IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。 今回はセカンドシフトをした白式の解析データとか前回自爆したユウリの話になると思います。 解説回に近いと思います。それでは今回もどうか宜しくお願いします



第49話

 

第49話

 

「セカンドシフト 白式・白雪」

 

ネクロ化した福音を倒した形態はもっと大きく重厚な物だったが、戦闘終了と共に姿を変えた白式の解析をしながら私は

 

「うーん。あの形態と比べると出力は劣ってるけど……それでもかなりの性能ね」

 

記録されていた形態では全身の装甲が大きくなり、ぱっとみフルスキンに近い形状をし、顔にはバイザーが装着されていた。それに武装面では背中に二門のエネルギーカノンと、雪片と同じ能力を持ったブレード。更には展開装甲らしき物も搭載されていた。しかし今の白式は

 

「両腕に零落白夜のエネルギークローとバリヤを展開出来る装甲と、脚部・肩部の装甲が強化されブースターも追加。格闘戦に特化してるわね」

 

背中の二門のエネルギーカノンと各部の装甲の一部がオミットされ。展開装甲らしきものが排除され。近~中の格闘戦に特化した機体になっている。エネルギーも増え確かに強化されているが、福音を撃退した形態とは比べるまでも無く弱体化している

 

「どうしてかしら?」

 

セカンドシフト態が2つというので既に異常なのに。何故可弱体化をしている白式・白雪には判らない事があまりに多すぎる

 

「龍也君だったら判るのかしら?」

 

何でも知ってそうだが、決して私達に話す事は無いという態度を貫いている龍也君の事を思い出す。知りたいと願う事は罪ではないと言っていたが時が来るまで知ることは許されないとも言っていた、今聞きに行った所で何も答えてはくれないだろう

 

「千冬もねえ……戦闘者だからこういうときには役に立たないし」

 

下手をすると折角の貴重なデータを間違えて消去されかねない。それに他にも気になる点がある

 

「操縦者が碌に憶えてないってのが引っ掛かるのよね……」

 

一夏君は自分が福音を倒したことは覚えていた。しかしどうやって倒したのか? 自分が何をしたのか? と言うのがすっぱり抜け落ちているのだ。 黄金の騎士と話した事は覚えていると証言している、ちなみに黄金の騎士と接触し会話したと言う事実は緘口令が引かれた。どこの組織にしても黄金の騎士の情報を求めている中、そんな事を迂闊に発言されると不味い事になると判断した千冬の指示だ。

 

「しかし、対応も予想通り過ぎて困るわ」

 

銀の福音については暴走の末コアが破損し、ハワイ沖の海溝に福音のコアが沈んだとアメリカとイスラエルは共同で発表しネクロの事は伏せられた。当然と言えば当然の結果だけど……余りにお粗末過ぎる。

 

(今度は本国を強襲されたらどうするつもりなのかしらね)

 

ネクロはISでさえ寄生することが今回の暴走事件で判った。それなのに情報を隠蔽することに呆れながら。福音を撃退した時の白式と現在の白式のデータ比較を続けるが

 

「うーん。訳が判らないわ」

 

1度一夏君に頼んで実験してみたが、白式の姿は変わらず。結局福音を倒したときの白式のデータは各々のISに記録されたものを集計した物しかない。それではまともなデータも集まらず完全に行き詰ってしまった

 

「んーちょっと休憩しようかしら」

 

そう言ってログハウス内の研究室から出ると

 

「うおっ!? ウマッ!? これどうやって作ってるんだ!?」

 

「赤ワインがポイントだ。後はスパイス……数があるから分けてやろう」

 

銀髪黒コートといつもと同じ格好の龍也君がシェルニカと一緒に料理をしていた

 

「な、何をしているの?」

 

「あ、ツバキさん。聞いてくれよ、龍也ってすっごい料理上手なんだぜ! このビーフカレーなんてもう絶品だ。あたしじゃこうはいかないんだ」

 

ビーフカレーを味見しているシェルニカとその隣でどうもと頭を下げる龍也君に軽い頭痛がした

 

「僕はあのマーボーが食べたいんだけど?」

 

「ああ、アンリマユ~この世全ての辛味か~ 良いぞ。作ろう」

 

「兵器を作るなぁ!!! お前料理人の癖にあれを料理を認めるのか!?」

 

「良いんだ、食べる人が美味いと思えば。一口で人を三途の川に送るマーボーだって、ご飯に大量の小豆を乗っけた物だって料理になる」

 

「それで良いのかぁ!?」

 

なんだろう? 龍也君がシェルニカとなんか仲良くなってる。 

 

「マーボー♪」

 

しかもアイアスちゃんとも何時の間にか知り合い……いや餌付けされてる……

 

「って痛いッ! 目が痛い!?」

 

急に厨房から漂ってきた刺激臭に目と鼻をやられ、思わずそう叫ぶと

 

「ツバキ殿。これをどうぞ」

 

「ふ、フレイア?」

 

水泳ゴーグルとマスクを手渡される。フレイアは既に装備している

 

「目と鼻が完全にやられる前にどうぞ」

 

それを受取りながら

 

「偶にここに来てるの? 龍也君」

 

「ええ、シェルニカが自分の料理のバリエーションを増やしたいとかで……」

 

一応護衛任務についてる人間のコメントでは無いと思う

 

「では、これを一煮立ちさせて、豆腐を入れれば完成だ。あとは自分でやってくれ」

 

そう言って龍也君はログハウスを出て行こうとする。それを

 

「何処に行くのかしら?」

 

「4時間目は一夏達の懲罰トレーニングだそうで、私が監督するように命じられているのですよ。まだ時間があるとは言え戻らなければ……織斑先生に地獄に落とせと言われているのでね」

 

苛めっ子の笑みを浮かべる龍也君、まさか簪ちゃんとエリスちゃんもと不安に思っていると

 

「ああ。簪とエリスは通常授業ですよ? 簪は拉致されてましたから。なんでも部屋から出た瞬間に鳩尾を強打され気絶し、そのまま肩に担がれて連れて行かれたそうです。首謀者はラウラとクリスでした。なので2人のトレーニングは2倍です」

 

イイ笑顔だ……余程ストレスがたまっているに違いない

 

「という訳なので失礼します」

 

そう言って出て行こうとした龍也君だが途中で立ち止まり

 

「興味が沸いたからってアンリマユ~この世全ての辛味~は食べない方が良いですよ。一口で臨死体験しますから」

 

どんなマーボーよ。それ……私はそう思ったがそこまで言われて食べるほど馬鹿では無いので。シェルニカが絶賛していたビーフカレーを昼食にし。その余りの美味しさに驚愕することになるのだが、それはまた別の話になる

 

 

 

 

 

 

……アリーナで俺達は震えていた

 

「あっ……」

 

「はい、アウトーッ!」

 

バチーンッ!!!

 

「ッ!?!?!?」

 

ゴロゴロッ!!!!

 

デコピンをされ。額を押さえ悶絶するラウラ。

 

「じゃあ、次一夏」

 

「うっ……ああ」

 

懲罰トレーニング、その教官には龍也が選ばれていた、何故かって? 教員に手が空いてる者がいないこと、そして龍也自身のISの深い理解と訓練内容の濃さで罰に丁度良いとの事で千冬姉が任命した。夏休みまで1日1時間。それと放課後の1時間の計2時間龍也の訓練を受けならないのだが……その内容がとんでもなくハードなのだ

 

「マルチタスクの練習だ。1~25までを良いながら指差すこと良いな? 間違えたらデコピンだ」

 

これで箒・鈴・シャル・ラウラ・セシリア・クリスさんが餌食になっている、全員涙目で額を押さえ蹲っている

 

「い、痛い……」

 

「頭蓋骨が陥没したかと思った」

 

「ううう……織斑先生に指示とは言え手加減が無いにも程がありますわ」

 

文句を言う面々(箒・鈴・セシリア)

 

「……」

 

言葉も無く蹲る面々(シャル・ラウラ・クリスさん)

 

「はい。スタート」

 

ああなるまいと気合を入れて

 

「1……あっ」

 

俺が1と宣言して指差したのは11

 

「アウト……お前」

 

「言うな……」

 

しょうもないにも程がある。緊張しすぎてどしょっぱちから凡ミス

 

「まあ良い。デコピンだ」

 

バシッ!!!

 

「!?!?ッ!!!」

 

絶対頭蓋骨陥没したと思うほどの衝撃。額を押さえゴロゴロと転げまわる。今のデコピン千冬姉と良い勝負だ……

 

「じゃあ次ヴィクトリア」

 

「ああ……」

 

そうしてヴィクトリアさんの番になったが。16でアウトになる、デコピンで悶絶だなと思ってみていると

 

「待て」

 

「ん? なんだ」

 

ヴィクトリアさんは龍也の顔を見て

 

「私はデコピンではなく。無限組み手を希望する」

 

「ほう。 何故だ?」

 

龍也がそう尋ねるとヴィクトリアさんは

 

「デコピンで終わるよりも、無限組み手で体捌きを覚えたほうが有意義だ」

 

「良いだろう。相手をしてやる、ルールはいつもと同じでいいな?」

 

「ああ」

 

頷き龍也に抜き手を放つヴィクトリアさんだが

 

「見よう見真似は止めた方がいいな」

 

パシッと軽い音を立てて弾かれ、そのまま足払いが放たれる

 

「それは何度も見た」

 

ヴィクトリアさんはそれを軽い跳躍で回避し、着地と同時に肘打ちを放つ

 

「甘い」

 

それは掌で受け止められたが、そこからヴィクトリアさんは自ら間合いに入り込み拳打や蹴りを連続で放ち、有効打を取ろうとするが……

 

「届かない! こんなに近いのに」

 

「まだまだ、甘いことだ」

 

顔への正拳をするりと掴まれそのまま右手が振るわれると

 

「うおっ!?」

 

ヴィクトリアさんはポーンと宙を舞った……

 

「凄いな……どうやってるんだあれ?」

 

「私の見たところ合気道に見えるが……」

 

「え? 中国拳法でしょあれ?」

 

「バリッツに見えるのですが?」

 

「僕もそう思う」

 

と俺達が龍也が使う体術について話し合っていると

 

「あれは……合気道でも、中国拳法でも、バリッツでもない」

 

デコピンで悶絶してたクリスさんが復活してそう言う。涙目の上に額を押さえながら

 

「その全てのミックスとも言えるしそうも言えない。とりあえず言えるのは龍也の独自の体術という所。あとカポエラ・CQC・システマ・とにかく何でもあり」

 

「うむ……そうだ」

 

涙目のラウラにちょっと萌えた。何度も額を擦る姿が猫の様に見えて可愛い

 

「一夏? 今何か変なこと考えた?」

 

「イイエ。何も考えておりません」

 

鈴がこきこきと拳を鳴らしている。俺が何か気に障ることを言おうものなら即座に命を狩に来る。しかしそれは鈴だけでは無い

 

「にこ」

 

とんでもなく綺麗な笑顔のシャルルも危険だ。俺の身近の魔王で1番危険なのは言うまでもなく千冬姉。次に鈴、シャルル、箒と続く……

 

「痛い……」

 

「だから猪突猛進は止めろ。まぁその思い切りの良さは買う。一夏の様にギリギリから牽制を繰り返すよりかは余程ましだ」

 

俺遠回しに臆病者といわれてる? 俺がそんな事を考えているとクリスさんが

 

「でもどうして後ろからや死角からの攻撃を弾けるの? 感が良いというだけで片付けられない」

 

そう尋ねられた龍也はふむと言ってから、コートから2本の木剣を取り出し

 

「ラウラはこれを使え、それと箒は竹刀を使うと良い」

 

突然の事に首を傾げる俺達に龍也は

 

「説明するより見たほうが早い。2人で好きに打ってきてくれて構わない」

 

そういって目隠しする龍也

 

「目隠ししてどうやって避ける気だ? 怪我をするぞ」

 

「良いから、良いから打って来い、どうせお前らの攻撃は当たらん」

 

自信満々にそう言う龍也にむっとした表情で箒とラウラがそれぞれ竹刀と木剣を構え、すり足で近付き同時に突きを放つ。ラウラは横から、箒は正面から

 

「ふっ!」

 

目隠ししたまま龍也は左手でラウラの突きを弾き。円を描くように右手を動かし竹刀を明後日の方向に受け流した

 

「「え? なんで?」」

 

驚く俺達。完全な死角のはず……それなのに何故弾ける?

 

「ラウラ」

 

「ああ」

 

2人が正面から攻撃を繰り出す。ラウラは両手の木剣での連撃を、箒は龍也が攻撃を弾いた隙を狙っての大振りな一撃でそれぞれ攻撃を当てようとするが

 

「甘い甘い」

 

「くっ!? 何故だ? 何故当たら……ぬおっ!?」

 

ラウラの何回目かの横薙ぎを受け止めた龍也はそれを捻るようにねじり上げる、手首を掴まれているのでラウラも体を捻るしかない。体勢を崩されたラウラは足払いを仕掛けられそのまま転倒し。

 

「もらっ……なっ!?」

 

「だから。甘いと言っている」

 

人差し指と中指で竹刀を受け止め、地面に転がっていた木剣を蹴り上げ空いている右手で掴み、箒の喉に突きつける

 

「ゲームオーバー。まだまだ甘いな」

 

目隠しを外しながら龍也は

 

「八極拳とか形意拳とか、まぁとにかく色んな武術を収めた結果。空気とか気配の流れで攻撃を予測して弾ける様になったと言うわけだ。視覚に頼らなくても良いし、1体多でも戦えるので便利だ」

 

便利の一言で纏められても訳が判らない。俺が首を傾げていると

 

「まぁそう言われても判らないだろうな。ようは慣れと場数だ、実戦や組稽古をしてれば自然と判る様になる。いずれな」

 

その歳でどんだけ場数踏めば出来る様になるんだよ。そんな離れ業

 

「私の場合10人くらい囲まれて真剣を避けるという方法で覚えた」

 

「「「「お前は何をやっている!!!」」」」」

 

その言葉に突っ込んだ俺達は悪くない。そんな非常識をやった龍也が悪いに決まっている

 

「もしかしてその目の傷って……」

 

あの深い傷ってもしかしてその時にと思ったのかシャルルがそう尋ねると

 

「いや。これは車に引かれ掛けたなのはを助けた時に切ったというか潰れた。 いやなのはを突き飛ばすのには成功したんだがトラックに突っ込まれてな」

 

はっははは。あの時はマジで死ぬと思ったな。とか笑ってる龍也、常識人なのか変人なのか判断に迷う

 

「おや。チャイムだな……じゃあ食堂で」

 

スタスタと歩いていく龍也を見ながら俺は

 

「なぁ。龍也ってかなりマイペースだよな?」

 

うんうんと頷く箒達……やっぱりそう思うよなあ……

 

「あっ、そうそう」

 

「ぬわっ!?」

 

いなくなったと思ったら何時の間にか俺の隣にいた龍也は

 

「今日の放課後は全員無限組み手な。逃げたら……判ってるよな?」

 

この時の龍也の笑みはとても怖ろしい物だったと後にこの場にいた全員がそう語った……

 

 

 

 

貴女は行かなければならない……

 

誰? 誰なの?

 

早く……ここへ……

 

脳裏に浮かぶのはIS学園の近くにある海岸

 

貴女しか救うことの出来ない人がここに居る……

 

「はっ!? ゆ、夢?」

 

海岸に打ち上げられていた何者かの姿を見たところで私は目を覚ました。福音の暴走事件のフォルダは特Aの禁止事項で私では閲覧することが出来なかった。それでも何があったのか知りたくて朝方までハッキングに挑戦したのだが、結局何の情報も得ることも出来ず……寝不足のまま登校し放課後のなったことで気が緩み眠ってしまったようだ……

 

「……妙にハッキリした夢ね」

 

しかも起きてからもしっかり覚えている……打ち上げられていたのは……一瞬だったが見間違えるはずがない

 

「ユウリだった……」

 

ファントムタスクの1人……1度目は殺されかけて、2回目は助けられた……

 

(もしかして……裏切ったの?)

 

もし本当に夢で見た場所にユウリがいるとしたら。それはファントムタスクを裏切り組織を抜けようとした際に襲われたのでは無いか? もしそうだとしたら重傷を負っているかもしれない……

 

「……行かないと」

 

ユウリはどうしてもほっておけない。前にあったときからずっとそう思っていた……そして今見た夢が私の不安を煽る……

 

「フレイア! すぐ車出して! ゲートの前で落ち合いましょう!」

 

廊下に飛び出し走りながらフレイアに連絡を取り、私は外に飛び出した

 

「お嬢様、何があったのですか?」

 

車を出して待っていたフレイアが不思議そうに尋ねてくるのを

 

「良いから早く! 車出して! 場所は近くの海岸!」

 

そう怒鳴りながら、フレイアのスポーツカーに乗り込む。フレイアははぁ? と不思議そうな顔をしながらも頷き車を走らせた……

 

「ちょっとここで待ってて!」

 

砂浜が見えたところでそう叫んで車から飛び降りる。

 

「お嬢様ぁッ!?」

 

悲鳴にも似たフレイアの声は無視する。下は砂浜だ……衝撃を殺す事などわけない。 前回り受身の要領で衝撃を殺し走り出す

 

「……あ」

 

夢で見た場所……そこにユウリはいた……美しい光沢を放つ銀髪は血で汚れ。ISスーツもボロボロで素肌が見えている場所もある

 

「死んで……」

 

思わず近くにしゃがみこみ頬に触れる……ひんやりと冷たい、だがまだぬくもりがある……夏場とはいえ海水は冷たい。それで身体が冷え出血が抑えられたのだろう、死に掛けではあるがまだユウリは生きていた

 

「うっ……」

 

腕に触れるとユウリが顔を歪める……余程痛むのだろうか、悪いとは思ったが軽く触診してみて

 

「? あれ?……どういうこと? 出血の跡の割りには傷が浅い……それに腕も」

 

明らかに骨折した形跡があるのに骨は折れていない……それに切り傷もあるが、命に関わるレベルの傷ではない……勿論このままにしておいたら命に関わるが、今しっかりと手当てをすれば何の問題もない。だが何よりも気になったのは

 

(何者かに手当てされた後があるということ)

 

今のユウリは間違いなく手当てを施された後だろう。どういう手段を使ったかは判らないが、包帯などの医療具を一切使ってないのにも関らず。的確な処置が施されている。だがそれなら手当てした人物はこの場にユウリを放置した? 思わず思考の海に浸っていると

 

「お嬢様!……そいつは!?」

 

フレイアに声をかけられはっとなる、今は考え事をしてる場合ではない……

 

「フレイア、丁度良い所に反対側お願い。ユウリを貴方達のログハウスまで運ぶわよ」

 

「しかし、そいつはファントムタスクの構成員で……」

 

「でもユウリは私を助けてくれた! 借りを作りっぱなしって言うのは嫌なのよ!」

 

それもあるが、ユウリをほっておけないというのも大きい

 

「では……ツバキ殿に連絡を……」

 

「それもなし」

 

しかしというフレイアに

 

「今のIS学園の状態がわからないフレイアじゃないでしょう? 報告は後でも出来るわ。いざとなれば私が責任を取るわ」

 

福音の暴走。セカンドシフトした白式。第4世代に該当する紅椿。今IS学園の教師陣はこれらの問題で手一杯、だからこそ極秘裏にユウリを匿える。

 

「判るわね? フレイア。 今IS学園は色々と問題が起こってる。 そこにユウリの事を話せば余計な騒ぎになるわ……でも貴方達のログハウスならIS学園の管轄外よね?」

 

あのログハウスは更識家と天乃宮家両家がセーフティハウスとして作った物、轡木さんや織斑先生でなければ入室は許可されていない。それに見た目こそログハウスだが地下にはISのハンガーや隠し部屋もある。 ツバキさんからは何時までも隠し通すことは出来ないが、意識を取り戻すまでは騒がしくさせたくない

 

「お嬢様……判りました。ただし目を覚ましましたらツバキ殿に連絡を」

 

「ええ、判ってる。じゃあ手を貸して」

 

私とフレイアで意識を失っているユウリを担ぎ、近くに停めてある車の方へと歩き出した……

 

(やっぱり、ユウリとエリスはよく似てる)

 

他人の空似では片付けることの出来ないほどに……ユウリとエリスは似ていた。それに前にそのことを聞いたら温厚なツバキさんが怒った

 

(つまり。ユウリとエリスはなんらかの関係があるということ……)

 

どうも、きな臭くなって来た……何かという確証は無いが近いうちに何か大変なことが起こる……そんな気がする。でも今は……ユウリを休ませることが先決だ。

 

歩き去る楯無とフレイアの背中を見る何者かの姿

 

「……行きましたか」

 

少女は歩いていく2人を姿を見ながらそう呟き

 

「……本当なら龍也様と少し話をしたかったんですが……今回は諦めることにしましょう……」

 

哀しそうにでもまた会えるという確信を込めた声でそう呟いた少女は

 

「……いずれまたお会いしましょうね。龍也様……」

 

 

そう笑い少女は闇に溶けるように消えた……最初から存在しなかったように……だが彼女は確かに存在していた。その証拠に黒い翼が少女に立っていた場所に残されていた……

 

第50話に続く

 

 




今回はユウリの自爆後の話と、白式の謎、苛めっ子と化した龍也でお送りしました。最後にちょいやくで宵闇の使者の主人公のリーエさんにも出て頂きました。宵闇の使者はISの世界終了後から始まる予定なので、まだこの時点では龍也はリーエを知らないという感じです。次回は楯無さんとオリキャラの皆様の話になります。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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