IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の戦闘は龍也・楯無・ユウリ・一夏VSマドカ&ネクロ一杯。をメインにしていこうと思います。あと一夏の若干の成長?ですねそれでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第78話

 

第78話

 

ちっ!何だこの反応速度は!?改修したアマノミカゲの反応速度を完全に上回っているアスモデウスに

 

「どうした!私についてこれないのか!」

 

ガンブレードで射撃と斬撃を交互に繰り返し。超高速のヒット&アウェイを繰り返すマドカの動きに対応できない。おかしい、アマノミカゲもミステリアス・レイディもモーターから全部組みなおし、外見はそのままだが中身は前と比べられないほど上昇しているはずなのにどうしてマドカに、アスモデウスに追いつけない?

 

「ユウリ!楯無!間合いを離せ!」

 

龍也は闇から這い出てくるネクロを両断し。空中から襲ってくる福音とゼフィルスに酷似したISの一撃を裁きながら。ワタシと楯無のほうに指を向けて鳴らす。すると

 

「え?身体光ってる?」

 

身体だけじゃない、ISもうっすらを蒼い光を帯びている

 

「ギッシャアアアアアッ!」

 

「邪魔だッ!!」

 

魔法ではなくISの両腰のレールガンで飛び掛ってきた福音を吹っ飛ばした龍也は、一夏に向かっても同じように指をならしながら

 

「簡易の強化だ!反応とかが上がってるからいつもと同じ動きをするなよ!」

 

そう言うが早く次々にネクロが現れている場所に瞬時加速で向かっていく龍也。魔法を使えば早いが、ここはIS学園のアリーナでしかも監視カメラがある。無論ネクロのことをIS学園が発表するとは思えないが、それでも何処かから情報は流れる。自分のことを出来るなら最後まで隠しておきたい龍也は敢えて魔法を使っていないのだ。ワタシは両手に握った長曽禰虎徹の刀身を見つめマドカのそしてスコールの事を考える

 

(もうタスクの人員のほとんどがネクロ化しているのだろうな)

 

あの2機のISの動きのクセに見覚えがあった。タスクの中でも武闘派でスコールの同志だった部隊のリーダーと副リーダーのISを動かすときの癖に似ている。この感じだともうタスクに残っている人間はスコールとオータムだけなのでは?と思ってしまう、だがそれ以上にマドカがここに来た。それは

 

(スコールの意地か……)

 

ワタシをネクロから遠ざけるために色々と策を講じてくれた。そして今ここにマドカがいるそれはもしかするともう自分が反逆者であるということがばれて。処罰される前にとマドカをIS学園で回収させるつもりだったからではないのか?反応速度が上昇したアマノミカゲの機動力を生かしながらプライベートチャンネルで

 

(あのIS操縦者を確保する)

 

(それはいいけど……あの顔何処かで見たことある気がするんだけど?)

 

ガンランスの掃射でマドカの射撃を相殺している楯無。流石の洞察力だなと感心しながら

 

(あの操縦者の名は「織斑マドカ」事故で千冬と一夏を引き離されファントムタスクに拾われた。あの2人の妹だ)

 

ワタシの言葉に一瞬驚いた表情をした楯無だったが

 

(OK。判った……機動系を潰して回収で行きましょうか)

 

口で言うのは簡単だがアスモデウスの機動力はかなり高い。そして向こうは殺す気で来ている、そんな相手の無力化なんてそう簡単に行くわけが無いが……やらないわけにはいかない

 

(バックアップは私がやるわ)

 

(ああ。頼む)

 

そして1度は敵同士だった。楯無が私の背中を護ってくれている……今なら何でも出来る。そんな気がする……ワタシはそんなことを考えながらバレルロールを繰り返し間合いを幻惑させているマドカの方に向かって行った……

 

 

 

 

 

 

 

(ちっ!数が多い!)

 

内心舌打ちしながら。右腕のニーベルングアイゼンをビットを持つIS型ネクロの腹部にたたきつけトリガーを引く

炸薬の炸裂音と悲鳴を上げて吹っ飛んでいくネクロを見ながら

 

(どういうことだ!なぜゲートが開いている)

 

ネクロは転移能力を持つものもいる。だが今ここに現れているのはLV1・2だけだ。下位レベルは転移なんて高等な能力は持っていない。IS一体型は火力と機動力こそ高いが、良いトコLV3。しかも理性が無く本能で闘っているところを見ると転移能力を持っているとは思えない。となると考えられるのはゲートの作成しかないが近くのゲートの気配は無い

 

(それにIS学園内に3体のネクロ反応……!?どうなっているんだ)

 

あれだけ張った結界を潜り抜け。なおかつゲート作成……並みのネクロではないが、何故と言う疑惑がどうしても残る

 

「シャアアアアッ!!!」

 

「シッ!!」

 

両腕の帯電した拳で殴りかかってくる福音に酷似したネクロの攻撃をいなすと同時に背中のビットを射出し。一夏とユウリに攻撃を仕掛けようとしていたLV1、2に射撃を放ちながら間合いを取る。魔法を使えば一瞬とまではいわないが速攻で片付けれるだが……

 

(妙な胸騒ぎがする)

 

IS学園内のネクロはなのは達が戦っているから心配ない。なのに妙な胸騒ぎがどうしても消えない……底なしの闇が迫ってくるそんな嫌な気配がずっと私達に纏わりついている……

 

(どこで見ている!?気配はまるでしない)

 

獅子王刀でスタンナックルを持つネクロの左腕を切り飛ばし。そのまま浄焔で焼き尽くし再生をさせないようにする

 

「ちっ!?やっかいな!」

 

追撃に踏み出そうとした瞬間上空からビームブレードビットとレールガンが放たれ、それを回避しているうちに福音は無数に沸いて出ているネクロを噛み砕き捕食し斬り飛ばされた左腕を再生する

 

(生前コンビだったか。良い連携だ)

 

本能で知っている戦い方だ……きっと生前はコンビかチームで行動していたのだろう……それはきっと自分達の信じる物の為に鍛え上げられた物であることは容易に想像できる。だがそれもネクロとなれば破壊と殺戮のためにだけに使われる

 

「時間はかけない。そして苦しみも与えない。眠れ……」

 

魔力を開放しインフィニティアの能力を1部開放する。背中の翼型のビットを覆うように魔力の光が宿る。それと同時に右目が真紅に染まる

 

「その魂に永久の救済があらんことを」

 

獅子王刀を構え向かってきた福音を胴から両断し、そのまま獅子王刀を上空目掛け投げつける

 

「ギアアッ!?」

 

高速回転しながら跳んできた獅子王刀に対応できず両断され落下していくティアーズタイプのネクロを見ながら

 

(この勝負長引かせる訳にはいかない)

 

どこから感じる殺意と憎悪に満ちた視線と絡みつくような闇の気配。両断した四肢を互いに交換して再生していくネクロを見ながら

私達を監視している何者かの気配を探し始めた……正直話目の前のネクロより、どこから見ているネクロの方が危険度が高い。そんな確信が私にはあった……

 

 

 

 

 

 

「はあッ!!」

 

両手の雪羅から作り出したビームクローでネクロを引き裂き、あるいは薙ぎ払う

 

(絶え間なく足場と間合いを変えて。常に周りを警戒)

 

ペガサスが教えてくれた足の間合いに変化。ISなら飛行できるけど今の俺では空を飛べば感覚が狂う。だからPICを解除してアリーナの床に立ちネクロと戦っていた

 

「キイッ!!」

 

「余所見をするな戯け」

 

「あ。ああ。すまん……龍也」

 

俺の影から飛び出してきたネクロを龍也が刀で両断し。俺の背後に回りネクロを更に両断する

 

「随分見ない間に変わった足捌きを覚えてきたな?」

 

うっバレてる……俺が言葉に詰まっていると龍也は

 

「好きにすれば良い。ネクロ=悪と言う図式が当てはまらん奴もいる……だが1人では何も出来ない。だから」

 

龍也が俺の肩を掴んで自信のほうに引き寄せながら前に出てネクロを両断する

 

「人を頼れ。時に伸ばされた手を弾け、自分で決めた道を最後まで貫く意地を持て。良いな」

 

諭すようにいった一夏は俺から離れながら、アリーナの出入り口を見て

 

「人は1人では強くなれない。だから仲間がいるんだよ」

 

「一夏ーッ!!!」

 

「なんでお前はそう1人で突っ込む!!」

 

「やれやれ警報を聞いて走ってきて正解だったな」

 

言うが早く飛んでくる異形の青竜刀や紅いレーザーにレールカノンの爆風。いうまでも無く鈴・箒・ラウラだ。セシリアとシャルの姿は無いが。それでもネクロと戦っている俺を助けにきてくれた

 

「ふふ。人を集めるのは一種の才能だ。さてでは……講義の時間だ。一夏」

 

龍也は両手に獅子王刀を握り締め。俺に背を向けて

 

「剣を取る理由。覚悟それを知れ。今のお前ではいずれ死ぬ、何のために剣を取る?何のために闘う?それを理解しろ。そして決めろ、人知の及ばぬ敵から逃げるのか?それとも立ち向かうのか?自分で考えて自分で決めろ」

 

遠ざかっていく龍也と俺に近寄ってくる箒達……俺はどうしたいのか?そんなのは決まっている。

 

「しゃあっ!!!!」

 

全力で自分の頬を張る。かなり痛いし思ったよりスナップが効いてて頭に響いたが考えは決まった

 

「い、一夏!?どうした!?気でも触れたか!?」

 

驚いているラウラの後ろで箒と鈴はやれやれっていう感じで肩を竦めて

 

「気持ちは固まったの?へたれ一夏」

 

「考えは纏まったか?」

 

そう尋ねてくる箒と鈴に頷いていると

 

「ほう。それは良い、お前の出した答えとやら私にも聞かせてもらおうか?」

 

「せ、千冬姉!?」

 

出張中のはずの千冬姉が教師用の打鉄を展開して俺の後ろにいた。

 

「ほれ、どうした?いってみろ?」

 

楽しそうに笑う千冬姉に俺は

 

「俺はやっぱり護るために剣を振るいたい。俺馬鹿で龍也から逃げた……怖かったから。だけど今なら判る。護るって事は壊すことだ、全部を護る事なんて1人じゃできない。だからこんなバカで臆病な俺だけど……力を貸して欲しい」

 

そうだ。俺ひとりでは何も出来はしない、だから皆の力を借りると言うと

 

「お前が迷惑だといっても力の1つや2つ何時でも貸す」

 

「まぁそうよねえ?力は貸すけどお返しよろしく♪」

 

「ふふ、悪くない。私もそう思っているからな」

 

箒達が笑ってくれる中千冬姉は満足げに頷き。俺の頭を撫でて

 

「一夏。これが終わったら大事な話がある。私達の家族の事でな」

 

「え?……あ、うん。判った」

 

タブーだった家族の話。それはもしかすると千冬姉が俺の答えを認めてくれたってことなのかもしれない。俺はそんなことを考えながら雪片弐型を構えたのだった……

 

 

 

 

 

 

ユウリと更識の当主は私を鹵獲しようとしているようだが。鹵獲されるつもりなんて無い。ユウリを叩きのめし、織斑一夏を殺すという目的を達するまでは何をしてでも行動を止めるつもりは無い。そんな中一夏の周りに姉さんとたくさんの人の姿が見える

 

(私が1人なのになぜお前ばかりが……)

 

協力し互いに互いの刺客をカバーしネクロを倒していく一夏。そして姉さんもそこにいる、私がいないのに姉さんも一夏も笑っている、同じ歳で双子だったはず。それなのに私は闇に、一夏だけが光の中にどうして。何故?

 

(それはあの男がいるからだ)

 

(壊せ、全部殺せ)

 

(そして姉を手に入れろ)

 

(殺して、壊して、傷つけろ)

 

ああ……そうだ、私は全部を壊せればそれで良い。それ以上は何もいらない。頭に響く黒い声に頷き、どす黒い感情が私を満たしていく。もうどうでも良い闇に全てをゆだねよう……

 

「おあああああああッ!!!!」

 

全身に紫電が走ったような高揚感を感じた瞬間。自然に口から雄たけびがこぼれ出た。それと同時に私は瞬時加速でユウリと更識を突破して一夏の方に向かって降下しそのままの勢いでガンブレードを振り下ろし銀髪の女のISの背部装甲を力づくで切り落としそのまま一夏の胴体にガンブレードを押し付けトリガーを引く。装填しておいた散弾銃がほぼゼロ距離で炸裂し、ISごと操縦者を傷つける。ゼロ距離からの射撃に面白いように吹っ飛ぶ一夏と蹲る銀髪の女。追撃にと2人にさらに散弾銃を放つ、少し進んで炸裂したその弾は2人をさらに吹き飛ばし完全に沈黙させる

 

「貴様!」

 

「邪魔だぁ!」

 

手を伸ばしてくる紅いISの腕の装甲を斬り付け強引に方向性を変えて。操縦者の額に頭突きを叩き込む

 

「うあっ!?」

 

「消えろ目障りだ!」

 

ガンビットを2人に押し付け、ガンブレードの炸裂弾を撃ち込みビットの残りの弾薬とエネルギーを爆発させ2人を同時に吹っ飛ばす

 

「このおっ」

 

「遅い!」

 

振り下ろされた異形の青竜刀をサイドステップで交わし。そのまま脚部装甲で加速した蹴りを叩き込む

 

「ぐうっ!あがっ!?「ははっ!死ねえ!!!」

 

頭を掴んでそのままアリーナの床に叩き付けボールのようにはじけ飛んだ女目掛けて蹴りを叩き込みボールのように蹴り飛ばす

 

(頭の中がすっきりしてる。今までこんな気分になったことはなかった)

 

何もかもどうでも良い。

 

姉さんに迎え入れて欲しいとか

 

一夏にまた妹として受け入れて欲しいとか

 

IS学園に来るまでは色々と迷っていた気持ちがなくなって変わりに今まで抑えてきた、憎悪や殺意が私を満たしていく……

 

「ははは……はははっ!!ハハハハハハッ!!!!!」

 

笑いがどんどん溢れ出てくる……もう何もかもどうでも良い……

 

姉さんも……

 

一夏も……

 

私も……

 

どうなろうがどうでも良い……

 

マドカのこの変調はネクロが関係していた。殺したい、殺したくない、会いたい、会いたくない……

 

何十にも屈折した家族への歪んだ愛情。歪な精神を作り上げたマドカはネクロの素体としてこれ以上なく優秀な素材だった

だからネクロはISに若干のネクロの魔力を混ぜ。アスモデウスの能力を底上げした、今のアスモデウスは、いやマドカは半分ネクロにと変わりかけていた。その事に気付いた龍也やユウリ、楯無が一夏達の方に向かおうとするが

 

「「「シャアアアアッ!!!!」」」

 

「くそっ!まだ来るのか!」

 

「本当化け物って厄介だわ!」

 

「ぼやいてる暇があったら打ち落とせ!」

 

何対ものネクロが邪魔をして思うように進めない。そして辺りには龍也達が倒したネクロの瘴気が満ちていた。これなら後数分もたたず完全にネクロ化してもおかしくない、これがネクロの計画だったのだが。1つ誤算があった……

 

それは一夏の存在だった……

 

海でのヴォドォンの腐敗教義から逃れるために龍也が与えたデバイス

 

そしてネクロの度重なる襲撃……

 

そして強さを渇望する心……

 

傷ついた仲間……

 

その全ての要因がネクロの計画を狂わせる方向で進んでいた。そしてそのほんの僅かな度重なった偶然はとある必然となりつつあった

 

 

 

 

 

 

 

もっと力が欲しい……

 

襲撃者のISの銃弾が腹を貫通し鈍い痛みが走り気絶しようにも出来なかった俺はそれだけを考えていた。

 

もう動くことも出来ない身体が憎く思えた。箒と鈴。ラウラはネクロの危険性を知ってもなお俺を助けにきてくれたのに、俺は何も出来なかった。ただこうして自身の無力さに絶望するだけ

 

(もっと力が欲しい)

 

動かない身体を無理に動かそうとするが身体は動いてくれない。自分はなんと無力なんだ……

 

(護りたいって思うのに俺は何も出来ない!)

 

その事が腹ただしく、そして戦っているユウリや龍也の姿が視界の隅に写る度に自分の無力さを感じ、とんでもなく惨めな気分になって行った……

 

(俺はもっともっと力が欲しい!)

 

護る事の出来る力!

 

どんな者にも負けない力!

 

自分の願いを貫くだけの力が欲しい!

 

もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと

 

(力をッ!!!!)

 

俺が心の中でそう叫んだ瞬間。俺は夢で何度も見ている閉じ込められたオレの前にいた

 

『よお!オレ!ここに来たって事は力が欲しいってことだよな?』

 

確認と言う感じで尋ねてくるオレに頷き、オレに近づこうとすると

 

『『駄目ッ!あっちに行ったらだめ!』』

 

白と黒のゴスロリの少女が現れて俺の前に立つが

 

「邪魔だっ!」

 

その2人にそう怒鳴り、制止を振り切り鎖に繋がれたオレの前に立つ

 

『力が欲しいんだろ?なら』

 

オレが何かを言うのを無視して俺はオレを閉じ込めている牢屋目掛けて全力で拳を振り下ろした

 

『『駄目ーッ!!!!!』』

 

2人の少女の悲鳴が響く中牢屋は完全に砕け散り、閉じ込められていたオレがゆっくりと俺に手を伸ばして来たところで俺の意識は闇に沈んだ……

 

 

 

 

「くっ……マドカ……もう止めろ!」

 

篠ノ之やボーデヴィッヒが動かなくなったと同時に私に襲い掛かってきたマドカの攻撃は鋭く、そして重かった禄に防御も出来ずボロボロになった打鉄を見ながら私の前に立つマドカにそう叫ぶと

 

「ねえさん?ネエサン?姉さん?あれっ?姉さんって?誰?私は何?私は誰?あはははははッ!!!!判らない!ワカラナイ!わからない!!!」

 

仮面から覗くマドカの瞳には何の光もない。その瞳の色はネクロに似ているとさえ私は思った。そしてそれと同時に思う何もかも手遅れ手になってしまったのかと、もう私と一夏とマドカが一緒にいる事はできないのか?そんなことを考えていると

 

「じゃあまずは一夏から!」

 

瞬時加速で倒れている一夏の上に移動し両手のガンブレードを振り下ろそうとするマドカ。そうはさせないと瞬時加速で回り込もうとした瞬間

 

ドシュッ!!!

 

肉を裂く鈍い音がアリーナに響き渡る。それは一夏の両腕からだった。突然跳ね起きた一夏が振り下ろされたガンブレードを両手で握り締めていたのだった。

 

「一夏!?なにやって……「……千冬か、懐かしい」……一夏?」

 

私を見た一夏の呟きはとても低く呟きだったまるで成人しているようなそんな声の質だった

 

「お前何者だ?一夏じゃない?」

 

マドカの声がネクロのようにダブり何十にも聞こえる中、一夏の身体を覆っていた白式が漆黒に染まり、背中のスラスターが翼のように変化していく

 

「名前?くっくくっははははッ!!!名前なんかねえよッ!!!!」

 

ドゴンッ!!!!

 

とんでもない轟音を立てて吹き飛んでいくマドカ、一夏はそれを見ながら右手で自身の顔を押さえ

 

「はっははははっ!!!!!!は……」

 

狂ったように笑う一夏の顔半分を覆うように白い仮面が現れその顔を覆い隠し

 

「死にたくなければ、俺の前から消えうせろおお!!!!!」

 

アリーナに響き渡るような獰猛な叫びを上げて吹き飛んで行ったマドカの方に飛んで行った

 

(一体何が……)

 

一夏の目は底なしの闇そのものだった。大事な弟に一体何が起きたのかわからず、私は打鉄を展開したままその場にとへたり込んだのだった……

 

 

 

 

龍也が感じていた何者化の気配。それはアリーナの時間軸と空間軸をずらしたところに隠れ。状況を観察していて、もう観察は十分澄んだと撤退しようとしたところで、アリーナで暴れまわる一夏を見た漆黒の瞳はまるで恋人を見るかのようにとろけた色を浮かべ

 

「居た!気配はずっと感じていたんだ……私のイチカ……あの時の傷が教えてくれていた。お前の存在を」

 

肩にてを当てて狂気的な笑みを浮かべ楽しそうに笑いながら

 

「予定変更だ……お前との逢瀬待ちわびたぞ……何年も何年もなああ!!!!」

 

もう抑えきれない。何年もこの身に閉じ込めていた殺意と狂った愛はもうあのイチカを見た時点で抑えきれなくなった

 

まだ顔を出すなと言われていたがそんなのはどうでも良い。この世界がどうなろうと、ネクロの計画がどうなろうと知ったことじゃない……

 

「さぁ始めようじゃないか?死愛を……ははッ!ははははっ!!!!」

 

誰もいない場所で狂ったように笑うネクロ。いや見る者が見れば気付いただろう……髪型や憎悪や愛情の入り混じった感情のせいか顔付きは変わっていたが……その顔は間違いなく織斑千冬と同じ顔だったと……

 

 

第79話に続く

 

 




はい、一気に話が動きました。狂気一夏にマドカ。そして平行世界の千冬。後半はちょっとダーク系の話が多くなる予定です
平行世界から来ているのは千冬だけなのか?とかを考えてもらえると嬉しいですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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