第40話
チュンチュン
「ん……」
朝かゆっくり目を開きかけまた閉じる。朝のまどろみタイムは最高だもう少しだけ……
「これが至福の時というものか?」
んん? 誰かの声がするが1人部屋だし気のせいだよな
「記録……記録を」
おかしい明らかに第三者の声がする。
「ん? うおうッ!?」
「起きてしまったか残念だ」
マウントポジションを取りカメラを構えていたラウラに心底驚き、思わず布団で自分の身体を隠し
「な、ななな、何してるんだよ!?」
「うむ。お前の寝顔をカメラに収めに来たのだ。教官の依頼でな、それに私も欲しかった」
何してるんだよ!? 千冬姉! ドイツで何を教えてたんだ!?
「折角教官にもらった一夏写真集に種類が増えると思ったのだが」
「折角じゃないし! それ盗撮だし! っていうかなんでそんなのがあるんだよ!!!」
ラウラの手にはカメラと分厚いアルバムがあり、表紙には
【一夏 写真集~犯罪紛い編~】と銘打たれていた。紛いどころか犯罪行為そのものだ
「まぁ気にするな、教官はこれより厚いのを10冊持ってるぞ」
「知りたく無かったよ! 千冬姉のそんな痛い事実!!!」
なんで朝から心が砕けかける事実をカミングアウトされないいけないんだ
「ちなみにその写真集を使って、我が部隊の全員にブラコンの素晴らしさと一夏の愛らしさを布教していた」
「そんな過去聞きたくねえええ!!!」
自分の姉がそんな事をしているなんて信じたくなかった。
「まぁその話は金輪際しないでくれ。俺の中の常識が砕け散るからな、じゃあ顔洗うからどいてくれ」
俺がそう言うとラウラははっとした表情になり
「私が上でお前が下と……つまり私が絶対的に有利な訳だ」
「はっ!?」
足で腹を挟まれ肩の関節を押さえられ動くに動けなくなってしまう
「前の様に突然ではなく、今度はちゃんとした形で接吻しようではないか」
「アウト!! ラウラアウトだッ!!」
「私的にはセーフだ」
しれっというラウラ、くっまともだと思っていたが我が道を行く性格か!?
「ではまぁ頂くと……」
「何をしておるかああッ!!!」
扉が吹っ飛びラウラに向かっていく
「ちっ」
「へぶっ!?」
ラウラは回避したが俺はその扉の直撃を喰らった。痛む額を押さえながら入り口を見ると
「ラウラ、お前は何をしている!」
真剣を構えた箒がいた……箒は真剣を鞘に収め
「何故、お前が一夏の部屋にいる?」
「寝顔を写真に収めようと思ってな。その前に起きてしまったので失敗し残念な気持ちで下を見れば。私のせいで身動き取れぬ一夏が……ここで我慢するのもどうかと思い行動に出た」
真顔且つ冷静な口調のラウラに
「それは犯罪だろう!?」
「だが逆に聞こう箒。お前が同じ立場ならどうする?」
ズバッといってくれ箒
「………犯罪だ」
「その間は何だ! 箒!!」
幼馴染が少しわからなくなった……箒はばつが悪そうな顔をして
「助けてやったのにその顔はなんだ?」
「お前が即答で犯罪だって言ってくれたらもっと良い顔が出来たと思う」
ちょっと色々整理したい、ラウラのストレートすぎる思考回路とか、千冬姉がドイツで何をしてたとか、微妙に目を逸らしてる箒が実は魔王化してるんじゃないか?とか考える事は山ほどあるが
「貴様ら何をしている?」
「「!?!?」」
降臨した魔王がハイライトのない目で異形の日本刀を構え箒とラウラを睨みつつ
「さて一夏。不純異性交遊の現行犯として今日から私の部屋で暮らせ」
「嫌だーッ!!!」
肉食獣と同じ部屋なんて1秒でも拒否だ! 心が休まる時間なんて無いじゃないか!!
「まぁ拒否権は認めん。そして篠ノ之とボーデヴィッヒは一度地獄叩き込んでやる!!」
鞘から抜刀する千冬姉、あれって確か折れた斬艦刀だったよな……人間なんて頭から真っ二つじゃ……
「箒!」
「ああ! 今行く!」
窓を開き、そのまま外へと駆け出す箒とラウラに
「ま、待て!! 俺を置いてくな!!」
俺もあとを追って窓から外に飛び出し、横目で後ろを見る
「……そうか、お前はあの2人を選ぶとならば一度お前も地獄に落ちろ!!!」
鬼神モードの千冬姉の無慈悲な宣告を聞き、俺はそのまま全力逃亡を開始した……
結論から言うと俺達は無事生還した、途中で千冬姉の携帯がなり。職員会議らしく非常に不機嫌そうな顔で職員室に戻っていた……
「「「た、助かった……」」」
体力は限界まで削られたが命があることに暫くへたり込んだままで感謝していたが
「って飯食わないと遅刻する!!」
「そうだ!? 急がないと!!」
急いで部屋に戻り着替え食堂へと走り出した。朝からこんなに疲れるなんて不幸すぎる
一夏達が決死の鬼ごっこをしている頃龍也達はジェイルからの新型のネクロとカートリッジについてのレポートが来ていたのでそれに目を通していた
「素体はIS操縦者の可能性が高く、そのせいでISを展開できる。なるほどね、だからラファールと打鉄を纏っていたのか」
「でもそのせいで回復力が低く、カートリッジによる回復を主にしていると。なんでそこまでにしてこの世界の人間を素体にするのに拘ったんだろ?」
なのはに問いにはやてが
「並行世界間を自在に移動できるようなネクロがおらんのやろ。高位のネクロがそういった能力を持つ可能性が高いとは言うてもそうそう都合よくおらんってことやろ?」
「そっか。転移はどのネクロも共通だけど世界間移動できるネクロってそうはいないもんね」
遭遇した200体近いLV4ネクロのライブラリーの中でも世界間移動できるネクロは全体の約2割ほど。数はそう多くは無い
「となればまたIS関連の基地を襲撃する可能性が高いと」
「だな。今度は軍事関連のISを狙うかもな」
もとより戦闘型のISを狙ったほうが手間が少ないだろうしな
「そろそろ食堂行かないとHRに遅れるね」
「ん? そうだな」
フェイトに言われ時計を見るとどうも話しこんでる間に大分時間が経った様で、そろそろ出ないと不味い
「んじゃ行こう」
「で、お前はナチュラルに背中に乗るんだな」
「へへ。駄目?」
可愛らしい声でそう尋ねてくるはやてに
「好きにすればいい」
駄目と言っても降りる訳無いと判ってるし。私はそのまま背中にはやてを背負ったまま自室を後にし、食堂に向かった
「ん? 何か疲れた様子だな? 一夏」
「お前にだけは言われたくない。何なんだその状況は?」
状況? 背中にはやてがいて。それを親の敵を見るような目で睨んでいるなのはとフェイト
「何時も通りだが?」
「お前の日常がどうなってるのか気になるな。本当に」
私の日常なんて、何時も魔王に強襲されてドタバタと大騒ぎする物だ。
「で、お前は何故そんなに疲れた顔をしてる?」
まるで寝起きから全力ダッシュをしたような顔の一夏に尋ねると
「いろいろあってな。詳しくは聞いてくれるな」
どこか影のある一夏にこれ以上聞くのは得策ではないと判断し、自分達の分のトレーを持って一夏達の座る机の空き席に腰掛け朝食を食べ始めた
「しかし珍しいな龍也達もシャルロットも遅れるなんて」
時間にしっかりしてる龍也とシャルロット達らしくないと思いながら尋ねると
「なに。少し調べ物をしていてね。時間を気にしてなかったんだ」
「ぼ、僕はその二度寝しちゃって……」
言いにくそうに言うシャルロットだが、どうも少し俺から距離を取ってるように見え
「なぁ。俺のこと避けてないか?」
「うん? そんな事無いよ。うん、無いよ?……って言うか今一夏に近寄られると理性がログアウトしそうだし」
うん? ぼそぼそとなんか言ってるけど良く聞こえなかったな。まぁ小声で言うって事は大した事じゃないんだろ。そんな事を考えながらシャルロットの箸の使い方を見る
まえと比べて格段に上達している。箸で魚の骨もとるのも朝飯前といった感じだ
「兄ちゃん。あーん」
「自分の分あるだろうよ。まぁ良いがはい、あーん」
ナチュラルにあーんをしているはやてにそれに何気ない感じでその要求を呑む龍也
(なんか。龍也ってはやてに甘いような気がするな、でも家族と言えるのがお互いだけならこういうものなのかな?)
千冬姉もあんな感じだし、と思いこれ以上考えるのをやめる。複雑な家庭事情があるんだそう簡単に足を踏み入れて良い事ではない。
「い。一夏? ずっと僕のほう見てるけど、どうかした? ね、寝癖でもついてるかな?」
落ち着き無さそうにに尋ねて来るシャルロットに
「いや。ほらなんだ……先月はずっと男子の制服だったからさ。女子の制服のシャルロットは何か新鮮で可愛いなと」
「か、可愛い……そう言うこと言われると……我慢が……」
ん?何か地雷踏んだ? シャルロットが肉食獣の目で俺を見てるんだけど……まぁ気のせいか、俺はそんな事を考えながら食後のお茶に手を伸ばし
「いてえ!?」
行き成り足に踵落しを叩き込まれ更に頬をつねり上げられる
「人におしとやかな女が良いと言っておいてお前はずいぶん軽薄だな」
「一夏。シャルロットだけを褒めるんじゃない。私も褒めろ」
足をぐりぐりと力を込める箒とすこし面白く無さそうに頬を抓るラウラ。くっ?何だこの地獄は、どうすれば脱出できるんだよ
「全くそう言う事を言うものじゃないらしいぞ? 一夏、ん。出来たぞはやて」
「おおきに♪」
食事を終えはやての髪を整えている龍也にだけは言われたくなかった
キーンコーンカーンコーン
っておい!? 今の予鈴だよな……えっ? 予鈴?
「うわあっ! い。今の予鈴だぞ! 急げ!」
慌てて立ち上がるテーブルには既に俺1人。箒・ラウラ・シャルロットは既に猛ダッシュを始め。龍也に至っては背中に3人背負い猛ダッシュ。相変わらずの人外さだ……
「お。俺を見捨てるのか! 今日は千冬姉のSHRだろ?」
遅刻=死OR捕食である。どちらも死亡フラグだ
「私はまだ死にたくない」
「右に同じく」
「ごめんね。一夏」
「犠牲者は最小限でいい」
俺を見捨て走っていく龍也達の後を追って走り出す。生徒玄関で上履きに履き替えていると
「ほら、一夏」
上履きに履き替えたと同時に誰かに手を握られる。誰かと思ったらシャルロットだ。一緒に死んでくれるのか!?
「飛ぶよ、一夏」
「へ?」
俺の手を握りそのままISを部分展開し飛び上がる
「おわっ!?」
その強い力に引っ張られあっと言う間に3階に到着。しかしそのスカートで飛ぶのは止めた方がいい。その下着が見えて
「一夏だから見せたんだよ?「死ね」っっつう!?」
そう笑ったシャルロットの頭を鷲掴みにし吊り上げる腕
「敷地内での……ああ、IS展開についてはどうでもいいんだ。一夏に色仕掛けをした罪死を持って償え」
「あいたたたた!? 頭蓋骨が軋んでる!!」
シャルロットの頭を容赦なく締め上げる千冬姉は
「全く一夏、お前は私のものであると言う自覚を……「一夏は。先生の何かじゃない。僕のだ!!」ほう? よほど死にたいのか?」
ギリギリと締め上げられつつも目だけは決して屈服せず睨み返すシャルロット。どうしようこの修羅場
ガラ
「よし。セーフ」
「「「は!?」」」
背中に3人の美少女を背負い、のほほんと言う龍也登場……窓から
「八神。お前何をした?」
「壁を垂直に歩いてきただけですが?」
何でもないように言う龍也は窓を閉めながら言うがそれを絶対に普通じゃない。
「なにか気勢がそがれたな。今日はまぁ目を瞑ってやろう」
シャルロットを降ろした千冬姉は
「だが罰は与える。織斑とデュノアは校則違反として放課後教室を掃除しておけ。良いな?」
「「はい……」」
それくらいですんで良かったと思うべきだな。そうは思うがどうしても意気消沈してしまう
「さて、今日は通常授業の日だな。赤点等取らないようにちゃんと勉強に励むように。それと来週から始まる校外特別実習期間だが。全員忘れずに準備をしておくように。ではSHRを終る。各人今日もしっかり勉学に励めよ」
そう締めくくる千冬姉に
「あの山田先生は今日はお休みですか?」
何時も居る山田先生がいないことを尋ねる鷹月さんに千冬姉はそういえばと言ってから
「山田先生は今日は現地視察に行っているので今日は不在だ。なので今日は私が1日担当する」
おもいっきり忘れたと言う表情を見て。いつも苦労してる山田先生が不便に思えた……
そして今日も何時もと同じ日常が幕を……
「ああ、一夏、お前は最前列に来い。私がちゃんとみてやろう」
訂正、肉食獣の目の前でびくびくしながら授業を受けることになりそうだ……
なんだ、あの3人組は? 基地内を巡回中に見慣れない3人組を見つけた俺達は隊長に連絡を入れようとして、
「小隊長急いでください、あいつらシルバリオゴスペルのハンガーに向かってます」
イスラエルとの共同開発の軍事用ISを奪取されるわけには行かない
「判った、こっちは倍の6人だ、あの女がISを使えたとしても仲間を人質にすれば投降するだろう」
俺はそう判断し3人の後を追った
「急げラクシュミ。あのウサミミ女に渡されたプログラムをインストールしろ」
「無理を言わないで……プロテクトを突破して、偽装には時間が掛かる。気が短いのは損をする」
「いや、もう損をしてるようですよ。人間です」
赤紫の髪と青紫と普通の人間ではありえない目と髪を持つ黒い服の男と、額にΣのマークが刻まれふわりとした緑色の和服を纏った女と長い黒髪にコバルトブルーの目をしたカソックの男が振り返る。見た目は何の変哲も無いが、俺達は無意識に数歩後ずさった
(なんだあの目は!?)
瞳孔が縦に割れた明らかに普通ではない6つの目に見つめられ、本能的に感じ取ったのだただの人間ではないと
「捕獲を断念。射殺する、構え!!」
アサルトライフルを構えると赤紫の髪の男がその手に何時の前にか現れた剣を構えこっちを睨んでいる
「ここは私がいきましょう。ペガサスはラクシュミの護衛を頼みます。彼女は戦闘能力が無いですから……それにそろそろ交換の時期なんですよ」
「ヴォドゥン、判った」
ペガサスと呼ばれた男がその手の剣を消し女の横にしゃがみこむ。その2人の前にヴォドゥンと呼ばれた男が立ち
「貴方たちは神を信じますか?」
「は?」
「ですから神を信じますか? と問うているのですよ?」
にこにこという男に
「俺達は軍人だ、祈る神などいない」
「そうですか、なら丁度良いですね。我が神にその命を捧げれる事に感謝なさい」
にやりと笑うカソックの男は懐から何かの機械を取り出し腰に当てる。すると機械からベルトの様なものが現れカソックの男に腰に装着される
「その命、神に捧げなさい!」
【プロヴィデンス】
金色のUSBメモリの様な物のボタンを押すと機械合成音でプロヴィデンスとコールされる、それを腰のベルトのスロットにセットし
「変身」
ベルトのスロットを傾けると凄まじい風が男から放たれ一瞬視界をふさがれる。そして俺たちが視界を取り戻したときそこに男の姿は無く代わりに
「ふふふ、では参りましょう」
カソックの男は黒い装甲に包まれ。黄色の複眼、漆黒のマントを纏った異形の戦士がそこには居た。
「な。なに……「遅いですよ」ぐぼっ!?」
その異形の姿が掻き消え離れた所に居た曹長の身体を腕で突き破っていた
「ふむ、残念貴方には適性がなかったようですね。ではその罪を地獄で償いなさい」
異形が曹長の頭を踏み抜くとそこから曹長の身体が腐り見る見る間に身体を溶かし消えていった
「ば、化け物おおおおッ!!!」
「誰が化け物ですか。私は神の使徒ですよ」
また異形の姿が掻き消え、仲間の一人の首を手刀で切り落とし、もう1人には強烈な蹴りを叩き込み6Mほど蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた男は血の泡を吹き数回痙攣したかと思うと、曹長と同じ様に身体が腐敗し消え去った
「うわあああッ!!!」
錯乱状態になった軍曹がアサルトライフルを乱射するが異形のマントに阻まれ一発たりとも命中していない
「司令官、援軍……通じない?」
通信機に声を掛けるが何の反応何処かザーッと耳障りな音を返すだけだった
「結界を張らせて頂きました。貴方がたはもうどこにも逃げれない。我が神の愛を受け入れるのです」
【プロヴィデンス マキシマムドライブッ!!】
腰のメモリを足にあったスロットに填めると異形が姿を変えたとき同じ声がし
「はああああッ!!」
異形の右足に黒いオーラが集まり、それと同時に辺りがその黒いオーラに侵食され腐り始める
「はっ!!」
金属性の床を溶かしながら異形が走る。狙いは俺!? 逃げないとならないとわかっているのに身体動かない
「隊長!!」
「うお!?」
横から突き飛ばされ尻餅をうつそして
「うが…ううああああああッ!?!?」
異形の蹴りを喰らった陸尉は今までの非ではない悲鳴を上げる
「おお、貴方は神の愛を受け入れたのですね!」
異形が嬉しそうにそう言うと陸尉の身体は闇に包まれる
「貴様陸尉に何をした!!」
「何って聖痕を刻んだんですよ。すぐに彼は新しい進化した人間になる」
「ぎ……ギアアアアアッ!!!」
凄まじい咆哮と共に陸尉を覆っていた闇が弾き飛びそこから黒い異形が姿を見せた
「くろい……悪魔」
報告であったイギリスのISを奪取したという悪魔。嘘だと思っていたが目の前で見ると信じるしかない
「ご存知でしたか? しかし正式には我らはネクロと言います。まぁすぐにそんな事など判らなくなりますがね? しかし少しお待ちを」
異形は左腰に下げた銃を取り出しそれに足のメモリをセットする、その銃口は逃げ出した陸尉の背中を狙っている
【プロヴィデンス マキシマムドライブ】
「神の愛を受けなさい」
俺が止めるまもなく異形はトリガーを引き漆黒の弾丸を打ち出した
「ご。ごはっ……」
背中から打ち抜かれた陸尉はそこから一気に腐食し地面に倒れるまでの僅かな時間で骨になり、地面に当たると同時に骨が砕け散り灰となった
「なにを……」
「私の能力、「腐敗の教義」はISであれ機械であれ、人間であれ、魂さえも腐食し腐らせる。これが神に与えられた私の能力ですよ人間」
腰のベルトのメモリを外したカソックの男は袖を巻くりあげ
「うっ!?」
そこには腐り骨が見えている腕があった
「この身体はもう限界なんですよ。だから新しいからだが欲しいんです」
「あっ」
理解したこの男は俺の身体を
「あああああッ!!!」
男が叫ぶと男の背中から骸骨が現れその腕で俺を掴む。今までの男の身体は灰となっている
「新しい身体を持って私は更に神の愛を世界に伝えるのです」
「うっぐ……ぐあああああ!!!!」
俺の身体に異形の骨が突き刺さりそこから異形が俺の身体に入り込んでくる。痛い魂が消えていく……
ただ感じる激痛と自分が消えていく感覚それが俺が最後に考えた事だった……
「ふう。やはり新しい身体はいい」
灰の中のカソックを取り出しそれに付いた灰を払ってから着込みラクシュミの元へ向かう
「どうですか?」
「完了した……」
「それは結構。ところでペガサスは?」
「帰った……もう敵も居ないから俺の仕事はないと」
「全く彼は」
神の徒としての自覚が無さ過ぎる。ベルフェ様やネルヴィオ様の様に積極的に神の愛を布教してくれれば良いのに
「帰ろう。証拠隠滅は?」
「やりましたよ? 6名の軍人は最初からこの基地には居なかったとね?」
全ての者に神の愛を教えたいがやりすぎるなとベリト様に注意されていたので精神操作をし、そこからあの6人の前に現れたのだ
「ではそろそろ帰りたい。私は現場に出るタイプじゃないから」
「ありがとうございました、ラクシュミ。さて貴方もこちらへ」
「グルルル」
ネクロと化した軍人をこちらに招き寄せ
「貴方もエデンに入る資格を得たのです。さぁ参りましょう」
新しい神の徒も増えた、これで私達の今回の仕事は終わりだが
(しかしなぜベエルゼ様があの束とか言う人間に力を貸すのか判りません)
もっとも神に近い神格を持つベエルゼ様の指示なら私に逆らう理由はないのだが。どうにもそれだけが気がかりになっていた
「どうしたの?」
「いえ。なんでもありません。戻りましょう」
ラクシュミの声に我を取り戻し私は神の居城へと転移した……
人気の無くなったISハンガーではシルバリオゴスペルのヘッドバイザーが不気味な赤い光を放っていた……
第41話に続く
えーとライダーです、ライダーっぽいの出してみました。仮面ライダーじゃん。W?見たいな突っ込みはスルーしますのであしからず・
次回からは本格的に3巻の話に入って行きます。あと3巻では大量?にネクロも出ますのでどうかおたのしみにそれでは失礼致します