meet again   作:海砂

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ウイングの願望

「なかなかの使い手だな、L。これほど強いとは予想外だった、一度正式に手合わせしてみたい……じゃねぇよ馬鹿!! あれほど他人を傷付けるなっつったろーが! その上なんだ? Lの命狙ってるっておまっ、殺気叩きつけやがったな!! 竜崎の前に俺が心臓麻痺で死んでまうわっ!!」

 

……小さな声です。ボソボソ言いました。でも聞いてたみたいですダンチョーの地獄耳ー!

 

「誰もそんなことは言ってないだろう。まぁ、一度殺り合ってみたいのは確かだが」

 

 ホラミロ!! 俺の予想通りじゃねぇかよコンニャロ! あああああもうどいつもこいつも自分勝手に動きやがって……俺も自分勝手に逃走するぞコンチクショーだがしかしLの元を離れたとバレたら速攻で心臓麻痺になるんだろうな俺……ううう、結局のところ死亡フラグは四方八方に立ちっぱなしなのね。

 

「Lが足技の使い手とは知らなかった。お前の書いたデスノートには無かった描写だ。書き忘れたのか?」

 

 いちいちそんなことまで覚えてる方がどうかしてると思うんですよねボク。そもそもあれ書いたの、向こうの世界に行ってから2年以上経った後だぞ。オチまで覚えてただけでも上出来だ、俺にしては。

 

……そういや、この世界やH×H世界は二次元の世界だってコト……言わない方が良さそうだな。言ったら冨○のところに殴りこみそうだコイツ。あれ、この世界にH×Hはあるのか? ないよな? え、あるの?

 

「ないよ」

 

 ぼそっと、パームが教えてくれた。そうか無いのか。ジャンプはあったけど連載ほとんどしてなかったから存在自体忘れてた。コンビニとかでコミックスが出た時に一緒に思い出すんだよな。……ってことは俺はH×Hの続きを一生読めないってコトか? ジーザス、何てこった。偉大なマンガを一つ失ってしまった。

 

「何をブツブツ言っている。キラの話をするんだろう、さっさとしろ」

 

 この尊大なダンチョーさんに鉄拳かましてやってくださいよパームさん。え? 俺? 出来ません怖くて。

 

「夜神局長……キラの親父さんが帰ってき次第、また第二のキラに関する会議が始まるだろう。おそらくそこで、夜神月を捜査本部に召集する。『第二のキラ』を捜査しつつ、『夜神月』を監視するために」

 

「今ふと思ったんだが、オレの名前は向こうの文字で書かないと殺せないのか?」

 

「知るか」

 

……そもそも名前も寿命も見えない可能性が……あ、そういやこのことはまだクロロに話してなかったな。一応話しておこう、何かの参考になるかもしれない。

 

「なるほど、お前とパームの名前が見えない……異邦人の名前が見えない可能性は充分考えられるな。なんだったら、オレが自分でデスノートに自分の名前を書き込んでやろうか? そうすれば死ぬかどうかもわかるだろう」

 

「いや、つかノート何処から調達するんだよ……」

 

「奪うに決まっている。夜神月なり、弥海砂からなり」

 

 駄目だ……コイツ……早く何とかしないと……。

 

「わずかでも死ぬ可能性がある以上その案は受け入れられない。それから、この世界のこの国は法治国家だ。奪う、傷つける、殺す。これらのことは絶対ご法度だ。いい加減俺の言うことも聞いてくれ」

 

「わかった。表向きはそうしておけばいいということだな」

 

……駄目だ……コイツry

 

「いくら能力が衰えたとはいえ、暗殺くらい出来ないわけじゃない。実際に夜神月と弥海砂を殺すのがお前達が助かるために一番確実な方法だと思うが?」

 

「駄目だよ。それじゃキラ以下だ」

 

 シュートの一言に、団長の目が濁る。空気が一変する。……うわっ怖い嫌だ逃げたいいぃ!

 

「聞き捨てならないな。どういう意味だ」

 

「そのままだよ。だって結局それはキラに頭で敵わないから暴力に訴えるってだけだろう? 力では確かにアンタの方が上かもしれないけど、それじゃアンタは一生夜神月を頭脳で超えることは出来ない」

 

 シュート……成長したのはいいけど気の強さにも磨きがかかったな。クロロのこの目を直視できるのはある意味すごい才能だと思うぞ……これが勝負師の強さか。俺にはない才能だ……。

 

「成程……ウイングよりシュートの方が俺の使い方をわかっているようだな」

 

 へ?

 

「それだけ煽られれば、オレは意地でもキラを暴力で屈服させることはない。それがウイングの目的だろう? ……Lと協力し、頭脳でキラを上回り、そして頭脳戦でキラを叩きのめす」

 

 クロロは立ち上がって……シュートの首に手をかける。その動作は素早く、止める間もなかった。

 

「だが勘違いするなよ。オレに命令できるのはオレだけだ。キラの命も、Lの命も、お前らの命も俺が握っているということを忘れるな」

 

 手が離される。シュートの首筋にはくっきりと、クロロの爪痕が残っていた。

 

「ゴホッ……わかってるよ、そんなこと。でもアンタの性格なら、全ての面でキラなりLなりの好敵手をねじ伏せたいと思うはずだ。間違ってないだろ? オレも、そうだから」

 

 シュート……いつの間にそんなに成長しちゃったの? ボク完全に置いていかれてますよ、あ、パームもだ。

 

「ストレートでも、カーブでも、フォークでも、オレは相手を三振に仕留める。それと同じことだよ、ウイング。わかってもらえないかもしれないけど」

 

……これは、もしかして、俺らの中でシュートが一番ヤバい性格だったってことか……? 向こうの世界にいた頃は気付かなかった……。つか俺まさか、ここでもいらない子? 泣くぞコラ。

 

「とりあえず、キラを捕らえる。それから、Lだ。……お前達の知っているデスノートの情報を俺に全部寄越せ。ヒソカとの約束があるからな、全てが終わったらお前達は殺してでも元の世界に連れて行く」

 

「約束って言えば、クロロ私達が危険になったら無条件で助けてくれるって言ってたよね?」

 

 パームナイス! そんな約束すっかり忘れてた。俺アレ以上関わりたくなかったからな旅団と。

 

「ああ。だからこうやってわざわざ助けに来ているだろう? 交わした約束は守る。オレの流儀だ」

 

「だったらシュートに傷を付けたこと、今すぐ謝って。そしてこれ以上私達には危害を加えないと約束して」

 

……パームも強い子デスネ……ボク一人ヘタレデスネ……。

 

「そうだな……つい、カッとなった。シュート、すまなかった。だが後者の約束は出来ない。先にヒソカと約束しているからな。オレはお前らに傷をつけてでも前の世界に送りつける」

 

「ちょっと待った。話がずれてないか? とりあえずはオレ達がどうこうよりキラをどうにかするのが先決だろう」

 

 ボクも少しは会話に加わらないと……忘れられてしまいそうデス……。

 

「デスノートの物語……俺とパームが詳細を知っている。出来る限りのことを今話そう。パーム、いいな?」

 

「OK。デスノートに色々な制約があることはクロロも知ってるよね? それについてまず話す。これは向こうでウイングが作った映画にも出ていない制約も沢山あるから……」

 

 そうして、俺とパームで出来うる限り、思い出せる限りのデスノートの掟を話したところで、竜崎から内線が入った。夜神父が警視庁から帰ってきたらしい。……さぁ、ここからはまず第二のキラ、弥海砂の確保だ。夜神月が捜査本部に関わってくる……ちょっと危ない橋を渡らなきゃいけないな。さーて、どうするかな……。

 

 結局この先の事に関して何一つ話せなかった気がする。とりあえず、シュートは怒らせたらヤバイということだけがわかった。

 

……やっぱ、俺だけ逃げたら駄目かなぁ? 逃げたいなぁ。能力発動しないかなぁ、『現実逃避(パラレルトリップ)』念じてみたけれど、とりあえず無駄だった。神様そんなに俺のこと嫌いですかそうですか。

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