IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はやっと海編になります、そして天災襲来ですね。それでは今回の更新もどうか宜しくお願いします


第42話

 

 

第42話

 

「あれ? はやてさん、龍也居ないけどどうしたんだ?」

 

バスに龍也が居ない事に気付きそう尋ねると

 

「ん? 簪迎えに行ってから来るってさ。もう追いついてくるんや無いかな?」

 

「はやて、ここは高速道路だよ? どうやって追いついてくるの?」

 

シェンさんが呆れたように呟く中、バスの外からバイクのエンジン音がする。窓の外を見ると

 

グッ!

 

サムズアップする、バイク乗りと目が合う、かなり大型のサイドカー付きの漆黒のバイクに跨り風に靡く銀髪……ぶっちゃっけ龍也だった

 

「おおい!? なんだあの大型バイク!?」

 

「なんだ。どうしたんだ……あれは龍也か?」

 

「凄いですわね、物凄く絵になってますわ」

 

「市販のものでは無いな? 改造品か?」

 

俺の声につられて窓の外を見る箒達、バスの横を追走する大型バイクを見ていると

 

「おっ、電話や。もしもし?」

 

はやてさんが電話に出ると

 

「ああ、兄ちゃん。どうしたんや?」

 

っておい!? バイク運転中に電話かよ!? サイドカーの簪さんがあたふたと慌てているのが見える

 

「ふんふん、ホイ。一夏電話や」

 

「俺に!?」

 

渡された携帯を受け取る

 

『よお、一夏何をそんなに慌ててるんだ?』

 

『ハンドル片手じゃ危ないよッ!!!』

 

のんびりした口調の龍也と慌てている簪さんの声を聞きながら

 

「危ないだろうが! 早く電話を切れよ!!」

 

『ああ、判っている。次のサービスエリアで簪をバスに乗せる、山田先生か付き添いのツバキさんニそう言っておいてくれ、ではな私は先に行く』

 

そう言うと電話は切れ、バスの外のバイクのエンジン音が更に高まり急加速していく、一瞬目が合った涙目の簪さんが酷く可哀相に見えた

 

~次のサービスエリア~

 

「吐く……」

 

「大丈夫かぁ?」

 

気持ち悪そうに目を回している簪さんの背中を撫でている龍也が駐車場に居た

 

「おっ、バスが来た見たいだぞ? 乗り換えるか?」

 

「うん……」

 

フラフラと歩き4組のバスに乗り込む簪さんを見ながら龍也のところに行く

 

「随分ごついバイクだな」

 

「ああ、私のISの製作者策の700万馬力のモンスターマシンだからな」

 

どんな方法で作られたんだよそれ……俺が呆れていると龍也はコートを脱ぎサイドカーに被せる。するとサイドカーが消える

 

「それ本当にコートなのか疑いたくなる」

 

「一応コートだ。気にするなよ? 細かい事を気にすると早く年を取るぞ」

 

からから笑う龍也はペットボトルのスポーツドリンクを飲みながら

 

「それにたまには気分転換しないと潰れそうなんだ」

 

「……どんまい」

 

そうだった特上級の魔王に悩まされている龍也には気分転換が必要なのだろう

 

「ほれ、さっさとバスにもどれ。乗り遅れるぞ」

 

「ああ、じゃあ、海でな」

 

「おう」

 

バスに戻り暫くすると走り始めるバス。龍也はのんびりと景色を見ながら休憩していた。バイクだから直ぐに追いつけるのだろうと考え俺はまた窓の外を見始めた。何でかって?

 

「「「……」」」

 

「にい」

 

俺の隣で勝ち誇った笑みのシャルとそれを親の敵でも見るような目で見ている箒達と視線を合わせるのが恐ろしかったからだ

 

「あっ、龍也さんだ」

 

「本当だね」

 

のんびりとしたなのはとフェイトの声と同時に俺の隣に着く漆黒の大型バイク。窓越しでも魔王の瘴気を感じ取ったのか龍也は頑張れとでも言いたげにサムズアップをし一気に加速しあっと言う間に見えなくなった。俺はそれを見ながら

 

(俺もバイクがあったらなぁ)

 

意図的に視界に入れぬようにしている魔王同士のにらみ合いの気配を感じながら俺は深く溜め息を吐いた。

 

 

 

「何かえらく疲れてるな。一夏」

 

一足早く旅館に来て、一夏たちを待っていたのだが、疲労困憊と言う感じの一夏にそう尋ねると

 

「魔王が……魔王が」

 

「そうか。良く頑張ったな」

 

うわごとの様に呟く一夏を労い集合場所に向かう

 

「それでは、ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ、全員従業員の邪魔にならないように注意しろ」

 

「「「宜しくお願いしまーす」」」

 

旅館の女将さんに挨拶をすると女将さんが私と一夏を見て

 

「こちらが噂の?」

 

「ええ。まあ、今年は男子が2人いるせいで浴場わけが難しくなってしまいまして。申し訳ありません」

 

「いえいえ。それに中々しっかりしてそうじゃないですか」

 

「そう見えるだけですよ。私の弟は、ほら挨拶をしろ」

 

「お、織斑一夏です。宜しくお願いします」

 

「八神龍也です。3日間お世話になります」

 

一通り挨拶を終えた所で旅館に入り、荷物を置きに行く所からだろう

 

「ね。ね、おりむーとたつやん」

 

のそーと歩いてきたのは本音だ。にこにこと笑いながら本音は

 

「おりむーとたつやんの部屋ってどこ~? 遊びに行くから教えて~」

 

その問いかけに私は

 

「私は嫌々ながらはやて達と同室になのだが、おかしいと思わないかね? 本音普通は私と一夏で部屋を使えば良いと思うんだがね?」

 

うんうんと頷く一夏、やはり同じ意見か……

 

「所で一夏お前の部屋は?」

 

私は名前が書いて無いだけではやて達と同じ部屋だが、一夏の部屋はどこか知らず尋ねると

 

「お前の部屋はこっちだ、こい」

 

にいと魔王の笑みの織斑先生を見て一夏は

 

「すっげぇ。嫌な予感がする」

 

「まぁ頑張れ一夏」

 

一夏と別れ自身の部屋に向かい。まずは線引きと衝立を用意しながら

 

「良いか、こっちから先に来るなよ?」

 

はやて・なのは・フェイトが凄い不満そうに私を見るので

 

「なんだ不服か? なら私は外でテントでもはって寝よう。それならいいだろう?」

 

「「「不満なんてとんでもない。全然OKです」」」

 

声を揃えるはやて達に苦笑しながら持ち込んだ釣竿とクーラーボックスを担ぎ。

 

「では私は釣りでもしてくる。お前達は泳ぐなり何なりすればいい」

 

「龍也さんも泳げば良いじゃないですか?」

 

水着を用意しながら尋ねて来るなのはに

 

「あれだけ傷のある肌をさらせと?」

 

「あーそうでした。すいません」

 

幻術を使っても隠し切れぬほど私の身体には傷がある、中には貫通し背中にまで傷跡のある物もある、そんなのを見せればまたトラウマになる生徒が居てもおかしくない。そういった面も考慮してこその大人だといえるだろう。

 

「ではな。海でまた会おう」

 

なのは達も着替えるだろうし再度、旅館の入り口に向かい靴に履き替え。砂浜に出る、砂浜の先に岩場があるのでそこでならなんらかしらの魚が釣れるだろう

 

「で? 行き成り何があったんだ?」

 

砂浜では鈴を肩車する一夏と、それを睨むセシリアの姿があり困惑しながら尋ねると

 

「まぁ昔から鈴はこんな感じでな。引っ付いて来るんだ。そしてそれを見てセシリアが憤怒して居る、それだけさ」

 

そう苦笑する一夏を見ていると

 

「あ……そっか。うん……殺しちゃおう」

 

「鈴・セシリア逃げろ、シャルロットが魔王モードのスイッチを入れたぞ」

 

黒い笑みでフフフと笑うシャルロットに恥かしいのかパーカーを着ているラウラ。箒だけは姿が見えないがきっとその内来るだろう

 

「元気な事で何より、では私は釣りにでも」

 

回れ右して岩場に向かおうとすると

 

「龍也君は泳がないの?」

 

「どうして私服なんでしょうか?」

 

ワンピースタイプの水着の簪とエリスに尋ねられ、私は肩を竦めながら

 

「腹に開いた傷跡があるんでな。そう言うのを考慮した結果だ」

 

なるほどと頷く簪とエリスを見ていると。水着に着替えたなのは達も砂浜に出て来る。私が露出の多い服を好まないのを知っているなのは達は露出の少ない水着を着ている。やれやれ全員集合かと思っていると携帯がなる。誰だ

 

「ジェイル? なんだ?」

 

この世界に来ていると聞いていたが、突然の電話に驚いていると

 

『あと3分ほどで其方につく。空を見ろ』

 

空を見上げると飛行機から飛び降りてくる白衣の男の姿

 

『あの飛行機は?』

 

『ステルスでもぐりこんでいただけだ気にするな』

 

上機嫌のジェイルの声を聞きながら

 

「はやて」

 

「んーなんや?」

 

空を指差し

 

「天災が来るぞ」

 

「お。早かったなあ」

 

からからと笑うはやてに簪が

 

「天災って?」

 

「私達のISの製作者や。私のISを届けに来る言うてたから」

 

へーと話をするはやて達の話を聞いていると携帯から

 

『しまったあああああッ!!!』

 

「なんだどうした?」

 

その慌てた声にそう尋ねるとジェイルは

 

『パラシュート忘れたアアアア!?』

 

「そうか、でもお前なら大丈夫だろ?」

 

『大丈夫だが。危険だ、近くに居る生徒達を避難させてくれ』

 

ジェイルが落下予定の辺りを見る

 

「大丈夫だ。生徒は居ない」

 

『そっか、なら安心して墜落できる』

 

「ああ、心配ない。では切るぞ」

 

『また後でな』

 

携帯の電源を切り、近くの一夏達と今正に別館から出て来た弥生達に

 

「危ないから少し離れてろ」

 

「なんでだ?」

 

不思議そうな顔をする弥生に

 

「馬鹿が落ちてくる」

 

はっ?と言う顔をする一夏達を見ながら

 

「5・4・3・2・1……「のわああああッ!! へぷろぷっ!!!」0、言っただろ? 馬鹿が落ちてくるってな」

 

砂浜に逆さ向きでめり込んで足をバタバタさせているジェイルを見ながら私はそう呟いた

 

 

 

 

なんだ。あれ?

 

砂浜に突き刺さる白衣の男に絶句していると龍也が近付き

 

「おう、久しぶりだな」

 

足をばたばたさせていた男が足を器用に動かし始める、それを見たラウラは

 

「器用だな、足でヘルプと叫んでいるぞ」

 

やっぱそうか。足で文字を書いていると思ったよ

 

「OKだ。では少し息を止めていろ」

 

龍也が肩から下げたクーラーとロッドケースを地面に置き。数歩下がり

 

「ふんっ!!!」

 

「ごふっううううッ!!!」

 

助走をつけたサッカーボールキックで男の腹を蹴る。その凄まじい威力に砂浜から引き抜かれた男は回転しながら海に蹴り飛ばされた

 

「たたた、龍也君!? なにやってるの!?」

 

驚いた様子でそう尋ねる簪さん、って言うか俺たちも驚いている

 

「大丈夫。奴はあの程度どうという事は無い」

 

龍也の言葉から数分後、海からザバザバと出て来る白衣の男は頭から出血しながら

 

「ふー。死ぬかと思った。流石にあれだな、龍也上空4000Mからのフリーフォールは死ねるな」

 

「ははは、冗談抜かせ、その程度でお前が死ぬものか」

 

「それもそうだな。はははは」

 

頭から噴水の様に血を噴出し笑っている男の姿、どう見てもトラウマものだ

 

「おい、ジェイル、皆が鈍引きしているぞ、血くらい拭け」

 

「それもそうだ」

 

笑いながら血を拭うと噴水の様に噴出していた血は嘘の様に止まっていた

 

「えーと? あの怪我は?」

 

驚いた様子で話しかけるシェンさんに白衣の男は

 

「うん? ああ、あの程度なら直ぐ治るよ。私は骨折でも1時間もあれば治るからね」

 

……人間ですか? 貴方は……普通骨折は1時間じゃ治らないです

 

「ジェイル、皆驚いている自己紹介くらいするべきだろう?」

 

「おお、それもそうだね」

 

違います。俺たちが驚いているのはそんな些細なことではないです。

 

「初めまして、代表候補生の皆さん。私の名はジェイル・スカリエッティだ。気軽にドクターでも呼んでくれたまえ」

 

からから笑うスカリエッティさんは面白い物を見たと言う表情で

 

「さて。龍也、IS学園で落とした女生徒はだ……へぶうっ!?」

 

神速の裏拳で地面に突っ伏すスカリエッティさんに龍也が

 

「お前は何を言っている?」

 

「ん? 嫌ね。龍也は呼吸するが如くフラグを乱り……「どっこしょ」へぐうっ!?」

 

スープレックスで地面に突き刺さるスカリエッティさん

 

「お前は頭が沸いてるのかね?」

 

龍也がげしげしと頭を蹴っている、こんな龍也初めて見た

 

「だって君はナチュラルボーンフラグメーカーじゃないか? きっと面白い事になっていると思ったんだがね?……龍也その振りかぶった金属バットは何かね?」

 

龍也が金属バットを思いっきり振りかぶっている。龍也はイイエガオで

 

「スイカ割りをしよう。だがスイカが無いのでお前の頭をかち割ってやろう」

 

「ははは、冗談きつい……ぐあっ!? 本気か!? 本気で私をオオオッ!? ぎゃあああああッ!!!」

 

断続的に響く鈍い音に思わず顔を背ける、しばらくすると悲鳴が聞こえなくなる。恐る恐る目を開くと

 

「すまないな、馬鹿の処刑は終った」

 

ピクピクと痙攣してるスカリエッティさんだったものから意図的に視線を逸らす

 

「え? えーとあれ死んでるんじゃ?」

 

弥生さんがそう尋ねると

 

「はっはっは! 私はこの程度では死ね無いよ」

 

ゾンビ宜しく立ち上がるスカリエッティさんは

 

「私の予想では2人から3人だと……ぎゃーっ!!! 折れる! 折れる!!! 私の右腕がアアア!?」

 

関節技を極められ地面に転がされたスカリエッティさんが悲鳴を上げる中。はやてさんが

 

「大丈夫、大丈夫。あれは兄ちゃんとスカリエッティさんのスキンシップやから」

 

その割には龍也が本気で腕をへし折ろうとしてるように見えるんだが

 

「やあ、お嬢さん方、君達だね? 龍也を好いているのは目を見れば判るよ」

 

「「!?!?」」

 

驚く簪さんとエリスさんを見て関節を極められながらスカリエッティさんは良い笑顔で

 

「なに恥じる事は無いさ。恋に恋愛大いに結構。それが人が成長するのに必要なファクターだよ」

 

「どっこいしょ」

 

龍也は腕の関節を極めるのを止め、アルゼンチンバックブリーカーの態勢に入る

 

「だからこういうだろう? 恋せよ乙女と……ぎゃあああああ!? 背骨! 背骨が折れるううう!?」

 

「戯けめ、1度三途の川に叩き込んでやる」

 

ゆっさゆっさとスカリエッティさんを揺らす龍也、そして悲鳴を上げるスカリエッティさんを無視して、泳ぐ準備をするなのはさん達に

 

「良いの? 助けなくて」

 

「良いの、良いの。あの人タフだから」

 

そう言って泳ぎに行くなのはさん達を見ていると

 

「やあ。君が織斑一夏だね? ふむふむ。剣を振るうのに理想的な筋肉の付き方をしているね」

 

「!?」

 

平然とそう笑いかけてくるスカリエッティさんは俺に次にセシリア・シャル・ラウラ・鈴・弥生さん・エリスさん・簪さんと次々顔を見て

 

「ふむふむ。代表候補生の諸君だね。ブルーティアーズにラファール・リバイブ君達のISの情報は知っているよ。なにせ、なのは君とフェイト君のISのベースに使わせてもらったからね。それに君達のISもね」

 

からからと笑うスカリエッティさんにセシリアが

 

「え? 知っているとは?」

 

「んー? だから開示されている情報と衛星にハッキングして得た稼動データを元にね、作ったのだよ。なのは君の桃花にフェイト君のライトニングはね? まぁ零式とインフィニティアを重点的に作っていたからね。片手間で作ったから完成度は6割程度だがね?」

 

もしかして凄い科学者なのでは

 

「いやねーはやて君のISを作ったのは良いんだがね。フィッティグとかしないといけないことが多くてね。直接来たんだよ。本当はISコアの研究を進めたかったんだがね?」

 

からから笑うスカリエッティさんにラウラが

 

「待て。それでは貴様がISコアを作れるような口振りだぞ?」

 

そう尋ねられたスカリエッティさんは

 

「どうだろうね? そこは君達の想像に任せるよ。ではね」

 

ひらひらと手を振るスカリエッティさんは龍也と肩を組んで

 

「で? 本当の所はどうかね? あの子らの事をどう思……げふっ!?」

 

リバーブローで蹲ったスカリエッティさんに振り下ろしの拳を叩き込み意識を刈り取った龍也はロープでスカリエッティさんを縛り上げ、砂浜に埋まっていた岩を持ち上げそれに縛ったロープの先を縛り、それを抱えて回転を始めた

 

「まさか……龍也の奴?」

 

「いやーまさか、流石にそんな事しないでしょ?」

 

ラウラとシャルがそんな話をする中龍也は

 

「いっぺん死んでこいっ!!!」

 

躊躇う事無く重石付きのロープを投げ捨てた。重石に引かれ海に向かっていくスカリエッティさんは沖の方に水音を立てて、水没していった

 

「ふう」

 

「「「ふうじゃないっ!!!」」」

 

良い仕事をしたと言いたげに額の汗を拭う龍也にそう叫ぶ。今の殺人現場なんじゃ

 

「なに心配ないさ、あの程度で奴は死なん。前に惚れ薬を作って大騒動を起こした時、手足を縛って高層ビルの天辺から突き落としたがピンピンして、死ぬかと思ったと笑っていたからな」

 

龍也も大概だが、やはりそんな龍也の知り合いと言うだけあって普通では無いらしい。それ以前に惚れ薬という言葉に突っ込みを入れたいが、下手をすれば地雷と化すので黙っておこう

 

「どれ海岸で奴が来るのを待つか」

 

クーラーボックスに座る龍也を見ながら、俺は引き攣った笑みで

 

「とりあえず。俺たちも泳ぐか?」

 

「あーうん、そうだね」

 

同じく引き攣った笑みで返事を返すシャルたちと海に入りながらクーラーボックスに腰掛ける龍也を見る

 

「ああ、そういえば言い忘れてた」

 

「「?」」

 

不思議そうな顔をする簪さんとエリスさんに龍也は笑いながら

 

「いいな。その水着にあっていると思うよ?」

 

真っ赤で龍也から逃げさる簪さんとエリスさんを見ながら

 

(なんかスカリエッティさんが言ってた事が判るような気がする)

 

俺がそんな事を考えていると沖のほうからバシャバシャ音を立てて泳いでくる何者かの姿

 

「ふー、死ぬかと思ったよ。あと沖の方に鮪が居たから」

 

ずるずると何かを引き摺りながら上陸するスカリエッティさんの手には巨大な魚の尻尾

 

「鮪を捕まえてきたよ、龍也」

 

「大漁かっ!?」

 

かなり大きい鮪をまるでぬいぐるみでも引っ張るようにして引き摺ってくるスカリエッティさんにそう突っ込む

 

「ほう、良い鮪だ。解体するか」

 

「いいね。今日の昼は鮪の海鮮バーベキューと行こうじゃないか龍也」

 

はっははと笑いあう龍也とスカリエッティさんだが龍也が

 

「折角だあっちの磯で貝とか探しに行くか?」

 

「いいね、確か近くに料金を払えば、アサリとか取らしてくれる場所があったと思うぞ」

 

「それは良い。貝を餌にすれば黒鯛とかも釣れるな」

 

肩を組んで歩いて行く2人の姿を見ながら、俺は龍也達の人外さに呆れ果てていると

 

「ほら、一夏行くよ!」

 

「うおっ!? 手を胸に抱え込むな」

 

自分の胸元に俺の手を引きよせるシャルにそう言うと

 

「ふっふー良いんだよ? 胸を触っても?」

 

悪戯っぽく笑うシャルに

 

「ば、馬鹿言うな! って痛てえ!?」

 

「一夏の浮気者。スケベ」

 

鈴が踵で俺の足を踏み抜いている。ぐりぐりと足を捻る鈴

 

「痛い! 痛いって!?」

 

「女は胸だけじゃないのに。スケベ・馬鹿・浮気者」

 

鈴は一切俺の話を聞いていない、最近はやてさんと仲良いと思っていたが。一気に魔王化が進行している。この危機をどうすれば脱出する事が出来るのだろう?

 

「一夏、お前はまだ私の言う事を何一つ理解して無いようだな?」

 

はい、死んだー。俺死んだー、黒いビキニの千冬姉降臨。確率変動で三途の川直行もしくは捕食エンドのフラグ発生ですね。判ります

 

「やはりお前には1度、イロイロと身体に教えてやらねばいかんようだな?」

 

ハイ捕食エンドのフラグのほうですか。これなら三途の川ルートのほうがましです

 

「ブラコン。変態女」

 

「一夏は僕のだ」

 

「はっ、死ぬか小娘ども?」

 

あー確率変化で、捕食エンドから魔王大戦に巻き込まれるか……まぁ何とか生き残れるかな?

 

「「「あっ」」」

 

「げふうっ!?」

 

それぞれを狙った攻撃が外れ俺を捕らえる。宙を舞いながら

 

(本当最近こんなんばっか)

 

俺はそのまま背中から海に落ちた、意識を失う直前に

 

「一夏ーッ!!!」

 

ラウラの物凄く心配そうな声が俺が聞いた最後の言葉だった

 

 

 

 

「なにかようか?」

 

ウキを見ながら尋ねると

 

「何でわかったの?」

 

「別に気配でだな。で? 何の用だ簪?」

 

折角の海なのに私の所に来て何の得があるかね? と思いながら尋ねると

 

「見に……来ただけ。あの人は?」

 

「ん? ジェイルか? 奴なら貝を採りに行ってる。奴は貝が好きなんだ……とと来た」

 

ウキが沈み合わせを入れるが

 

「外したか……」

 

どうもタイミングがあわなかったようで空振り、エサを付け直していると隣にちょこんと座る簪に

 

「どうした?」

 

「見てる。泳ぐのは好きじゃないから」

 

そうかと頷き。餌を付け直し投げ入れる

 

「釣れないな」

 

簪が来る前に釣れたカサゴが2匹とセイゴが1匹、場所が悪いのかもしれない

 

「あのさ……」

 

「んー何だ?」

 

ウキを見ながら返事を返すと。簪は嬉しそうに

 

「お姉ちゃんと仲直りできたんだよ」

 

「ほう、それは何より。姉妹なんだから仲良くしないとな」

 

「うん♪ 龍也君。私も釣って見ていい?」

 

「良いぞ」

 

竿を手渡し隣でのんびりと海を見つめる。まぁ偶にはこういうのも良い物だ……

 

 

「何か出にくい雰囲気だ」

 

貝を採るのから戻った事を報告しようとしたジェイルがどうしようと、頭を悩ませているのだが……それに気付かない、簪と龍也であった……

 

 

第43話に続く

 

 




天才襲来、ドタバタだったと思いますが、どうでしたでしょうか? 次回は束さんと龍也&スカリエッティのエンカウントを予定しています。
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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