meet again   作:海砂

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視線

 三人も合格者が出て、原作に影響が出ないかとヒヤヒヤしていたけど、メンチさんの試験自体を無効にするということで、何とか無事にネテロ爺さん登場までこぎつけた。

 

 私達は今、飛行機(飛行船?)に乗ってマフタツ山へと向かっている。私達も再度試験を受けるようにと言われ、メンチさんにものすごい勢いで謝られた。別にいいのに。

 そんなことより世界中の食材について話を聞きたいといったら、目を輝かせて色々教えてくれた。参考になるし何より面白い。これだけ変な生物がワサワサいる世界でも、やっぱり基本的な食材や料理は私達がいた世界と変わらないみたい。でも、どんなに美味しくても、サソリトカゲモドキムカデなんていう想像するだにキモい生物の幼虫を踊り食いなんて、絶対私には真似できないな……。

 

 そしてすぐに山へと到着。メンチさんの実技ののち、私達も飛び降りてクモワシの卵をとってくる。ウイングに口にくわえて二個とってこいとか言われたけどそんなの無視した。一個でいいもん、別に。

 けれど食べて後悔した。あああ、どうして二個取ってこなかったんだ、私のバカバカバカ。とか自分を責めている間にシュートがもっかい飛び降りて、服を袋状にして詰めて山ほどとってきてくれた。そしてメンチさんに殴られて、涙目で元に戻しに行く。なんでも、クモワシの卵は孵化率が低いので乱獲は許さないんだそうだ。……そんなものを試験内容に選んじゃ駄目だよメンチさん……。

 

 そして無事、再び飛行機の中で、夜を迎える。ウイングの方針の下、原作の方々には出来るだけ関わらないようにして、私達は眠りについた。……ちょっと興味はあったんだけどな、ボール遊び。でもあんなのシュートが見たら喜んで参加して、余計な事を色々とやらかしてくれそうだから黙っておく。

 

 そして塔へと到着した。原作どおり。

 

 ウイングが寝転がった。やる気まったくゼロ。なるほど、そういうことか。

 シュートがオロオロしているのを見ながら、私も適当に座る。……受験生が全員いなくなるまで。

 

「ウイング! パーム! ここ、床に隠し扉が……」

 

 瞬時に二人してシュートを殴る。それを聞いたほかの受験生が慌てて隠し扉を探し入っていく。もちろんシュートには行かせない。

 

「ねえ、三人とも」

 

 ゴンが声を掛けてきた。扉を見つけたな。

 

 予想通り、5つの隠し扉を見つけたので私達にも来ないかと誘ってきた。だが、枠が残り一つしかないという事と、私達三人は別れずに行動したいと告げて、丁重にお断りする。

 

 扉をくぐるまでこちらをチラチラと見て、ギリギリまで私達のことを案じながら飛び降りていった。……やっぱりいい子だな、ゴンは。自分が罠に掛かるかもしれないというのに。

 

 それからさらに5時間ほど経っただろうか、シュートのおかげか、割と早く全員が仕掛けを見つけることが出来、この最上階に人は一人も居なくなった。

 

「さ、行こーか」

 

 ポケットを具現化してどこでもドアを取り出す。目的地は塔の真下、雲の切れ間から見えてるから多分問題ない。

 

 扉を開くと向こうは森。迷いなく、くぐる。二人も後に続く。扉を閉めてドアを消す。

 

「これで私の能力は打ち止め、ね。神様に怒られたくないし」

 

「問題ないだろ。次の試験はいずれにせよ誰かと闘わにゃならんからな、お前さんの能力はほぼ無意味だ……ってしまったー!!」

 

「ゴルゴンの首、あったんだけどね」

 

 ウイングが予想以上にorzしている。想定内の出来事だと思ってたんだけどなー。あはは、シュートに慰められてら。いつもと立場が逆転してるね、ウイングw

 

「人を石にしたら、バッジも石になって取れなくなっちゃうから、これでいいと思うよ?」

 

「シュート……お前さんってばいいヤツだなぁ……よし、こんなときは笑えばいいと思うよ!」

 

 鼻水たらしてダダ泣きのお前が言うな! つかここは、どっちかっていうと『こんな時どんな顔をすれば良いのか分からないの』でしょ!!

 

 ウイングをずるずると引きずって、塔の門を開ける。一番のりか……他に誰もいない。

 

……ヤなトコに気付いちゃった。もしかしてこのまま実力的に言えばヒソカとイルミが私達の後にワンツーフィニッシュ決めるんじゃなかとですか? ていうかヒソカは合格者第一号だったはず、原作では。

 

『408番パーム、406番ウイング、407番シュート、三次試験通過第一号、二号、三号! 所要時間5時間52分!』

 

 やや音の割れた放送が響き渡る。試験官の人だろう。名前は……なんだっけ、顔は思い出せるのにな、えーっと、つか名前出てたっけ、刑務所長の人。スネオとのび太を足して二で割って目つき悪くしたような……えーと、リッパー? だったっけ? 確かそんな名前だったようなでも自信ねー!!

 

「あの、試験終了時刻までには戻ってきますので、少し外にいてもよろしいでしょうか」

 

『今後、最終試験終了まで、二度と君の移動能力を使わないこと。そして、時間内に戻ること。以上を満たせなければ即失格とみなす。それでも良いのならば構わない』

 

「ありがとうございます」

 

 三人して、入ってきた門を再び出て行く。これで、無駄にヒソカやイルミと接触する機会は減るだろう。っつーか、あの二人と一緒の部屋に5人でいるのとか絶対死んでも嫌だ。ヒソカだけでも無理。

 

「出てきたのはいいけど、どうやって時間潰すの?」

 

「修行でもしてればいいんじゃない、堅とかの。あと二晩はあるはずだから最終日に体調ばっちりにしとけば問題ないよ」

 

「うん、わかった」

 

 私は堅を続ける。ウイングは原作に出てきた念能力を色々と試しているみたい。シュートはバットをぶんぶん振り回している。素振りかな。やがてウイングは凹みながら腕立て伏せを始めた。成果が上がらなかったんだろうな、あの様子じゃ。

 

 ぞくり。

 

 舐める様な視線に私達はそろって門の方角を見る。

 

「キミ達が最初の合格者? ボクが一番だと思ったのに♣」

 

 やばい、失念してた。二人は垂れ流しモードだけど、私は念を使用してる。念能力を使ったら隠していない限りオーラでバレる。ヒソカほどの使い手ならなおさらだろう。円でもされた日にはモロバレだ。迂闊だった、せめて塔からもう少し距離をとっていれば……!

 

「そんなに怯えないでよ♠ どんなヤツらなのか見に来ただけなんだから♥」

 

 私の様子を見て、奇術師は言う。体が動かない。ヘビに睨まれたカエル……後の二人も似たような感じだろう。

 

 まさに舐めるようなとしか言いようがない視線。

 

 

  やつから逃げる前に言っておくッ!

 おれは今やつの視線をほんのちょっぴりだが体験した

 い……いや……体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……

  あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

 

 『おれは森の中で堅の修行をしていたと

 

  思ったらいつのまにかヒソカが見ていた』

 

 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが

 おれも何をされたのかわからなかった

   頭がどうにかなりそうだった……

  ノゾキだとか露出狂だとか

  そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

   もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

 

 へ、へへへ、変態さんだ、真性の! リアルで間近に見るとマジ怖い!

 

「驚いたな、こんな子供達がボクより先にゴールしただなんて♦ しかもキミは既に念も習得してるようだ、世界って広いねえ♥ キミの能力を使って最初に到着したのかい?」

 

「ち、違います……私は、まだ……発は学んでいなくて……でも練ができたら、簡単に待ち受けてた試練官を倒せたので……それで……」

 

 声が震える。ヤバイ。私のカンがそう言っている。何でこんな大事な事が占いに出てきてないのよ!!

 

「そっか、じゃあこれ以上怯えられたくもないんでボクは戻るよ♣ 試験の続き、キミ達も頑張ってね♦」

 

 最後にひと舐め、されて、私達は食べられることなく無事に解放された。……こ、腰が、抜けた。

 

「ヒ、ヒソカ、来ると思わなかったな……」

 

「あのキモい視線、前に闘ったときと全然違うよ? ……アレ同一人物……?」

 

 二人も完全にビビっている。

 

 ああ、なんか合点がいった。闘技場でのヒソカの様子。あれは気のせいじゃなかったんだ、あの投げキッス。

 

……あああああキモいキモいキモいキモいキーモーイー!!

 

 よっぽどゴルゴンで石にしてやろうかと思ったけど、能力使わなくて良かった。三度目の能力使わなくて本当に良かった。神様ありがとう! マジありがとう! あとついでに占いにもありがとう!! けして今のは危機ではなかったんだね、わかってたんだねさすが占い!

 

 私は後で気付くことになる。安全なのは『七日間』だけだってことに……。

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