それでは今回もどうか宜しくお願いします
正月記念番外編 偶には素直になってみよう♪
全てのきっかけは私の不注意だった。夏休み中の義務となっている訓練を終ったあと……訓練を頑張った一夏達を労う為にアイスティーとケーキの準備をしながら
「おっと……茶菓子がないな。しまった」
毎日毎日。お菓子を振舞っていたら、流石に作りおきが無くなってしまった
「何かなかったかな」
食料とかの保存も兼ねている、黒いコートの中を探りお菓子を探す
「おっ。あった……? これなんだったけな?」
買った覚えのないクッキーの箱を目にして。暫く考え込むが……
「まっいっか。クッキーには間違いだろうし」
皿に取り分け。アイスティーのポットをカートに載せて。私は生徒会室に向かった……だがここで私は気付くべきだったのだ、クッキーの箱の裏にかかれた
【J・S特製。自分に素直になれるクッキー♪♪】
「お。何時もと違うクッキーだな」
「ああ。流石に作りおきが無くなったからな。今度また作らんといかんな」
そう笑いながら。クッキーを配る龍也にシェンさんが
「あーそうなんだ、あのクッキー美味しいから食べすぎちゃんだよねー」
「そうだな。売ってるクッキーと比べても遥かに美味い」
確かにな、あのクッキー美味いもんなと思っていると
「あれさ、今度作りかた教えて欲しいな」
「ん? 構わんよ。暇だしな」
からからと笑う龍也を見ながら、配られたクッキーを齧りながら。皆で雑談をしていたのだが、ふと生徒会室の空気が凍った
「でもさー。シャルロットも鈴も、あんな力づくをしてて良いと思うの? ……ってあれえ!?」
シェンさんが発言した後に慌てて口を塞ぐ。シャルと鈴は少しだけ怖い顔をしたが、気を取り直した様子で
「まー本当等は駄目だと思ってるんだけどね……あれ?」
「そうそう、他の方法が思いつかないっていうか……あれ?」
どうしたんだ? 何でそんなにしきりに首を
「じゃあ、やめてくれよ。俺毎回に死に掛けるの正直嫌なんだけど……あれ?」
言いたい事とは別の言葉が俺の口から飛び出した。反対側では
「見てる分には面白いんですけどね……え?」
「うむ、止める事で一夏の評価も上がるしな……ん?」
ラウラとクリスさんが首を傾げている……その様子を見ていた龍也は
「ま……まさか……」
クッキーの箱を引っ繰り返し。心底しまったという顔をしながら
「すまん……これ……ジェイルの薬入りクッキーだった」
「「「「「はあああああーーーーッ!?!?」」」」」」
前の臨海学校で出合った。色々とぶっ飛んだ科学者のイイ笑顔が一瞬脳裏に浮かぶ。え? 薬って何の薬を……まさか自白剤とかか? と考えていると
「いやー自分に素直になる薬とかでな。質問とかに全部素直に答えちゃんだな……これが」
あはははと笑う龍也に
「笑い事じゃない!! 何て事をしてくれたんだ!!」
「龍也君。少々それはうっかりが過ぎます!!」
「でも龍也君は天然なのが良いと思う……ッううううッ!?!?」
「そうだよねー天然系王子様は需要が……あああ。違う!! 違うのーッ!!!」
簪さんとシェンさんが爆発してる。慌てて口を塞ぐ俺達を見ながら龍也は
「まぁ。きまずかったら、自分の部屋でジッとしてれば良い。1時間くらいで効果は切れるから」
その言葉に我先にと口を押さえ部屋を出ようとするが
「駄目よ、駄目♪ そんな面白い事見逃すわけにはいかないわ」
楯無さんが生徒会室の扉の鍵を閉める。俺達は絶望な気分でもう1度椅子に座り。あはははと笑う龍也に
「「「「「この天然ど馬鹿ーッ!!!!」」」」」」
声を揃えてそう叫んだ……これくらい言っても罰は当たらない筈だ
「じゃあ。皆名前書いてね? その紙を箱に入れて私が引くわ。名前が書いてある人は潔く口を開く事、いいわね?」
生徒会長がからから笑うのを見ながら。自分の名前が引かれない事を祈る
「龍也君も食べたら? 連帯責任でさ」
それは良いと私達全員で龍也君を見るが
「そのクッキーってあれなんだよ。私が誰を好きか? 自白させるつもりで作られたらしいんだがな、私って毒物と薬物耐性があるから、効かないんだ」
龍也君のチート能力が1つ判明した瞬間だった。 もう龍也君を巻き込むことは出来ない……その事に絶望していると龍也君は
「あと、あんまりプライベートな事を質問したら、楯無よ」
「なに?」
真剣な顔で龍也君はクッキーを纏めて5個持ち
「お前にこれを食わせる。私は10個食べても平気だったが、お前はどうだろうね? 折角だからお前が隠している事を全部聞くのも面白いとは思わないか?」
目が笑ってない笑みに生徒会長が
「あ……あははは。そんな事しないわよ」
「そうかい? それなら良いがね?」
絶対聞く気だったと私は思った。多分皆も同じ……
「じゃあ最初はだーれだ」
生徒会長が名前を読み上げた
「シェンちゃん♪」
開かれた紙には私の字で私の名前が書いてあった
「不幸だ! 何で私なの!?」
何時もどうしてこんな目にと泣きたい気持ちで一杯だった……
「じゃあ。龍也君をどう思っていますか?」
「……ぐっ!」
慌てて口を塞ぐ。それは絶対に言いたくない、魔王に目をつけられるなんていう事態は回避したい。なので口を塞ぐが
「駄目じゃない。シェン、ルール違反よ」
「そうだ、暴露するが良い」
ヴェクトリアさんと鈴に手を無理やり口から退かされた。もう駄目だ……私は泣きそうになりながら
「まぁ……優しいし、格好良いとは思うけど……友達かな?」
もうやだ……手で顔を押さえたいけど、押さえられてるから顔も隠せない
「龍也君的にシェンちゃんはどう?」
何でそんな事聞くかな!? 慌てて龍也君を見ると
「活動的だし。性格もさっぱりしてるから、割と好きかな?」
絶対顔紅い……鈴が凄い良い笑顔をしてるのが無茶苦茶腹立つ……
「ナイスリアクションね! 良いわ。じゃあ次の人はー」
ごそごそと箱をあさる。生徒会長を見ながら私は椅子に座り。全員を見ながら
「皆も自爆しちゃえ。絶対許さないから……」
この恥辱。絶対に忘れる物か……絶対皆も同じくらい。恥かしい目に合ってしまえ。特に……
「よし、じゃあシェンは龍也にぶつけよう。魔王に挑む常識人。きっと面白いわ」
「そうだね。それでシェンさんが魔王になっても面白いよね」
くすくすと悪巧みしてる。鈴とシャルロットさんを見て
(駄目だね。あの2人は常にエンジン全開だから。この程度じゃ動揺しない)
魔王という渾名は伊達でもなんでもないわけだ……
「……勇者になるの?」
「無謀ですが、私も同類なので応援……忘れてください」
恐らく龍也君に想いを寄せているであろう。エリスさんと簪さんは出来れば。くじを引かれないといいな……数少ない常識人だし……となれば
(ヴィクトリアさん……貴女も地獄に堕ちなさい)
私の手を掴んだヴィクトリアさんを睨みながら……
(私明日からどんな顔をして龍也君の顔を見れば良いんだろう?)
友人ともいえる男子生徒との付き合い方を考えていた……
凄い目をしているな。私は明らかに怒っているシェンの目を見てそう思った。ノリでシェンの腕を掴んだの不味かったかもしれない。
「つぎはーあっ、ヴィクトリアちゃん♪」
「何故だ!? シェンの腕を掴んだからか!?」
因果応報って奴か!? もしこうなると判っていれば絶対そんな事をしなかったのに……
「じゃあ、ヴィクトリアちゃんの理想の異性像は?」
口を塞いでしゃがみ込む。この質問にだけは答えたくない
「爆発しなよ」
「はぐっ!?」
しゃがみ込んだ、シェンが私の両脇を突く。その突然の奇襲に驚き立ち上がると、シェンは素早く私の手を押さえ
「許さないから。指差して笑われなよ」
因果応報だ。これは間違いない、因果応報って奴だ
「わ、わ……私が……好きなのは……ち……父上様のような人だ……」
生徒会室が静まり返る……そりゃそうだ。この歳でファザコンなんてありえない
「笑え……笑えよ」
笑われたほうがましだと思い。全員を見るが皆気まずそうに目をそらす
「……そのごめんなさい。ヴィクトリアちゃん」
心底申し訳無さそうな顔をして、手を合わせる楯無に
「そんな顔をするなら最初から聞くなあアアア!!!」
もう嫌だ。泣きたい……私はシェンに
「すまなかった……」
「死ぬほど恥かしいでしょ? 嫌がることはやめようよ」
その言葉に頷き。私は体育座りでいじけ始めた……
うわ……悲惨だな。あたしはどんよりとしたオーラを纏う。シェンとヴィクトリアを見てそう思った。
ISを動かせる男子への自分の気持ちとファザコンであることがばれたヴィクトリアの精神ダメージはきっと凄い事になっているだろう。
その有様を見て全員が全員、自分の名前が呼ばれませんようにと祈っている。そして楯無先輩が次の紙を引いた
「弥生ちゃん」
「何でだよ!? 何であたしなんだよ!!!」
思わずそう叫んでしまうほどのショックだった……そして楯無先輩のあたしへの質問は
「ギリシャ代表候補生の貴女から見て。龍也君はどう思う?」
しにてぇ……あたしはそう思ったし、絶対喋るものかと思うのだが。意に反してあたしの口は開き
「結構好きだな。強いし……優しいし……あぐう……憧れてはいる……うがあああ!? 殺せ! もういっそあたしを殺してくれ!!!」
顔が熱い。しかも龍也の目を見ていたから。もう恥かしくて死にたい
「どんまい。弥生」
「優しい目であたしを見るな!!」
とんでもなく優しい目であたしをみる。箒の手を振り払っていると楯無先輩は
「熱烈告白ね。龍也君的にはどう?」
「そんな事聞くなあアアアア!!!」
予想だにしない事で振られて。笑われ者になるなんてあり得ない
「そうだな」
「お前も答えてんじゃねええええ!!!」
あたしはそう叫ぶが龍也はごく普通の表情で
「真面目だし、訓練も真剣にやってるし、良い子だと思うけどな。面倒見も良いし弥生はやっぱ良い子だと思う」
もういやだ……あたしは体育座りしている。ヴィクトリアの隣に同じ様に体育座りをして現実逃避を始めた……
生徒会室の一角は暗黒空間と化していた……シェンさん、ヴィクトリアさん、弥生さんと来て。全員が全員深い闇のオーラを纏っている。
「なぁ? 楯無何故あの3人は落ち込んでいるんだ?」
そして龍也の鈍感具合は凄まじい。3人のうち2人を再起不能にした張本人はのほほんとした顔をしている。流石にあんまりだと思う
「君が魔王を量産する理由が判ったわ」
俺も判った。龍也の周りが魔王ばかりの理由が
「そろそろ1時間ね、じゃあ最後の1人は……」
楯無さんが最後の紙を引いて。あはっ♪ と笑い
「最後は一夏君でーす♪」
逃げようとするが、即座にシャルと鈴に腕を掴まれ。無理やり座らせられる
「じゃあ一夏君が1番好きなのは誰ですか?」
その質問に鈴とシャル腕を振り払い。机の下に隠れる
「ちょっと! 隠れるなんて男らしくないわよ!」
「そうだ一夏出て来い! 出てこないと殴るぞ!」
「ほら……教えてよ。 僕の名前を言ってくれなかったら。首へし折る」
皆俺を殺す気満々だ。俺は絶対出てくるものかと机の脚にしがみ付く。あと数分で1時間だ、何が何でも隠れきると思っていると
「どけ。机を破壊する」
「そうだね、それが速いね」
「ええ。一夏ならすぐ回復するわ」
ドゴン!! ドゴン!!!
躊躇い無く学校の備品を破壊しに来てる!!
「備品を破壊されたら困るのよ」
「うおっ!?」
楯無さんの声がしたと思ったら。おれは机の下から引きずり出され。鈴達の前に強制的に立たされた
「さぁ……答えて。一夏……酷い事しないから」
「ええ。教えてくれるだけで良いのよ。 大丈夫何もしないから」
その言葉に俺は気付いた、さっきまで感じていた違和感がない
「お? 時間切れだな」
「た、助かったー!!」
龍也のその言葉に思わず、そう叫んだが
「まぁいいわ、無理に吐かせれば良いだけの話しだし」
「うん。そうだね。腕の一本でも極めれば教えてくれるよね?」
鈴とシャルがそう言って俺の腕を掴もうとする。俺は開いていた窓を見て
「死んで堪るかアアアア!?」
そう叫んで窓から外へと飛び出し。全力で走り出した、掴まれば死が待っている。それが判っていた俺の足は今まで以上に速かったが……
ドドドドドドッ!!!
「って来たぁ!? もう追いついてきたぁ!?」
魔王の速力は俺の数倍速く。あっというまに追いつかれた……そしてこの後の地獄は俺の精神衛生上の問題で決して思い出したくないトラウマとして心に刻まれる事となる……
正月記念番外編 偶には素直になってみよう♪ 終り
オリキャラ3人がメインでしたが、どうでしたでしょうか? 面白かったでしょうか? 3人のうち2人はハートブレイク、うち1人は痛いコンプレックス暴露
これはトラウマになりかねない事態でしょう。こういう馬鹿馬鹿しい話は書いていて本当に面白いです、それでは次回からは次回からは通常の投稿に戻しますので。これからもどうか宜しくお願いします