meet again 作:海砂
目覚めるとそこに道化がいた。鬱になった。
「おはようマイハニー♥」
「一回といわず二、三回死んできて」
起き上がると、旅団全員が戻ってきていた。……ウイングとシュートはまだ寝ている。とりあえずハリセンで叩き起こした。
「無事成功?」
「まあね♦」
団員達がワイワイやっている中に入り込む。団長と目が合った。
「起きたか。ヒソカ、こいつがお前の恋人か?」
「そう♥」「違います!」
お互い同時に正反対の発言をする。
「照れちゃってるから♠」
「あんたみたいな変態と付き合うシュミは無い。この際だからここで別れようか? ……って、えーと、初めまして、ですよね。一応仮に何となくヒソカのツレな様な気がしないでもないパームと申します」
出来る限り隠してはいるけど、さすがに団長を目の前にすると少し緊張する。占いによれば危険はないんだから……今は信じるしかない。
「初めまして。もう知ってると思うけど、オレはクロロ=ルシルフル。旅団の団長」
「パームもなんか飲むー?」
シャルが絡んできたうわ酒くさっ! これはもう完全に出来上がってる感じだな。
「俺ビール飲みたいんだけどあるー?」
後ろからウイングが乗り出してきた。
「あるある! パームとシュートは?」
「オレ、なんか炭酸のヤツがいい」
「私とシュートはお酒遠慮しときます、弱いんで」
つーか未成年だっつーの。ウイングは遠慮ナシにガバガバ飲んでいる。……本当に、図太いんだかチキンなんだか。
「シズクー! パームとシュートにコッコーラー!!」
シズクが投げて渡してくるのを受け取り、片方をシュートに渡す。ウイングはシャルの案内でビールが山積みされているところへ向かった。
「お酒じゃないですけど……おめでとうございます、無事獲物はGETしたみたいですね?」
形だけの、乾杯。団長もそれに応じてくれた。
絡んでくるシャルはスルーして団長と会話する。少しでも……できるならば味方につけておきたい。旅団と、団長。
「うん、おかげさまで大成功。留守番してくれてたんだって?」
「あはは、途中で寝ちゃいましたけど」
あ、ウイングがノブナガに絡んでいる。殺されても知らないよ。
「いや、うちのメンバー、クセのある奴らが多いだろ? そいつらが気に入ったって言うから、話すのを楽しみにしてたんだ」
「ヒソカにだけは心底気に入られたくないんですけどね」
絡んでくるヒソカはスルーして団長と会話する。少しでも……ギャー!!!!
「ひどいなぁ♠ ほんのちょっと抱きついただけなのに♣」
ハリセン連打! 連打! 高橋名人もビックリするくらい一秒間に二十連打!!!!
「寄るな触るな真性の変態が! 変態菌がうつったらどうしてくれる!」
私たちのやり取りを見て、団長と、その後ろのフェイタンが大爆笑している。……爆笑するんだ、フェイタンでも。
「ん? ワタシの顔に何かついてるか?」
「いえ……あの……この変態どっかやってください……マトモに会話出来ないです……」
「ヒソカ」
団長に促され、しぶしぶ離れていくヒソカ。あーよかった。いやどうなんだろう?
「何でアレと付き合ってるんだ?」
「成り行きで仕方なく、です。彼女にならないなら死ねって脅されて」
「えー、じゃああんなのやめてオレにしようよー少なくとも変態ではないと思うよー?」
酔っ払いの戯言は華麗にスルーする。つかお前もロリコンかシャル。
「旅団ってのはロリコンの巣窟ですか?」
「そんなつもりは毛頭なかったんだが、気がついたらそうなってたのかもしれないな」
シャルがひどいひどいーとすねている。酔っ払いはry
「相変わらず面白い子ね」
「フェイタンがそこまで気に入るとは珍しいな」
私もそう思います。っていうかこの人原作とキャラ変わってませんか? 爆笑とかしてるし。
「弱いのにヒソカにツコミ入れられるだけでも大した子供よ。潜在能力もあるね」
「確かにな……もう少し強くなったら、旅団に入らないか?」
入団フラグキター!? いやいやいやいやいや全力でお断りせねば!!
「無理です。少なくとも現状では足手まといにしかならないですしね。そのくらいは自覚してます」
「……ああ、だから先での話だ。別にオレも今すぐ入れとは言わないさ。枠は一つしかないしな」
そういって、クロロはウイングとシュートの方を見た。ウイングはノブナガの刀を真剣白羽取りしている。シュートはコルトピとサシで何か語り合ってるみたいだ。……ほっとこう。
「そうですね……考えておきます。面白そうだとは思いますしね、今やってることより」
「今? 何をやってるんだ?」
「シュミで作詞作曲やってます。『sing song sunrize』の”パール”わかりますか?」
私が副業でやっていたサイトと偽名。フェイタンが驚いた様子で目を見開く(けど細い)
「『Dani California』作たのパームか!」
「ついでに言うと、あの映画の原作者の小場すずめ、あれあそこでノブナガに殺されかけてる人ですよ」
フェイタンがあわててノブナガを止めに行った。そうか、デスノのファンなのか、フェイタン……。
「驚いたな、そんな才能があるとは」
「まぐれ当たりしただけですよ。数打てば当たる……そんなもんでしょう?」
「確かにな」
クロロが向けた視線の先では、フランクリンとマチとパクノダが空き缶並べて射撃を競っていた。……いやフランクリン、そこでダブルマシンガンは反則だと思うよ……。
フェイタンに引きずられてきた半死半生のウイングは、さらにワインボトルを片手にまだ飲む気でいるらしい。
「いやー、こんなに飲んだの何年ぶりだ? あ、団長さんチッス! 自分、パームのツレのウイングであります!」
コルトピとシュートの議論は白熱しているようだ。そこにさらにフィンクスも加わっている。……いったい何を話してるんだろう。
「初めましてウイング。DEATH NOTE、あれは非常に興味深い物語だった。もしかしたらあんなノートを具現化できる能力でも持っているのか?」
やばい、団長の目が少し据わっている。狙ってるのかデスノート! ……無いけどそんなん。
「いや、とんでもないであります! 自分、出来ることといえばシズクのモノマネくらいですから!」
そう言ってウイングはデメちゃん(偽)を具現化した。
「えーと、団長吸い込めー!」
……しーん。なんかデメちゃんだけはゴゴゴゴ言ってるけど吸い込む気配は全く無い。
「シズクの能力は生物は吸い込めないんじゃなかったか?」
「あっそっか、じゃあ団長のマント吸い込めー!!」
ずずー。フツーに掃除機がマント吸い込んでる感じで引っ張ってる。……それだけ。団長を吸い込むほどの力が無かっただけか、さっきのは。
「以上であります!」
「なるほど、他人の能力を盗めるのか……」
「ちゃいますちゃいます、モノマネするだけですって、しーかーもーヘタレに!!」
自分で言ってぷふーっとかって吹き出してヘタレヘタレ連呼してる。……ああ殴りたいこの酔っ払い。
「痛ってぇ!」
……気付いたらハリセンで思いっきりぶん殴っていた。あはは、やらかした。
「それがパームの能力か?」
「はい、今のところ……ツッコミ用のハリセン、具現化するだけです」
団長が顔を伏せた。なんか私ヤバいこと言ったか? ……と思ったら吹き出された。
「本当に、面白い奴らだな。お前らが気に入るのもわかる気がするよ」
「だからそう言たね。でも最初シャルナークが呼んできた時はどうしようか思たよ」
あはは……旅団のアジトにショボいお子様三人連れですからねぇ……、そりゃフツーにどうかと思うでしょう。
「パームは具現化系なんだな。他に具現できるものはあるのか?」
「いえ、今はまだ……これだけです、あまりにもツッコミたい奴が周囲にたくさんいるもので、気がついたら具現化できるようになっちゃってました。もっと便利なモノを具現できるよう修行中の身です」
今度はそろそろと近寄ってきていたヒソカの顔面をぶん殴る。シャルはゲラゲラ笑いながら床で転がっている。何だこのカオス。飲み会って前の世界でもこんな感じなのかなぁ? ……高校生の私には知りようもない世界だけど、今少しだけ知った気がする。別に知りたくはなかった。
向こうではフィンクスとシュートとコルトピが大中小と肩組み合って乾杯している。……ホントに何話してんだろうあいつら。
フランクリンとボノレノフは先に寝ているようだし、ノブナガは一人で自棄酒をかっくらっている。マチ・パクノダ・シズクは女同士で語り合っている。私もあっちに行きたい。ココ嫌だ。
そんなカオスな飲み会は、飲んでいる全員が静かになるまで続けられた……。もうほとんど、夜明けまで。
ウイングは早々に沈没し、シュートは疲れ果てたのか途中で眠り、私は一応、全員が眠るまで起きていた。何かあったら大変だから。……ものすごく、無意味な無理をした気がする。私も寝よう。