それでは今回もどうか宜しくお願いします
PS 活動報告にて夜天の守護者の続編のアンケートしています。詳しくは活動報告に書いてあるので、どうかそちらも宜しくお願いします
第41話
臨海学校前の休み、私ははやて達と共に街に来ていた
「いやーギリギリで準備は好きやないんやけどしょうがないよなー」
「そうだね」
フェイトとはやてが話すのを見ながら歩いていると見覚えのある、ツインテールと金髪、それにその後ろに銀髪の女子が植木の影に居るのが見えた
「なのは、あれ……」
「ですよね。私もそう思いますよ」
私となのはの視線に気付いたはやても其方を見て笑いながら、3人の後ろに近付き
「ストーキングか?」
「「「!?!?」」」
気配を殺していたはやての接近に気付かなかった3人が驚いて振り返り、私達を見て
「なんだ。龍也達か」
「驚きましたわ」
「まだまだ未熟だな」
三者三様の反応をする鈴達に
「何してるんだ?」
そう尋ねると鈴が手に持っていた空き缶の残骸をゴミ箱に放り投げながら
「一夏とシャルロットが2人だけで出かけてる……だから一夏を……一夏を……」
瘴気を撒き散らす鈴は無視しラウラに
「一夏とシャルロットが出掛けてるを見つけたからつけて来たのか?」
「うむ、それもあるが、水着も買いに来たと言うのが本来の目的だ。お前達は?」
「私はなのは達に誘われたから着いて来ただけだ。海で泳ぐ気はないからな」
肩を竦めながら言うとセシリアが
「何故ですの?」
「あのな? 私は前の襲撃の時に身体に穴空いたんだぞ? まだ塞がりきってない傷跡を見たいか?」
顔を青褪める鈴とセシリア。いかん……トラウマになってるのかもしれない
「と、言うわけだ。残念ながら泳ぐわけにはいかんので、釣りでもと思い竿を買いに来た」
私の目的は水着ではなく釣竿にある。そう言いながら横断歩道の先を指差し
「一夏とシャルロットを見失うぞ?」
既に人ごみに紛れ始めてる2人を指差しながら言うと。3人はじゃあと言ってから一夏達の後を追って移動を始めた
「いや、積極性高いよなー」
「大体お前のせいだと思うがな?」
そんな話をしながら私達もレゾナンスに向かって歩き出した
俺は今、人生最大の危機を迎えていた
「一夏、10秒やろう。納得の行く説明をしろ」
鬼神のオーラを纏う千冬姉と
「いい加減に弟離れしたらどうでしょ? ブラコン」
魔王のオーラを纏うシャルそして
「あわわわわ」
2大魔王のオーラにやられて涙目でブルブル震えてる山田先生。
とても混沌とした状況だった……
(どうしてこうなった……?)
多分20分前のシャルの行動が全ての始まりだったと思う
「あの、シャルさん? 水着を持って試着室に行くのは判ります。ですが何故に俺の手を引くのですか?」
万力かと言いたいくらいの力で俺の手を握り締めるシャルにそう尋ねると。シャルはにこりと微笑み
「水着って着て見ないと判んないでしょ? だから来て見るから見てもらおうっと思ってね」
それはそうだろうが、何故に俺まで試着室に連れて行かれる必要があるんだ
「すぐ、着替えるから!」
「それなら俺は外で待ってる!!」
「それは駄目」
外に出ようとするがシャルがバッと服に手を掛ける
「うおっ!?」
慌てて背を向けて目を閉じる。退路を絶つためとはいえ行き成り服を脱ぎ始めるシャルに驚きながら
(鈴や箒に見つかったら殺される……)
女子と2人きりで試着室に居るところを見られたら、弁明の余地も無く処刑に決定するだろう。俺は今日ここに鈴や箒がいない事を祈りながらシャルの着替えが終るのを待ったのだが
(お、落ちつかねえ……)
女子特有の甘い香りと衣擦れの音……この状況で落ち着ける男がいたら見て見たいものだ
「着替え終わったよ」
シャルの声と共に振り返り絶句する。
(やっぱシャルは美人だよな)
シャルの着ている水着はセパレートとワンピースの中間のようなもので、色は夏を意識にしたのか黄色。そして胸の谷間を強調するようなデザインをしている
「どうかな? 似合うかな?
少しだけ恥かしそうに尋ねてくるシャルに
「えと、凄い似合ってると思うし、綺麗だと……うおっ!?」
シャルがどんと手で俺の退路を塞ぎ光の無い目で俺を見る
「一夏……駄目だよ、そんな事言ったら……我慢が出来なくなるじゃないか」
魔王モードッ!? シャルが光の無いままの目で淡々と
「もう良いよね? 食べちゃっても良いよね?」
「だ、誰……むぐうッ!?」
口を塞がれ叫び声すらあげれない。そして魔王化による身体強化で振り解く事も出来ない
「ちょっと、ちょっと味見するだけだから」
イヤアアアアッ!!! 誰か! 誰か助けてーッ!!!
俺が心の中でそう叫んだ瞬間、ジャッと試着室の扉が開き
「何をしている貴様!」
「ちいッ!!」
千冬姉降臨、救世主だ
「一夏。不純異性交遊の現行犯として……捕食する」
「アウトーッ!!!」
救世主なんかじゃない、悪魔だった!!!
そして冒頭に戻る。
着替えたシャルと腕組してる千冬姉に睨まれ小さくなる俺、下手な事を言えば死亡フラグだ、慎重に何を言うか考えていると
「一夏ぁッ!!!」
水着の山の影から鈴登場、確率変動で修羅場に発展しそうだ
「おろ? 何の騒ぎや?」
「あ、織斑先生と何時もの面子だ」
「そうだね」
魔王軍襲来。超高確率で魔王フィーバーに発展
「ん? 何の騒ぎだね?」
帽子。クーラーボックス、釣竿が入っているであろうロッドケース装備の龍也登場
「助けて! 龍也!!!」
救世主は彼しかいない、俺はそう判断し、龍也に助けを求めた
「では一夏が悪いという事でこの議題は可決します。良いですね」
「「「意義なし」」」
「意義有あり!」
事情を聞いた私がなぜか裁判官となり互いの話を聞くことになった、水着売り場でする話題ではないと思うが、これは100%一夏が悪いと思う
「良いかね? 倫理観の問題だ。2人で試着室に入った時点でお前は有罪だ。諦めろ」
「そんな無慈悲な!?」
涙目の一夏を無視しクーラーボックスを叩いて
「では織斑先生の意見を通し。一夏に織斑先生の水着を選ばせるという事でこの議題を終了します。ただしRな展開は認めません。良いですね? そして公平なるジャンケンに負けた鈴たちは大人しく自分の買い物をする事。織斑先生の邪魔をしないと約束できるな?」
「多少不服だが、良いだろう」
「すっごい、不本意だけど良いわ」
「中立の方の意見ですから。異論は無いですわ」
「俺は嫌だ!」
一夏が嫌だと言うので
「ならば全員の水着を選び、そしてシャルロットと同じ様にする意見を出した。鈴の意見を採用しよう」
「ごめんなさい。心の底からゴメンナサイ」
恥も外聞も無く土下座する一夏を見ながら
「ではこれにて本法廷を閉廷します」
私はそう言ってからクーラーボックスとロッドケースを肩に提げ
「よし、では大人しく引き下がった鈴とセシリアにスイーツをご馳走しよう。アットクルーズとやらの1番高いパフェでどうかね? はやてが食べたいそうなので今から行くが。お前たちもどうだ?」
「え、良いの? 確か3000円でしょ? あれ」
「構わん。 大勢で食べたほうが楽しかろう」
うーんと暫く考える素振りを見せた鈴達だが頷いたので
「では私はアットクルーズに居るので。それは失礼を」
「では行くぞ一夏」
「はい……」
はんば連行される形で水着売り場に戻っていく一夏を見ながら私達はアットクルーズに向かった
「うわあ。良いねえこれ」
「そうだね」
パフェを見て嬉しそうなはやて達を見ながら自分で注文した紅茶を飲む
「あの、龍也さんはなにか食べる物は頼まないんですの?」
自分達だけと言うのが気掛かりなのかそう尋ねてくるセシリアに
「私は甘い物は好かん。気にしなくて良い」
良い紅茶だ。今度また飲みに来よう、そんな事を考えながらふと気付いた
「ところでラウラは?」
「「あっ」」
どうやらラウラとはぐれたようだったが……
「まっ、いっか今はパフェの方が大事だし」
「そうですわね、後で探せば良いですわ」
友達より食欲か……まぁ良いがね。私はそんな事を考えながら紅茶のお代わりを注文した
その頃ラウラはと言うと
「千冬姉はラウラに少し甘くないか?」
「ん? そうかもな、あいつは仮にだ、仮にお前と結婚したとしても私を尊敬してくれるだろうし、私の考えも理解してる。そう言う面では気に入っているぞ」
「珍しいな、千冬姉がそんな事言うなんて」
教官と一夏の話を聞きながら水着を選んでいると
「で、お前的にはラウラはどう見える」
「ん? 突然どうしたんだ千冬姉、何時もなら私以外を見るのは許さんとか言うのに?」
「なに。ただの気まぐれだ、で? どうだ?」
私の事を話していることに気付き悪い事だと思いながらも聞き耳を立てると
「そうだな……まぁ、可愛いとは思う……ぐああああッ!? 頭蓋骨がアアアア!? 自分で聞いてそれかアアア!?」
「やはり不快だな」
一夏を片手で吊り上げているであろう教官の姿が目に浮かぶようだ。私はそんな事を考えながら
(か、可愛い……つまりはあれだ、一夏は私に対してそれなりに好感を持っていると……)
バクバクと高鳴る胸を押さえこういうときに頼りになる人物に相談する為にISのプライベートチャンネルを開いた
『受諾。 クラリッサ・ハルフォーフ大尉です』
「わ、私だ」
即座に通信に応じてくれたクラリッサにそう言うと
『ラウラ・ボーデヴィッヒ隊長、何か問題が起きたのですか?』
「その大した問題ではないのだが。その……私は……可愛い……らしい」
『はい?』
間の抜けた返事をするクラリッサに
「その一夏がそう言っていてな……」
『一夏きゅんにですか!? なんと羨ましい』
興奮した声で言うクラリッサ、教官の布教はクラリッサに多大な影響を与えていると思う
「そ、それでだな、私はどうすれば良いのだ?」
『教官は?』
「教官は今……」
聞き耳を立ててみる
「少し仕置きが必要か」
「ぎゃああああッ!!! 頭蓋骨がアアア!?」
「一夏をアイアンクローで吊り上げている」
『どういう状況なんですか? そちらは?』
混乱しているクラリッサニ状況を説明すると
『なるほど、つまりは向こうは隊長が居るとは思ってないのですね?」
「そうなる」
『それは最高の状況ですね、本人のいない場所でされる褒め言葉に嘘はありませんから』
自信に満ちた口調のクラリッサに
「それで今私は水着売り場に居るのだが」
『そう言えば来週は臨海学校でしたね。 隊長はどのような水着を?』
「指定の水着にするつもりだが?」
『何を馬鹿な!? IS学園の指定水着はスクール水着でしたよね? それはたしかに強力なものですが、それでは色物の域を出ません! ここは勇気を出して一歩踏み込むのです!!』
熱弁を振るうクラリッサに
「ではどうすればいい?」
『私に秘策があります』
私はクラリッサのアドバイス通りの水着を探し購入することにした。クラリッサに礼を言うとクラリッサは
『いいえ、礼には及びません。しかし出来るなら……一夏きゅんの写真を数枚送って欲しいのですが……』
「判った、近いうちに送ろう、ではこれ以上プライベートチャンネルを使うのも不味いので切るぞ」
『はい、判りました。それでは武運を』
「うむ」
私はそう返事を返してISのプライベートチャンネルを切断し水着売り場を後にした。
丁度その頃ドイツの黒ウサギ隊では
「近いうちに隊長が一夏きゅんの写真を送ってくれるそうだ!」
「「やったーッ!!」」
黒ウサギ隊……各国には最強部隊として知られているが、ドイツ本国では織斑千冬に洗脳された部隊として有名だ
「一夏きゅんにあって見たいな♪」
「王子様みたいなのかな?」
「ワイルド系なのかも?」
あった事の無い一夏に対する妄想が爆発していたりするのだが……それを一夏が知る事は恐らく無いだろう……
「うん? エリス。簪は?」
集合場所に簪がいないことが気になりそう尋ねるとエリスは
「なんか行きたくないって駄々捏ねてるんですよ」
やれやれと肩を竦めるエリス……よしならば。荷物をバスの荷台に乗せ山田先生に
「私は自分の足で行くんで先に行ってて下さい」
「え? 八神君どこへ行くんですか?!?」
「龍也君どうするつもりなんですか」
「迎えに行って連れて来る。後で旅館で合流しよう、ではな」
私はそう言うと簪を迎えに行く為に寮に向かった
「おーい。簪いるか?」
「な、なに?」
ひょこっとドアの隙間から顔を出した簪に
「臨海学校に行くぞ」
「ええ? 私は良いよ……」
首を振る簪に
「きっと面白い。だから行こう」
「うう……でも……」
乗り気じゃない簪に
「エリスも待ってる、だから行こう」
な? と言いながら手を伸ばすと
「うー、じゃあ行こうか……な?」
おずおずと言う簪に
「決まりだな、では荷物を用意しろ」
「今からで間に合うかな?」
バスの出発時間まで後5分しかない事を言う簪に
「心配ない、ちゃんと足は用意してある」
「足?」
首を傾げる簪に
「見れば判るさ。だから安心して準備するといい。寮の外で待ってる」
「う、うん」
部屋に戻った簪、暫くすると部屋の中からドタバタと言う音が聞こえて繰る慌てて準備をしてるのだろう。私はクスリと微笑み寮の外へ向かった
「誰もいないな?」
念の為に辺りを見回してから寮の影で
「べヒーモス」
バイク型のデバイスを呼び出し、それを押しながら寮の入り口に向かうと
「へえ、随分とごついバイクね」
「楯無か」
「はーい」
入り口のところに腰掛けている楯無に声を掛けられる。展開するところは見られてないよな?
「バイクの免許まで持ってるんだ」
「必要だからな」
サイドカーに簪の荷物を乗せれば良いだろう。サイドカーの中身を整理しながら返事を返すと
「なんで簪ちゃんを誘いに行ったの?」
「思い出と言うのは大事なものだと思う。だからかな?」
サイドカーの整理を終えたところで慌てた様子で簪が来てべヒーモスを見て
「凄い……バイクだね」
「うむ。私のISを造った変人科学者が造った物だ。MAXで700キロでる」
「……本当?」
「バイクで耐えれる速度なの?」
驚いた様子の簪と楯無に
「ギリギリ耐えれるそうだが乗ってる人間がブラックアウトする危険性がある、だから通常運転で行く」
べヒーモスに乗りサイドカーを指差す
「サイドカーに荷物を乗せて乗れ。二人用のサイドカーだから余裕はある筈だ」
サイドカーに荷物を乗せ乗り込んだ簪にスペアのヘルメットを渡しエンジンを掛ける
「事故らないでよ?」
「ふっ、そんな心配は必要ない、ではな楯無」
私はそう返事を返しバスの後を追って走り出した……
第42話に続く
旅館までは辿り着けませんでした。上手く纏め切れなかったせいですね。次回は旅館と海それに天災の強襲の予定です。
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします