IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです 今回は一夏サイドとユウリ・楯無サイドの話にしようと思っています。
それでは今回もどうか宜しくお願いします


第54話

 

 

第54話

 

夢を見る……

 

この夢を見るときは毎回同じシーンを繰り返し見る。まるで映画か何か様に

 

崩れ果てた廃墟の中で対峙する男女の姿。赤黒いISに似た甲冑を纏う女性の目は爛々と紅く輝き、鬼のような表所をしながら低い唸り声を上げている。それと対峙する男はそんな女性の姿を悲しそうに見つめながら、無言で剣を構える

 

(雪片に似てる……)

 

どこか雪片に似た西洋剣と漆黒の甲冑を纏う男の顔は見えないが、何か覚悟を決めた表情をしていた

 

■■■ッ!!!!!

 

獣に似た咆哮と同時に女性が宙を舞う。それを追う様に空を駆ける男。閃光が何度も何度も空を奔る。聞こえてくるのはぶつかり合う金属音と風が裂ける音

 

高速で何回も何回も打ち合い数えるのも馬鹿らしくなるほど打ち合ったあと

 

■……■■……す……ま……ない

 

男の剣が女性の胸を刺し貫く。心臓を貫かれてであろう女性はとても優しい笑みしながら男に寄りかかり、黒い粒子となって消えた……

 

あ……うおあああああああッ!!!!!

 

男の手が震えその手から剣が零れ落ちる

 

ちくしょうっ! ちくしょうっ!!! これしか! これしかなかったのかよッ!!!!

 

何度も何度も拳を地面に打ちつけ。涙を流しながら吼える

 

皆! 皆死んじまった!!! 皆だ!!  どうして俺だけが生きてるんだよ!! 誰か教えてくれよ!!!!

 

心が軋む。深い嘆きと絶望の声だけが世界に満ちる。その内世界に雨が降る……男は雨に打たれながらゆっくりと立ち上がる

 

てめぇらのせいだ……全部何もかも!!!

 

水溜りの中からネクロ達が姿を見せる。男はネクロ達を憎悪を込めた目で睨みながら

 

許せねぇ……てめえらだけは! てめえらだけは許せねぇえええ!!!!

 

無限に涌いて出るネクロを引き裂き・両断し・踏み潰し闘う男の姿は正しく鬼神。憎悪と殺意だけに突き動かされた人の形をした修羅

 

は……ははっ……てめえで最後だ!!!!

 

腕を失い……足を失い……目を潰され、それでも戦いを止めなかった男は最後のネクロを両断し

 

終った……全部終った……俺も今逝くよ……皆

 

自身の体から流れ出た血の中に倒れこむ男に冷たい雨が降り注ぐ

 

(いやだ……もう起きたい。こんなの見たくないッ!!!)

 

幾ら願ってもこの夢は終らない、朝までの時間延々とこの夢を見続ける……のだが

 

「貴様にわかるか? 何もかも失った絶望と狂気が?」

 

「!?!?」

 

世界が消え漆黒の世界に変わったと思うと、目の前に先ほどの男がいて俺に手を伸ばしてくる。闇の中にいるから顔は判らないが信じられないほどの殺気が叩きつけられる

 

「今のお前では何も護れない。全てを失うだけだ……だから」

 

闇の中から男が一歩前に足を踏み出す。やっと見えた男の顔を見て俺は

 

「お、俺!?」

 

多少年上だが見間違えようもない。男の顔は俺だった、憎悪と殺意に歪んだ顔をしているが間違いなく俺の……織斑一夏の顔だった

 

「そうだ。俺はお前だ……だから寄越せ。貴様の身体を寄越せ……俺が今度こそ護る。何を犠牲にしても。悪魔と呼ばれても……俺が護りたい全てを護る為に! 貴様の身体を寄越せええええ!!!!」

 

「がっ!? うぐっ!?」

 

一瞬で間合いを詰められ右手で首を絞められ宙に吊り上げられる

 

「死ねよ……お前じゃ何も護れねぇんだ。だから俺に身体を寄越せよ」

 

何もかも歪んで狂った俺が俺の顔を見て笑う。首を締め上げられながら

 

(おれ……死ぬのか……?)

 

死を覚悟した瞬間白銀の閃光が走る

 

「ちっ……お前か。何故俺に逆らう! 雪華ッ!!!!」

 

忌々しそうに呟く俺の前に立ち塞がったのは、何時か見た黒いゴスロリの少女

 

「もう貴方に従う義理はない。今の私のマスターはこの世界の貴方。憎悪と殺意に溺れたお前じゃない」

 

「はっ! それでどうするってんだ!? たかがデバイスが俺を止めるってか!?」

 

黒い甲冑を作り出す俺を見据えた雪華と呼ばれた少女は俺の手を掴んで

 

「ごめんなさい。油断してました、まさか夢の中で干渉してくるなんて思ってなかったんです」

 

申し訳無さそうに言う雪華は凛とした表情で俺を睨み

 

「この人は連れて帰ります。この人に必要なのは狂気じゃない……優しさだから」

 

「優しさ!? それで何が護れるって言うんだよ!! ええ! 雪華!!! そんなもんじゃ何も救えない! 何も護れない! お前も見て来ただろうが!」

 

「それでも狂気も絶望も必要ない。必要なのは……揺るがぬ想い。絶望に負けたお前にはこの人は渡さないッ!!!」

 

白銀の閃光が世界を覆い隠す、闇が無くなっていく中、黒い甲冑を纏った俺は

 

「ちっ……まだ早かったか……だが忘れるなぁ! 俺は何時だっててめえを殺す機会を伺ってるってなぁ!?」

 

狂ったように笑いながら消えていく俺を見ていると

 

……か! い……か!!! ちょっ……一夏!

 

脳裏に直接響く誰かの声がする。それと同時に俺の意識はこの世界から消えた

 

「ちょっと!? 一夏! 一夏大丈夫!?」

 

目を覚ました俺が見たのは必死な表情で俺を揺さぶる

 

「り、鈴?」

 

今まで見たことないくらい不安そうな顔をした鈴の顔だった

 

「い、一夏? はー良かった。さっき起こしに来たんだけど何か呻き声が聞こえたから、扉蹴り破って入ってきたら……物凄く魘されて汗とか酷かったから、びっくりしたじゃない」

 

とびら? あ。あれか? 俺の視界の隅にあるのは真っ二つに蹴り割られた扉の残骸。普段なら怒る所だが

 

「サンキュー鈴。助かった」

 

もうどんな夢を見ていたかと言うのは覚えてないが、鈴に助けられたと言うのが判り礼を言うと

 

「大丈夫? 酷い顔してるわよ?」

 

心配そうな鈴の声を聞きながらもう1度横になり

 

「すまん、鈴。千冬姉に伝えてくれ……今日は授業を休むって」

 

とても動けそうにない。なぜだか判らないが動きたくない

 

「熱でもあるの?」

 

「わからん……でも駄目だ。今日は動けそうにない。頼むよ鈴、千冬姉に伝えてくれ」

 

「うん……判った。ちょっと待ってね」

 

そう言うと鈴は俺のクローゼットから慣れた手付きでスペアの扉を取り出し

 

「とりあえず扉は直しとくから」

 

「……ああ。頼む」

 

どうして扉があるのか? とか色々聞きたいことはあったが、今は眠りたい……俺はゆっくりと目を閉じてもう1度眠りに落ちた……

 

 

 

 

 

 

 

 

何時ものようにログハウスの天井を見上げていると

 

「ユウリ入るわよ」

 

ずかずかと部屋に入ってきた楯無に

 

「普通は許可を聞くだろ?」

 

ジト目で言うと楯無は

 

「そんなのはどうでも良いのよ」

 

「良くないだろ、普通」

 

なんだ? 妙に焦ってる気がするが……ワタシの事で何か問題でも起きたのか? と考えていると

 

「契約よ。私に身を預けて(更識家とIS学園で雇う)」

 

「お前に身を預けろ?(楯無本人に付き従え?)」

 

行き成りだな? 何かあったのか? と疑問には思ったが

 

「ただでは契約できないな……」

 

そう簡単には契約できない。仮にもワタシは暗殺者として活動していた、自分の身が護れるだけのバックが無いと契約なんて出来ない

 

「……条件は?」

 

「そうだな……ワタシを納得させるだけの力を見せろ。スコールはワタシを倒して自身の力を証明してくれたぞ」

 

楯無がワタシを倒せるとは思えないので、納得させてみろとワタシがそう言うと楯無は

 

「判ったわ。何時勝負するの?」

 

少しは悩むと思ったが……即決か、まぁ良い……話が早いのは楽で良い

 

「4日後だ、ワタシのISの調整をしなければならないし、多少は身体を動かしたい。それくらいは良いだろう?」

 

「ISの整備はここの地下のラボを使うと良いわ。アイアスかシェルニカの監視下なら許可を出すわ」

 

上層部と相談も無しで決めるか、よっぽどなにか焦る理由でもあるのだろうな

 

「では今日からISの調整をさせて欲しい」

 

「……良いわ。アイアスとフレイアには話を通しておくわ」

 

「良いだろう。ではお前の力を見極めさせてもらう。ワタシが負ければお前に身を預ければ良いのだな(楯無に付き従えば良いのだな)」

 

契約内容の確認をする為にもう1度尋ねると

 

「ええ。私に貴方の身を預けてもらうわ(IS学園と更識家に従ってもらう)」

 

やはりここでも互いの認識の違いはあったが、身を預けると言う事で話が決まった

 

「判った。では4日まで互いに接触はなしだ、良いな?」

 

「じゃあ。4日後にアイアス達が訓練に使うアリーナで試合でいいわね?」

 

「場所はどこでも構わん、では4日後だな。ではラボへ案内してくれ」

 

時間が無い。アマノミカゲのダメージレベルは多少は回復したとは言え。詳しく調べないと不安な所が多い……ワタシは楯無に案内され、ログハウス地下のISラボに向かった……

 

「……これは思ったよりも酷いな」

 

楯無と分かれたあとですぐにISハンガーにアマノミカゲをセットしたのだが、詳しく調べた所でワタシは顔を歪めた

 

「右脚部装甲と胸部装甲はフレームからぐしゃぐしゃ。あとの装甲も中破か……」

 

2キロの高性能爆薬を胸部フレームで爆発させて、この程度の損傷と言えば大分ましだが……

 

「どうしたものか……」

 

ラボに保管されたISパーツを確認する……装甲はワタシの特製だが。フレームは打鉄の物が流用できる筈だ

 

「……型番が古いな。無理もないか……」

 

今の量産型のISはラファールが大半を占めている。打鉄はどちらかと言うと旧式だ、保管されていたのはアマノミカゲに使用していた。フレームの型番から2つは古い

 

「アマノミカゲに出力に耐えれるか? だがラファールではな」

 

ラファールは射撃型。近接異常特化のアマノミカゲの出力には耐えれないだろう

 

「致し方ない。打鉄のフレームを強化しよう」

 

マドカのラファールを改造した時と同じく、フレームをベースにIS装甲を溶接し強度と耐久度を増させる、一時しのぎだが戦闘には耐え切れるだろう

 

「あとは破損した装甲を交換するか」

 

右脚部と胸部はフレームからだから、本当に一時しのぎだが、その他の装甲とフレームが無事なら戦えない訳ではない……最低限ブースターと両腕が生きてさえいれば戦える

 

「……問題は楯無のISか」

 

遠距離にも近距離にも対応する。ミステリアス・レイディのナノマシン攻撃だ、それに対応策は残念ながら無い……だがその程度でどうこうなるほど甘い世界を生きてきた訳じゃない……出来る限りの調整をし、後は長い間生死をかけた戦いをしてきた自身の感を信じるだけだ

 

「さてと……少しは身体を動かしておくか」

 

暫く寝たきりだったから身体を動かしておきたい。アマノミカゲをオートリカバリーモードにしてワタシはラボを出ると

 

「何だ?」

 

緋色の髪をした目付きの鋭い女がワタシを監視していたので

 

「少し身体を動かしたい。外に出るぞ」

 

「……判った。だが私の監視がつくぞ」

 

強い口調の女にワタシは返事をせず外に向かって歩き出した……

 

 

 

 

 

~4日後~

 

私とユウリはフレイア達が訓練に使う、IS学園の近くに隠された地下アリーナにいた

 

(相変わらず凄い気配ね)

 

触れれば切れる。そんな抜き身の刀のような気配を撒き散らすユウリは、軽い素振りで腰に装着された右の鞘から日本刀型のブレードを抜き放ち構える

 

(近接能力は前に経験済み。間合いの取り合いね)

 

あの狭い研究所で対峙した時は私の武器の殆どが使用できない無かったとは言え、それでも実力は私以上と見て間違いない。

 

(ナノマシンとラスティーネイルを使って、中距離を保ち続けないと)

 

どう戦うかを考えているとフレイアから

 

『それでは試合を始めてください』

 

合図が入ると同時にラスティーネイルをコールしユウリ目掛けて伸ばすが

 

「甘い…・・・」

 

鈍い金属音を立てて弾かれる。ラスティーネイルを身体全体を使った円運動を利用し、遠心力をつけた一撃を放つ

 

「蛇腹剣なんて子供騙しが通用するか!」

 

関節部が切り裂かれ、ラスティーネイルの切っ先が宙を舞うのを見て

 

(やっぱり駄目ね!?)

 

負傷していたユウリの動きを確かめるための攻撃だったが、あの動きを見る限り、怪我の影響など微塵も無いだろう

 

「今度はこちらから行くぞ」

 

独特な形状をしたブースターを全開にして突っ込んでくる。ユウリ目掛け蒼流旋を構えるが

 

(なにあの機動!?)

 

蒼流旋の4門のガトリング砲の照準を合わせようするが、独特な形状をした背部ブースターの根本が自在に動き。鋭角や弧を描いた旋回等を繰り返し照準が合わせれない

 

「射撃武器の相手は馴れている」

 

「っく!?」

 

対射撃制動。しかもかなり熟練された動き。ウェイトのあるガトリングでは狙いを絞りきれない、射撃を諦め蒼流旋による突きを放つが

 

「ふっ!」

 

腰部に収納されていた小太刀サイズのブレードで受け流し、回転により威力を高めた上段からの一撃が肩の装甲に食い込む。距離を取ろうと後退の瞬時加速をするが

 

「甘い!」

 

「くっ!?」

 

全く同じタイミングで瞬時加速に入り。間合いが引き離せない、このままでは

 

(クリアパッションも使いにくい!?)

 

この距離でクリアパッションを使えば、自身をも巻き込みかねない……

 

(それが判った上での近距離戦! 下がれば……流れを失う!)

 

日本刀型のブレードではなく、小太刀サイズの刀を両手に構えているユウリを見据え。私は後ろでは無く前に踏み出した……実力が拮抗してる相手を前に流れを失えば勝機を失う。ここは多少の不利は覚悟して前に出る!!

 

 

 

 

(ちい!? 前に出てきたか!)

 

フルフェイスで顔は隠しているが、正直ワタシは焦っていた。4日で何とかアマノミカゲは何とか戦闘が出来るレベルには修復したが、単一技能は使えず。右脚部のブースターは殆ど死んでおり。背中の夜天輪廻と姿勢制御のブースターをフルに使い間合いを詰めてはいたが……脚部の片方が死んでるだけで、夜天輪廻に掛かる負担は大きくなる

 

(……放熱中。機動力は半減か)

 

機動力が半減しただけで楯無の手のランスに内蔵された、4門のガトリングを回避するのは難しくなる。だから間合いを詰めて距離を取らせるつもりが、予想に反して前に出てきた。流れを失わない為の英断なのは間違いないが

 

(距離を取られたほうが楽だったんだがな)

 

アマノミカゲのセンサーは空中に漂うナノマシンを敏感に察知するように設定している。距離を取ってのナノマシンによる起爆攻撃を回避しての童子切安綱による。抜刀術「禍ツ月」で極めるつもりだったのだが……

 

(まぁ良い! 前に出てくるならワタシの独壇場だ!)

 

アマノミカゲの武装は全て近距離の兵装で固めてある。インファイトでは負けは無い、腰部後ろに帯刀されていた2本の小太刀型ブレード「長曽禰虎徹」を抜き放ち

薙ぎ、袈裟、逆袈裟と回転と円運動を行かした連撃を放つのだが……

 

「くっ!? このっ!!」

 

ランスの持ち手を自在に持ち替え、ワタシの攻撃を防ぎいなす楯無に

 

(中々やってくれる!)

 

機動力は本来の物ではないとは言え。アマノミカゲの機動に完璧についてくる楯無に若干焦りが出てくる

 

(持久戦は不味い!)

 

夜天輪廻と言う高性能のブースターがあるとは言え、脚部のブースターが死んでいる以上。負担は全部夜天輪廻に掛かる長くは持たない

 

(勝機を逃したら駄目だ!)

 

間合いを詰め続ける。さっきまでと違い、距離を1度離されたら今度詰めた時に夜天輪廻はオーバーヒートする。今のワタシには間合いを詰め続けるしか勝機は無い

何度も何度もランスと長曽禰虎徹がぶつかり火花を散らす。1合・2合と打ち合い続ける、徐々に長曽禰虎徹の方が深く楯無の間合いに食い込んでいく

 

(ここ……だっ!?)

 

一瞬身体が揺らいだ楯無の首元を狙い長曽禰虎徹を振るったが。楯無はその攻撃をかわし、一気に2連続の瞬時加速で間合いを取る

 

(しまっ……)

 

ワタシらしからぬミス、あの間合いに誘い込まれた。その事に気付いた時にはもう遅い、アマノミカゲのセンサーが周囲にナノマシンが集まってきた事を知らされると同時に

楯無が指を鳴らし、ワタシの周囲のナノマシンが一斉に起爆した……

 

 

 

 

 

(取っ……てはないわね)

 

フレイアの勝利者コールが無い。まだユウリのISのSEはゼロになってないと警戒していると、爆発の中から高速で何かが飛び出してくる、センサーの反応からISではなく、もっと小さい何かとまで認識した所で

 

「あぐっ!?」

 

胸部の装甲に突き立ったの何かに息が詰まる。

 

(こ……これは……)

 

大型の日本刀型のブレードが突き立っていた

 

「おおおっ!!!」

 

左腰部に帯刀された、日本刀の柄に手を添えて突っ込んでくるユウリの姿が見える

 

(あちゃーミスったな)

 

ユウリが手にしているブレードはSEがへれば減るほど威力を増す刀……このタイミングでは避けれない。だが諦めたくは無くて蒼流旋を構えなおした所で、ユウリが私の前に来て抜刀をしようとした所で、フェルフェイスに隠れているであろうユウリの目と私の目が合った気がした

 

「!?」

 

ユウリの動きが一瞬止まる……その事を確認した私の手は自然と動き。ユウリのISの胸部に蒼流旋を突き立て、ガトリングの引き金を引いた

 

「ぐううっ!?!?」

 

零距離でのガトリングの掃射をくらったユウリはその勢いに押されて後退していく……その間にアクアパッションを発動させようとナノマシンを集中させようとした瞬間

 

「がっ!? しまっ……」

 

「え、ええ!? どうして!?」

 

ユウリのISの胸部装甲と右脚部が爆発し、ユウリの身体が落下する。慌てて瞬時加速に入り落ちていくユウリの手を掴み、アリーナの床に着地すると

 

「ちっ……ワタシの負けか」

 

ISを解除しそう呟くユウリは私を見て

 

「お前の力見せてもらった……契約成立だ。ワタシはお前に付き従う」

 

ん? 私に……? あれ? 

 

「何を不思議そうにしている。身を預けろといったのはお前だろう」

 

「いやいや、ちょっと、ちょっと待って。私はIS学園と更識家にって意味で」

 

何か致命的に認識の違いがある事に気付き慌ててそう言うが、ユウリは

 

「ワタシはIS学園にも更識家にも関わるのは御免だ」

 

……え? もうこれ駄目っぽい? 今更IS学園とか更識家とかに従うの件は絶対に聞いてくれない

 

「まぁ詳しくはおいおいな……」

 

そう言って歩いて行くユウリに

 

「ま、まっ……行っちゃった……」

 

呼び止めようとしたがユウリはもう行ってしまった……

 

「ユウリが……私専属? ええ? 嘘……」

 

私とユウリに致命的なまでに認識の違いがあったのを初めて今知った……

 

「えーと……ま、まぁ。ツバキさんが何か考えてくれるでしょ」

 

うん、きっと何とかしてくれると思い。とりあえずIS学園にと戻ったのだが……その夜ツバキさんが私の部屋に来て

 

「あ、更識家と連名でユウリ・クロガネを3人目の男性操縦者として発表するって決めたから……後ユウリと話し合ったけど、ユウリは貴方付けじゃないと指示聞かないって言ってるから、全部任せるわね。あとユウリは夏休み明けに貴女のクラスに転入させるから……どうするかはちゃんと2人で考えてね」

 

言うだけ言って出て行ってしまったツバキさんをみながら

 

「え? 私にどうしろって言うの……?」

 

ユウリをIS学園に留めるだけのつもりが、私の知らない所で話が色々と決まっている事に驚き

 

「……寝ましょう。今日はもう駄目、考える事が多すぎる」

 

私は考える事を放棄し、眠る事にしたのだが、明日今日以上に驚かされる事になる事を今の私は知らなかった……

 

第55話に続く

 

 




次回は楯無さんが驚く発言をするユウリさんの話にしようと思っています。その話の後は夏休みに向けての話に進んで行こうと思います
そして夏休みのイベントをある程度消化した所でネクロ襲撃をやろうと思っていますのでどうか宜しくお願いします
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