meet again 作:海砂
俺は今、薫さんや弥彦、操ちゃんとともに、剣心に会うために比古清十郎の元へと向かっている。
奥義を得ようとする剣心。ただ一つ引っかかっていることがある。
『緋村剣心はそもそも強化系ではないんじゃないか』
飛天御剣流はどう考えても強化系万歳な流派だ。
力と速度を限界まで強化している。
比古清十郎もおそらく強化系だろう。
ひるがえって剣心。かなり戦闘において身体に負担をかけている。
原作でも、最終的にボロボロになっていた。
あれは、本来の己の資質である何らかの系統と違う強化系を修めた結果なんじゃないだろうか、と。
かといって止めるわけにもいかないし、違う流派を修める時間なんてない。
そもそも違う系統の流派なんてあるかどうかすら知らない。
わかっちゃいるんだけど……無理はあんまりさせたくないよなあ。
志々雄真実と十本刀。張はもう捕まってるからいいとして、それ以外の人間について、俺は船の中でもそれ以降もずっと考察してた。
まず志々雄。彼はおそらく業火に焼かれたことによってオーラを炎に変化するすべを身に付けた変化系寄りの強化系。
……剣心たちと戦ったアジトに残った相手はともかくとして、分析すべきは葵屋に来る奴らだ。
オカマの鎌足は強化系かあるいはあの大鎌を自在に操る操作系、多分前者。
蝙也はあえて脂肪と筋肉を削ぎ落として軽量化し、速度に特化した強化系。
破軍の二人は本来ならば才槌老人が不二を操作するものと思われる、すなわち操作系。不二自身は強化系。
夷腕坊……外印は操作系だろうけど今回は関係ないので除外。
葵屋の面々は溢れ出るオーラ量こそ多いものの、翁以外は念能力者ではなかった。
翁はバランスよく鍛え上げられた強化系。
薫さんと操ちゃんは初心者の強化系(俺よりオーラ少ない)、弥彦は非能力者。
……ほんと強化系多いよなこの世界。武士の時代なんて脳筋馬鹿ばっかだろうしな。
俺の取るべき道は、やっぱり弥彦か薫さんの助太刀だろう。
俺は強化系とは相性が悪いからね、比古さんのところにお邪魔するのはいただけない。
一緒に修行でもつけられた日にゃ必ず死ぬと書いて必死。
同じ必死なら必死で葵屋と京の街を守った方がなんぼかカッコがつく。
そうこうしている間に比古さんの庵へ到着した。
「やはり、お前に飛天御剣流を教えたのは間違いだったかもな」
聞こえてきたその台詞にカチンときた弥彦と操ちゃんが扉を壊して殴り込む。
「「なんだなんだ、今の発言はいったいなんだ!」」
「……なんだ、お前たちは?」
中には向かい合って座っている比古さんと剣心。
「操殿、弥彦……薫殿……」
はい、俺は勘定に入りませんよッと、知ってたけどね。
後ろからこっそり入る。比古清十郎に捕まった。
「面白そうな小僧だな、お前」
面白くないです離してくださいいやんいやん。
「やれやれ、今日は千客万来だな。望んでもねーってのに。……剣心、お前一走り沢まで降りて水汲んでこい」
ぶつくさ言いながら剣心が庵を出ていく。
「さて……色々と聞きたいことはあるが、その前にそこの小僧だ。お前、ちょっと剣気を見せてみろ」
え、俺? 話進めましょうよ比古さんの年齢聞いて剣心の話しましょうよ。
……比古清十郎怖いです。俺はその場で練をして見せた。練でいいよね? 多分。
「なるほどな……」
操ちゃんと弥彦が同時に比古さんに年齢を尋ねる。そうそうこの展開よ俺が望んでたのは。
「四十三だ、それがどーした」
多分、多分だけど。念能力者は年を取りにくくなる。
飛天御剣流は代々念能力を使ってぶん殴ることによって弟子の精孔を若いうちからこじ開けて、そんでもって年も取りにくくなるんだと思う。
そして展開は原作そのままに、流浪人になってからの(出会ってからの)剣心について、弥彦や薫さんが比古さんに語ることになる。
俺のさっきの練は何だったのかしらん。イヤンな予感しかしないわん。