第93話
楯無に連れてこられた丘の上はなぜか判らないが心が休まった。巨大な大木に背中を預けながら
「楯無も気付いていただろう?ワタシがエリスを見ていることに」
「ええ、気づいてたわ」
楯無はふざけているように見えて、その実周りを良く見ている。ワタシがエリスを見ていることにも気付いているだろうと思いそう尋ねると即答で気付いていたと告げる。ワタシは朱色になり始めている空を見ながら
「人造操縦者作成計画。優秀なISの操縦者の遺伝子を元に肉体改造やナノマシンで無理にIS適性を上げる実験をしていた研究所があった。そこではドイツの第1世代型ISの操縦者の遺伝子からより強い、IS操縦者を作ろうとしていた」
ワタシがそう言うと楯無がワタシが何を言おうとしているのか気付き
「ご、ごめん……やっぱり「気にしなくて良い。いずれ話さなければと思っていたんだ」
やはり楯無は優しい。ワタシが何を言おうとしているのかを理解して止めに入ったが、ワタシは今を逃せばきっともう話そうとは思えなくなる。そんな気がして言葉を続けた
「ワタシ・エリスは同じ遺伝子を基盤に作られた、双子のクローンベイビーだった。だからワタシとエリスが似ているのは当然なんだ、双子だからな」
予想にもしてなかった事実に絶句する楯無。だがここから更に言いにくい話をワタシはしなければならない、何時までも楯無の優しさに甘えていたくないからだ
「セリナはワタシやエリスと同じ遺伝子をベースにされたが特別な調整を施されて生まれた。ワタシやエリスのように身体能力ではなく空間把握等を強化されて生まれた、だからワタシとエリスの妹になる」
セリナが楯無に似ているのはもしかするとこの調整のせいなのかも知れない。どういう因果かは判らないが楯無とセリナは鏡写しのように良く似ている。
「そっか、だからセリナはユウリを探していたのね?」
「あの暗い研究所では自分たち以外の全ては敵だった。クローンだから替えが利くと言って毎日毎日実験をされ、心も身体も傷ついていた。そんな中でワタシ達は兄妹として励ましあって生きていた」
今でも傷がうずく時がある。ファントムタスクに入って数年後。力をつけたワタシは復讐しあいつらを皆殺しにした。だが心に残った傷は今でもワタシを開放してはくれない
「だがそんなのはあのときの地獄と比べればどうと言うことはなかった……研究者達は自分たちの限界に気付き始めていた。クローンとは言え同じ身体能力や反射神経を得れるという事ではない。それ所か能力的には元の人間と同じか少し上と言うところがげんかいだった」
クローンとは言え別の人間だ。同じ能力を得れるわけがないのだから……だが研究者達はそれを認めなかった。自分達は神だと言う驕りを持ち更に研究を進めた。口を両手で押さえてワタシを見ている楯無、この事を話すのは正直怖いと思っていた。最初は鬱陶しいと思っていた、だが何時からか楯無と居る時間は何よりも癒される時間になっていたからだ。この話をして楯無がワタシから離れてしまうかもしれないと思いながらもワタシは自分の秘密を口にした
「研究者達はある結論に達した。女の身体では限界がある、そしてナノマシンと同じ遺伝子基盤を持つ男のクローンのデータを組み合わせ、性別反転の実験を行った……何十人も実験の反動で死んだ、だがワタシはそれに耐えた。ワタシは変性実験の唯一の成功体なんだ……」
変性実験……それって性別を変える実験って事よね。と言うことはユウリは元は女と言うことになる。だけどこうして見るユウリはしなやかだけど屈強な身体つきでどこからどう見ても男にしか見えない
「本当なの?」
冗談とは思えなかったが尋ねずには居られずそう尋ねた。ユウリは
「こんな事は嘘では言わん。実験の跡もこうして残っている」
ユウリが服の裾を掴んで捲る。そこにあったのは傷そして火傷の跡。考えられる全ての傷がそこあった、思わず絶句しているとユウリは淡々とした口調で
「女性のしなやかさに男性の力強さを持つ事になったワタシはあの外道より酷い実験をされる嵌めになった。試験段階のナノマシンの注入や耐久力実験。そのせいかワタシの体は傷だらけだ。切り裂かれ、ナノマシンを入れられ、無理なGを掛けられ、毎日毎日死に掛けた。だが変性実験……この実験のおかげでエリスがワタシと同じ実験の披見体になる事はなかった。それだけがワタシにとって唯一の救いだった。クローンであれエリスはワタシにとって大切な妹だったからな」
とても優しい口調で言うユウリ。だが私にはどうしても腑に落ちない点があった
「でもどうしてエリスちゃんはユウリのことを覚えてないの?」
私がそう尋ねるとユウリは恐らくと前置きしてから
「エリスだけはツバキとオクトが研究所に奇襲を仕掛けたときに救助された。その時の衝撃で記憶を失ったんだろうな」
だからエリスちゃんはツバキさん達に引き取られて養女になっているのかと納得した。だがユウリ達はツバキさん達に救助されなかったということになる。だからファントムタスクに救助されたと言うことになる
「あの時ワタシとセリナは実験の為に、地下の研究室に連れて行かれていた。エリスはIS適性のテストの為に研究所の上層部にいた、ツバキとオクトは電撃戦。爆弾を使って研究所を破壊しその混乱に乗じてワタシ達を助けるということを選択したようだが、それは失敗だった。爆弾のせいでワタシとセリナの居た研究室は崩壊し瓦礫で完全に埋もれた」
昔を思い出しているのか、遠くを見ているユウリはいつも首から下げているペンダントを握り締めながら
「ワタシはその時試験用のISを展開していた。無論普通のISより低出力でないよりまし程度の防御力しかなかったが、そのおかげでワタシは命を繋ぐことが出来た。だがセリナはその時に死んだ……ワタシはセリナを救えなかったことに後悔し絶望した。その時にスコールに連れられワタシはその研究所を後にしたんだ」
つまり。ユウリとエリスちゃんが救助された時に死んだセリナは、ネクロによって回収されてネクロ化されたってことなのね。ユウリはペンダントを開き
「だからワタシは初めてお前に会った時。倒さずに見逃し、ネクロに襲われていた時に助けた。それはワタシ自身の贖罪の為だったのかもしれないな。幻滅しただろう?ワタシはお前をずっと騙していた……それだけじゃない、お前にセリナを通して見ていた。自分で自分が嫌になる」
深く溜息吐き、空を見上げるユウリは酷く焦燥しているように見えた。多分ずっと私をだましている事に罪悪感を感じていたのだろう
「どうして私に教えてくれたのユウリ?」
ずっと黙っていく事もできた筈だ。それに自分が実験で性別が反転してしまったことだって黙っている事も出来た筈だ。それなのにユウリは私に全てを話してくれた、その理由がどうしても気になりそう尋ねるとユウリは
「ワタシはお前と居る時間が楽しかった。ファントムタスクの時はずっとこのペンダントを見て過ごすかISの整備だけをして過ごしていた。だけどお前に会ってからワタシはこのペンダントを見ている時間が減った……それはきっと楯無。お前に会ったことで前を向こうと思えるようになれたからかも知れない。だからワタシは楯無、お前にだけは本当のことを伝えたかった」
私だから教えたかった。その言葉が何よりも嬉しかった……だから私も
「じゃあ、私も私の秘密を教えてあげる」
私はユウリが元は女だったとか関係ないと思う。ユウリがユウリだから一緒に居たいと思うのだ、多分出会ったときにユウリが女であってもそれは変わらない。そんな妙な確信が私にはあった
「私の本当の名前は刀奈。更識刀奈……更識家当主としてじゃない、私自身の名前よ」
更識家の当主としての名前じゃない。私自身の名前を告げるとユウリは少し驚いた顔をしてから
「良いのか?ワタシに本当の名前を教えても?ワタシはずっとお前を騙して「騙してなんかないわ。ユウリはちゃんと私に全部教えてくれたわ」
きっとユウリにとっては話したくない事だっただろう。それなのに私に全てを教えてくれた……だからユウリは私を騙してなんかいない。私の言葉を聞いて驚いているユウリの手を掴んで抱き寄せる
「ありがとう。ユウリ私に全部教えてくれて」
遠くで見るとあんなに大きく見えたのにこうして見ると小さく見える。ユウリは抵抗するでもなく振り払うでもなく
「ワタシを受け入れてくれるのか?造られた人間のワタシを?」
震える声で尋ねてくるユウリの身体を更に抱き締めて
「クローンだろうが元が女とかは関係ないわ、ユウリはユウリで良いじゃない」
今までずっと1人で頑張ってきたんだ。重い荷物を背負ってここまで来たんだ……だから
「もうユウリは1人じゃないわ。私があなたを支えるから」
これからは私がユウリを支える。やはりあの時闇夜に消えていくユウリに手を伸ばしたのは間違いなんかじゃなかった
「ありがとう……」
小さいな声でそう呟くユウリの頭を撫でながら、私は空を見上げた。いつの間にか夕日は沈み、三日月が昇り始めていた。私はなぜかそれがユウリの心のように思えた。私に何が出来るかなんか判らない、だけどその欠けている部分を埋めてあげたい。私はそう思ったのだった
うん……ここは……うっすらと目を開くと知らない天井が見えた
「スコール起きたのか。気分はどうだ?」
私のベッドの横で本を読んでいたオータムがそう尋ねてくる。ぼーっとしていた頭がハッキリして気づいたが、私の額には濡れたタオルが乗せられていた。どうも看病してくれていたようだ
「気分はいいわね。今までにないくらい」
前まで感じていた身体の痛みやダルさはまるでない。それに前まで聞こえていた身体の中の機械音も聞こえなくなり、また生身に戻ったような気がしていた
「それは良かったな」
嬉しそうに笑うオータム。彼女は1番私の傍に居てくれた。だから私の悩みを理解してくれているからだ……身体を起こしながらオータムに気になっていたことを尋ねた。
「私は、どれくらい眠っていたの?」
「丸1日と、半分くらいだ」
結構眠ってたのね。道理で疲労が完全に取れているわけだ、ネクロと戦うと決めてから。連日連夜徹夜で、情報収集をしていた。龍也に保護された後も、結構気が張っていて眠れなかった。1日寝て気分もすっきりしている
「おや?起きたのかい」
にこにこと笑いながらスカリエッティが入ってくる。私は姿勢を正して
「どうもありがとうございました。これで私もネクロと戦えます」
敬語で言うとスカリエッテイさんはにこにこと笑いながら
「敬語じゃなくていいよ。私は医者として出来る事をしただけだからね」
そう笑うスカリエッティは、失礼するよと声を掛けてから、オータムの隣に腰掛けて
「ネクロと戦う。君達はネクロの脅威を知ってなおそう言うのかい?」
再確認と言う感じで尋ねてくる。スカリエッティ、もしかするとネクロと最前線で戦っている。彼らの怒りを買ってしまったかもしれないと少し不安になった。ISでネクロと戦う。それは自殺行為としか思えない、だけど
「私は戦います。それが私の……ファントムタスクの構成員だった。私の義務です」
ネクロにこの世界の情勢を教えたのは、ファントムタスクだ。そして今ネクロの戦力になっているのは、ネクロ化したファントムタスクの構成員だ。ならば私達がやらなければならない事だ。オータムも
「私達がやらないといけないんだ。IS学園のガキ共や龍也達だけには任せておけない、いや大人として子供だけを戦わせることなんて出来ないんだよ」
オータムは口は悪いから誤解されがちだが、子供好きで面倒見が良い。実際ユウリやマドカを世話していたのもオータムだ。私とオータムの言葉を聞いたスカリエッテイは
「OK判ったよ。ミス・ミューゼル、ミス・オータム。私が責任を持って、君達のISをネクロと戦えるように改修する。龍也に話を通して訓練にも出れるようにしておくよ」
「ありがとう。何から何まで」
龍也にもスカリエッティにも何からないまで世話になりぱっなしだ。だからそう言うとスカリエッティは
「気にしないでくれたまえ。それではね、私は帰るよ」
「結局何しに来たんだ?何か用があったんじゃないのか?」
そう尋ねられたスカリエッテイはにっこりと笑いながら
「戦うのかどうなのかを聞きに来たんだよ」
もう用はないという感じで出て行くスカリエッティの背中を見ながら
「ふう……なんか疲れたわね」
「私もだ」
ただ話をしただけなのに妙に疲れた。やはりスカリエッテイも魔法使いだから、私達ではそのプレッシャーに耐えれなかったのかもしれない。私はもう1度ベッドに横になりながら
「もう少し寝るわ。なんか急に疲れてしまったから」
精神的疲労による睡魔なのか、術後の疲労なのかは判らないがとにかく眠いのでそう言うと
「判った。私も少し休む事にする、じゃあなオータム」
睡魔に耐えながらオータムを見送り。私はもう1度深い眠りに落ちていった……どうやらまだ私の身体は休息を欲していたのか、驚く早く私の意識は闇の中に沈んで行ったのだった……
一夏達がチェイサーズの訓練見学を終え。ユウリと楯無が話を終えた日の次の日の朝。一夏は誰よりも早く起きだし、自分の出した答えを龍也に伝えるためにリビングに向かった
「よく眠れたかね?」
リビングで紅茶を飲みながら。いつもと同じ余裕の笑みを浮かべる龍也。だが纏う空気は重く一夏に圧し掛かっていた。それは言うならば歴戦の戦士だけが纏う事が出来る、必殺の気迫と言えた。リビングには龍也と千冬・ツバキの姿があった、だが2人はいつも同じように笑っている龍也と違い、千冬とツバキは
「……」
無言で一夏達を見つめる千冬とツバキ。その目は鋭く一夏を見据えていた。今までの一夏ならその気迫に飲まれて喋ることは愚か近づくことさえ出来なかっただろう。だが一夏はそのプレッシャーを跳ね除け、震える足で龍也のほうに近づき
「龍也。俺は決めたんだ」
「何をかな?」
判っているのにあえて尋ねている。だが自分の思いは口にしなければ伝わらない
「俺は何も知らなかった。いや何も理解しようとしてなかった」
「ふむ。それはある意味正しい選択だ。知りたくないものを知りたくないと思うのは正しい選択の一つだ」
「だがそれじゃあ、駄目なんだ。逃げていても、離れていても立ち向かわないといけないことはあると思うんだ」
胸に手を当てる一夏。その目はいつもの不安や恐怖の色ではなく。立ち向かうと決めた強い決意の色が浮かんでいた
「俺は戦いたい、みんなを護るために。いや今の俺に護るなんて事は言えないって判ってる。俺は弱いし臆病だからだ。だけどそれでも俺は皆を仲間を護るために強くなりたいんだ」
「一夏。それは茨の道になる。私も龍也に念を押された、戦うという事は死ぬかもしれないという事だと……それでもお前は戦うことを選ぶのか?」
千冬の静かな問い掛けに頷いた一夏は龍也を見る。龍也は何も言わず立ち上がり……一夏の腹に拳を叩き込んだ
「ごぼおっ!!」
拳打の威力が1番死ぬという距離に関わらず、一夏の身体は数メートルは吹っ飛んだ。だが一夏は空中で体勢を整え着地し、倒れず龍也を見ていた。両腕で腹を押さえて痛みに耐えながらも、その目はなお不屈を訴えていた
「良い目だ。覚悟を決めたな?ならば良いだろう。今までのような、甘い訓練ではない。戦って生き残る術を教えてやる。泣こうが喚こうが止めはしない。引き返すなら今のうちだぞ?」
「逃げねえ!俺はもう逃げない!進むって決めたんだ!」
龍也のプレッシャーを跳ね除ける様に叫ぶ一夏に龍也は笑いながら
「ならば教えてやろう。ネクロに勝つための戦い方をな」
各々が答えを出し進むことを選んだ。その先に待つのは自身の死かも知れない、しかしそれを受け入れて進むことを選んだ。もう迷うことはないだろう。自分達が進むべき道は心に刻まれていたのだから……
~おまけ~
俺とマドカ達は龍也とルシルファーの訓練を見ていたのだが
「「ひっ!」」
箒とか鈴が顔を引き攣らせている。だが俺の顔も引き攣っているのが判る
「「おおおおおッ!!!!」」
ドゴッ!
メシャアッ!
互いの拳が顔面に命中しはじけ飛ぶ。今まで聞いたことも無い生々しい音に思わず目を瞑る
「いい加減にギブアップしたらどうだ?ん?」
額の血を拭いながら言う龍也。剣での斬り合いから、素手へとシフトし互いに全力で殴り合っている
「はっ!この程度で諦めるか」
この程度?見たところ腕が折れてるし、右目も見えてないようだが……どう見てもこの程度と言うダメージではないように思える
「なのは?あの2人はなぜ殺し合いをしているんだ?」
そしてマドカ。少しでいいから動じてくれ。相変わらずの無表情の妹にそれを望む俺がおかしいのだろうか?いいや、おかしくない筈だ
「いや、ルシルファーが戦闘狂なだけ、向こうが襲ってくるから龍也さんも応戦してるだけだよ」
戦闘狂……ゲームとか漫画では良く見かけるけど結構やばいんだな
「止めなくていいの?」
簪さんが微妙に目を背けながら言うと、ボキンッ!と骨の折れる音がした。どうやら龍也がルシルファーの腕をへし折ったらしい
「まだまだぁ!!!」
無事な左手で剣を拾い、口に咥えるルシルファー。その目の輝きはどんどん強くなり微塵も諦めてないのがよく判る
「あー不味いね。あのままだと本当にどっちか死ぬよ」
フェイトさんがそう言う、何が起こっているんだと思いながら演習場を見て
「あの2人は何をしているんだ!?」
剣にオーラを纏わせた龍也とルシルファーがジリジリと足場を変えながら攻撃するタイミングを計っていた。本気で死ぬぞ!?誰か止め……
「えっ?」
演習場に入ってきた茶髪の女性が大きく振りかぶり辞書を投げつける。それは信じられないスピードで空中を進み
「ごはあ!?角が!角が!!!」
今まさに走り出そうとしていたルシルファーの後頭部を穿つ辞書。その威力は凄まじかったらしく、ルシルファーは頭を抱えて蹲っている
「ハーティーン!また八神大将に迷惑かけて!何してるの!!!」
女性はそう怒鳴りながら辞書を拾い上げ、両手で辞書を振りかぶり女性はその角でルシルファーを滅多打ちにしている。ルシルファーは
「すまん!いやちょっと熱が入ってだな!」
「それで八神大将に怪我させてどうするのッ!!!」
「がはあ!?」
振りかぶった辞書の角で頭を強打されたルシルファーは、そのまま糸の切れた人形のように崩れ落ちた
「すいません。すいません。ハーティーンが迷惑かけて」
ぺこぺこと何度も何度も頭を下げる女性。龍也はその場に座り込みながら
「いや。構わない。私も必死だったから」
自身の傷の手当をしている龍也とそんな龍也に何回も何回も頭を下げている女性を見ながら
「あれ誰ですか?」
見たこと無い人だけど誰だろうと思いながら、なのはさんにたずねると
「ルシルファーの奥さん」
結婚してたのか!?俺や箒達はさっきまでの惨劇より、その事に驚いた。強気で我が道を行く性格そうだったけど……案外恐妻家なんだなあ……俺はシャマル先生達に治療を受けている龍也を見てぼんやりとそんな事を考えていたのだった
なお後日
奥さん(ラグナさんと言うらしい)物凄く怒っている様子のラグナさんに必死で謝っているルシルファーの姿を見かけて思わず俺は
(俺もああなるのか?)
まだ考えたことは無いが、俺もいつかは結婚する。その時もしかするとルシルファーと同じ感じになるのでは?と少しだけ恐怖するのだった……
第94話に続く
次回はここのところシリアスが多かったので。ほのぼの系の話にしようと思っています。ドラきちとかユニゾンズとかをメインにしたいですね。後半は兎を出そうかと思っています。それでは、次回の更新もどうかよろしくお願いします