ソード・アート・オンライン 〜理想の中の現実〜   作:DQkzk

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すいませんでしたッッ!めちゃくちゃ遅くなりました。
言い訳をさせていただくと硬球が目に当たってしまい、暫くかけませんでした。なので次はもっと早く投稿します。約束は破らない(ために頑張る)。

初めての主人公以外の視点なのでおかしなところがあるかもしれません。なのでおかしいなと思ったら教えてください。その他にもあったらよろしくお願いします。

※フィリアのレベルを修正しました。


地下迷宮

階段を降りると、先が見えない一本の通路があった。通路は西洋の城みたいな造りになっていて曲がったりは多々あったが分かれ道などはなくずっとただ道に沿って進んでいった。

 

暫く進んでいくと部屋があったが先へと続く通路がなく、行き止まりだった。しかもこの部屋は一つの宝箱が置かれているだけでそれ以外には何もなかった。

 

「ここで行き止まりか?」

 

「そうみたい」

 

「……正直、拍子抜けだな。……さっさと中身とって帰るぞ」

 

俺は宝箱に近づいてトラップとかあるんじゃないかとか何も考えず、開けた。

 

「ん?何にもないじゃないか」

 

しかし、無情にも宝箱の中には何も入っていなかった。フィリアも確認するが結果は同じ。

 

「そんな……NPCからすごいお宝があるって聞いたのに……」

 

フィリアがものすごく落胆している。無理もないか、期待していた物がないってわかったときのショックは半端ないしな。

 

 

 

「落ち込んでいるとこ悪いがフィリア、ここのmobって中層プレイヤーのフルパーティでも危ないって言ってたよな?……にしては弱すぎないか?俺たちで少し手こずる程度だろ。だったら中層プレイヤーでもなんとかなるだろ」

 

俺の言葉に目を丸くしながらも小難しい顔をしていた。

 

「…………確かにおかしいよ。これならアルスの言う通りなんとかなるはずだよ。でもNPCは『パーティ全員、レベル30はないと危ないぞ』って言ってたよ」

 

「そういうってことはそうなるほどの強さを持ったmobが出てくる筈だろ。なのに出てこないってことはここで終わりじゃないかもしれないな。ここに入る前みたいに何か仕掛けがあるのかもしれない」

 

俺は思案しながら辺りを見回す。だがそこにあるのは前述した通り、宝箱だけだ。他には何もない。

 

(宝箱以外何もない……仕掛けなんて何処に……………………いやまて、なんで何も入っていない宝箱が部屋の真ん中にあるんだ?何か理由があって置いてあるはずだ。そういえばドラクエ○で宝箱に仕掛けがあって確か宝箱の底に………)

 

ドラク○の知識を思い出した俺は宝箱の底を覗いた。そこにはスイッチがあり、それを押すと『ゴゴゴ……』という音とともに壁が2つに割れ、通路が出現した。

 

よっしゃあ!ドラ○エをⅠ〜Ⅸまで制覇した甲斐があったぜ。え?X?こいつは駄目だ。オンラインなんて金のかかるもんこっちから願い下げだ。

※コミュ力がなかったためオンラインゲームで一緒にプレイする人を探せなかっただけである。

 

「やったね、アルス!早く先に進もう」

 

フィリアが興奮気味にこちらに近づいてくる。近い近い。俺はさりげなく距離を取り「あぁ」と答えて先に進む。

 

ここから先のmobはフィリアの言っていた通りでかなり強い。どれくらい強いかと言うとおれが最前線のmobを倒すのに2撃必要なのに対してここのmobは2.5撃必要である。この層じゃなくても相当強い部類だ。

 

mobの種類は石人形のようなやつとスライム系のやつが出てくる。石人形は硬くて攻撃が通らないし、スライムは素早くて攻撃力も高い。どちらも相手をするにはとても大変だ。

 

基本的な戦法は俺が敵を倒し、フィリアがそのサポートをするというパターンだ。フィリアも攻撃してくれてはいるがレベルがそこまで高くないので倒すのに時間がかかってしまう。先程レベルを聞いてみたら35と言っていた。なので一応ダメージを受けていないときは俺が、受けたときはフィリアが止めを刺すようにしている。気休めだがこのダンジョンでレベルが上がればと思っている。

 

進んで行った先に出たmobを倒し、一息ついてからまた進み出す。それを何度もしてる内に分かれ道が出てきた。

 

「……右の道で行こう」

 

「ここは左だよ。私の勘がそういってるよ」

 

「何それ?なんかのネタ?」

 

「………」

 

俺の言葉を華麗にスルー。俺はこんなことでめげたりはしない……はずだ。

 

「じゃあここは公平にジャンケンをしよう」

 

ジャンケンをした結果、俺が勝ちました。普段は負けるんだけどなぁ、なんでだろ?

 

俺がかったので右の道へ行く。するとすぐに行き止まりになっていた。

 

「……戻るか」

 

そう呟いてさっきの場所まで引き返して左の道へ行く。さっきのようにmobを倒しながら進むとまた分かれ道があった。今度は上への階段か下への階段かどちらかだ。

 

「これは下だろ」

 

「……これはきっと上だよ」

 

また意見が別れ、ジャンケンをする。そしてまた俺が勝った。なので下への階段に進む。あれ?何これ既視感(デジャヴ)

 

まぁ、察しの通り進んだ先は行き止まりだった。俺は『あははは………』という乾いた笑いしかでなかった。

 

「………戻ろうよ」

 

「はい……」

 

フィリアに言われ少し重い足取りで来た道を引き返す。そして今度は上の階段を登る。そのまま進むと今度は十字路に差し掛かった。

 

「今度はみ「黙って」……はい」

 

「真っ直ぐ進もう?」

 

「了解です」

 

進行方向に関しては俺が意見することは禁止されました。そして漸く理解しました。俺の不幸度は俺自身ではどうにもできないんだと。

 

正面の道はジグザグになっていて死角が多く、mobが急に出てくることが多くなった。こんな状況じゃ気が休まらなくなり、かなり疲労が蓄積されていった。

 

漸く辿り着いた部屋には3個の宝箱が横に並んでいて、装飾がとても華美だった。どうやらここで終わりらしい。

 

「やったぁ!目的の宝箱だよ!」

 

「じゃあそれとって帰るか」

 

そう言って俺は左の宝箱を開け、フィリアは右の宝箱を開ける。そして残りの真ん中の宝箱はフィリアが開ける。その瞬間、入ってきた通路の前に石の壁が降りてきて通路を塞いだ。急な出来事に驚いて放心していると宝箱の後ろの壁が急に開いた。慌てて後ろに飛び警戒すると中から蛇型のmobが出てきた。

 

【the snake of protection】

 

ネームドじゃねーか!こんなところに出んのかよ。しかもカーソルがクリムゾンレッド並みの色じゃねーか。まずい、とりあえず転移結晶で脱出を……

 

「フィリア、早く転移しろ!急げ!」

 

「駄目だよ!転移できない!」

 

「くそっ、結晶無効化エリアか」

 

(どうする?俺だけなら周りを気にせずに戦えばいける。だがフィリアがいる。離れて貰うべきか?それとも一緒に………)

 

「アルス、危ない!」

 

「‼︎」

 

考え事で一瞬意識が逸れたため、迫ってくる尻尾に気づかなかった俺はモロに攻撃をくらい、後方の壁に叩きつけられる。

 

「ガハッ!」

 

なんとも言えない不快感が襲ってくる。残りのHP残量を見てみると、自分のHPバーが8割以上削れていた。

 

「………おいおい、こいつはやばいだろ」

 

相対しているモンスターに視線を向ける。相手は8メートル程もあるかなりでかい蛇でHPバーは3本もあり、鱗は硬そうだ。俺一人じゃ絶対に削り切れる気がしない。せめてキリトぐらいのレベルのプレイヤーがもう1人居ればなぁ。

 

「フィリア!俺がタゲを取り続けるからヘイトを取りすぎないように気をつけながら攻撃をしてくれ!」

 

「………わかった」

 

さぁて、こいつをどう料理しますか。

 

 

 

 

 

蛇が噛みつこうとしてきたので横に飛んで回避。そして胴体に向かって短剣で斬りつける。『ガキン!』という音がして剣が弾かれる。

 

「うぉっ、まじかよ」

 

回避しながら何度も攻撃するが結果は同じ。お情けぐらいのダメージが入るだけだ。どこかに弱点があるはずなんだが……

 

「アルス、攻撃が通らないよ」

 

「あぁ、とりあえず弱点がわかるまでいろんなところを攻撃してみてくれ。分かり次第報告だ」

 

まぁ、そう簡単には見つからず防戦一方になる。噛みつき、横薙ぎ、振り下ろしなどの攻撃が飛んで来るがどれも軌道をそらしたり回避したりする。

 

尻尾の振り下ろしから、俺の顔面付近目掛けて横薙ぎに振るわれる。横に飛んで避けたが次の攻撃にはほんの少し反応が遅れた俺はバックステップする余裕がなく、慌ててスライディングで躱す。その時ちょうど短剣が尻尾の裏側を斬り裂いた。

 

(おっ、こいつは怪我の功名だな。)

 

「フィリア、こいつの弱点は腹側の色が変わっている部分だ!」

 

「了解!」

 

俺はフィリアの返事を聞きながら振り下ろされる尻尾を横に躱す。そこから後ろに下がって距離をとる。追ってきて攻撃しようと首をもたげた瞬間に一気に距離を詰めて柔らかい部分を斬りつける。

 

「グオォォォォッ」

 

苦痛の声をあげ、暴れ回るので一旦離脱。そして隙を見てすぐに攻撃を加える。そんなことをしているうちに漸く敵のHPが半分になった。そこからは敵の攻撃手段が増えて来てだんだん対応が追いつかなくなり、次第に攻撃に当たる回数が増えてくる。致命的なダメージは受けてないものの、1割、2割と着実に減っていった。

 

自動回復(バトルヒーリング)が追いつかねぇ!)

 

敵の攻撃を躱しながら自分のHPバーを確認すると完全に回復が追いついていなかった。俺はポーチからポーションを取り出して栓を外し、先端を口の中に突っ込む。液体が流れこんでくるので飲み込む。それでも全部はすぐに流れてこないので咥えたまま敵と対自する。この芸当はボス戦で覚えました。これをやったときはみんな俺を見て呆然としてましたね。

 

これにより持ち直すことができたが敵の攻撃頻度が下がったわけじゃない。

 

(このままじゃジリ貧だ……)

 

そのことが俺の思考を奪い、焦りを生んだ。

 

「……ッ!」

 

敵の攻撃を避けた瞬間一気に敵との距離を詰め、攻撃をする。敵が次のモーションを起こしたらすぐにもともと決めた回避方法、方向で回避する。回避したらまた攻撃をする。

 

何故、こんな危険な戦法かというと俺にキリトみたいな反応速度はないからだ。あらかじめ決めておけば迷うことなく回避することができる。

 

これにより回避の反応が上がったため、こっちの攻撃頻度も高くなった。この方法だと俺が避けた場所にも攻撃が当たるなんてことがあるかもしれないが相手はAIだ。攻撃パターンなどほとんど把握している。だったら俺の回避パターンも作れないことはない。

 

攻撃スピードがかなり上がった俺はただ無心に敵を攻撃する。集中しすぎて周りが見えなくなるほどに。だからほんの少しの異変に気付けなかった。

 

果たして何回目だっただろうか。俺は先ほどの攻撃と同じように攻撃をし、相手がモーションに移った瞬間にあらかじめ決めて置いた右に少し大きく回避する。

 

「ガハッ!」

 

地面に足がつくかつかないかの瞬間、急に右側からの攻撃が俺の脇腹を襲った。一瞬、何が起きたのか全くわからなかった俺は衝撃を受け流すことも出来ず、地面を転がり壁にぶつかる。不快感が襲ってくるがそんなことには構わず、ボスを忌々しげに睨む。何故?と少し考えたがすぐに答えがわかった。

 

 

 

 

 

………そう、俺はA()I()()()()()()()()()()()()()()()()()()()までしか考えられなかった。故に俺の回避パターンがA()I()()()()()()()()()()を考えることができなかった。高度な、それこそボスのAIは相手の動きを見て学習する。そうするからこちらも攻めあぐねるのだし、倒すのも一筋縄ではいかないのだ。

 

俺の焦りがあの危険な戦法をとり、いつもなら気づく可能性(ミス)を考えられなかった。

 

「チッ」

 

舌打ちをし、残りを確認する。1割を切っており、本当にぎりぎりで残ったという感じだ。この状態で戦おうものならいつ死んでもおかしくない。一度撤退するべきだと思う。

 

だが止まっている暇はない。止まれば即、死が待っている。それに今は逃げられないし、フィリアを置いていくのはどうかと思う。

 

死ぬ恐怖を抑え、ボスに向かっていく。攻撃を加えれば避け、慎重に行動を選ぶ。先ほどのような失態は犯さない。漸く余裕ができるとポーションを飲み、回復速度を高める。

 

暫く攻撃を続けると敵のHPバーがレッドゾーンに突入した。その時敵が動かなくなったので好機と思った俺はボスに攻撃を加えようと踏み込もうとした瞬間、ボスの目が怪しく光ったように見えたので慌てて横に跳んで回避する。

すると俺がさっきまでいたところに細長い炎の息が吐き出されていた。

 

(これ、無理ゲーじゃね?)

 

動きが早くて、攻撃が通る箇所が少なく、打点も高い。さらに遠距離攻撃もあるときた。こんなのフロアボス異常なんじゃないの?

 

こうなると素早い攻撃が必要だ。なおかつブレスを避けられるような立ち回り。そんなものある訳……いや、一つある。条件も揃っている。ならやるしかないな。

 

 

 

〜フィリア視点〜

 

 

 

アルスが敵の攻撃を避けながら私の方へ近づいてきた。

 

「フィリア!投剣スキルは持ってるか?」

 

「う、うん。一応使えるよ」

 

「ならこいつをどこでもいいから壁に向かって投げてくれ」

 

そう言ってアルスは私に返しがついたピックを渡した。その柄にはワイヤーがついておりその先はアルスが持っているピックに繋がっていた。

 

私はアルスが何をしようとしてるのかわからなかったがボスを倒すのに必要そうだったのでとりあえずわかったといってボスがいる向きとは反対側の壁にピックを投げた。

 

私が無防備になっている間、アルスがタゲを取っていた。その後は役割を逆にして、アルスは投剣をボスのいる方向に投げた。そうして出来上がった物はワイヤーを縦横無尽に張り巡らせた空間だった。

 

アルスはワイヤーの位置を確認すると、

 

「フィリア、俺にタゲを戻したら直ぐに部屋の端に退避してくれ。その後攻撃に参加してもいいが無理はするなよ」

 

と意味深な言葉を残してタゲを自分に向けた。私はアルスの言う通りに端に逃げた。そこで見たことはどう言葉で表現したらいいのか私ではわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

何故ならアルスはワイヤーを足場にしながら四方に飛びまわっていたから。そんなこと人に出来るのかと聞かれたら迷わず出来ないと答える。でもここはVR世界。不可能なことはほとんどないはず。そもそも人に出来ない飛行とか以外は物理法則に法っていればなんでも出来る。……勿論それを可能にするパラメーターがあればの話だけど。

 

アルスは近くのワイヤーに向かって跳び、着地した反動でまた跳ぶ。そのとき跳んでいる直線上に敵がいるなら攻撃を当てる。跳んだ先のワイヤーに着地してワンクッション置いてからまた跳ぶ。反動を使っているため、移動するスピードはどんどん上がっていっている。さっきまではアルスがはっきり見えていたが今は速すぎて何か灰色の物が高速で動いているようにしか見えない。だが敵の体に斬られた赤いエフェクトが増えていくのがわかるのでアルスが攻撃を当てているんだとわかる。私も攻撃に参加したいがどう入ればいいか全くわからない。なので見てることしかできなかった。

 

ボスもブレスを吐いているが全く当たらない。そもそも敵すら見えていないから攻撃が当たるなんて無理な話。

 

アルスがそんな圧倒的なスピードで敵を翻弄しているといつの間にか敵のHPが尽きてポリゴン片となって爆散した。

 

 

 

 

え……………終わったの?なんか最後呆気なかったね。

 

ボスがいなくなったので未だに跳んでるアルスを探そうとした。すると急に『ドッゴォォォン』という爆音が聞こえたので音のした方向を見るとアルスが壁に減り込んでいた。

 

「……何やってるの?」

 

私は思わず聞いてしまった。

 

「いや、あれ急に止まることができないからゆっくりスピードを落とそうとしたんだけど着地したワイヤーが切れて足場がなくなったからこうなった」

 

アルスが指差した方向には確かに切れたワイヤーがあった。ワイヤーは焼けていて、ボスのブレスによるものだと思う。

 

「はぁ……それよりも早くポーション飲んで。残り少ないよ」

 

「えっ?…………これ、少しでもスピード落としてなかったら死んでたな俺」

 

今、アルスのHPは残り数ドットしか残っていなかった。

 

アルスは壁から抜け出し、ポーションを飲んだ。そこで漸くひと段落着いた私は気になっていることを聞いてみた。

 

「アルス、さっきの何?」

 

「あぁあれか?……システム外スキル《跳弾》だ。リスクや条件は厳しいが使いこなせたらかなり強いスキルだ。一応《跳弾》の下のスキルもある」

 

「へぇ、じゃあなんで最初使わなかったの?」

 

「ワイヤーの消耗が激しいんだよ。初っ端から使うと最後まで持たないからな。……っとそろそろ戻ろうぜ、武器とかの耐久値がそろそろきれそうだ」

 

そう言ってさっさと来た道を戻っていくアルス。

 

「ま、待ってよ」

 

そう叫びながら私はアルスの後を着いていった。




ステータスを書いておきます。

ステータス
アルス
Lv.41
スキル
《短剣》《投剣》《隠蔽》《軽業》《自動回復》《所持容量拡張》《???》
システム外スキル
《反響》《跳弾》《陽炎》
装備
《ベノム・ファング》 短剣。先ほどの戦闘のLA
《グレーマント》 2層で買ったマント
《グレーパンツ》15層で買ったズボン
《リング・オブ・アサシン》 宝箱から出てきたレアアイテム。効果は経験値をあげるかわりにVITダウン
《アクア・ガード》水色のシャツ。9層ボスのLA。効果は自動回復の効果を高める。


キリトとかは別の機会に出します。(あまり出てきてないので)
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