meet again 作:海砂
……ふぅ。二人は俺の能力について、何とか納得してくれた。キルアやビスケがうらやましい。必要な時に必要な嘘を吐けるその性格。骨の髄までヘタレな俺の胃はキリキリしっぱなしだ。けど、俺の能力がやらかしたことを考えたら、ささやか過ぎるほどの報いだろう。パームにはたかれた痛みと、胸の痛みと胃の痛み。
ひとまずシュートは寝袋で部屋に転がしておくとして、明後日までどうするか……。えーっと、明日は街中じゃドンパチやらかさないよな? よし、いつも通りにすごそう。……一応、外には出ない。二人にもよく言って聞かせよう。
べ、別に怖いわけじゃないからねッ! マフィアが検問中はココ、治外法権地帯なんだからッ!
シュートにメールか電話をしておくように頼む。相手はもちろんゴン達だ。三日午前9時に、サザンピースで待ち合わせ。あー……カタログは……銀行振り込みできたよな、確か。
パームに確認を取る。銀行振り込みOKで、ちなみに5人まで入れるらしい。……いつも思うんだが、こっちにきてもう数年経つってのに、コイツの記憶力はハンパないんだよな。成績はあまりよろしくなかった気もするんだが。
そして、原作ではとてつもなく長い九月一日と二日を俺達は主に寝て過ごし(シュートは俺の企画したパ○プロもどきで、オリジナルチーム(ソ○トバンクホ○クス+自分)を作って遊んでいた)三日の朝を無事に、三人そろって迎えることができた。
「ウイングすげー! こんなん作る才能あるなんて知らなかった!」
「あー、いや、企画丸投げだから、俺は開発には携わってないぞ」
「でもこんだけの物、まとめたんだろ? クレジットにも名前入ってるし」
丸パクの企画いくつか出しただけで1億Jもらえたぞ。とはこの際言わないでおく。ゴン達の分もカタログ買ってとか言い出しかねない。ちなみにスペ○ンカーとか風雲た○し城とかミ○シッピー殺人事件とか時空の○人とかシャドウ○イトとかも企画で丸投げして作ってもらった。W○iはまだ、赤外線機能がそこまで複雑化できてなくて駄目だったらしい(簡単なデータのやり取りならできるらしいので、ま、時間の問題だろう)……よくわかんねーな、この世界の科学文明。ドラえもんの世界並みによくわからん。
「ほら、チンタラしてないでさっさとサザンピースに行くよ!」
「あー、あとちょっとでペナント優勝できるのにー!」
ちゃんとデータはセーブできるようにしてるだろが。つかコイツ、本当にゲームとかせずに野球漬けで育ったんだな。こんなチャチなゲームにここまでハマるとは。ひとまず俺のメモリーカードを貸してやることにする。あっ馬鹿、俺の高城麗子様データに触れるんじゃない!
ふー、危うく卒業とプリメとランスのデータまとめて消されるとこだったぜ……あ、この世界にはCEROなんつーもんが存在しないので、普通にエロゲも出せるんですよ。いい世界ですね、うん、実にいい。
……パームが鬼のような形相でこっちを見ているのであわてて準備をし、家を出る。うん、朝方の空気ってすがすがしいね! ここがドンパチ最前線になるだなんて、まるでブラウン管の向こう側の出来事のようだよ。っていうかまぁブラウン管の向こう側の出来事だったんだけどな、こっちに来るまでは。俺の家のTVは液晶なんて立派なもんじゃなかったですが何か問題でも? ……言ってて自分で惨めになってきたな。これ以上はやめとこう。
サザンピースに向かう前に、タキシードとドレスのレンタル予約をしておく。スーツじゃ駄目かなって言ったらパームに正装しとけって怒鳴られた。スーツは男の正装だぞ! ……俺まだ外見年齢12歳だけどな。
そして無事サザンピースへと到着した。ゴン達はすでにカタログを買い終えていたようだ。
「よう、久しぶりだな!」
「久しぶり! パーム、ウイング!」
ゴンの尻にパタパタと振られている尻尾が見える。これは新手の念使いの仕業か? キルアはそっぽを向いているが耳だけがこっちに向いているような気がする、猫耳で。これは新手の(ry
「いんやー、お前らの正体知った時にゃブッたまげたぜ。まさかあの『DEATH NOTE』の原作者がウイングでアニメや映画の主題歌作ったのがパームだとはなぁ」
……話したな、シュート。まぁ別にいいけど。何かレオリオが擦り寄ってきてるけど気にしない。『随分こっちの方も潤ってるんだろ?』とか言いながら、親指と人差し指でOKマーク作ってるけど気にしない。OKにしては手のひらが上向いてるけど気にしない。気にしたら負けかなと思っている。
俺とシュートが三人の相手をしている間に、パームがカタログを買って来た。名義は……何で俺の名前?
「べ、別に年上だからとかそんなんじゃなくて、ただ通帳の名義がウイングになってただけなんだからね! 意味なんか無いんだから!」
いや、どうでもいいけどさそんなの。それより本題に入らないと。
「ゴン、キルア。俺達も蜘蛛を追っている、……というか、探してる」
キルアが警戒心をあらわにした。懸賞金狙いだと思ったんだろうか。
「勘違いするな、懸賞金狙いじゃない。ただ、内容は言えないが目的があるだけなんだ。お前さん達やクラピカの邪魔はしないから、よければ一緒に探さないか? 基本は情報交換だ。俺達とお前さんらのどっちかが蜘蛛を見つけたら連絡して、時と場合によって攻撃するなり尾行するなり……どうだ?」
「いいんじゃないの? 人手はあった方がいいし」
ゴンはあっさり承諾したが、キルアはまだ、疑いの眼差しで俺の目をじっと見ている。……嘘はついてないぞ。
「……OK、協力しよう。でもホントにお前ら懸賞金狙いじゃないんだろうな?」
「つーかさ、シュートから聞いて知ってるんじゃないの? ぶっちゃけウチらにとって、懸賞金なんてはした金よ。必要ないわ。……まぁ、全員とっ捕まえられるなら話は別だけど、そう簡単にはいかないだろうしね」
パームの言葉を聞いて、ゴンは何かを決意したような顔、キルアは不承不承といった面持ち、レオリオは……目が完全に¥マークになっているけどどうすればいいんでしょうこの人。
「ウイング達って今いくらくらい持ってるの?」
なんかゴンがワクワクした目で俺を見つめているんですがドウスレバイイデスカ? ……別に言ってもいいか。
「三人合わせてだいたい900億。それプラス、昨日の競売に出したナイフが69億で売れて、そのお金は今日中に私たちの口座に振り込まれる」
ゴンは驚愕、キルアは本気でヤバいと思っている様子、レオリオは以下略。
「はー、やっぱウイング達ってすごいね! オレ達もがんばらないと!」
「お前はお気楽でいいよな……」
俺はキルアの意見にほぼ同意する。今からどんなに頑張ったところで、普通の手段でこれだけの額を稼ぐのは到底無理な話だ。俺達がこれだけ稼げたのも前の世界の知識があってこその話……ライバルが増えたとか思わないんだろうか、こいつは。
「オレも手伝えることあるならやるからさ、頑張って稼ごうぜ!」
シュートはゴン達と一緒に行くか? まあそれでもいい。どうせノブナガとマチを発見したら合流することになるんだ。
「うん、ひとまずさ、やっぱり別々に探した方が効率がいいと思うんだ。どういう風に別れる?」
「オレはウイング達と一緒に行くよ。オレら三人とお前ら三人、でいいんじゃね?」
意外、シュートは俺達と一緒にくるらしい。……本当に、いなかった間に随分変わったみたいだな、シュート。
結局三人ずつで別行動し、どちらかが旅団メンバーを見つけ次第、相手のケータイに連絡する。そういうことで、俺達はゴン達と別れた。さて、これからどうするかな……。