meet again 作:海砂
しばらくはすることが無い……待つだけなので、私達は解放された。といっても、ホテルの一室でぐだぐだしているだけなんだけれども。
そして、ウイングに呼び出されて、私とシュートは彼らの部屋へ向かった。
……ほとんど、シュートは私の部屋にいるけど問題はない。強いて言うならウイングがジト目で私達を見るくらいだ。問題はない。問題はない。大事なことなので二回言いました。問題はない。三回目。
「クロロと今後のことについて話をして、方針が決まった。まずは夜神月より先に弥海砂と接触を図る。シュート、彼女のメールアドレスを知っているんだろう?」
「うん。でも呼び出して、来るかどうかはわからないよ?」
「私も行く。私とのことを相談してたんでしょう? 私に会わせたいって言えば、時間さえあれば会ってくれるんじゃないかな」
けど、竜崎が外出の許可をくれるだろうか。それだけが問題だけど、いざとなればここにミサミサを呼び出せば……駄目だ、夜神月と接触する恐れがある。やっぱり外出許可をもらうしか。それかいっそこっそり抜け出すか……駄目だろうなぁ、出入り口に監視くらいつけててもおかしくない。
「わかった、竜崎の方は俺が絶対説得する。クロロもひとまずはこっちに付き合ってくれ。シュートとパームはミサと連絡を取って、会う。今のミサはすでに死神の眼を持っているはずだから、お前さんらの名前が見えないことに気付くはずだ。全てを知っている、そして味方だと思わせろ。そして夜神月との接触に協力するんだ。青山ノートブルーのことを教えるとか、可能な範囲で彼女に協力してもいい」
ウイングが夜神月に言ったことと似たような事を彼女に話すか……神の子(笑)発言はともかく。いずれにせよ、キラ寄りだと思わせておかなければ殺されるのは間違いないだろう。あ、でも名前見えないんだったら私は殺されないのかな?
「ごめんパーム。オレが名前ばらしちゃった」
……持参したハリセンで三発ほど殴っておいた。これくらいで仲が壊れる私達ではないのだ、多分。
「とりあえずこの先どうするの? その、ミサミサと接触するのはわかったけど」
「夜神月と弥海砂、両方が記憶を失うまでは、キラ寄りの無関心で話を進めるつもりだ。ミサにはキラの味方だと思わせて、夜神月には無関係を装う。……つってもLにある程度の協力はするがな、出来る範囲で。Lに協力する範囲は、原作で夜神及びLが推測できた範囲内とする。ここ大事だぞ」
クロロが少し反応した。『原作』の所で。……ウイングもシュートも自分達の言ったことに気付いていないようだ。おいおい、ここが二次世界だってバラさないんじゃなかったのか? まぁ、まさかクロロも、自分の世界がマンガの世界だなんて考えもしないだろうし、そのマンガ自体もここには存在しないけど。……ホント、この世界にH×Hがなくて良かった。
「おい、ウイング。この世界はお前が作った世界なのか?」
……ほらほらほら、クロロが釣れちゃったよー。ああ、映画の中に入る念能力者、とかアリかもしれないしなぁ。そんな感じに考えてるんだろうか。
「似た様なもんだが、一部が違う。例えば俺たちが何も関わらずに話が進めば、一旦Lが死んでキラの世界になる。向こうで作った映画にはそこまで盛り込めなかったからほぼ相打ちにしたけどな。だから、正確に映画の世界かと問われれば、答えはNOだ」
「だがデスノートの効力や死神、登場人物は実際に存在するというわけだな」
「ああ。そして、関わらなかったらといったが、現時点で既に俺たちがここまで関わっている以上、この先どうなるかは明確ではない。だからこそ、慎重に動く必要がある」
慎重とか言いながら結構あちこちで無茶してると思います先生。神の子(笑)発言とか。この人、頭いいんだか悪いんだかよくわからない。馬鹿でもなれるのかな、東大講師。
「……全く、難儀な世界に迷い込んだものだな、お前達」
ダンチョーさんもその一員ですけどスルーですかそうですか。そうねあなただったら最終手段、全員ぶっ殺してオシマイにしそうだもんね。やりかねないもんね。……でも心なしか、この世界にきてからのクロロは楽しそうだ。何だかんだ言ってデスノートの世界が好き……というか、面白がってるに違いない。
「じゃあ、とりあえずオレは部屋に戻ってミサちゃんにメールで連絡取るから、三人で竜崎を説得してきてもらっていいかな? 自由に外に出れる前提で話、進めとくよ」
「OK、駄目だって言われたら殴ってでも言うこと聞いてもらうから」
鬼に金棒、パームさんにハリセン。
何となくだけど、ハリセンを握っている時の自分は無敵の様な気がする。マリオで言う所のスター状態? さすがにデスノートを所持した夜神月に勝てる気はしないけどさ、竜崎くらいなら勝てそうな気がする。漫才効果恐るべし。
「よし、じゃあ行動開始だ。シュート、今夜か明日あたりに会えるよう連絡取ってくれ」
「了解」
そして竜崎の所へ向かう。予想外にあっさり外出は許可された。……いっぺん殴ってみたかったのに、残念。ただし、これ以上捜査本部に余計な人間を連れてこないようにと念は押された。そし竜崎側の尾行に注意……クロロにもついて来てもらうかなぁ。尾行とかすぐに察知しそうだこの人。でもミサミサになんて説明するかが問題だよなぁ。……キラ信者とか? 嘘じゃないし。いいかもしんない。尾行にはホントに警戒しておかないと、今ミサミサと接触してることがばれたら、夜神月以上の要注意人物にされかねない。
あ、でもシュートとミサミサはすでに知り合いだったわけだしなぁ……ああもう、よくわからなくなってきた。そもそも私みたいな凡人にキラとかLの思考を理解しろって言う方が間違ってるのよ前提条件として。しかもその裏をかかなきゃいけないし……もうさ、いっそのこと全部Lに洗いざらいブチまけるのってどうよ? 駄目?