CCG
よく仕事を聞かれるが、やはりそんなに珍しい職じゃあない。
この身体の怪奇を調べたくて就職した場所は、東京に24支部もあるところだ。病院じゃ無いが。
白鳩。俺達はそう呼ばれている。
うぇえぇ……気だるぅい……ぜぇったいぜぇえぇったい霜ちゃんになんか言われるよ……もういやだ……おうちかえるぼく……
「遅い」
おうちかえりたい……
「遅いです。本当に。どうしていっつも遅刻をするんですか!?おかげで私、ここで変なあだ名ついたんですからね?!」
「……………どんな?」
「遅刻准将殿の尻拭い二等ですよ?!なんなんですか?!」
あぁ、そこまで俺の権威失墜してたんだ……影でなんか……うわぁやだぁ………あれ、俺尻に敷かれてる系男子じゃね?
「大体職場に着いた瞬間に研究室に閉じこもるのなんなんですか?!証明が暗くて美人がいるから?!ほんっと勘弁して下さい!この前なんて……」
もうやだこの子……夫の不倫が発覚した夫婦じゃないんだからそんなに不満ぶちまけないでよ……
「もう……もう………」
「しらぬあぁぁあぁあい!」
「あっ待って下さい!この後大事な……!」
───────
研究室。
ふぅー……一息つけるぅ……
村上博士が鎌鼬の実践データを眺めながら満足気な顔を隠さない。余程出来が気に入ったんだろうな……
「で、鎌鼬(カマイタチ)はどう?」
「うん?良好かな……あ、この前討伐した奴組み込めるか試してよ」
「この前ってのはいつよいつ」
「鱗赫の『蛸』」
「あぁそいつね……どう付けようと?」
「こういうのはどうだ。例えば…」
「却下。それだと出力が限界まで発揮できないわよ」
「じゃあじゃあ、こうなら……」
「あ、それならここに甲赫付け足すわ……これを…」
CCG24区支部研究室。ここでは最新の設備による優良なクインケが製造可能とあって、討伐した喰種をそのまま持参してくる捜査官が絶えない。俺もその1人。
24区は、喰種の生活状況が極めて不明な地域だ。
理由は大きく分けると二つある。
一つは、赫壁が擬態し壁になり、潜伏している喰種達が分からない。もしくは見つからないといった点。
二つめは、そもそも24区の喰種のレート自体が極めて高く、遭遇した捜査官が殺害されるというケース。
そのため、24区出の喰種はすべてそのレートがS〜計測されることになっている。並の人間の手に負えなさ過ぎるという現実が確かにここにはある。
が、しかし、『並の人間以外なら』の話だ。
ここ24区には、SSSレートを最低限の犠牲で余力を残し討伐が可能な戦力が揃っている。CCG最強の支部。それが24区。
それ曰く、二等六十四名、一等三十名、特等四名、准将一名がその最強に名を貫いている。
准将である俺は、過去にSレートを17体、SSレートを31体、SSSレートを2体討伐した経験がある。無論、俺一人のスコアでは無いけど。
そんな俺は、クインケを身体に埋め込まれた人間だ。
腕。脚。二つずつのクインケを装着して生活している。義手義足を常に着けて闘っているのが今の俺な訳だ。変幻自在伸縮自在なクインケで戦える、そんな俺は喰種達からこう呼ばれている。コートが他の捜査官と違うからか、『黒鴉』、と。
「OK…分かったわ。ご要望に添える結果を見せてあげる」
「ありがてぇ、紀伊達の新しいクインケ、出来てるか?」
「えぇ。貴方の討伐した喰種の半分ずつが入ってる分、かなり出力は高いわ」
「この前ってのはまたいつのよ」
「貴方が苦戦した相手よ」
あぁ……ハイブリッドのか……
二つ赫子を持ってる奴が時たま現れるんだがとにかくやりにくい。自分の弱点をカバーする赫子を持っていたから尚更戦いにくかった……ん?
「まさか装着型か…?」
「貴方が殺ったのは、羽赫と甲赫を持ってた喰種でしょ?逆にもったいないわよ、装着型にしないなんて」
羽赫と甲赫。これ以上装着型で便利な組み合わせはあるかね。
俊敏な動きができて中距離で戦える羽赫に重厚でパワフルな甲赫。それに紀伊達の尾赫。うん、異議無し。
「よくやったなぁ、出来は?」
「もちろん120%」
博士が言うなら間違いないな……さて、そろそろ…
「じゃ、鎌鼬置いてくから、さっきのプランで改修よろしく!」
これできっと機嫌を直してくれよ……
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