ソード・アート・オンライン 〜理想の中の現実〜 作:DQkzk
強化詐欺いい加減長いから早く終わらせたい……
俺は今、攻略会議にきている。広場で行われており、人数は50人くらいといったところだ。俺たちは広場の端っこに位置取っていた。
この会議は俺が提供した内容で進められているので俺は考え事をしていて聞かなくても平気だ。まぁ、一層の事件で俺と組みたいなんてやつはキリト、アスナ以外いないのでパーティーはトリオで組むことが決定事項だ。ブレイブスも参加しているがこれから強化詐欺のことをバラすので相手の反応によるがこいつらも戦力外になるかもしれないな。
ネズハの謝罪の場になるまで今日のシュミレートをして時間を潰し、漸くその時間になった。この時自分のことではないのに手汗を書くような錯覚に陥る。もしもダメな場合は取り返しがつかないような事態に陥る可能性があるため気が気でない。
「これで攻略会議は終了だ。だが少し時間を貰って話したい人がいるのでそのままの状態でいてほしい。」
そうリンドが言って俺の方に視線を向けてきた。その視線に俺が反応するよりも早くネズハが立ち上がり前に歩いて行ったのでみんなの視線がそちらに集まる。リンドは俺を訝しげに見ていたがそれよりも優先すべきは前に歩いてきている男だと思い、周りと同じように視線をそちらに向ける。
「僕の名前はネズハと言います。知ってる方もいるとは思いますがプレイヤー鍛治師です。………僕は皆さんに謝らないといけないことがあります」
なんだ?何の話だ?という声がちらほら聞こえ、 少しうるさくなったが次の言葉を聞いた瞬間、しんとなった。
「………僕は鍛治師としてあなた方の何人かの人から武器を騙し取っていました。武器が消滅した現象が起こった人がそうです。
……本当に申し訳ございませんでした‼︎」
ネズハは土下座をして謝った。
「ふざけんなよ!武器が無くなってから俺たちがどれだけ必死に武器を探して強化したかわかってんのかよ!はい、そうですかって許せるわけないだろ!弁償しろよ!」
頭にきてわめき散らしながらネズハに喰ってかかっている。そいつを慌てて仲間が止めていた。
「……すいません、稼いだお金全てを生活費に使ってしまいました。」
そう謝りながら俺の方を伺うようにチラチラと見てくる。バレるからやめろ。
「お前!どういうことをしてんのか分かってんのか⁉︎どうやって償うんだよ!」
『そうだそうだ!』とか『どうすんだ!』などの罵倒がネズハに浴びせられる。次第にエスカレートして『償えることは一つしかないってわかってんだろ。』『死んで償え!』などという言葉も出てきた。こうなってもブレイブスが出てこない。仕方なく俺が出て行こうとしたとき漸くブレイブスが動いた。
ブレイブスのリーダーオルランドという男が出てきてネズハの隣で土下座をした。
「………こいつは俺たちの仲間です。こいつの責任は俺たちも一緒にとります。死ねと言われれば俺たち全員一緒に死にます。」
さすがに6人もの人を死なせるのには抵抗があったのかなにも言わない。
(いい仲間を持っているな、ナタク。さて、俺は俺の仕事をしましょうかね。)
そう俺は心の中で呟いた。
「………あぁーあ、胸くそ悪い。なに友情っぽいの見せてくれてんの?お陰で俺の稼ぎどころがパァじゃねーか。」
俺の一言で全員がこちらを見る。
「お前らを利用してたのによ、こんな事になるなんて想定外だぜ。全く………おい、ネズハお前どうせ俺に渡すつもりだったコルを使って弁償しようとしてるんだろ?もう脅しの内容は意味無いから俺がどうしようと無駄だしな。………ここにいる奴らはバカばっかだったから騙すの簡単だと思ったんだけどなぁ、残念すぎて言葉にできねぇよ。」
殆どの奴は俺に憤りを覚え、鋭い視線を向けている。残りの者は困惑していて言葉を発せない。
「…てめぇ、前回に引き続き今回もかよ。いい加減にしろよ‼︎人を脅してまで手に入れたいのかよ。そんなもの、何の意味もないだろうが!」
一人が言ったことで他も次々に俺に対しての怒りを言葉にする。そんな中俺は既に違うことを考えていた。
(こん中で状況を冷静に分析できているやつは………5人か、キリト、アスナは勿論のこと、エギル、リンドでもう一人は……あれ?あいつ見たことないぞ、何者なんだ?)
俺はそいつを見ていると向こうも気付いて少し嫌な笑みを浮かべ、その場を去っていった。
「……………っおい、なんとか言えよ!」
そいつに向けていた意識を誰かが言った今の言葉で引き戻される。
「………あぁ、悪い。あまりにもお前らがバカすぎて呆れていたよ。つーか騙される奴が悪いんだよ。こんなの本当のことを話さなければ分かるはずないんだからやられた時点でもうお前らはアウトなんだよ。この世界は己をいかに強くするかが生き残る道なんだよ。手段がえげつなくたってな強くなったという結果になるから手段はどうでもいいんだ。この世界は理不尽で満ち溢れているんだからこんなこと些細なことでしかない。もしやられたくないんだったら自分の身を守れるくらいになるのが先決だと思うけどな。でも強さに溺れて自滅ってのもバカのすることだな。俺はこの世界で利口に生きているだけだ。文句があるなら俺を殺すなりしてみろよ。そんなこと無駄でしかないがな。それじゃあ俺はここで帰らせてもらう。ボス戦でまた会おうぜ。」
そう言って俺はこの場から離れる。後ろからいろんな声が聞こえてくるが全てを無視してそのままフィールドに向かった。
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アルスが去ってから少し落ち着きを取り戻した攻略会議は解散となった。ネズハたちのことはコルを弁償としてもらうことで解決。周りが帰っていく中、俺はそのまま席に座っていた。
「なんでお前は誰かを庇うんだよ……」
俺は心の中の悲しみを吐露するように小さく呟いた。アルスとは始まりの町から今までの関わりしかないがそれでもアルスの人間性は信用できるものだと思っている。そんな奴にこんなことをして欲しくはない。理由はなんとなくわかるがそれでも…
「本当にその通りよ。あとで1発殴…説教をしないとね。」
どうやら俺の呟きを聞いていたらしいアスナが同調してきた。どうやら怒っているらしい。アルスの悲鳴が幻聴として聞こえてきた。俺の中であの悲鳴はとても印象に残っているらしいな。そんな風に考えていると俺たちの方にエギルが歩いてきた。
「お前らの仲間、なんであんなに犠牲になろうとしてるんだ?」
「エギルも気付いていたのか、あれが本心じゃないって。」
「当たり前だ。話した限りの印象と言葉とじゃ違いすぎるし、なりより話が噛み合ってないところがたくさんある。」
俺はエギルの人を見る目が確かなものだと感心すると共に分析力もかなりのものだということに驚嘆した。
「たぶんアルスはあの状況でブレイブスを攻略組に留めさせておく為にヒールになった。そして少し噛み合っていない話をして異変に気づく人物を探していたんだと思う。じゃなかったらこんなにガサツな作戦を組まないはずだ。」
「なるほどな、他にも方法がある気がするが本人がそれでいいなら何も言うことはないな。……じゃあなお前らボス戦でまた会おう。」
そう言ってエギルはこの場から立ち去っていった。
この後宿に戻ったのだがアルスはどこにもおらず、ボス戦の日まで会わなかったのだった……
すいませんスキルの熟練度をキープしたまま瓶に入れておけるアイテムってどんな名前でいつから出ましたっけ?教えてください。