月への移住を俺に告げてから一週間がたった。
他言無用とか言ってたけどどうやら永琳からは家族に伝えるそうだ。
凄い今さらなこと教えると、永琳はこの町でとても偉い地位にいる。
その永琳が住んでるこの屋敷は綿月家という由緒ある家柄だそうだ。
そしてやはりこの綿月家の地位もこの町では高いらしい。
正直話を聞いた時は厄介なところで飼われてしまった...
と思ったが実際のところ皆優しく、全然怖くなかった。
地位とか関係なくやっぱり人柄は大切だと思った。
閑話休題
「皆集まったかしら?」
大広間に綿月家とその使用人等が集まっている。
当然俺もいる。依姫の膝の上に...
場の空気はそこまで冷たくなく何となく緊張が感じられる程度の空気だった。
皆揃っていることを確認できた永琳が声を張る。
「皆、今日は重大な話があるの。少し覚悟して聞きなさい。」
永琳がそう言うと皆はまるで子供のようにキョトンとした顔をしている。
確かに重大な話なんて俺がここに来てから一度もない。
もしかしたら珍しい事なのかもしれない。
「とても悲しいお知らせだわ。」
「怖いよ...うぅ」
怖かったのか依姫が俺に抱き着く
やめろ苦しい、死んでしまう
悲しい...その一言でさっきまでの空気が嘘のように凍った。
「お知らせの内容は我々人類が月へと移住することについて、よ」
「...月?あの夜空の?」
依姫は俺に向かって呟く。
夜空というところを聞くにやっぱり依姫も乙女なようだ。
すると一人の男性が手を挙げる。
永琳はそのことに気付き男性を当てた
「はい、私使用人の者ですが...ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、大丈夫よ」
「この月への移住にどのような悲しいことがあるのでしょうか?いま聞いただけではただ単に引っ越すだけにしか聞こえないのですが」
「あら、良い質問ね。何が悲しいか、ね...
これは人それぞれかもしれないわね。いいわ教えましょう」
そう言い永琳はこちらを向いた。
すると手をこちらに伸ばし俺に手招きした。
え、聞いてないんですけど
すると嬉しい顔をしながら依姫が立って永琳の所にかけていった。
俺じゃなかった
一人で何か落ち込んでしまった...
「月はね環境が整ってなくてね、私たちで少しずつ改良していかないといけないの。
そうするとどうなると思う?私達は人とかかわりを持つことが少なくなってしまうわ。そうね最低でも今の倍は働かなくてはいけなくなるわね」
そういうと周りから嘆きの声が聞こえた。
当たり前である今でもこんなに忙しいのに急に移住をし今以上に働かなければいけないという残酷な現実を突き付けられたのだから。
「働くのもあるけどそうするとこの子のような今学習を必要とする子に勉学を教えられないの」
因みに永琳は依姫と豊姫に勉強を教えている
俺は隣でうつぶせになりながら聞いている。
「それが私はとっても悲しいわ」
そう言い永琳は依姫を見て少し笑った
依姫は恥ずかし気にこちらを見て顔を赤くしていた
依姫かわいい
「まぁ、これくらいだわ。」
そう言い永琳自分の席に着いた。
重要な話が終わったからか皆緊張の糸が切れたかの如くグダーっとし始めた。
俺も少し姿勢を崩して依姫の膝に顎を置いた。
すると依姫は俺の頭を優しくなでてくれた、気持ちいい
そのままグダグダとしながら時は流れ会議は終わった。
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「永琳...」
研究室にもどった俺と永琳はベットの上に転がっていた。
永琳はひどく疲れた様子でこちらを見ていた。
「なに?」
「何か依姫に別れを告げるのが怖くなってきた」
「あら、貴方らしくないわね」
「いや、何か依姫ってまだ子供でしょ?それなのに月に言った挙句あまり人との関係を築けなくなるだなんて...」
「ふふ...心配いらないわ。私がそばにいてあげるから」
「あぁ、そう言ってくれるとうれしいよ」
「まぁ、一番重要なのはそこではないのだけれどね...」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ、何も」
最後に永琳がつぶやいた一言は何を言ったのかわからなかったが依姫や豊姫がさみしい思いをしないのならば別に良いか
小さなことを考えていると永琳が目の前で寝息を立て始めた。
何気に俺が永琳の寝顔を見るのは初めてかもしれない。
いや、初めてだ。
「かわいい顔して寝やがって、何か俺と関わる人大抵可愛いな...てか女としか釣るんでない気が...?」
まぁ、気のせいかな そんなこと有り得ないしありえても俺が困る
そんな月移住計画の話が綿月家に知れ渡った日
俺は永琳と一緒に寝た。
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朝少しした震動で目が覚める。
どうやら永琳が起床したようだ。
俺も釣られる様に体を起こした
「おはよう永琳」
「...あら起きたのね」
目を擦る永琳が俺を見て声を掛ける
そこでハッと思い出したかのように永琳が言う。
「そう言えば戌姫」
「ん?なに?」
「結構前に貴方に薬飲ませたわよね」
「あぁ、そんなの有ったね」
「あれね失敗作でね、解毒剤飲まないといけないのよ」
「え?まじスカ...因みに解毒剤飲まなかったら?」
「一生霊力のままよ」
「飲みます下さい」
「いや、待ちなさい。ここで一つ提案があるのよ。」
永琳が悪そうな笑みを溢す。
正直嫌な予感しかしない。
「...何?」
「これを飲むのは私達が月を飛び立ってからにしなさい。」
「えぇ...理由は?」
「妖力を感知されそうなのよ。最近新たに導入された機械のせいで...」
「あぁ...成程ね」
「だから薬は渡しておくけど決して使わないようにね」
「わかった」
そう言い俺は永琳から黄金色の解毒剤を受け取った。
薬に解毒剤とか正直前代未聞だと俺は思った。