しい!! この脳を突き刺すような辛味と喉焼き尽くすような辛さ!! 実に美味しいです!!」
ああ、こんなに美味しいマーボーを食べたのは初めてだ、一口ごとに口が痛むがまたそれが良い。僕が笑顔でそれを食べていると
「お、美味しいの? アイアス」
「ええ、とても美味しいですよ。この脳が吐き出せと叫ぶ感覚と喉を焼き尽くすような激痛はとても美味です」
「それは世間一般的には美味の表現じゃない」
失礼なこれはとんでもない美食ですよ
「た、助かった……てっあれえ!?目の前にマーボーが!?」
「逃がすと思っているのか?」
一夏を捕獲し椅子に縛り付ける八神龍也
「さ、食え」
マーボーを掬い実にイイエガオで
「い、いや……ふぐうううううッ!?」
マーボーを口に突っ込まれ悶絶する一夏を見て
(こんなに美味しいのに、この美味が判らぬとは何と勿体無い)
僕はそんな事を考えながらマーボーを食べ終え。目の前のシュークリームを頬張った
「「「!?!?」」」
「なにか?」
皆が驚きという表情で僕を見るなか。僕は立ち上がりあくびをしながら
「昨日から徹夜だったから。もう寝ないときついね……流石に」
OFFになりかける意識を必死でつなぎとめ自室へと戻った……のだが翌日の夜
「「「「死んだ……」」」」
口から魂が出ているような箒・弥生・セシリア・なのは・シェンの姿を見ながら体重計に乗る
……え? 嘘? なんで○キロも?
おかしい節制はしていたはず。それなのに体重増加って何で僕が混乱していると
「やっぱあれ! 絶対あれのせい!! 糖質70%アップとかいうシュークリームのせい!!!」
僕が食べたあれのせい?
「あ……あははは。体重落とさないと」
「付き合うぞ、シェン」
何か決意を決めた表情の箒達を見ながら
(明日からシェルニカの走りこみに付き合おう)
夏前の乙女には致命的な体重増加。何が何でも落としきる……そのひ大浴場に居た女子はこう語る。修羅が居たと……
「おっかしいなー。このカートリッジ」
「どこがおかしいんですか? ドクター」
休憩にと紅茶とクッキーを持って来たウーノに
「うん。これはカートリッジであるのは間違いないんだ。だがこの型番のカートリッジなんて製造されてないし」
おかしい。確かに最新の技術が使われているカートリッジだが。こんな型番はないし
「それにそもそもこれは使用者の負担を度外視にしてる」
魔力の増幅量とかが明らかにおかしい、こんなカートリッジを使用すればどんなリバウンドがあるか
「どうやら私もはやて君と共に動くべきかもな」
「はっ?」
訳がわからないという表情のウーノに
「だからはやて君の擬似ISを完成させて。はやて君をあの世界に連れて行ったら私もそこで少し情報収集でもしようかなと思ってね」
規格外のカートリッジ、考えうるは
(別世界のミッドチルダで製造されたもの……)
世界は無数に枝分かれしている、その1つで作られたカートリッジの可能性が高い。だがその割にはどれも型番がばらばらだし、製造年数すらバラバラだ。
(どうにも厄介なネクロが居るかもしれないな)
私の中で自堕落な生活をしている。元ダークマスターズにして私のクローンのネクロ、ヴェノムの知識には時空や時間の狭間に幽閉されたタイプのネクロも居るとの事
(はーまだまだ平和は遠いねぇ?)
IS用ハンガーに吊るした漆黒の機体を見ながら私はため息をはいた
情報をとにかく取得しておこう。スコールがネクロどもと交渉し手にした情報を片っ端からアマノミカゲにコピーしていく
(タスクに未練はない。ワタシはワタシの道をまた探す)
更識楯無との会話。そしてエリスが傷つくのを見てワタシが本当にしたい事を思い出した、今ここに残る道理はない
「抜けるつもり? ユウリ」
「スコール」
後ろを完全に取られた。おかしい警戒していたのに何故?
「抜けるなとは言わないわ。でもその前の約束を憶えているかしら?」
「ああ……ちゃんと覚えてる」
あの闇の中でスコールと交わした一番最初の契約だ
「そう、なら何も言うことはないわ。好きなだけデータを持っていけば良い、無事にIS学園に辿り着ける可能性なんてないもの」
「辿り着く、ワタシの求める答えを手にする為に」
スコールの目に揺らぎが現れたがすぐに消え
「後日こっちから連絡するわ、それまで貴方はここから出ることを禁止します」
「構わん、もとより覚悟の上だ」
ワタシがそう言うとスコールは背を向けて出口に向かいながら
「ユウリ。貴方がどこで死のうが何をしようが私には興味はないわ。でも……長い事協力してくれた貴方に聞くわ、考え直す事はできない?」
「無理だ」
もうワタシの心は答えを出している。今更揺らぐ事ではない。そもそもファントムタスクに協力者などという制度はない、所属する全員になんらかの処理が施されている。マドカで言えば監視用ナノマシンと言った風に。だが私はそういった処理を受けていない。この身体の特異さでそれをまのがれたのだが……タスクで活動しえた知識、タスクの拠点の位置などを知ったワタシを簡単に逃がすわけがない、それは判っている。それを判った上でワタシの心は言っているここにいるなと
「そう、それじゃあね。ユウリ……貴方は退ける内に退きなさい……そして生きなさい」
「なに?」
ぼそりと呟かれた言葉を最後にスコールは後手に何かをワタシの足元に投げ。部屋を出て外から鍵をかけた
「USBメモリ?」
ワタシはこのメモリを渡したスコールの真意が判らず、首を傾げながらそのメモリをPCに読み込ませたのだが
「ロックが……」
ロックが掛かっていて中のデータが読み込めない。
「この絵がヒントだと思うが……何なんだこれは?」
白と黒の翼に剣で出来た十字架
「一体何を考えてスコールはこれを?」
スコールの真意がまるでわからない。だが何か意味がある筈だ……それに奴は生きろと言った
「生きてやるさ……答えを見つけるまでは死ねんからな」
今は時間が来るのを待つしかない、ワタシはそのままベッドに寝転がり。眠りに落ちた……
第39話に続く
次回ではやて様を出して。そこから3巻です。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします