IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は時間を飛ばして旅館での夕食編と千冬さんメインのガールズトーク(ちょいシリアス)と束さんと龍也さんのエンカウントとイベント盛り尽くしで行こうと思いますそれでは今回もどうか宜しくお願いします



第43話

第43話

 

「龍也、スカリエッティさんは?」

 

昼間であったちょっと変わった科学者の事を尋ねると

 

「んー。空き部屋が無いから外にテントを張って寝るって言ったぞ。昼間捕った鮪と貝のバーベキューにして食うって言ってた」

 

向かい側に座る龍也、その右隣はなのは、左隣ははやてさん。更にその隣にフェイトとなっている

 

「しっかし、お前芸達者だな。その着物お前が作ったんだろ?」

 

「ああ、そうだ」

 

旅館での食事中は浴衣着用が義務付けられているが。龍也達は持ち込みの浴衣を着ていた、なのはは白をベースに花の刺繍が入ったもので、フェイトは濃紺に黄色の帯。はやてさんは龍也とおそろいの黒い着物に白い帯、龍也は

 

「しっかしなぜに背中に春一番?」

 

「なんとなくかな?」

 

龍也は黒い着物に紅い帯に加え背中には春の一文字。明らかに派手すぎるのだが、なぜか龍也が着ると様になっているから不思議だ。俺はそんな事を考えながら夕食に舌鼓を打っていたのだが、刺すような視線で俺を見る隣のセシリア

 

(あーやっぱあれか。昼間に約束した事守らなかったからか)

 

日焼け止めを塗ってやる約束だったが。シャル・鈴・千冬姉の一撃で意識を失った俺が意識を取り戻したのは3時ごろで、もうセシリアは自分で日焼け止めを塗ったと怒っていた、それが原因で不機嫌なのだろう、何か宥める手は無いかと思い考えいいアイデアを思いついた

 

「なぁ、セシリア。代わりといったらなんだけど、後で部屋に来てくれよ」

 

「あとで部屋に?……それは」

 

なんだセシリアのオーラが急にピンク色になったような? 

 

「はい、判りました! あとで必ず行かせていただきますわ♪」

 

何はともあれ機嫌を直してくれたみたいで何よりだ。そんな事を考えながら鍋を口にする

 

「うーん、美味い。この鍋の下味って何だろうな?」

 

「しょうが。山椒、あとは日本酒かな?」

 

「あーそんなきがするなあ?」

 

龍也は料理上手なだけあり俺と同じく鍋の下味を考えていた、やはり美味い料理を食べるとその味付けが気になるものだ、俺はそんな事を考えながら夕食を食べ進めた。ちなみに

 

「ねぇ、シェン。あたし、シャルロットとセシリアを殺したい」

 

「あ、ははは。ナイスジョーク」

 

「木刀と金属バットどっちがいいと思う?」

 

「ははは……鈴ってば冗談がきついなあ?」

 

「弥生ってメリケンサック持ってたわよね? 貸してくれない?」

 

「え……いや、 流石にそんなのは持ってないぞ?」

 

「冗談がきついね。本当。そんな話してないでご飯にしようよ」

 

「じゃあクリス。アーミナイフ貸してよ」

 

「持ってない。ラウラなら持ってるかも」

 

「お願いだから!! 冗談って言ってよ!! 鈴!! へぶっ!?」

 

「食事中は静かにしろ。ルゥ」

 

「り、理不尽すぎる……」

 

千冬姉の投げたお椀の蓋が額に直撃し、涙を流しながら崩れ落ちた……ああ! 数少ない常識人が!?

 

「やっぱ闇討ちかなー」

 

鈴の暗殺計画が実行されるかどうかはシェンさんにかかっている、無事に鈴を宥めてくれると良いのだが……

 

 

 

 

 

 

「かんちゃん顔赤いね。何かあった?」

 

「な。なにも!?」

 

本音にそういわれおろおろしてる簪に

 

「そう言えばお昼から見ませんでしたね。どこにいたんです?」

 

「えと。……えと……」

 

明らかに挙動不審だ。一体何が……

 

「たつやんと一緒?」

 

「ち、違うよ!? 龍也君の釣りを見てなんかないよ……あ」

 

自爆だ。盛大に自爆してる……

 

「「「これは面白い事を聞いたね」」」

 

「はっ!?」

 

恋話と言えば私にとっても興味のある話。しかも私の意中の相手でもあるわけで……

 

「これは是非詳しく聞きたいですね、皆さん」

 

「だね。更識さんは八神君狙いかー。勇者だね」

 

「うん、勇者」

 

魔王に挑む時点で勇者認定を受けた簪はおろおろしているが、既に囲まれているので退路はなく。そして夕食後、強制連行後何があったのか説明させられていた。要約すると

 

 

 

1 龍也君の釣りを見ていた

 

2 波の音と余りに釣れないので眠くなってきた

 

3 気が付いたら龍也君の膝を枕代わりに寝ていた

 

4 起きた時に笑われ凄く恥ずかしかった

 

との事。それを聞いた4組の女子はなんて羨ましいといって簪に詰め寄り。簪は布団にもぐって隠れてしまい出てこなくなった。それを微笑ましい気持ちで見ていると

 

「えーちゃん。凄く悔しそうな顔してる」

 

そんな事実は認めませんよ、本音……だがこの本音の発言で私もまた女子に囲まれる事になる……初めて同姓が怖いと思った瞬間でした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んあ? なんだあれ?」

 

「おろ? 何してるんやろか?」

 

夕食後ブラブラとはやて達と旅館内に防護結界の術式を刻んでいると、1つの部屋の前で扉に張り付いている。箒達を見つけ首を傾げていると、フェイトがこっそり近付き

 

「わっ!」

 

「「「「!?!?」」」」

 

驚き振り返る箒達に近付き

 

「何してるんだお前ら?」

 

「んー教員の部屋やね、あーなるほど、織斑先生と一夏の部屋か、なんや一夏が心配できたんか?」

 

「ばれたら怒られるよ?」

 

くすくすと笑うはやてとなのはと共に苦笑していると、勢い良く扉が開き箒達がドアに殴られ

 

「「「「へぶっ!!」」」」

 

10代乙女らしからぬ悲鳴を上げる箒達の前に

 

「何してる戯けども、それに龍也まで何してる?」

 

不審そうな顔をする織斑先生に

 

「いえ、ドアに張り付いていた不審者が気になりまして」

 

「まぁ当然だな。ドアに張り付いている不審者が居れば気にもなるだろう」

 

そう苦笑する織斑先生は

 

「ついでだ。偶には話でもするか。少し上がっていけ」

 

箒達にそう声を掛ける織斑先生に私は肩を竦め

 

「私は部屋に戻りますか」

 

「ほう何故だ?」

 

そう尋ねてくる織斑先生に

 

「これだけ女性が密集してる部屋に入れるのは相当な馬鹿か勇者でしょう? 私は残念ながらそのどちらでも無いので。失礼しますよ」

 

「じゃあ、私達も」

 

着いてこようとするはやて達に

 

「偶には同年代の人間と話すのも悪くなかろう? ゆっくり話して来いよ」

 

ウィンクしながらそう言うとくすりと笑うはやて達に

 

「では、またあとで私はこのまま外でテントを張っているジェイルと話してくるよ」

 

私はヒラヒラと手を振り外に出た

 

「よう、馬鹿元気か?」

 

「それなりにね。どうだい一杯?」

 

「未成年に酒を勧めるな戯け」

 

くっくっくと互いに笑いあい、差し出されたグラスを手に満天の星空を見上げ

 

「何に乾杯するね?」

 

「束の間の平穏にだな」

 

違いないと笑い互いにグラスをぶつけ合い

 

「「乾杯ッ!!」」

 

偶にはこう言うのも悪くない……と思ったのだが

 

「ういー。いい加減に結婚したらどうだね? はやて君になのは君、それにスバルやオットー。同年代から年下まで選り取りみどり……ぐはっ」

 

酔って戯けた事を言い出したジェイルにリバーブロー→ガゼルパンチと繋ぎ意識を刈り取り

 

「全く……こいつは」

 

気絶しているジェイルをみて苦笑しながら、私は星空を見上げウィスキーを煽っていた

 

 

 

 

 

なにこれ……あたしは目の前の光景に絶句していた

 

「ブラコンと言うのは掛替えの無いギフトだと思うんだ」

 

「あー判ります、判ります! 私もおなじ考えですから!!」

 

ブラコンとはやてが妙に仲良くなっている、さっきからブラコンについて熱く語り合っている2人を見ていると。何かを思い出したようにブラコンが

 

「そう言えばはやてと高町とテスタロッサは八神のどこが良いんだ?」

 

そう尋ねられたはやて達は

 

「んー私は兄ちゃんしか頼れる人居らんかったし。兄ちゃんは優しいしいっつも私のこと心配してくれるし。良い所しか無いですよ」

 

「私はあれですね、昔転んで泣いてる時に龍也さんに助けてもらってから好きですね」

 

「うん。私もそうかな、車に轢かれかけたときに龍也に助けてもらったんだよねー」

 

と龍也を如何して好きになったのかを語るはやて達は神妙な顔をして

 

「でもそれだけや無い、兄ちゃんは誰のかのためにしか生きて無い。それが嫌やから一緒に居るんや」

 

「何時か龍也さんが自分を愛せるようになるまで」

 

「龍也が自分の幸福を見つけれるようになるように」

 

龍也が自分のために生きていない? 自分を愛せるように? 自分の幸福を? 意味が判らず首を傾げているとはやてが

 

「兄ちゃんは私のお父さんのお兄ちゃんの息子やった。 でも兄ちゃんが3歳の時に死んで、兄ちゃんは遺産目当ての親戚に引き取られ、遺産が無くなったら施設に預けられた……兄ちゃんは誰も信じないで死ぬ事を望んでいた、兄ちゃんに会ったのは私が6歳の時、どこまで

 

もからっぽで、泣きも笑いもしなかった。それが私が始めてあった時の兄ちゃんやった」

 

今の龍也からは想像も出来ないわね。

 

「何回も何回も話しかけて、半年くらいでやっと喋ったり笑ったりしてくれるようになったんや……でもその代わり私の足は生まれつきの病気で動かなくなり始めとった。でもまぁ兄ちゃんが笑ってくれとるからいいかな? と思ってたら……今度は交通事故で私のお父さんとお母さ

 

んが死んだ。私には兄ちゃんだけが家族になって。兄ちゃんには私だけが家族になった……」

 

からっぽの笑みを顔に貼り付け遠くを見るはやての言葉を聞く。

 

「そっから兄ちゃんは自分の事は何にもし無くなった、足の動かない私を第1に考えて……遺産目当てで来る腐った大人に負けないように知識をつけて、私を守るために強くなった。その日から兄ちゃんの生きる目的は私を守ることだけになった。自分の夢も何もかも捨てて……

 

生きてる、それを見るのが嫌やから……兄ちゃんにも幸せになって欲しいし……なにより自分のために生きて欲しい。それが私の願いかな」

 

からからと笑うはやてに箒が

 

「龍也だって自分の好きな事をしてるんじゃ?」

 

「いーや、何にもしてへんよ。私の学費は私の遺産から、自分の学費はアルバイトで稼いで、生活費も全部兄ちゃんだけが働いて。 学校のほうは特待生になるくらい勉強して運動も出来るようにして……兄ちゃんの寝てる時間は2時間程度やった。生きるために必死……いや

 

……私を生かすためだけに必死やった。まぁあんたらには判らんと思うけどな」

 

暗い笑みを浮かべたはやてはしんみりした雰囲気のあたし達を見て

 

「あーべつにへこませようとか考えたわけで言ったわけじゃないで? ただ私のブラコンにはちゃんと理由があるって事で」

 

あははと笑うはやては

 

「んじゃさ? 鈴とかは何で一夏が好きになったんか教えてぇな?」

 

「え、なんであたしを名指しするのよ!!」

 

逃げようとするがなのはとフェイトに既に挟まれ逃げ道は絶たれている

 

「はやて、私はそう言うのを聞くのは不快だが?」

 

「偶にはそういうのを聞くのも良いですよ? 負けて堪るかと言う黒い炎が胸に灯る感じがして」

 

「駄目だろ!? そんな炎は!?」

 

常識人(?)の箒がそう突っ込むとなのはが

 

「嫉妬って強いんだよ? 箒、こうどす黒い感情が無限の力を……」

 

嫉妬を強さに変えるのは判るが。それは正直どうかと思う

 

「そう、殺してやりたいと思う殺意が……魔王に続く道を開く」

 

「……友達なんですよね?」

 

セシリアが顔を青褪めさせながら尋ねるとはやて達は楽しそうに笑いながら

 

「友達やけど……死ねって思ってる」

 

「大好きだけと大嫌い何だよねぇ」

 

「そうそう、好きだけど嫌いなんだよね」

 

あはははと笑いあうはやて達、とても笑いながら言える内容ではないと思うのだが?

 

「と言うわけで、更なる魔王化のススメという事でやってみたら良いやん?」

 

「私は別に魔王化したいわけでは……」

 

「私もそこまでする気は」

 

箒とセシリアがそう言うとなのはが

 

「じゃあ、シャルロットとラウラと鈴と織斑先生が更に魔王化が進むって事で」

 

その言葉に暫く黙り込んだ箒とセシリアは

 

「良いだろう。私もその話を聞こうじゃないか」

 

「敵を前に退くなんて情け無い真似は致しませんわ」

 

強い意志の光を瞳に映す箒とセシリアを見ながら。あたしは

 

「んじゃ。まずあたしからね」

 

そう前振りしてから話を始めた……夜はまだ始まったばかりだ……

 

「あのさ……その捕食者の笑み止めてくれないかな?」

 

「だが断る」

 

魔王化のススメ会議終了後に部屋に戻ってきた一夏はライオンも真っ青な笑みを浮かべる。千冬達とエンカウントしダラダラと冷や汗を流していたが。話題を変えれば助かると本能的に理解し

 

「そう言えばさ! 都市伝説の黄金の騎士ってどう思う!? 本当にいると思うか?」

 

ん? と言う顔をした魔王達は

 

「そう言えば色々と聞くな」

 

「ええ、私も聞いた事がありますわ」

 

「え? 何あんた達も? あたしも何回か聞いた事あるわ」

 

「皆も? 実は僕も聞いた事あるんだよね」

 

「私もだ」

 

そしてそのまま無し崩れ的に魔王化は解除され、全員で自分が聞いた事のある黄金の騎士の話を話し始めた、そして5分後

 

「で、纏めるとこうなるな」

 

黄金の鎧もしくは紅い外套を纏い、緋色の髪を持ち、左目が蒼銀。右目が真紅のオッドアイ

 

虚空から剣や斧を取り出し大多数相手でも互角以上に戦う。そして弓から剣や斧を飛ばす

 

龍の様な鎧と翼を持っているときもある

 

魔法陣を作り出し、ビーム? を撃つ。天が2つに分かれるほどの威力らしい

 

「……こんな奴本当にいるのか?」

 

「「「「「さぁ……」」」」」

 

一夏達が首を傾げている頃、龍也はくしゃみをしているのだが……それは全く関係ないことなので割愛しておこう

 

なお、魔王な姉は飲み過ぎで眠っていたりする……

 

 

 

 

 

 

 

合宿2日目。ISの装備とデータ取りの準備をしていると千冬姉が

 

「ああ、篠ノ之。お前はちょっとこっちに来い」

 

「はい」

 

打鉄の装備を運んでいた箒を呼び寄せる千冬姉。その直後

 

「ちーちゃーんッ!!!」

 

砂煙を上げて走ってくる人影。それは間違いなく箒の姉さんの束さんだ

 

「やぁやあ! 会いたかったよ、ちーちゃん! それに箒ちゃん」

 

箒に声を掛ける束さんに山田先生が

 

「あの、この合宿では関係者以外は」

 

「ん? おかしな事を言うね? ISの関係者といえば私以外の人物はいないよ? だって製作者だしね?」

 

からからと笑う束さんに毒気を抜かれた山田先生を見ながら千冬姉が

 

「おい、束。自己紹介位しろ」

 

「んーちょっと待って、1人話してみたい子が居るんだよね」

 

そう笑って束さんはするりと千冬姉の横を通り

 

「君が八神龍也かい? 初めまして」

 

そう笑って龍也をジロジロと見た束さんはにやりと悪い笑みを浮かべ

 

「君は君の正義の為に何人人を殺してきたのかな?」

 

え? 何を言って? 俺が首を傾げていると龍也は

 

「さぁ? ここに居る全員の手でも数え切れないんじゃ無いですかね? だから私は」

 

コートの中からサバイバルナイフを抜き放った龍也は束さんの喉元にそれを突き付け

 

「ここで更に手が血で塗れる事など気にしない」

 

「ふふ……良いねえ? その冷酷な目。流石は夜天の……おおう。怖い怖い」

 

龍也が無言で振るったナイフをばく転で交わした束さん、それは奇しくも千冬姉の近くで

 

「お前……本当に束か?」

 

そう尋ねられた束さんはふっふと笑い

 

「……やっぱりばれた。幼馴染には負ける」

 

声の感じが変わった、冷たさしか感じないそんな声に思わず背筋を伸ばし、警戒の態勢に入るが当の束さん(?)はカチーシャを操作していた。すると束さんの髪の色が更に濃い紫になり。髪とは対照的に目の色が薄くなり、着ていたワンピースのスカートの丈が短くなり胸回りの

 

生地が大きく張る

 

「……初めまして、織斑千冬。私はアズマ、アズマ・ワンイレイサ。束のお遊びで束の真似をしていた」

 

白ウサミミを外して投げるアズマと名乗った女性、するとウサミミが飛んだ方向から

 

「もー。もっと引っ張ってよ! アズマちゃん!!」

 

虚空から今度こそ本物の束さんが姿を見せる。2人並ぶと全くの同一人物に見える

 

「どういうことだ? 束?」

 

「んー前にね。どっかの国で束さんと勘違いされて追いかけまわされてたのが、アズマちゃんなのでーす!! はい拍手ーッ!」

 

「鬱陶しい」

 

「酷い!? アズマちゃんてば酷い!」

 

よよよと崩れ落ちる束さんとふんとそっぽを向くアズマ。何だこのやり取り。俺と箒が困惑してる中、束さんとアズマは

 

「アズマちゃん、ハグ。ハグしてよ」

 

「断る」

 

「そ。そんなあ」

 

そんなやり取りをしていた。アズマの後ろに回り込もうとする束さんとそれを回避するアズマを見ていると

 

「あの。頼んでいたものは?」

 

「あ、ああ。そうだね!! それはね既に準備済みだよ! さぁ!大空を見上げてごらん」

 

束さんが空を指差すと黒い戦車のようなものが落ちてくる

 

「あ、あれ?」

 

困惑している束さん、あれじゃないのか? それから時間差でコンテナが落ちてくる

 

「ま。まぁあの戦車は無視して。じゃじゃーん!! これぞ箒ちゃんの専用機「紅椿」! 全スペックが現存するISを上回る束さんのお手製ISだよ!!」

 

紅い装甲に太陽の光が反射して輝くISに見とれていると

 

「ふいー死ぬかと思った」

 

戦車からスカリエッティさんが出て来て

 

「やっ、はやて君。頼まれていた通りISを完成させて届けにきたよ!! 名付けて「夜風」君の腹黒い感じに合わせて真っ黒に……「死ね」……げふうっ!?」

 

はやてさんのボディーブローで蹲るスカリエッティさんの上に

 

「あ。あれ? 不味いな。私の上にISが……のっぎゃああああッ!!!」

 

戦車から降ろされたISがスカリエッティさんの上に乗る。そのあまりの重さに悶絶するスカリエッティさんが

 

「ヘルプ! ヘルプミーッ!!!」

 

「やれやれ」

 

龍也がしょうがないなあと言う感じでスカリエッティさんの腕を引いて引っ張り出す

 

「あー死ぬかと思ったよ。内臓破裂で♪」

 

はははと笑うスカリエッティさん等どうでも良いと言う感じで束さんが

 

「じゃあ、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか! アズマちゃん手伝ってね♪」

 

「判っている」

 

空中投影型のキーボードを展開し微調整を始める束さんとアズマ

 

「あとなのは君とフェイト君の搭載できなかった武装も持って来たから。ISを貸してくれるかな?」

 

戦車の横のボタンを押すと戦車が展開しISハンガーが3つ搭載された研究所に変形する

 

「夜風は真ん中。右隣に桃花、左隣にライトニングを置いてくれる? 調整始めるから」

 

鼻歌交じりに準備を始めるスカリエッティさんに山田先生が

 

「えーと貴方は?」

 

「初めまして。私の名はジェイル・スカリエッティ。ちゃんとIS学園に書類を出してこの臨海学校に参加できるように手筈をしていたと思うが。聞いてないかね?」

 

「あ、貴方が。はい確かに聞いてます」

 

納得と言う感じの山田先生を見ながらスカリエッティさんは

 

「じゃあちょっと一休み」

 

研究所の中の椅子に座り

 

「おーい、α。コーヒー」

 

「カシコマリマシタ」

 

「「「!?!?」」」

 

犬のような機械が変形し二足歩行になり、コーヒーとクッキーを運んでくる

 

「偉い偉い。さすがαだ」

 

にこにこと笑いそれを受け取ったスカリエッティさんを見ていると

 

「ん?αがそんなに不思議かね? ただの自立式のロボットさ。誰だって作れるだろう?」

 

そう笑うスカリエッティさんだがそんなロボット聞いた事も見たことも無い。本当は凄い科学者なんじゃ

 

「ごふう!? α! これ砂糖じゃなくて塩だ!?」

 

「モウシワケゴザイマセン」

 

塩入コーヒーを噴出しているスカリエッティさんを見て、実際のところどうなのか判らなくなった。俺やシャルル達が首を傾げている中束さんは

 

「ん~♪ 箒ちゃんまた剣の腕前があがった見たいだね。筋肉の付き方で判るよ。お姉ちゃんは鼻が高いなあ」

 

「……」

 

「あらら。無視されちゃった。束さん寂しいー、だからアズマちゃんハグして」

 

「嫌だ、さっさと終らせよう」

 

ちぇーと舌打ちした後

 

「はいフィッティング終り。後はパーソナライズは自動処理で終るから待っててね。じゃあ、その間にいっくん、白式見せて」

 

「はい」

 

白式を展開すると束さんが白式にぶっといケーブルを差し、表示されたフラグメントマップを見ながら

 

「んー不思議な成長をしてるねぇ? やっぱ一君が男の子だからかな?」

 

そう呟くのを聞きながら反対側で3機のISを同時にいじっているスカリエッティさんが見える

 

「ふっふーん♪ なのは君のISにはビット兵器と装甲の追加、フェイト君のには加速用のウィングとアーマーと一体型のブレードとレールガンを配置して。はやて君フィッティングは終ったから、後1分で動かせるようになるからね? 後で動かしてみてね?」

 

束さんとスカリエッティさんは同じくらい頭がいいようだが、全く感じが違う。スカリエッティさんは社交性があるように見える。俺はそんな事を考えながら束さんの白式の操作が終るのを待った……

 

 

~ハワイ沖の軍事基地~

 

試験稼動を予定されていた白銀のIS「シルバリオゴスペル」の登録操縦者、ナターシャ・ファイルスが乗り込んだ直後

シルバリオゴスペルのバイザーが紅く輝き。拘束していたハンガーを破壊し翼を大きく広げる

 

「な、ナターシャ!? 何をしている!?」

 

「そ、操作が出来ない!? ぼ、暴走……」

 

シルバリオゴスペルの全身を紫電が走り、その直後ナターシャの首が力無く下を向く。意識を失っているのは明白だが

 

「アアアアアアアッ!!!」

 

全身から光を放つシルバリオゴスペルは独りでに稼動し、基地の壁をぶち抜いて何処へと飛び去った

 

「な……なんてことだ」

 

茫然自失と言う軍の研究者を冷めた目で見る。赤紫の髪の男は数体のネクロを連れ闇に溶ける様に姿を消した……

 

 

 

第44話に続く

 

 




次回で赤椿の紹介とシルバリオゴスペルの話に入って行こうと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いしま
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