今回は夏休み中のオリキャラをメインにしたISや白兵戦の訓練の話にしたいと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第64話
ドイツ組みと格闘少女
とんとん
ラウラとシャルロットの部屋の扉を叩くと
「ちょっと待っててくれ……クリス」
扉から顔を出したラウラは黒猫パジャマを着ていた。前までは普通のパジャマだったと思うけど。多分シャルロットに買ってもらったんだと思う。しばらく待つと何時も通りの顔つきのラウラが髪をまとめながら出てくる
「いつもすまん」
「気にしないでいいよ。行こう」
「うむ」
頷くラウラと一緒に寮の外に出る。私達はドイツの軍属だ、IS学園を卒業すれば直ぐに隊に戻らなければならない。そのときに身体が鈍っていては話にならない。だから私とラウラ、それにエリスは毎朝一緒にIS学園の周り走り込みすることにしているのだ。
集合場所に行くとそこではエリスが既にアップを始めていた。私とラウラに気付いたエリスは
「また遅れましたね? 今日は5分です」
若干怒っているようなエリスに謝りながら、アップを始める
「それで今日はどうしたんですか? ラウラ」
「……一夏分が足りないとか言って文句を言い続けるシャルロットを宥めていた」
「ご愁傷様」
シャルロットの暴走は何時も酷い、ラウラが寝不足になるのも判ると思いながら
「今日はちょっと違うコースで回ろうか?」
「どうするんです?」
普段は校舎周りだが、今日は林周りのコースにしようと提案した。平坦な道ではなく木が邪魔をするので丁度いいと思うというと
「そうだな。偶には違うコースにしよう」
ラウラも同意してくれたので違うコースに向けて私たちは走り出した
~10分後~
大分IS学園の外れに来たところで見覚えのある人影を見つけた。薄い青色の髪の女生徒。弥生だ何かをじっと見ている弥生にゆっくり近づいたところで
「シッ!」
鋭い気合の込められた声がする。誰か居るのかもしれないと思い小声でエリスが
(弥生何してるんです?)
(うおっ!? あ、なんだよエリス達か)
ほっとしたような表情の弥生に
(何を見てるのです?)
そう尋ねると弥生はシーと言いながら私達にも見えやすいように身体をずらした。そこには龍也が居た、だがそれはいつもと違い。鋭い光をその目に宿し、2振りの大小の木剣を振るっていた。誰かとの戦いのイメージトレーニングなのか、絶え間なく足場を変え、持ち手を変え鋭く踏み込みながら木剣を振るっていたが。突然木剣を地面に突き立て
「盗み見は好かん。出て来い」
その言葉にびくりと肩を竦めながら、龍也の所に向かうと
「何をしてるんだ? お前らは? 盗み見して面白いものでもなかろうに」
呆れながら言う龍也に弥生が
「しかし随分とすごい動きをしてたな? 誰かと試合をイメージしていたのか?」
そう尋ねると龍也は木剣を拾い上げながら
「まぁそんな所だよ。純粋な剣術じゃ、絶対に勝てないからな。どうすればいいのか考えてるのだよ」
龍也を持ってしてそこまで言わせる相手に若干興味感じた、1年の中で最強といえる龍也が勝てない。一体それはどんな相手なのだろうか?
「見てるのはいいが静かにしてろよ。集中が途切れるからな」
そう言ってから再び木剣を振るい始める。しかし今度はさっきまでと違い
「シッ! ふっ!!!」
一瞬木剣を離しての拳打や蹴りを織り交ぜている。だがそれでも何分かすると木剣を手放し
「あー全然駄目だ。押し切られた」
頭をガリガリと掻き始めた龍也に弥生が
「その相手って言うのはどんな奴なんだ?」
そう尋ねられた龍也は肩を竦めながら話ほどの相手じゃない、それに説明するのも難しいといって今度は黒塗りの和弓を取り出した
「龍也? 何をするんだ?」
「何って引くんだよ 感が狂うからな」
そう言って弓を構える龍也の視線の先には何もない。的もないのに何を打つというのだろう? そう思ってみていると
「シッ!」
矢を引いて放つ、それは空を裂きながら飛んで行き。
スターンッ!!!
快音を響かせた。私達には見えてないが的があるのかもしれない。そんな事を考えている間に2回3回と弓を引き始める
そのたび快音を響かせる弓矢。5回ほど引いたところで龍也は弓を片付け
「こんな物だな。さてと戻るか」
くるりと背を向けて去っていく龍也を見ながら、私は
「矢ってどこに当たってると思う?」
「気になりますね?」
「確かに」
あれだけ無造作に引いていたんだ、きっと的の端とかにあたっているだけに違いないと思い見に行くと
「「「嘘……」」」
真ん中の赤い丸に突き立った矢に矢が刺さっていた、1本や2本じゃない全本だ。
「龍也って何でもこなしすぎだろ?」
「ああ、あいつはISが使えなくても何でもしそうだな」
私達は改めて八神龍也の化け物具合を知るのだった……
イギリス組みの不運
「くっ! このっ!」
グロリアスヴィクトリーを両手で持ち。龍也にと切りかかるが
「脇が甘い。ISだからって足運びも気をつけろ」
カキンと乾いた音を立てて弾かれる。かれこれ5分このやり取りが続いている
(間合いが読めん!?)
射撃武器も拳のバンカーもなし、龍也が使っているのは日本刀型ブレード「獅子王刀」一振りなのに届かない
(こうなったら)
背後に滞空してるグロリアスヴィクトリーを見つめ。背後から龍也の背中目掛けて飛ばすが
「そう言うのはそんなに見ては駄目だな。奇襲性が劣る」
「なにっ!!!」
私のほうを見たまま背後から飛んできたグロリアスヴィクトリーを掴んだ龍也は
「まだまだ甘いな」
「くうっ!?」
獅子王刀とグロリアスヴィクトリーの一撃で私のSEは0になり、ゆっくりと地面に倒れこんだ
「なぜ届かないんだ!? 何か秘密でもあるのか?」
倒れこみながら尋ねると龍也は頬を掻きながら
「いいにくいんだが? お前ビット動かすとき見すぎだ、それで大体判るぞ? それに剣の軌道も単調だから読みやすいし」
「……きついこと言うな」
自分でも判っていたが、顔を見られて言われると正直きつい。身体を起こしながら言うと龍也は
「武器の特性を理解してないから単調になるんだよ。西洋剣と言ってもお前のブレードは、レイピアやショートブレードに近い。バスターソードのような使い方では駄目だ。まずは武器の特性の理解だな、セシリアーお前も来い」
向こうでなのはに射撃武器の講習を受けていたセシリアが絶望だという顔で歩いてくる、その後ろではシャルロットが手を合わせていた。ご愁傷様とでも言いたいのかもしれない
「セシリアのインターセプターは防御向きだ。持ち手にナックルガードがある、これは受け流すのに適している。しかしヴィクトリアのグロリアスヴィクトリーは攻撃向きだ。だが使い方がなってない、流すや斬りの基本を覚えるべきだな、力任せでは駄目だぞ」
そういって武器の解説を始める。龍也の話をしっかりと聞く、同年代のはずなのだが。恐ろしいほど冷静で強い龍也の意見は不思議と聞ける
「まずはだがね? 射撃も使える近接も使える。これは戦闘においての引き出しが多いということに直結する、だが使いこなせなければ意味がない。射撃だけでも近接だけでも駄目という事だ」
「ではどうしろと仰られるのですか?」
セシリアにそう尋ねられた龍也は肩を竦めながら
「箒に一夏。それにエリスにラウラ。切磋琢磨する友人がいるだろ? 私もいるしなのはもフェイトもそれに危険だがはやても居る。模擬戦に戦い方の話、いくらでも勉強できるだろ?」
そう笑う龍也。確かに正論だな……と私が思っていると、龍也は悪戯めいた笑みを浮かべ
「特にセシリア? お前は一夏に色々教えてもらえば良い。それは面白そうではないかね?」
「!?!? それもそうですわね!! 早速そうしましょう!!」
全は急げと走っていくセシリアを見送りながら私は
「焚きつけてどうする?」
「はて? 何のことかな?」
白々しいと思ったがセシリアが自分の意思で行ったのだから、私は何も言う事はないだろう
「ではヴィクトリアはどうする? 箒達と訓練するか? それとも私とするか? 好きなほうを選べ」
そう笑う龍也に私は即座に
「続きだ。ISでなくてもかまわん。剣の扱い方とやらを教えてくれ」
私がそう言うと龍也はふむと頷いてから
「では互いに着替えてから、寮の裏の集会所で剣術稽古をしよう。先に行って待っている」
そういって出て行く龍也とは逆のピットに向かい。シャワーで汗を流してから着替えて指定された場所に走った
~その日の夜~
「うーむ。興味深いものだな」
龍也が教えてくれたのは基本的な切り下ろし薙ぎ払いと言った。剣術の基礎だったが、基礎は基礎ではそれは普通のものと違っていた
「持ち手をこうも変える剣術と言うのは聞いたことがないな」
業とゆるく握り、振ると同時に遠心力でリーチを伸ばす、即座に持ち替え攻撃を流す。少しずつ間合いを変えていくことで相手の間合いを乱し、自分のペースに持ち込んでいく。さらにはISの特性を生かし投擲するという手段もあると教えてくれた
(武器は投げるべきものではないと思うが……いやだからこそか)
私は奇策と言うのが苦手だ、だから真っ向勝負に持ち込む事が多い。だからそこを突かれて負ける、ならばと教えて貰った奇襲だ。IS用のブレードビット「グロリアスヴィクトリー」は投げたりして距離が離れてもある程度誘導が効く、つまり罠のように使ったり、相手の動きを束縛するのにも使えるのだ。だがそれは今まで私が思いもよらなかった戦法だ
(本当にあの男は面白い)
何を考えているのか、どこを見ているのか? それがまるで判らない。だがそれでも悪い奴ではないと思う、ただ私達が龍也を理解できないのは、龍也と同じ場所に立っていないからだ。龍也は私達よりも遥か高みにいて、私達では想像も出来ない景色を見ている。だから私達は龍也に勝てないのだろう……
(勝つとまでは言わないが、せめて一矢くらいは報いたいものだ)
負けっぱなしは性に合わない。だが直ぐに勝てないのも判っている。だからせめて一矢報いたい、そこから目標は上げて行けばいいのだから。私はそんなことを考えながら布団に包まり、眠りに落ちた……
安定の苦労人とヤンデレ魔王様
本国に提出するレポートを職員室に預け、寮に戻っているとき鈴が
「だからさー。少しは格闘技覚えたら?」
呆れたように言う鈴に私はうーんと唸りながら
「でもさ。なんからしくないんだよね? 私には」
そう言うと鈴は私にデコピンしながら
「馬鹿なの? 爆真甲を行かす方向性で考えなさいよ?」
私のISの武装の爆真甲は両腕に装備する大型の手甲とも言える。防御にも使えエネルギーを溜めれば一撃必殺の打撃技として使える。私はもっぱら防具として使用しているのだが、鈴は
「そんだけでかい手甲なら殴ってもダメージが行くんだからさ。体術と組み合わせるべきだって」
「だからさー私にはそう言うのむかないんだよ!」
鈴は私に格闘技を覚えれば良いと勧めてくれている。爆真甲を防具としてではなく武器として使うべきだと。だけど私は考えながら戦うなんて器用な真似は得意ではない。考えるのではなく感じろ、野生とも言える戦い方が私の武器だからだ
「だから! 宝の持ち腐れは止めた方が良いってあたしは言ってるのよ! 代表になりたいんでしょ? 引き出しは増やしておきなさいよ!」
「だから無理だってば!「何を騒いでいるのかね?」ッ!!!」
第3者の声に思わず辺りを見るが、姿がない。あの声は龍也君だと思うけど……どこに? 私と鈴が辺りを見回していると
「ここだ。(ぺらり寮の壁紙がはがれ龍也君登場)」
「忍者!? 忍者なの!?」
「あんた……何してるのよ?」
軽い頭痛を覚えながら尋ねると龍也君は壁紙を畳んでコートにしまいながら
「ふむ。何時も通りはやてから逃げているのだよ? なんかストレスが溜まってるのか、手錠を見て笑っててな? 恐怖を覚えたので逃げているのだよ」
からからと笑っているが、それは笑い事ではないと思う
「それで何を揉めていたのかね?」
何事もなかったように尋ねてくる龍也君に突っ込みを入れたい気持ちを感じながらも、鈴と一緒に事情を説明すると龍也君は
「ふむ、鈴無理を言うのはよくないな。シェンに格闘技はむかないぞ?」
そう笑う龍也君に鈴がへっ? って言う顔をしながら
「なんでよ? 何時も戦い方は多いほうが良いって言うじゃない? なんでよ?」
理解できないという顔の鈴、かと言う私も理解できてない。龍也君の言葉を待っていると龍也君は
「シェンに格闘技を覚えさせてみろ。それに集中しすぎて動きがばればれになるぞ?」
それは余りにきつい言葉でした。鈴はそっかと言って納得してくれてるけど、私は何か納得できないものがあったのだが、龍也君は
「大体シェンは今のままで十分だろ? 動物的とも言える感があるんだし、余計な事を教えるよりも必要なのは心構えくらいじゃないか?」
そう笑った龍也君は鈴と私を交互に指差して
「感情的に見えてそのくせ、クレバーな鈴は色々と覚えておいたほうがいいだろう。しかし冷静に見えて感情的なシェンには自分の感を信じる戦い方があっていると思うよ」
そう笑う龍也君。その言葉に私は少し驚いた、龍也君は私と鈴の事を良く知っていたんだと
「と言うわけだよ。自分にあった戦いかたや戦術を覚えた方が良いに決まっているからな。無理に覚えることはないと思うよ。じゃあな、このままだとはやて達に捕まるんでね!」
そう言うと長い銀髪と黒コートを翻し走っていく龍也君を見ながら
「龍也君って意外と人を見てるんだね」
「そうね。あんた男見る目あるわ。ちゃんと理解してくれてるじゃない」
「そうだ……って違うからね!? 私はそう言う感情は持ってないからね!?」
「え? 百合? あたしはノーマルだからね!?」
ズザザと身を引く鈴、言う事欠いてそれか、それなら
「誰が百合だーッ!!! 「シェンが怒ったー!!!」 待てこら! 化け猫娘ーッ!!!」
怖いーと叫んで逃げていく鈴を追いかけて私は走り出した。無論鈴が本気で言ってないのは判るがそれでも納得できないものと言うものはある。私は笑いながら鈴を追いかけながら
(こんな楽しい毎日がずっと続けばいいのにな)
IS学園で過ごす日々は楽しい。騒がしくてでもそれ以上に暖かい毎日だ。中国ではこんな気持ちになった事はない、だからこそこの毎日が尊いものに思えて。私は思わずそんな事を思った、だけどこの願いは叶う事はなく、私達は今まで思ったことのない非日常にと巻き込まれていくこととなる……
エクストラ 暗部3人娘
「最近やたらツバキ殿が防衛を固めろと仰られるな」
IS学園の周囲にセットするセンサーの確認をしながら言うフレイアに
「……確かにそうだね。ボクも気になってる」
先日からツバキさんに備えるように言われているのだが、急すぎてよく理解できない
「なにか情報を掴んだのだろうか?」
「……かもね」
フレイアとそんな話をしながら、センサーの設定をしていると
「ただいまー、付けて来たぞ」
そう笑いながら入ってきたシェルニカの手を見てボクは
「……頭を使う仕事をしてるボク達にお土産?」
そう尋ねるとシェルニカは頬を掻きながら
「龍也が持って行けってくれたんだよ」
置かれた袋の中からは袋に包まれたクッキーやプリンが顔を覗かしていた。それを見ながらボクは
「……もしかしてシェルニカが気に入られてるだけだったりして?」
「はぁ!? アイアスお前なにに言ってるんだ!?」
明らかに動揺するシェルニカにフレイアが
「年下趣味は褒められたものではないぞ?」
「お前も何言ってやがる!? フレイア!?」
顔を真っ赤にするシェルニカ、ここはやはり傭兵だとしても女子だ、こういう話題は面白い、特にそれで相手が狼狽してるのならなおの事。面白いものを見つけたと言わんばかりにボクとフレイアはシェルニカをからかって遊んでいた
例えば
ショタ趣味は引くとか
年下に手を出すなよ? とか
でもボク達は知らなかった。八神龍也が本当は僕達よりも年上だと……そしてそれを知った後1騒動あるのだが、それはまたの機会に語るとしよう
第65話に続く
次回はネクロ回になりそうです、そうですやっと龍也さんの正体が判るという話です!
ここまで長かったなあ。でも頑張りますのでどうか次回もよろしくお願いします