IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は魔導師の訓練を見て驚く一夏達と言うのをやって行きたいと思います。その後は会話形の話しを入れたいなって思っています。未知の戦いを見て驚くというのも大事なイベントだと思うので、それに同年代と言うか歳の近い人も多いので、ネクロとの戦いに怯えている一夏達に良い刺激になると思うんです。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第90話

 

 

第90話

 

演習場と言うところに案内され見学しているのだが、ただただ圧倒されていた

 

「すげ……」

 

「これが魔法使いの戦い」

 

「とても同年代とは思えないな」

 

弥生さんや簪さん、そして箒の驚きの声が聞こえる。この声がなければ俺ももう少し動揺していたかもしれない

 

「どうした!それで終わりか!」

 

ピンク色の髪をした女性が、甲冑のような物を着て炎を巻き上げる機械的な剣を構えている。その人と対峙しているのは

 

「やっぱりシグナム隊長相手に私じゃインファイトは分が悪いわね。スバル交代!バックアップに入るわ」

 

「OK!ティア!あとは私に任せて!」

 

片方はさっきもあったスバルさんだ。胸周りと肩に装甲の様な物を身につけて、両手にはガントレットのような篭手を嵌め。足元にはローラーブレードの様な脚甲を装備していた。そしてその隣のオレンジ色の髪のツインテールの女性はスバルさんとは対照的に黒っぽいインナーの様な物の上に白いコートを羽織っていて、その手には二丁の拳銃な様なものを装備しているだけで、スバルさんと比べると随分と軽装に見えた

 

「スバルは陸戦だから防御力と火力重視。ティアナは元陸戦の空戦魔導師、若いけど指揮官タイプでね。オールレンジ対応なんだけど支援タイプだからね。スピード・機動力重視だから軽装なんだよ」

 

なのはさんがそう解説してくれる。龍也とはやてさんは少し席を外すと言って、演習場の前で別れた。しかし一口にこうしてみてみると魔導師といってもスタイルで装備が変わるのか、龍也は蒼や金色の甲冑。なのはさんは白を基調にした服と杖。フェイトさんは黒い服の上に白のマント。はやてさんは甲冑と服の組み合わせ。変な話だがISみたいにもう少し共通点とかあると思っていた

 

「ではあそこで2人と戦っているのは?2人と装備が違うようだが?」

 

ユウリの視線の先にはポニーテールの女性の姿、確かにスバルさんとあの人の装備は全然違う物に見える気がする。ユウリの問い掛けになのはさんが

 

「シグナムはベルカ式の魔導師でカートリッジ。魔力を増幅させる装備をデバイスに装備してて、それで武器の形状を変化させたり。身体能力を強化して戦う生粋のインファイターだよ、ほらああいう風に使うんだよ」

 

まぁスバルとティアナもベルカ式なんだけど近代ベルカ式だから少し違うんだよ。と付け加えるなのはさん、同じ魔法でも近代とか色々と種類があるんだなあと思っていると

 

「レーヴァティン!カートリッジロード!」

 

ガシャコンと音を立てて排出されるカートリッジ。それと同時にシグナムと言う女性が持っている剣に炎が奔る

 

「紫電一閃ッ!」

 

「一撃必倒!ディバイン……バスターッ!!!!」

 

炎を伴った一閃とスバルさんの拳から打ち出された光線がぶつかり演習場を大きく揺らした。そして

 

「うわあ!?」

 

スバルさんが押し負け吹っ飛ばされる地面に2回3回と跳ねて演習場の陰に消える

 

「スバル!?「チェックメイトだ。ティアナ」……うっ参りました」

 

そしてティアナさんの喉元に剣を突きつけるシグナムさん。どうやらあれで決着のようだ。

 

「魔導師の訓練って言うのはこんなに実戦形式なの?これじゃあ訓練で怪我をするんじゃないの?」

 

鈴の問い掛けは俺も思った。あの攻撃は明らかに怪我をしてもおかしくないほどの勢いだった、訓練で怪我をしたら本末転倒なのではと尋ねるとフェイトさんが

 

「魔法には非殺傷設定って言うのがあって魔力ダメージを与えるモードがあるの。それは少しくらいは打撲や打ち身はするけどそれくらいだから大丈夫なんだよ」

 

そうなのか……だからあんなに思いっきり攻撃が出来ているのか。でもそれはいい物だとおもう手加減した攻撃で訓練しても身につかないからだ

 

「ところであそこで戦っているシグナムと言うのは、やはり隊長格なのか?動きや攻撃の早さが全然違ったのだが?」

 

「それは私も気になってた。どうなんですか?」

 

軍人であるラウラとクリスさんらしい視点で見ていると思った。その言葉になのはさんは笑いながら

 

「八神シグナム1等空尉。ライトニングの副隊長だよ」

 

八神?と言うことは龍也の妹……じーと演習場のシグナムさんを見る。日本人とは思えないんだけど……龍也は髪と目の色こそ違うけど日本人って言う感じなんだけど……

 

「あははは、別に血が繋がっている訳やないんよ。ちょっと複雑な事情があるんや。まぁそんなに気にしんでいいよ」

 

演習場の前で別れたはやてさんが入ってきてそう笑う。しかし隣に龍也の姿がない、それに気付いたなのはさんが

 

「あれ?はやてちゃん?龍也さんは?」

 

はやてさんは俺達が見ている演習場のほうを指差して

 

「あっち。訓練に参加するんやて、なんか鈍ってる感じがするらしいで」

 

演習場の方から龍也が姿を見せる。それを見たシグナムさんが近づいていく

 

「兄上どうなされたのですか?」

 

シグナムさんが敬語で龍也に話しかける、龍也はにっこりと笑いながら

 

「私も訓練に参加しようとおもってね。構わないか?シグナム」

 

その問い掛けを聞いたシグナムさんははいっと頷きながら龍也から離れて

 

「まずは私からお願いしても?」

 

好戦的とも取れる笑みを浮かべるシグナムさんに龍也は頷き、いつもの黄金色の甲冑ではなく黒の軽鎧に紅いコートを身にまとってだらりと両手を下げる。いつもと全然違う姿に困惑しながら見ていると

 

「訓練の時龍也は相手に応じた戦い方をするんだ。シグナムとかスバルの近接の魔導師相手は徒手空拳と剣術をメインにした戦い方。ティアナとかなのはの時は銃とかを使った射撃とかね?同じ戦い方なら見ているだけでも参考になるでしょう?」

 

剣術は見ることも大事だ。確かにそう言う稽古も効果的だろう、しかも相手が強いのならなおの事だ、そんなことを考えていると

なのはさん達が椅子に腰掛けて

 

「一夏達も座ってみたらどうや?兄ちゃんの訓練は長いからなあ。立ってみるのは大変やで?」

 

「多分久しぶりだからディードとかノーヴェも訓練に出てくるだろうね」

 

龍也の訓練は参加者が多いのか……でも確かに龍也の訓練は厳しいけど色々と教えてくれる。しかもそれが1対1で教えてくれるのならそれは参加したいとおもうのが当然だろう。演習場には少しずつだけど人が増えて来ている

 

「そう言うことなら座ってみるか」

 

今までは立って見ていたけど、なのはさんたちが言うのなら座って見た方が良いのだろう。俺達は演習場の見学席に備え付けられていた椅子に腰を下ろして、龍也とシグナムさんの訓練を見学する事にしたのだった

 

 

 

 

 

 

キンキンッ!!!

 

何度も何度も繰り返される金属音の応酬。しかしそれでいて無骨ではなく一種の舞のような美しさを持っている。それを見た私は思わず、自分の剣術とあの2人の剣術とを比べてしまっていた。そしてわかる自分の剣術がいかに稚拙だったのかと

 

(素晴らしい……魔導師やそうじゃないなんて関係ない。これは修練の成果だ)

 

毎日毎日訓練を積み重ね作り上げられた剣術。ネクロと戦っているときはネクロの方に意識が向いてしまっていて、判らなかったがこうしてみると良く判る。龍也さんの剣の素晴らしさが……同じ二刀流でも完成度がまるで違う

 

「くっ!やはりそう簡単には届きませんか!」

 

「まだまだ。そう簡単には一本はやれんなあ」

 

シグナムさんの強烈な一撃を2振りの中華刀で鮮やかに受け流し、さばく手数は決して少なくはない。だけどそれを涼しい顔をしてさばいている。同じ事をしろと言われても決して私には出来ない……いや出来るわけがない、戦いの中でも決して熱くならず冷静でいることが出来なければあんな神がかり的な防御は出来るわけがない

 

「凄いとしか言いようがないな。ワタシでもあそこまでは出来ないぞ」

 

「ユウリでもそう思う?私も……経験と修練の差が凄く出てるわね」

 

武を修めている者ならば判る。龍也さんとシグナムさんの技能の高さが……シグナムさんの剣は西洋剣に似ている、それはつまり自重を持って相手の武器を叩き折る剣だ。それに対して龍也さんの剣は中華刀。つまり少し間違えれば一瞬で砕き折られるそんな得物で、どうしてあそこまで鮮やかに攻撃を受け流せるのだろうか

 

「凄いわね。あたしは剣術なんて判らないけど、あの動きの凄さは判るわよ」

 

「素晴らしいとしか言いようがない。あれは剣術を収める者が到達できる2つの高みだ」

 

2つの高み。私のような子供が言うのもおこがましいが、龍也さんは才能がない。それを訓練と実戦で補い莫大な戦闘経験で才能のなさを補っている。それに対してシグナムさんは溢れんばかりの才能を持っている。それを更に訓練と稽古で磨き上げた剣。本来なら龍也さんが押されるはずなのに

 

「行くぞ!」

 

「はいっ!」

 

徐々に龍也さんの攻撃のテンポが上がっていく。剣術に二刀流というのは手数は多くなると思われがちだが、考えてみて欲しい。刀と言うのは重量がある。それを片手で支えて振るうことがいかに大変かと言うことを知らない物が言える事だ。二刀で戦うには筋力や鋭い腰のキレ、そして鋭い空間把握が揃ってようやく二刀流で戦うことが出来る。そして龍也さんの剣術は完成しきっていた

 

(私にも到達できるのだろうか?この高みに)

 

二刀流の剣術を修める者として、また剣士として私はいつかその高みに辿り着きたいと願うのだった……

 

 

 

 

 

随分と真剣な顔をしてみてるなあ。演習場を見ている一夏達を見て私はそう思った。世界は違えど同年代と言うのは良い刺激になる。だからこそ兄ちゃんが訓練に出てきたのだ

 

「どうした?届いてないぞ!」

 

「まだまだぁ!!!」

 

バシッ!バシッ!!!

 

スバルと兄ちゃんの模擬戦を見ている弥生やシェンが信じられないようなものを見ているような顔をしている。それはルーキーが見学に来て初めて六課の訓練を見たときの顔に良く似ていた

 

(心が折れないといいんやけどね)

 

この訓練を見てルーキーの2割は自信を無くす。だけど同年代が出来るならと奮起する者もいる、一夏達はどっちだろうと思ってみていると

 

「クリス。画像の記録は出来ているのか?」

 

「うん。少し動きが早くて録画しにくいけど……大丈夫」

 

ノートPCで兄ちゃんとスバルの動きを録画していたり

 

「スバルって18歳って言ってたよな?」

 

「うん。私たちと3歳しか違わないんだよね」

 

「ならあたし達も頑張れば何とかなるんじゃないのか?ネクロは怖いけどよ……逃げてても仕方ない。そう思わないか?」

 

「思う……俺もそう思う」

 

なんか逆にやる気を出している一夏達を見て要らぬ心配だったかと思っていると楯無が

 

「はやてさん達は訓練しないんですか?」

 

それは質問と言うより私達の力を見てみたいとその目が語っていた。私は肩を竦めて

 

「せぇへんよ。今日は部下組みの訓練の日。隊長陣が出るわけにはいかへんやろ?」

 

訓練が始まると熱が入ってしまう。そうなるとその日のスバル達の訓練はお流れになる。となれば無理には訓練には参加できない

 

「私達の訓練は明後日だからね、明後日を待っててよ。楯無」

 

なのはちゃんの言葉に楯無はそうですかと呟いてから

 

「私はネクロと戦うってもう決めてますから。早めの改修よろしくお願いします」

 

そう言ってユウリの隣に腰掛け演習場を写しているモニターに視線を戻す。そのモニターにはディードと兄ちゃんの模擬戦の様子が写されていた。興味深そうにモニターを見ている楯無。私は最近良くみる楯無の目の事を思い出していた。ただ力を望んでいるのではない、あの目は何か目的があって力が欲しいといっている目だ。その目は私やなのはちゃんが良くする目の色に良く似ていた

 

(ユウリのためにか……)

 

楯無が力を求める理由はユウリの為だろう。スコールさんを助ける時にユウリと楯無の方に現れたネクロ……セリナと名乗る楯無と瓜二つのネクロ。ユウリはセリナを知っていて、セリナは楯無に似ている。自分がそのセリナと言うネクロの素体になった女生徒重ねて見られている事を知ってもなおユウリと一緒にいる。楯無はまだ幼いが覚悟がある、いや肝が据わっているとも言える。情けないのはユウリの方や

 

(ここまで想ってくれてるんやで?何時までも考えてないで何か言ってやりいよ)

 

ユウリが何を抱えているかなんて知らない。楯無はユウリが自分が抱えている何かを言うのを待つと決めた、その強さを私は買った

 

(スカリエッティさん。聞こえる?)

 

念話で声を掛けると直ぐに

 

(んーなんだい?はやて君。今スコールさんに会う手足を作っているところなんだけど?)

 

スコールさんは私たちで言うと戦闘機人に近い。だからスカリエッティさんだけが治療できるのだ

 

(それ終わったらで良いで。ミステリアス・レィディの改修を優先してくれん?)

 

(構わないよ?一夏君達のISの改修は後回しで良いって言われてたからね。ミステリアス・レィディの改修を優先するよ)

 

そう返事を返すスカリエッティさんにありがとうと返事を返していると

 

「はやてちゃん。訓練終わりみたいだよ?」

 

「ん?もうそんなに時間たった?」

 

時計を見ると1時間と少し、普段より少し短いけど兄ちゃんの目的だとスバルとかと一夏達の話をさせるのが目的らしいしこんなもんやろ……

 

「んじゃ食堂でも行こうか?ジュースとかお菓子とかあるから、そこでスバル達を待って話をするといいよ」

 

フェイトちゃんがそう笑ってこっちだよって言って一夏達を先導して歩き出す。ツバキさんは1番最後尾にいて私の前に来て

 

「ありがとう。良いカンフル剤になった見たいね」

 

すれ違った一夏達の顔はやる気とかに満ちていた。同年代を見て自分もやれば出来ると思っている表情だった

 

「だけどそれじゃあまだ駄目です。言わなくても判ってますよね?」

 

「ええ。判ってるわ、ネクロへの恐怖はまだ残ってるみたいだしね」

 

確かに一夏達はやる気を出した。だがそれとネクロへの恐怖心は別物だ。ここから先はスバル達次第だ

 

「今日見せてもらった戦闘データの解析をしたいんだけど。何処かないかしら?」

 

「あ、それでしたら。私もスバル達の動きを分析するんで一緒にどうぞ。なのはちゃんスバル達に上手く言っておいてな?」

 

了解と返事を返すなのはちゃんと別れ、私はツバキさんと一緒にロングアーチの執務室に向かったのだった

 

 

 

 

 

フェイトさんは用事があるからと言って食堂の前で別れた。俺達はフェイトさんに案内された食堂で飲み物やお菓子を買って箒達と話をしていると

 

「やはり勝てませんでしたね。残念です」

 

「えーディードは結構良い線行ったんじゃない?私は全然だけどさ」

 

「まぁどちらにせよ。今の私達じゃ1対1じゃ勝率は0%。チームを組んで0.5%前後って所ね」

 

首からタオルを提げたスバルさんと、何かの機械を操作しているオレンジ色の髪をした……ティアさん。それとその隣にいる腰元まで伸びた茶髪と穏やかな笑みを浮かべた人が食堂に入ってくる。俺達が見ているのに気づいたスバルさんが

 

「やっほー♪」

 

軽く手を振ってそのまま2人を連れて、俺達が座っている場所に来て鈴達に手を振りながら

 

「鈴と弥生。それにシェン久しぶりだねー」

 

前に自己紹介を済ませているスバルさんはそう笑って椅子に座る。

 

「一通り話は聞いてるわ。ティアナ・ランスター。ティアナで良いわよ」

 

「ディード。ディード・スカリエッティです。よろしくお願いします」

 

「……セッテ」

 

ティアナさんとディードさんは笑っていたが、ディードさんの隣のセッテさんはぼそっとそう言っただけで興味が無さそうな顔をして椅子に座る。自己紹介された以上俺たちも自己紹介をしないわけにはいかず

 

「織斑一夏です。こっちは妹のマドカ」

 

俺の自己紹介に続いて箒達も自己紹介をしていく。そんな俺達を見ていたティアナさんは

 

「ん。よろしく」

 

そう言うと機械の操作に視線を戻してしまった。なんか気難しい人なのかも知れない

 

「スバルってほんとは年上だったんだ」

 

「うん。ほらあの時は龍也さんも歳を誤魔化してたからね。辻褄合わせで歳を誤魔化してたんだ……ねぇ。ティア、ちょっと無愛想すぎない?」

 

ティアナさんは視線だけをスバルさんに向けて

 

「あんたの訓練報告書の間違いをピックアップしてるの、それとも自分でやるの?」

 

「……お願いします」

 

じろりと睨まれたスバルさんは身体を小さくしている、その様子がおかしかったのか箒やヴィクトリアさんが噴出す

 

「もー笑うことないんじゃない?私は実戦タイプだから「破壊した街の施設とかの始末書は書いたの」うぐっ!?ティアの意地悪」

 

もう駄目だ。俺も笑ってしまった……その笑いのせいか今まで感じていた緊張感とかはなくなったのか弥生さんが

 

「スバルさん。凄かったな……こうなんか光ってる奴」

 

「あー極光?あれは龍也さんに教えて貰ったんだよ。私は射撃とかてんで駄目だから」

 

「ディードさんは随分と変わった剣を使うんだな?」

 

「ベルゼルガーですか?あれは龍也兄様に頂いた大事な物ですので使いこなせる様に毎日毎日訓練したんですよ」

 

「……マドカ」

 

「セッテ」

 

「「うふふふふふ」」

 

なんかマドカとセッテさんが共鳴している。と言うかマドカがふふふふふっなんて笑う所は始めてみたと思う。互いに互いの気になる話をした。ISとデバイスのことや、凄い戦いだったと模擬戦を見た感想。お茶とお菓子を食べながら話していると、さっきまで難しい顔をしていたティアナさんも

 

「はい。間違えてる所ピックアップしたから。後で直しておきなさいよ」

 

「あ、ありがとー!やっぱり持つべき者は相棒だよね♪」

 

嬉しそうに笑うスバルさんともうっと溜息を吐くティアナさん。それはさっき演習場で見た真剣な顔で龍也と戦っていた人と同じには見えなかった

 

「監禁?ならば手錠を上げましょう」

 

「いいのか?ありがとう」

 

なんかマドカとセッテさんが凄く怖い会話をしてるけど聞かなかったことにしよう。手錠でマドカが何をするつもりなのか?考えるだけでも恐ろしい。それにセッテさんが

 

「拘束すればこっちの物です。悪戯しほうだいです」

 

「悪戯し放題……(ポッ)」

 

……今日は少し警戒して寝ておこう。ISの部分展開とかしてフィールドを発生させて置いたほうがいいのかもしれない。あ、IS修理中だから無理だ……その事に絶望していると

 

「ISね。龍也さんには聞いてたけどデバイスによく似てるのね」

 

「そうなのですか?」

 

「うん。私は専門じゃないけどね、そのくらいは判るわよ」

 

「……デバイスは買うんですか?」

 

「フリーの人は自分で作るわね。私達のは支給品のワンオフのデバイスよ」

 

「パーツとかは売ってるのですか?もしそうなら見てみたいんですが」

 

ティアナさんやセシリアがそんな話をしている。簪さんとエリスさんはデバイスに相当興味があるのか、ティアナさんにそう尋ねていた。どうやらスバルさんとティアナさんのやり取りで肩の力が抜けたようだ

 

「ディード。今度時間があればでいいのだが私と組み手をしてもらえないだろうか?」

 

「構いませんけど……どうしてですか?」

 

「私は二刀流の剣術を修めているのだが、このままで良いのかとか考えてしまってな。良かったら同じ二刀流使いと勝負をしてみれば何か閃くのではと思ったのだ」

 

「そう言うことでしたら構いませんよ。今日は17時頃からもう1度訓練がありますのでどうぞその時に手合わせしましょう」

 

わいわいと明るい話が続く。だけど俺達はもっと聞かなければならない事がある、ネクロの事とかだ……だけど誰もそれを口にしない。嫌したくないのだ、まだこの世界に来て2日目だ。昨日の龍也の話では1週間は大丈夫なのだからそう焦ることはない筈だ

 

「おーい、スバルーティアナー!龍也が皆で遊びに行って良いって半日休暇を出してくれたぞー!しかも小遣いもくれた!皆で遊びに行こーぜ!」

 

ノーヴェさんが食堂の入り口の所で来い来いって手を振っている。

 

「それとー!一夏だったかー!お前達も来いよークラナガンを案内してやるぜ」

 

おお。それは面白そうだ、俺は隣の箒達を見て

 

「折角誘ってくれてるんだ。行こうぜ」

 

魔法使いの世界の街。どんな所なのか見てみたかった、しかも同年代なら俺達が見ても楽しい所を考えてくれそうだ

 

「良いですね。行って見たいです」

 

「私も見たい」

 

キラキラとした目で行きたいという簪さんとエリスさん。それに箒やシェンさんも

 

「少ししか見れなかったからな。1度見てみたいと思っていた」

 

「観光名所とかはあるの?スバル?」

 

楽しそうに話しかけてくるシェンさんにスバル達は

 

「あるよ♪それに美味しいスイーツの店とかも一杯」

 

「良い機会だから案内してあげるわ。それと簪さんとエリスさんはデバイスに興味があるみたいだから、デバイスのパーツを売っている店も見せてあげるわ」

 

嬉しそうに笑う簪さんとエリスさん。自分達でISの整備ができるからデバイスも興味があるのだろう。かという俺もデバイスのパーツと言うものに若干の興味があるんだけどな

 

「ユウリ。楽しみね!見てみたいって言ってたわよね?」

 

「……あ、ああそうだな。確かに見てみたいと思っていた」

 

「じゃあ行きましょう♪」

 

ユウリが楯無さんに手を引かれて食堂の入り口で手を振っているノーヴェさんの所に行く、俺達もその後をついて食堂を出て行ったのだった。見たことのない魔法使いの暮らす世界に対する好奇心と興味心で高まる胸の音を感じていたのだった。この時だけはネクロに対する恐怖も不安も何も感じなかった。感じていたのは自分の知らない世界を見てみたいという気持ちだけだった……

 

 

 

 

 

 

一夏達がクラナガンの街に繰り出した頃。ジェイルのラボでは

 

「うーんとまぁこんな物かなっと」

 

最後のデータの入力を終えてググーッと背伸びをする。今までしていたのはスコール・ミューゼルさんの身体データを元にネクロに壊されてしまった。両足と右腕の治療の為のデータ入力をしていたのだ

 

「まさかあの世界にも戦闘機人を作れるだけの科学技術があったとは驚きだ」

 

スコールさんのスキャンデータを見て驚いた。それはスバル君やウーノ達と同じく、機械の骨格と人造筋肉で構成された戦闘機人だった。とは言え

 

(かなり旧式だったな。しかも私の設計した物じゃない)

 

ネクロに脅され考えてしまった戦闘機人。今はもうその図面は何一つ残っていない、もし残っているとすれば私の頭の中だけだ

 

(それに身体のあちこちはボロボロ。手術で神経を繋いだ跡があちこちにある)

 

考えられるのは昔何かの事故で身体の大半を失い。それを補う形で戦闘機人に近い存在になったと言うことだろう。データの入力は済んだから今から製作を始めれば明日の昼ごろには完成する

 

(手術の感が鈍ってないといいんだがな)

 

もうやらないと決めていた戦闘機人の手術。だけどそれをすることで誰かを救うことが出来るのならもう1度やるまいと決めいた手術をすることも受け入れよう。ブランクはある、だからそれだけが不安だが。私にならきっと出来る

 

「ふーこれもまた何かの運命なのだろうな」

 

ネクロによって自分の愛する娘達が戦闘機人になってしまった。私はその事を死ぬほど後悔した、だがその事で今スコールさんを救うことが出来る。罪深いはずの私が人を救える立場になれるというのなら……

 

「いつかはこの罪深いこの身を許せる日が来るのかもしれないな」

 

私は誰もいないラボの中でそう呟き。はやて君達から預かったISの修理を始めたのだった……

 

 

 

第91話に続く

 

 




今回はスバルとかと一夏達の接点を作るのが目的の話だったので少し短めの話です。次回はユウリと楯無さんの話。それとスコールさんの手術の話をやりたいと思っています。やりたいイベントの7割は終わってるんですが、残りの3割が少々難産ですね。大事なイベントなので外す事が出来ないんですよね。その代わり濃いイベントなので話数が多くなっても仕方ないと思って貰えるだけの仕上がりにしたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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