時間はすぐに過ぎていき、俺と豊姫はその場で分かれた。
これから依姫に会いに行くのもいいが今は何となくそういう気分ではない。
悪いが依姫には少し我慢してもらおう、それより俺は自分の能力が気になって仕方ない。
永琳が言うには俺はあらゆる速度を操れるらしい、その証拠に俺は今薬が効いている。
まぁ、証拠とまではいかないけども...
だが、一つ大きな疑問がある。それは、自分の能力の限界値だ。
自分がどこまで速度を操ることができるのか...ここが結構重要なのだ。
もしこの能力が100までの範囲しか操れなかったら期待できる効果は大体想像がつく
だが、もし限界が無いとしよう、又はとても遠い数値だとする。
そうすれば自分には新たな可能性が生まれるのだ。
例えると操れる範囲が100までの状態で自分の寿命を100倍にするのと、
操れる範囲が∞の場合に、自分の寿命を∞倍にするの、
どちらが優れているか、可能性を見出せるか。
そんなもの明らかに無限の方だろう。
そんな些細な疑問で俺は自分の能力に深く興味を持った。
取りあえずどこまでできるか実験するために屋敷の庭を借りよう。
俺は早く試したいのか分からないが足早に庭を目指し走った...
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庭についた、庭の広さは大体10畳程度だ。
ここでまず実験することは、妖力弾の速度を操ることだ。
出すのは拙いかもしれないがこの際仕方ないだろう、うん
そんな事を考えつつ俺は一歩下がり周りに弾を展開させた。
すると弾の性質がいつもと違った。
はて...何でだ?
ここで俺はさっき永琳に飲まされた薬を思い出した。
(あー...ってことはこの弾は霊力に組み替えられてるのか)
小さく頷き納得するような素振りをだれもいない庭でした。
少し悲しくなったが、考えるのをやめた
本題に戻り俺は霊力の弾に目を向けた。
この弾の速度を通常の-2倍にしてみる。
こうすればいつもの2倍遅くなるはずだ。
そんな期待を込めながら俺は霊力弾を空へと打ち上げた。
霊力弾のスピードはとてつもなく遅く、空へ登っていく一匹の龍みたいだった。
(速度...マイナスも操れるか、便利だなこれは)
正直ここまで汎用性が高いとは思ってもみなかった
これで俺が街を離れる時も、来るときも時間を短縮できるな。
ん?時間...?
これってもしかして俺は時間の速度を操ることができる?
時間の経過速度を0にしてみるか...
心でそう設定し周りを見渡すと...
世界が止まっていた。
どうやら細かい速度どころか世界自体の速度を操れるらしい。
これをうまく使えば世界征服も夢ではない!
するきはさらさらないですけど
もしかして俺は凄い能力を手に入れてしまったのかもしれない。
一つ間違えればこの世を簡単に壊せてしまう、それほどのものだ。
何でおれがこんな能力を...
俺は落ち込みながら世界の速度を元通りの速度に戻した。
今分かったことだがどうやら速度だからといって数字で一々考えなくても速度は変えられるようだ。
時間を取り戻した世界は先ほどまでの状況が嘘かのように忙しく動き始めた...
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急に時間が過ぎるが、俺が能力を使えるようになってから4カ月がたった。
最近はずっと依姫と遊んでいる。かわいい。
まぁ、それは置いておいて...俺はなぜか現在永琳に呼ばれている。
何か重大な問題があるようだった。
俺は永琳の研究室の前まで来た。
少し優しめのノックをする。
コンコン
「戌姫かしら?入っていいわよ」
永琳が入室許可をくれたので俺はドアを開け中へ侵入した。
中に入ると相変わらずの薬臭さが鼻に入ってくる。
ドア正面の机に腰掛けていた永琳はこっちを真剣な顔で見て少し笑った。
「一旦座りなさい。」
「わかった」
永琳に言われるがまま俺はベッドの上に腰を掛けた。
先ほどから、永琳は笑顔は見せるもののずっと神妙な面影がある。
どうやら大変なことに直面したらしい。
「戌姫、これは相談なのだけれども聞いてくれるかしら?」
「別に構わないけど」
「まずこれは外に漏らしてはダメだわ。必ず存在を消されるから。」
「まじかよ」
「マジよ。気をつけなさい。」
どうやら舐めたり生半可な気持ちで聞いてると自分を捨てることになるようだ。
「実はね、私たち人間は月に引っ越しをするの」
「え?」
「まぁ、何言ってるのか分からないでしょうね」
「嫌…意味は分かるけど言ってることが分かんない」
「それを意味が分からないっていうのよ」
「そうなのか」
何か永琳が迷った顔をしていると思ったらそう言うことだったのか。
でもそれだけだったら別によくないか?地球が恋しいとか?
「ねぇ、永琳。それに何の問題があるの?そんなに俺に相談するまでの事じゃないと思うんだけど...」
「人間の寿命はね...妖怪から出てる穢れによって短くなるのよ」
「へー...それで?」
「月へ行く際動物等の連れ込みが禁じられたの。もし妖怪が混ざって居たら困るって理由で...」
「...へぇ......それはまた、面白いことを」
「全然面白くないわよ、貴方と離れなければいけないのよ?皆が悲しむじゃない」
「まぁ、でも俺妖怪だしな。何か今さらな感じもする」
「何が今さらよ。妖怪だろうとあなたと私たちは家族みたいなものでしょ?哀しくないの?」
「哀しいけどさ...生きてればまた会えるかなって」
そう、別に死ななければどうということはない。
妖怪から離れ、穢れの無き月へと逃げた人類は寿命では死なないのだから
それならまた会えるまで待てばいいのだ。
「でも、貴方は妖怪...いつか寿命が!」
どこか泣きそうな声で永琳は俺に向かって怒鳴った
「これならどうかな?」
そう言い俺は...
自分の能力を駆使し寿命の速度を無限にした。
速度を無限にする...これは俺の寿命に終わりがないということを指す。
「俺の寿命を無限にした。これならまた会えるだろ永琳?」
「...え......ふふ、本当にあなたって変わってるわ...いいわ。あなたを信じて私は月に行く」
「おう、そう言ってくれると嬉しいよ」
「ふふ、別に会えればいいのよ。会えれば」
「そうだな...因みに移住するのはいつ頃なんだ?」
「後2カ月くらいよ」