IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はユウリさんと楯無さんの話をしたいと思います
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第61話

 

 

第61話

 

キュイーンッ!!! バチバチッ!!!

 

マシンアームが忙しなく動いて、新造の装甲とブースターが徐々に組み上げられていくのを見ながら、今のアマノミカゲの状態を確認する

 

(なんとか、フレームの強化は上手く行ったか)

 

打鉄のフレームを改造して何とか、アマノミカゲの加速力を生かせるだけの耐久力を与える事が出来たが、完成には程遠い。

 

(装甲もまだ……なんとか戦闘に使えるだけのその場しのぎか)

 

新型装甲とフレーム、ブースターが完成するまでのその場しのぎとして、粒子分解していた旧型装甲を組み付けはしたが……

 

(これでネクロと戦えるとは思えんな)

 

ネルヴィオによって破壊されたパーツのデータがごっそり抜け落ちている。攻撃と同時にISにハッキングされた……今のアマノミカゲは互換性の無いパーツを無理に装備している状態だ

 

(やはりエラーか)

 

手元の画面には胸部と脚部のパーツが適合していないとエラーが表示されている。今まで何回も交換してきたパーツと互換性が無い

その事に納得いかないものを感じながらも

 

(文句を言っても仕方ないか)

 

パーツの新造をする羽目になったが、あの絶望的な状況で生き残れたと言うことを考えると仕方ない。必要経費として考えよう

 

(とりあえずはエラー表示では困るし、プログラムを組みなおすか)

 

ワタシはそんな事を考えながら制御プログラムの組み直しを始めた……

 

 

 

 

「簪ちゃん、その膝の上のぬいぐるみは何?」

 

「……買って貰った(ぽッ)」

 

簪ちゃんとエリスちゃんとお茶をしようと思って簪ちゃんの部屋に行くと。簪ちゃんは大きなイルカのぬいぐるみを大事そうに抱えていた……頬を赤らめながら言う簪ちゃんの姿に

 

(龍也君かな?)

 

前に遊びに行くとか行ってたし、その時の物かなと思いながら。

 

(なんか複雑)

 

今までロボットとかにしか興味の無かった簪ちゃんが、女の子らしい物を持っているのは嬉しいが……姉としては何か複雑だった……まぁ私がどうこう言う問題じゃないか……買ってきたクリーム餡蜜やシュークリームを食べながらのんびりと話をしていると

 

「そう言えばお姉ちゃん」

 

「何?」

 

あら? この龍也君から分けてもらった茶葉美味しいわね。どこで売ってるのかしら? 紅茶を飲みながら尋ねると

 

「ユウリさんってお姉ちゃんの婚約者なんだよね?」

 

「ばふう!?」

 

「き、汚いですよ! 楯無!」

 

簪ちゃんのいきなりの言葉に思わず、紅茶を噴出す。いろんな人に聞かれたがまさか実の妹に言われるのがこんなに動揺するとは思っても見なかった

 

「なんでそんなに動揺してるの?」

 

きょとんと首を傾げる簪ちゃん、しかしここで婚約者じゃないとは言えないので

 

「そ、そうなるかな?」

 

口をハンカチで拭いながら頷くと、簪ちゃんは

 

「デートとかしたの?」

 

ドゴンッ!

 

思わず机に思いっきり頭を叩きつける

 

「危ない」

 

「お、お姉ちゃんどうしたの!?」

 

浮かび上がったカップを上手くキャッチするエリスちゃんと、私に驚いている簪ちゃんに

 

「ちょっと驚いただけ」

 

アニメとかにしか興味の無かった、簪ちゃんからまさかこんな事を聞かれるとは思っても見なかった……

 

「まぁ……色々と忙しくて遊びにとかは行ってないかな?」

 

頬を掻きながら言うと簪ちゃんとエリスちゃんは

 

「じゃあこれあげる」

 

「ええ、どうぞ」

 

にこりと笑いながら差し出された物を見る

 

『デートMAP 最新版 夏号』

 

「ごふう!」

 

予想外にもほどがあるアイテムを前に再び紅茶を噴出した……知らなかった、簪ちゃんとエリスちゃんがこんなにも女子的感性を持っているなんて……

 

私は軽いショックを覚えながら渡された雑誌を手に自室にと戻った。

 

「なんかフラフラしてたね?」

 

「ええ。そうですね」

 

カップとかを片付けながらエリスが簪に

 

「素晴らしい口撃だったと思いますよ?」

 

いつもからかわれているエリスがそう笑いながら、簪に言うと

 

「?」

 

訳が判らない言う表情で首を傾げる簪を見たエリスは

 

(素だったんですか。末恐ろしい姉妹ですね)

 

長い付き合いのはずの友人がド天然である事を始めた知った、エリスだった……

 

 

 

 

いつものようにアマノミカゲの調整の合間に教員用のISの調整をしていると

 

「……おはよう」

 

「なんだ? いつものハイテンションはどこに行った?」

 

明らかに寝不足な様子の楯無にそう尋ねると

 

「これ!」

 

バッと差し出されたのは

 

『デートMAP 最新版 夏号』

 

「なんだこれは?」

 

突然こんなものを差し出して何をしろというんだ? ワタシが首を傾げていると

 

「出掛けましょう、乗ってる所に」

 

「……急にどうした?」

 

訳が判らない展開に首を傾げるユウリ。彼は知らなかったが、昨晩楯無は母親に色々とからかわれた。例えば

 

まだデートもしてないの?

 

いつになったらユウリ君を連れてきてくれるのかな?

 

簪ちゃんはデートしてるのに……

 

しかも結婚祝いの5泊6日の旅行券までくれたのよ?

 

簪ちゃんが気に入っている、八神龍也君にいたってはお菓子まで送ってくれてね? 

 

楯無は母に精神的に来る小言を永遠と言われ、ついには

 

「私だってデートくらい出来るもん!」

 

「じゃあ、明日デートして写真を送ってね? 楽しみに待ってるから」

 

見事に嵌められたのだった……流石は楯無の母、自分の娘の焚き付け方を熟知していた……

 

「ずっとこんな所にいるのはどうかと思うわ。だから出掛けましょう」

 

「面倒だ」

 

まだやらなければならないことがあるのでそう言うと。ちょうど教員用のISのスキャンが終わったらしく、楯無から背を向けてスキャン結果を見ていると

 

「そう……それじゃあ仕方ないわね」

 

妙に殺気立った声がし振り返ったワタシが見たのは、振り下ろされるISのパーツだった

 

「は?……がっ!?」

 

呆気に取られた瞬間、ワタシは冷たい金属の衝撃に意識を弾き飛ばされた

 

 

 

 

「……やっちゃった」

 

目を回しているユウリを見下ろしながら、手の中のISのパーツを手放す

 

「殺人現場?」

 

「!?」

 

呆れたと言う感じの声に振り返るとツバキさんが頭を抑えていた

 

「あ、あのですね!? これは」

 

「櫛奈に聞いたわよ、からかいすぎたから暴走してるかもって。案の定暴走したみたいね」

 

溜息を吐くツバキさんに

 

「どうしましょう?」

 

そう尋ねるとツバキさんはにこりと笑い

 

「今のうちに連れて行きなさい。起きてたら絶対抵抗するから」

 

予想外だったが、それはいいアイデアだと思い、私は気絶しているユウリを連れてIS学園を後にした

 

「……怒ってる?」

 

「怒ってないように見えるか?」

 

カフェテリアで事情を説明してから、ユウリにそう尋ねると。思いっきり睨まれたこれ絶対怒ってる

 

「はぁ……まぁ良い。行くぞ」

 

「え?」

 

帰ると言い出すと思っていたのに……

 

「良いの?」

 

「ここまで来ておいて、何もせずに帰るのはおかしいだろ? それに偶には気分転換も必要だ」

 

私を見ずに言うユウリに頷き、2人で街中を歩き始めた

 

「ユウリってゲームセンターとか行った事ある?」

 

「無い、そして興味も無い」

 

となるとゲームセンターは無しか……んーじゃあ

 

「ユウリって何が好き?」

 

「……特に無い」

 

どうしましょう? 私かユウリの好きな所に行こうと思ってたんだけど

 

「じゃあ……「そう言えば、ノートPCが欲しいとか言ってなかったか?」……え? うん」

 

私が頷くとユウリはそうかと頷き

 

「じゃあパーツを買いに行くか?」

 

パーツ? 何をする気なんだろう? 私が首を傾げていると

 

「買うくらいならワタシが作ってやる」

 

PCを作ると言う発想は無かった……

 

「じゃあ、お願いしても良い?」

 

「構わん」

 

言葉短く言うユウリに頷き、私達はPCのパーツを扱っている店に向かった

 

 

 

 

 

 

 

ノートPC用のパーツを色々買い込み、IS学園に送ってもらう手続きを取ってから店を出ると

 

「……どれくらいで出来るの?」

 

「1週間見ていて貰えれば出来る」

 

ISと比べればノートPCなど楽な物だしな

 

「で? この後どうする?」

 

「特に無いわ」

 

「無計画だな」

 

考えるより行動、こんなのが頭首で大丈夫か? 

 

「今失礼なこと考えたでしょ?」

 

「さぁな……」

 

さてどうするかと考えるが特に何も無い

 

「帰るか?」

 

「それはいや」

 

確かに遊びに来て1時間で帰るのはおかしいか……少し考えてから

 

「ではゲームセンターとやらに行って見るか?」

 

「そうね、何事も経験って言うしね」

 

今までやった事も無いことをやるのもいい経験だろう、ワタシはそんなことを考えながら楯無とゲームセンターに向かった……

 

~その日の夜~

 

「どうだった?」

 

「特に何も無い」

 

研究室に戻るなりそう尋ねてくるツバキにそう返事を返す、ゲームセンターに行って見たものの大して面白いものは無く。

 

記念と言うことでプリクラとやらを撮った程度だ

 

「ふーん、やっぱ互いにストイック系同士だと駄目なのね」

 

「何が言いたい?」

 

「べっつにー」

 

にやにやと笑うツバキに

 

「まぁ良い。それでパッケージの方は?」

 

「まだ……手伝ってくれる?」

 

「判った、データを回せ」

 

とりあえずはこういったことも手伝うと言う契約だしな……ワタシは回された新型パッケージの調整を始めたのだが……

 

(なぜこうも落ち着かん)

 

街中で見た日の光の中の楯無の姿とあいつの姿がダブり、どうしても落ち着かない。

 

(楯無はあいつじゃないんだ……セリナは死んだんだ)

 

セリナと楯無を重ねて見てしまった自分に言いようのない腹立ちを感じて、作業がどうしても進まなかった……

 

 

 

 

 

「首尾はどうだ?」

 

ベエルゼ様の言葉に私は

 

「上手くいっているという段階ですね」

 

パンデモニウムの同型機「ヨツンヘイム」の改修は6割方形になってきている

 

「強襲用をよくここまで組み替えたな。ベリト」

 

「お褒めに預かり光栄でございます」

 

「お前とベルフェゴールが居てくれて良かった」

 

私もベルフェゴールも元々はベエルゼ様に仕えた者。あの方が居るのならばそこにはせ参じるのが配下としての勤めだ

 

「それでISとやらの分析は?」

 

「はい、今現在は、シルバリオ・ゴスペル。そしてサイレントゼフィルスの2機を解析しております、近い内に私達の技術で再現が可能かと」

 

「そうか……では解析と改修の方は全て任せるぞ、私にはやらねばならんことがあるからな」

 

その言葉に私は思わず

 

「何か計画を立てているのですか?」

 

「気になるか?」

 

「失礼いたしました。今の言葉忘れてください」

 

配下が王に質問するなど許されることではない。気を損ねる前に謝らなければ

 

「ふっふっ……気にせんさ。まぁ待っていろ。いずれ教える」

 

背を向けて去っていくベエルゼ様を見ていると

 

「ヒャーハハハッ!!!! 馬鹿が」

 

「耳障りな笑い声をやめろ。ベルフェ」

 

くっくと笑うベルフェの甲冑は真紅に染まっている

 

「ずいぶんとお楽しみだったようだな?」

 

「くっくっ……俺はてめえと違って殺戮本能を押さえるなんて真似はしねえ!! 殺したいときに殺し! 戦いてえときに戦う!」

 

ネクロの中でとりわけ殺戮本能が高いベルフェらしいと笑いながら

 

「まぁ良い。ずいぶんと魔力が満ちてきてるな? LV4に戻るのも近いな?」

 

「ヒャーハハッ!!! おうよ! やっと俺様の本来の姿に戻れるぜぇ」

 

愉しそうに笑うベルフェに書類を投げつける

 

「んあ? 何だぁこりゃあ?」

 

「処罰リストだ、近い内に処理してくれ」

 

私達を嗅ぎ回っている不快なネズミのリストを拾い上げたベルフェは

 

「そいつは良い!!」

 

殺しと聞けばすぐに飛んでいくベルフェの背中を見ながら

 

「全くあいつは……」

 

長いことパートナーとして活動していたから、ベルフェの性格は理解しているつもりだったが……あそこまで単純だったか?

と苦笑しながらヨツンヘイムの改修作業を再開した……

 

 

 

「ん?」

 

闇の徒が徐々にその力を高めている頃。龍也の元に一通のメールが届いていた

 

「なるほど……中々頭の切れるやつだ」

 

手元にあるUSBメモリを中継に使用するという。アイデアに正直驚かされながら届いたメールを確認する

 

「……どうもきな臭くなってきたか」

 

私では入手できない情報が送られてきた、内容の大半は「モンドグロッソ使用のISデータの消失」「各世代のISデータにコピーの形跡」「連絡がつかない過去の代表達のリスト」そしてこれらの情報と引き換えに顔合わせをしたいと持ちかけてきた

 

「……こっちの都合はお構いなしか」

 

『明日の20時、街外れのバーで待っています。 神王陛下』

 

丁寧に地図まで添付されていた、メールを見てそう呟きながら、このメールの送り主のことを考える

 

「神王の名を知るということはネクロ関係者……いや離脱者か」

 

ネクロの行いに疑問を感じ離れた人間……どこの組織のものかはわからないが。その勇気には正直感心する

 

ネクロの監視を掻い潜りこれだけの情報を集めた……ネクロの力を知る私からすれば信じられないとしか言いようが無い

 

「ならば乗ってやろうじゃないか」

 

送り主は命を懸けた、ならばそれに答えてやる義務がある……私はそんな事を考えながら送られてきたデータに目を通し始めた……

 

 

 

第62話に続く

 

 




デート系の話は本当に苦手ですね、もっと色々考えないといけないですね、次回は4巻の話とオリジナルの話をしようと思っています

それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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