meet again 作:海砂
『ライト、どういうつもりだ?』
どうやら、リュークには僕の考えが理解できないらしい。……常々思っていたが、死神は頭が悪いのか?
「名前も見えない、寿命も見えない……可能性は、色々ある。例えば人間じゃない、例えば特殊な力を持っている。……そして、一番厄介なのが、デスノートが一切通用しない場合だ」
『そりゃ、デスノートが効かない人間なんていたら、それだけでオレにとっちゃバケモノだな』
名前は容易に知ることが出来た。だが、その名前すら偽名である可能性もあるし、確かめる術もない。もし本名だったとしても、死神の眼を持ってすら見ることが出来ない相手の寿命……まさか、不死なんてことはないだろうが……。
それに、気になることもある。あの合コンの日に初めて会ったはずだが、彼女は僕の顔を見て驚いていた。すぐに、そんな気配は消して初対面のフリをしていたけれど。
「得体の知れないヤツは、とりあえず味方にしておくに限る。いつでも殺せる、なんて考えは捨てておいた方がいい」
『ホントに殺れるかどうか試してみりゃいいのに』
「そうしたいのは山々だが、既に僕が彼女の情報を探っていることにLも感づいている。今殺せば僕への疑いがより深まるだけだろう」
初対面のあの時に試しておけばよかったのだが、あの時は予想外の出来事にそこまで頭が回らなかった。僕としたことが迂闊だった。
「まぁ、少なくとも僕をキラだと知っているとか、そういうわけじゃなさそうだし、少しずつ近づいて、彼女が持っている何らかの秘密を知ってからでも、試すのは遅くないさ」
今日の分の裁きを終えた僕は、机から立ち上がってベッドへと横になる。睡眠不足は大敵だ。思考が損なわれるし、何より僕の健康のことを考えて。僕が倒れてしまっては元も子もない。少しでも早く、新世界の創世をこの目で見るためには。
「あとは、成瀬か……」
知識は確かに講師レベルだが、それほど頭の回るヤツとも思えない。だが、Lとともに接触している現状、様子は窺っておかねばならないだろう。そしてこちらも殺すわけにはいかない……全く、なんて厄介な存在がいたものだ、この世には。
「リューク、本当に名前や寿命が見えない人間の前例はないのか?」
『だから何度も言っただろうが。少なくともオレは知らないし聞いたこともない。ジジイなら何か知ってるかもしれんが、オレはお前に憑いてるんだから、聞きにいくわけにもいかない』
……本当に、使えない。まぁ、リュークの役目は僕にデスノートを届けること。既にその役目は果たされている。それだけで充分だと思うべきか。
眠くなってきたな。明日は成瀬の授業だ。そろそろ、またキラの話題を振ってみてもいいかもしれない。ヤツもまるで僕やLのことを知っているようだった。考えすぎか? 単に首席が二人いた、だってことだけかもしれない。確かに東大首席が二人揃う講義など、普通はあまり持ちたくないだろう、特に成瀬のような若くて気も弱そうな奴は。
自分より劣る人間どもに煩わされるのは不愉快だが、無駄に足掻いても仕方がない。いずれ何らかの情報が入ってくるだろう。それさえ逃さなければいい。
ああ、そういえば桂木の同級生のマリとかいう女……あいつと付き合ってみるのも手かもしれないな。……そうすれば……自然に……近づけ……る……。