IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

88 / 134
どうも混沌の魔法使いです。今回からはミッドチルダ編になります、色々とイベントをやろうと思っていますので、どんなイベントがあるのかを楽しみにしてもらえると嬉しいです。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第87話

 

第87話

 

こんにちわ。織斑一夏です、魔法使いにネクロと言った超常現象を目の当たりにし、普通に生きていたら絶対に足を踏み入れることのない非日常に足を踏み入れてしまったIS学園の1年です。死に掛けたり、ISが暴走したり、妹がいたことを最近になってしって並大抵の事では驚かないようにはなってきたと思うんですが、今回ばかりはそんなことを言っている場合でありません。思わず敬語になってしまうほど動揺しています

 

なぜかって?そんなのは簡単です

 

 

「うおおおおおおッ!!!死ぬ!死ぬううううううッ!!!」

 

「はっははははは!転移する所間違えた!!」

 

高度3000メートルからの強制フリーフォール中だからです。箒とかもきゃあああああっと可愛らしい悲鳴を上げている。はやてさん達は慣れた様子で

 

「兄ちゃんに転移させたのは失敗やったな」

 

「だね。龍也たまにうっかりするもんね」

 

「まぁ海の上とかじゃないからまだまし?」

 

慣れた様子でそんな会話をしていた……俺は如何してこんなことになってしまったのかを高速で落下しながら、必死で思い返していた……そうあれは1時間前だ……

 

 

「ん?メールが来てる」

 

携帯にきていた龍也からのメールを見て驚いた内容は

 

『本日10時。寮裏の空き地に集合されたし、魔法世界へご招待しよう。各自荷物とISを持ってくること』

 

「魔法世界!?すげえどんな所なんだ?」

 

ずっと気になっていた龍也達が暮らしているという世界。未知なる物に興味がわくのは仕方ない事だが、魔法使いの住んでいるところなんて普通に暮らしていたら見れる物ではない。10時まであと1時間、急いで準備をしたほうが良さそうだ

 

「招待してくれるって言うなら準備したほうがいいよな」

 

旅行鞄をクローゼットから引っ張り出して着替えとかを詰めていると

 

コンコン

 

「一夏少し良いか?」

 

少し開いた扉から顔を出したのはマドカだった。その手には真新しい旅行鞄があった

 

「どうしたんだ?」

 

そう尋ねるとマドカは鞄を俺の前において頬をかきながら

 

「旅行には何を持っていけばいい?着替えは用意したがそれ以外はまるで判らない」

 

「あーなるほど。じゃあ一緒に準備するか?」

 

ぱあっと笑って、俺の隣にちょこんと座るマドカを見ながら俺は

 

(こういう経験って殆どないんだよな。なんか嬉しいのかな?)

 

千冬姉と旅行することなんて殆どなかった。こうして準備するのも久しぶりだ、そして妹と一緒に旅行の準備をする。なんか嬉しいなと考えながら俺は旅行の準備を進めた

 

「歯磨きセットとタオルは居るからな」

 

「ナイトキャップは?」

 

「欲しいならもって行けばいいと思うぞ?」

 

「じゃ、もって行く」

 

ナイトキャップをごそごそと鞄に詰め込んでいるマドカを見ながら、俺は魔法世界ってどんな所なんだろと想像していた。やっぱり皆空飛んでたりするのかな?

 

強制フリーフォールまであと25分……

 

「お?俺とマドカが一番最後なのか?」

 

龍也に指定された場所に行くとそこには既に箒とが待っていて各々が

 

「鈴。魔法使いの住んでるところってどんなところなのかな?」

 

「やっぱあれ?塔とか?」

 

「どんなんなんだろうね?魔法使いの住んでるところって」

 

「魔法使いかぁ……気難しいのかな?エリス」

 

「どうでしょう?龍也さんとかはかなりフレンドリーですけどね」

 

きゃいきゃいと色々と龍也達の住んでいる世界についての話をしていた。前の自分達のネクロを見て少し落ち込んでいたようだったから、多分気分転換できるように龍也が考えてくれたんだなっと考えていると

 

「一夏。お前は魔法使いの世界ってどんな者だと思う?」

 

「ん。んー?そうだな……空飛んでるとかじゃないかな?」

 

龍也とかの魔法を見るとそんな気がするというと

 

「だが一夏。この魔法使いの本を見るとウキ島とか書いてあるぞ?」

 

真剣そのものの表情でラウラがそう言う。その手にしているのは、良くある魔法使いについての小説でどうもラウラはそう言うのを想像しているようだ

 

「私はドラゴンが見たいですね」

 

「……クリスさん。ドラゴンは危険なんじゃ?」

 

ファンタジーの王道。ドラゴン……見てみたい気もするが確かに凶暴そうだ。でも見てみたいと思うのも確かだ

 

「ドラゴン……大きいのだろうか?やはり」

 

「どうかしら?そもそもドラゴンって直ぐ見れるの?なんか危ないとかで隔離されてそうだけどね」

 

ユウリと楯無さんもそんな話をしている。魔法使い、小説やアニメ、ゲームで良く見るテーマだ。実際の魔法使いがどんな生活をしているのか?興味は尽きない

 

「待たせたようだな。すまない」

 

龍也たちがゆっくりと歩いてい来る。千冬姉とツバキさんの姿もある。勿論荷物らしい鞄も持っているのだが

 

(千冬姉何を持ってきたんだ?)

 

片手鞄だけしか持ってない千冬姉。一体何を持ってきたのだろうか?と考えていると

 

「ではミッドチルダに行く前に幾つか注意事項を言っておく」

 

龍也が俺達を見てそう言ってから説明を始めた

 

「まず立ち入り禁止区には向かわないこと、ネクロが出る危険性があるからな」

 

向こうでもネクロは出てくるのか。イやむしろ魔法の世界だから出現率が高いのかもしれない

 

「あと当然ながら向こうとこっちは価値観は全然違う。こっちと同じで女尊男卑のつもりで居ると痛い眼を見るので気をつけること」

 

喧嘩っ早い奴も居るからな。戦闘凶が……とか龍也がぶつぶつ言っていた。戦闘凶って大丈夫なのか?

 

「あと泊まる所はまだ決めてへんから、多分兄ちゃんの屋敷か六課の空き部屋になると思うからそこんところよろしく」

 

屋敷?龍也って屋敷を持っているのか?新たに与えられた情報を整理していると

 

「まぁ後はおいおい説明していくから。じゃあ行くか」

 

龍也がぽいっと何かを投げると黒いひずみになる。それはネクロが消える空間に似ていた

 

「これは?なんなんだ龍也?」

 

強制不利フォールまであと4秒

 

「転移ゲートとでも言うものだ。潜ればミッドチルダに着く」

 

「凄いんだね。魔導師って私とエリスも出来るようになる?」

 

「ん~練習すれば出来ると思うよ。結構簡単だし」

 

強制フリーフォールまであと2秒

 

へー便利だなっと思いながら龍也達と一緒にひずみの中に足を踏み入れ。真っ先に飛び込んできたのは雲ひとつない青い空だったそして感じる浮遊感

 

「あっ。転移する所間違えた」

 

龍也がさらりと言う。恐る恐る下を見ると地面がない……それ所か、かなりの高い所に俺達は浮いていた

 

「「「「い、いやああああああ!!!」」」」

 

それを認識した瞬間俺達は自然落下を始めたのだった

 

強制フリーフォールスタート……

 

「ふっははははは!!!イヤッッホォォォオオォオウ!!!!!!!」

 

「何でそんなに楽しそうなんだアアアアア!!!!」

 

超楽しそうに笑っている龍也。だがその落下スピードは俺たちより速い。頭を下にしているせいだろうか?と言うかこのままだと不味い。地面に叩きつけられてザクロだ

 

「!そうですわ!IS!ISを展開し……集中できませんわぁぁ!!!!」

 

セシリアがISを展開すればいいと気づくが、強制フリーフォール中で集中できないらしく絶叫している

 

「ほっ!セーフ」

 

「まったくだな」

 

楯無さんとユウリはあっさりとISを展開して、宙で姿勢を正してラウラや箒に手を貸し。ISを展開しやすいようにサポートしている。ツバキさんは

 

「ありがとう。エリスちゃん。簪ちゃん」

 

簪さんとエリスさんに両脇から抱えられてゆっくりと降下している。これであとは千冬姉とマドカ……あっ!

 

(はっ!スコールさん達は!?)

 

ネクロの攻撃で右腕と両足を失ったスコールさんは、車椅子だったはずと思い上を見ると

 

「大丈夫か?スコール」

 

「ありがと、オータム。流石にちょっと焦ったわ」

 

8本の足を持つISをオータムさんが展開していて、生身の2本の腕とISの4本の腕でスコールさんを支えてた。それを見て一安心しているとユウリの檄が飛ぶ

 

「今のうちにISを展開して姿勢を正せ。ダメージレベルはDだがPICは問題なく使用出来るはずだ。はやて達はもう騎士甲冑だったか?それを展開しているぞ?」

 

ユウリの視線の先では、なのはさん達が騎士甲冑だったかBJだったか忘れたが、それを展開して宙に浮いている。箒たちのISは前回のネクロの攻撃で大破しているが、PICくらいは使えるのか、ゆったりとだが降下している。それを見て俺も白式を展開しようとするが

 

(全然集中できねぇ!)

 

弥生さんやシェンさんがどんどんISを展開していく中。俺だけが降下している。このままだと不味いと焦れば焦るほど、展開が出来なくなって来ていた

 

「一夏。早くISを展開してくれないと私も姉さんも不味いんだが?」

 

「ああ。私はISを持ってないし、まどかは修理中だからな」

 

スカートを両手で押さえ。鞄を小脇に抱えている千冬姉とマドカを見る。だが表情はいつも同じなので焦っているように見えないのが凄い、鉄のポーカーフェイスなのかとか思わず考えてしまうほど俺はうろたえていた

 

「判ってるから、プレッシャーをかけないでくれ!」

 

そう叫んでから目を閉じて、意識を集中させることで漸く白式が展開した。ほっと一安心し千冬姉とマドカを抱えた所で

 

「あ、デバイスとIS鞄の中だ。うっかりしてたなああああああ!!!!」

 

「兄ちゃーん!?」

 

「龍也さーん!?」

 

「龍也ーッ!!!」

 

はやてさん達の悲鳴と箒達の絶叫。そして龍也のドップラー効果を残した絶叫が辺りに響いたのだった……

 

 

 

 

 

しまったなあ……うっかり鞄にISとデバイスを入れたままだ。真っ逆さまに降下しながらどうした者かと考える

 

「うーん。どうするかな?」

 

そんなことを考えていると視線を感じてそっちに視線を向けると

 

「よお。ウェンディ久しぶりだな」

 

ボード型のデバイスの上にしゃがみこんで、こっちをみているウェンディと視線が合った

 

「うん……久しぶりっすね。龍也兄」

 

降下している私とそんな私に合わせているウェンデイ。とてもシュールな光景だ

 

「何時帰ってきたんすっか?」

 

「ついさっきだな。間違えて上空に転移してしまったんだ」

 

「うっかり?」

 

「うっかりだ」

 

シーンと嫌な沈黙が辺りに満ちる。それよりなんでここに居るんだろうということが気になり

 

「何してるんだ?こんな高さで?」

 

「ディエチ姉に射撃してもらって回避の練習っす。と言うかこんな状況で良くそんなこと聞けるっすね?」

 

呆れたと笑うウェンディは、立ち上がりながら手を私に伸ばして

 

「ほい。乗るっすよ」

 

「すまんな」

 

バニンシングバードの上に乗った所で、下から魔力弾が放たれる

 

「っとと!」

 

急旋回を切ってその攻撃を回避するウェンデイ。それを見て

 

「ふむ、良いことを思いついた。操縦を代わってくれ」

 

「ほえ?別に良いっすよ?」

 

立ち位置を交代して後ろのウェンデイに

 

「しっかり捕まってろ。バニシングバードの使い方を見せてやる」

 

「りょーかいっす♪」

 

えへへっと笑ってウェンディが私にしがみついたのを確認してから

 

「行くぞ!!!」

 

バニシングバードの機首を上に向けると同時に急加速をして、下からある程度の感覚で放たれる正確な射撃を回避しながら雲の間を突き抜けて、一夏達が居るところまで昇っていった

 

 

 

落ちて行ってしまった龍也の後を追って降下していると

 

「ん?下から急接近してくる反応あり……龍也か。良かった」

 

ハイパーセンサーに反応があり、多分龍也だろうと思っていると雲の間を突き抜けてサーフボードの様な物が飛び出してくる。

 

「あー、ウェンデイがおったんか……まあGJやな」

 

「たまには役に立つね。あの子も」

 

「なのはもはやてもウェンデイに当たりきつくない?」

 

フェイトさん達がそんな話をしていると、雲の間から光り輝く光弾が何個も何個も飛び出してボードを追いかけていく

 

「さースタートだ!!!」

 

龍也がそう言うとボードが正面を向く、良く見ると龍也の後ろにしがみついている紅い髪の少女の姿に気づく

 

(知り合いだよな?多分)

 

そんなことを考えているうちに龍也の操るボードが動き始めた

 

「よっ!」

 

時間差で襲ってくる魔力弾と言う奴を反転や降下を織り交ぜて、鮮やかな軌道を描きつつ舞うように魔力弾を回避していく

 

「すご……なにあれ」

 

「波乗りしてるみたいだな」

 

シェンさんや弥生さんの驚愕の声が聞こえる。サーフィンをしているかのような仕草で、どんどん増える魔力弾を回避していく、それを射撃している人も感じ取ったのかどんどん射撃の勢いが増していくが

 

「ふふん。その程度じゃ私は捉えれんぞ、ディエチ」

 

龍也が自信満々に笑うと、龍也は姿勢を変えて前傾姿勢になる。その姿はサーファーの姿にそっくりだ

 

「射撃なら交わすのなんてわけないんだよ」

 

右へ左への連続のクイックターン。上から見ると良く判るがジグザグ移動を繰り返し射撃を巧みに回避している。しかもスピードも調整して射手を幻惑するような動作も組み込まれている。

 

「ん?つぎはそう来たか。ならこうだ!」

 

時間差の7連射が雲を突き破って迫ってくる。それを見た龍也は嬉しそうに笑い。まずは最初の弾丸をボードを前に進めて回避、時間差で迫ってきた2発目・3発目をバク宙のような動きで回避。4発目・5発目はボードを大きく横に切り半回転して回避し、最後の2発は

 

「こういうことも出来るんだよ、私はな」

 

ボードの機首を上げて上に逃れ、ある程度加速がついたところで

 

「同じスピードなら通り抜けれない道理は無い」

 

6発目と7発目の微妙な隙間にボードをねじ込み、鋭く回転しながら7発の魔力弾を全て回避した。それを見ていた箒達が

 

「凄いな。龍也はあんなことまで出来たのか」

 

「芸達者ですわね。本当に」

 

ISを展開して余裕が出来たのか箒やセシリアがそんな話をしている。美しい蒼い光りが帯のようにボードの通った道に残り確かに美しい。しかもそれを

 

「上下左右か。ならこうだ!」

 

「うっひゃあああ!」

 

右宙返りや高速ターンで包囲してきた魔力弾を鮮やかに回避して俺達の方に近寄ってくる

 

「やー何とかなる者だな。意外と」

 

からから笑う龍也の後ろで赤い髪の女の子は「め。めえ回るすうっ……」と呻いていた。あれだけ旋回や空中回転を繰り返されたら気持ち悪くもなるというものだろう

 

「兄ちゃん。うっかりもたいがいにしいよ?」

 

起こった感じではやてさんが言うと龍也は右手で頭をかきながら

 

「すまんすまん。ちょっと気が緩んでみたいだ」

 

そのちょっとで俺達は死ぬかもしれない状況だったのだが、こうして無事だったし、龍也も悪いなと謝ってくれたのであえて口にはしなかった。

 

「そろそろ地面に着く。着地の準備をしておけよ」

 

そう言うと龍也は少し距離を取ってから機首を上に上げて

 

「さーてラストトリックだ。ちゃんと覚えろよ!ウェンデイ」

 

「は。はいっす」

 

へろへろだけど大丈夫なのか?あの子?そんな感想を抱いているうちに龍也が一気に加速していく。その龍也を追う様に無数の魔力弾が殺到していくが

 

「すごい、微妙な緩急を使って全部回避してる」

 

「勉強になるな。空中戦のお手本のような動きだ」

 

急加速と減速を組み合わせた、その機動は確かに空中戦のお手本のような動きだ。しかもクイックターンを織り交ぜることで魔力弾同士をぶつけて防御もしている。その機動は十分に戦闘技能として流用できると思っているうちに地面に着きISを解除するとそこには

 

「なんだお前達は?」

 

「知らない人」

 

目付きの鋭い青い髪の女性とその隣にキャノン砲を抱えた茶髪の女性がいた、さっきから攻撃していたのはこの人たちなのか?

思わず身構えると

 

「よートーレ!久しぶりやなー!」

 

「はやて?と言う事はこいつらはあれか?お前たちが行っていた世界の人間か?」

 

「そうそう。ちょっと色々あってなぁ連れて来たんよ」

 

にこにこと笑うはやてさん。どうやら知り合いのようだ、ほっと溜息を吐いていると

 

「よっと!こんなもんだな」

 

龍也が最後に着地し乗っていたボードを跳ね上げて立たせる。ウェンディと呼ばれていた少女はすこしぐったりしていたが問題なさそうだ

 

「なんだ、急に動きが変わったと思ったらやっぱりお前か八神。訓練の邪魔をされては困るぞ」

 

「すまんな。デバイスを鞄に入れててな。真っ逆さまに落ちてしまったのだよ」

 

笑いながら言うなよ、と言いながらトーレと呼ばれた女性が深く溜息を吐きながら

 

「まあいいがな。では私達は訓練の続きがあるから行くぞ。また後でな」

 

2人の少女を連れて歩き去っていった。どうも知り合いみたいだけどどういう関係なんだろうか?

 

「龍也。今の3人は?」

 

「ジェイルを覚えているか。あいつの娘だよ、それで私の部隊の構成員。あれでも一芸特化でな。トーレは高速機動、ウェンディは応用力、ディエチは超精密射撃。私の部隊はどちらかと言うとそう言うエキスパートの集まりなんだよ」

 

若そうに見えたけど、龍也が言うんだからきっと俺たちなんかよりも強いんだろうなあと思った。龍也は俺達を見てにこりと笑いながら

 

「多少のトラブルはあったが、ようこそ私達の世界へ」

 

多少のトラブルで片付けて良いレベルの事態だったのかは不明だが、魔法世界に来る事ができたようだ。さっきまでの異様な緊張感が溶けて深く溜息を吐いているとエリスさんが

 

「龍也さん。ここは見た所の森の中のようですが……ここは一体どこなんですか?」

 

辺りには見たことのない動植物の数々、それに地面の感触も少し違うような気がする。龍也はふむっと頷き顎の下に手を置いて

 

「あ、不味いな……ベルカの訓練地区だな」

 

辺りを見てそうつぶやく。ベルカの訓練地区?地名が判らないからなんとも言えないんだが、龍也を含めはやてさん達も嫌そうな顔をしているのが判る。なんとなく不安に思っていると

 

「だね……ここに居ると不味いね。主に龍也が」

 

えっ!?ここにいたら不味いの!?嫌そうな顔をしている龍也を見て不安になっていると、ザザザッ!!!と木々を掻き分ける音がしたと思った瞬間何人もの屈強そうな男の人たちが来てぎょっとしてしまった。全員が全員屈強そうな男性で……あっ少し女の人も混ざってるけどそれでもこれだけ屈強そうな連中に囲まれると恐怖を感じる。なお千冬姉とマドカは平気そうな顔をして

 

「なぁはやて、こいつらはなんだ?」

 

「敵か?敵なら戦うが」

 

敵=戦うの図式で物を考えているから怖い。魔法使い相手でもまったくの自然体、俺の姉と妹は豪胆すぎると思う。そんな2人にはやてさんは

 

「敵ならいいんやけど、ちゃうんよなぁ……」

 

龍也に負けないくらい嫌そうな顔をしたはやてさんが溜息を吐くのと殆ど同じタイミングで俺達を囲んでいた人たちが

 

「「「神王陛下様!」」」

 

そう叫んだと思うと同時にざっと一斉に片膝立ちになる。えっえっ?神王陛下って何!?俺たちが混乱しているとはぁっと深く溜息を吐いた龍也はやれやれと頭を振りながら片膝立ちの集団を見て

 

「どうもこのままと言うわけには行きそうに無いな。来いって言うんだろ?聖王教会に」

 

「はい!少しだけでもよろしいので顔を出して頂きたい」

 

龍也は心底嫌そうな顔をしていた。聖王教会って言うだけあって宗教的な場所なのか?と俺が思っている中。龍也ははやてさん達に

 

「すまんがカリムとかシャッハは止めてくれよ」

 

「「了解」」

 

話についていけない中。先頭の屈強な男性が俺達を見て

 

「神王陛下様のお客人だ!荷物を運べ!」

 

「了解!」

 

一斉に敬礼して俺達の荷物を抱えて走っていってしまう。だから神王陛下ってなんだよ!?箒とかも突然のことに呆然としていた

 

「あの……龍也君?神王陛下ってなに?」

 

ツバキさんの問い掛けに龍也ではなく俺達を見ていた男性が

 

「神王陛下とはベルカの土地を修めたもっとも偉大で優秀な王のこと!そして八神龍也大将様はその実子!世が世ならば王としてこの世界を治めるかたでございます!」

 

……え?龍也……王様なの?俺達の視線が集中する中龍也はふかーく溜息を吐き

 

「だからここは嫌いなんだ」

 

本当に嫌そうな顔をしてそう呟いた。そして俺達は騎士の皆様(後に聞いたがこの土地に居る魔法使いは騎士と称されるらしい)に半分連行されるような形で聖王教会と言う教会へと連れて行かれるのだった。その途中龍也は心底申し訳なさそうな顔をしてすまんと謝ってきたのだった……

 

第88話に続く

 

 

 




次回は聖王教会での話を少しやって昼食から本局に行く流れで行きたいと思います。途中であってボードによる空中のはエウレカセブンの動きをイメージしてみました。上手く表現で着ていたらいいんですけど、そこだけが不安です。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。