ソード・アート・オンライン 〜理想の中の現実〜 作:DQkzk
なぜかというと……
俺【チャリンチャリン】自転車コギコギ
信号【赤】
俺 停止 携帯で時間確認
信号【青】
俺 携帯しまいながら漕ぎ出す ポケットにうまく入らず落下 車道に転がる
車1 【ブオォォォン】 走ってくる音
携帯 【バキッバキッ】車が踏み潰して液晶が割れる音
俺 …………………うワァァァァァァァァァ
というわけです。
それでパソコンでやろうとしたのですが
俺 【カチ】パソコンの電源を入れる
パソコン 【……】
俺【カチカチ】
パソコン 【……】
俺【カチカチカチカチカチカチカチカチカチ………】
パソコン【……】
俺 なぜダァァァァァァァ
ということもありました。
携帯 修理不可 新品に交換 1週間以上
パソコン ウイルス侵入 放置
本当に俺が悪いですね、はい。
『カァン、カン…』
25層の市街から少し離れた空き地。朝4時という早い時間に何か鉄のような物がぶつかりあう音が響く。リズムがあるように聞こえるがどこか不規則で音の大きさもまばらだ。その音の中心にいるのは2人の少年で片方は長剣を右手に持っており、黒の服をきている黒髪の少年。もう一人は右手に短剣を持っており、左手でピックを掴んでいる灰髪の少年。
その2人は互いに向かいあって相手の動きを注視していた。
「はあぁぁっ!」
黒髪の少年が掛け声とともに踏み込んできて長剣を振り下ろす。その攻撃を灰髪の少年は短剣で軌道を逸らし、空いている左手でピックを黒髪の少年の目に向けて投擲する。それを頭を横に倒すことで躱そうとするが頬を少し掠める。だがそんなことで黒髪の少年の攻撃の手が緩むはずがない。振り下ろした剣を今度は横薙ぎに振るう。
灰髪の少年は身体をくの字に曲げながら後ろに跳ぶが先端がかする。灰髪の少年が着地する前に黒髪の少年はすぐに間合いを詰めてソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を発動させる。
灰髪の少年は迎撃しようと試みるが未だに宙に浮いてるので身体の自由が効かず、1、2撃目はなんとか防いだが、3、4撃目は防ぎきれずモロに受け背中から倒れた。
その直後デュエルの決着の画面が目の前に表示される。その表示を見て黒髪の少年は長剣を鞘にしまい、大の字で空を見ている灰髪の少年の方に歩いて行き、手を差し出す。
「サンキュー」
灰髪の少年は差し出された手を取り、立ち上がる。そして落としていた短剣を拾い上げ、腰の鞘にしまう。
「まだ、間合いの取り方がうまくいってないぞ。後は考え過ぎて動きにキレがなくなってるぞ」
黒髪の少年の指摘に灰髪の少年は愚痴るように
「言われなくてもわかってる。だがいまいち感覚が掴めないんだ」
「そこらへんはやって覚えるしかないだろ。……そろそろ時間だから戻ろうぜ、アルス」
「そうだな」
灰髪の少年アルスは黒髪の少年に促されて今宿泊している宿に向かって歩く。
歩いている最中、アルスは気になっていたのか何の脈絡もなく黒髪の少年に尋ねた。
「そういえばキリト、アスナはどうしたんだ?ここ最近一緒にいるところを見てないが」
アルスの突然の質問に少し身構えていた黒髪の少年キリトは「あぁ、」と少し納得したような声を漏らし淡々と告げる。
「アスナなら『血盟騎士団』とかいうギルドの勧誘がきて、そのギルドに入ったよ」
「アスナがギルドに⁉︎……てっきり俺はアスナはどこのギルドにも属さずにキリトとコンビを組み続けると思ったんだが」
「……俺はいつかこうなると思っていたよ。アスナには他のやつよりもずっとすごいカリスマ性を持っていたし、なりよりアスナほどの人材がこんなところで死んでほしくない。……前にアスナに言ったんだ、『君は強くなる。だけど一人じゃいずれ限界がくる。だから信頼できる人がギルドに誘ってきたら入るんだ』って」
アルスが意外感を隠さずにキリトに言うがキリトとしては別に意外でもなかった。むしろ自分がそれを勧めたと言われてはアルスに返す言葉はなかった。
けれど
「へぇ、なるほどな。………まさかアスナにそんなことを言うほどに仲がよかったんだな。俺じゃあそんなことは言えないけど。……ひょっとしてアスナのことが気になってんのか?」
「……まさか。まぁ、気になるっていったらそうなんだろうけどあくまで心配だから気になるってことだ。仮に俺がアスナのことが好きでもアスナは俺のことをなんとも思ってないだろ。だからどちらにせよ俺には関係ないよ」
キリトはアルスの言葉に目を丸くしていたが、やがてありえないというように皮肉気な笑みを浮かべて返す。
そんなキリトの返しが面白くなかったのかアルスは少々不機嫌な顔をして若干呆れが混じった声で「……はぁ、お前って………」とため息とともにはきだした。
「……まぁいっか。それより早くしないと用事を済ませられないから少し急ごうぜ」
そこで2人は話しているときに足を止めていたのを思い出して早足で歩き出す。
アルスは朝食を食べ終え、キリトと別れると部屋に戻り準備を始める。それを一通り終わらせるとすぐに23層のフィールドに向かう。そこにはアルスがレベリングする洞窟があり、今は人がまばらにいる程度だ。本当は25層にもあるのだがこういう人気の多い時間帯に行くには向いていない。もし、ビーラーという肩書きを持っているアルスがこの時間帯に行ったのならば排斥されてろくにレベリングできないだろう。
アルスはゆっくりと短剣を鞘から取り出す。そして腰を落とし、短剣を中段に構える。そう思った途端アルスの身体がぶれて、消える。…否、前方に跳んだ。跳んだ先にはmobがおり、すれ違う瞬間、急所に数発攻撃を入れている。そのあとすぐに切り返して突っ込んでいく。だが攻撃されて気づかないmobはいない。アルスに気づいて反撃をしようと横薙ぎの攻撃をしてくる。アルスはそんなもの御構い無しにそのまま突っ込んでいく。そのまま攻撃を食らうのかと思いきや攻撃が当たる直前に突進の勢いを殺さない程度に態勢を低くして躱す。そしてその勢いを乗せて短剣をmobに突き立てる。その一撃でmobは全損し、ポリゴンとなって消えた。それを見届けるとすぐに次の敵を探しに行った。
アルスはそれからどのくらい時間が経ったのかわからないほど敵を倒し続けていた。ふと時計を見ると既に10時半になっていた。
「やばっ!やらかした!」
アルスは慌てて洞窟の入り口まで戻っていった。気づかないうちにかなり奥まで入っていたのか入り口に戻るまでに10分もかかってしまった。
アルスが漸く入り口まで戻るとそこには不機嫌そうに頬を膨らませたフィリアがいた。
「遅い!また時間を忘れてレベリングしていたの⁉︎」
「してました……」
「もう、本当に気をつけてよね」
「悪い」
フィリアに怒られ、アルスが謝る。これが起きているのはフィリアが言っていたように今日が初めてではない。アルスが何かに夢中になって時間に遅れるのはこの2人の中では既に日常と化していた。
「じゃあ、行くよ。今日中にレベル一つ上げたいから」
「おい、待て。一昨日上がったばっかだろ?いくらなんでも……」
「遅れた罰だよ。だから上がるまで付き合ってもらうからね」
「まじかよ……」
フィリアの無茶ぶりにアルスは少しばかり落胆していた。こんなことはときどきあるのでアルスにとっては想定内だがここまできついのはアルスの予想を軽くうわまっていた。
そんな訳で目に見えてウキウキしているフィリアと肩を落としているアルスはともに洞窟内に入るのだった。
さて、フィリアのレベルが上がったのはあれから5時間後の事だった。間に昼食も挟んだのにこの時間で終わるのは中々のハイペースで狩った証拠だろう。洞窟から出てきた2人の顔は完全に疲れ切った人の顔であった。
「……こんなハイペースでやったの初めてだぞ。何体倒したのか覚えてないし。マジで1000超えたんじゃないの?」
「わ、私もこんなに疲れるとは思ってなかったよ……」
「はぁ……んじゃ終わったことだし帰るか」
「待ってよアルス!」
アルスが帰ろうとするとフィリアが呼び止める。少し面倒くさそうにしながらもアルスがフィリアの方へ向く。
「あのさ……今日の分も含めた今までのお礼をしたいから夕食とか奢らせて」
フィリアは勇気を出して言ったのだろう。若干頰が紅潮している。少し上目遣いで目を潤ませて懇願する姿は並大抵の男は落とせるだろう。並大抵の男なら。
「え、いや別に奢って貰わなくても……」
アルスはそう言って断る感じを醸し出している。この男にはこういう類はあまり効かないことをフィリアは今までの付き合いで知っているので伝家の宝刀を繰り出す。
「遅刻30分以上」(ボソッ)
「よし、じゃあ行きますか!」
これこそがアルスにいうことを聞かせる(こういう言い方は変だが)のには1番効果的なのである。なぜか自分に負い目があると脅しにすぐに屈するのである。変に義理堅いというべきだ。
脅しに対し、アルスは肯定の意を意気揚々とした声で言う。内心では悔しがっているのだが。
アルスがフィリアに連れられてきたのは西洋の雰囲気を漂わせる小洒落た店だった。白を基調としており、高級なメニューを数多く置いてある店だ。
そこでアルスはメニューを見てみる。値段はわかるが名前からどんな料理が出るのかわからずどうしようか悩んでいるとフィリアが店員を呼んで「…これとこれをお願いします。……この人にも同じものをお願いします」と注文した。
あまりにもフィリアの注文するまでの一連の流れがスムーズすぎてアルスが驚いているとフィリアがアルスに笑いかける。
「アルス、こういうお店きたことないんでしょ」
「……貧乏人には縁のない場所だよ」
「そう?私は現実世界でもたまにくることあるけど?アスナと一緒にくることだってあるし」
「へぇ、そうなのか」
などという他愛のない話を料理が届くまで続けた。フィリアはとても楽しそうに、アルスは楽しそうではないが嫌ではないとでもいうような顔でそれぞれ話していた(実際は少し心地良さを感じていた)。
料理が届くと、食べるのを優先しながらも時折雑談を交える。アルスが気を緩めていたときにフィリアが爆弾を投下してきた(爆弾と言うほどのものではないが)。
「そういえばアルスのレベルってどれくらいなの?そういえば知らないなぁって思って」
この言葉を聞いた瞬間、アルスは少しむせた。フィリアには気づかれないほどのむせかたではあったが確実にアルスに動揺が走ったのは事実だろう。
「お、俺のレベルか?別にいいだろそんなの」
「え〜いいじゃん。教えてよ」
こういうときのフィリアは答えが聞けるまで粘り続けるのをアルスは知っているため嘘を言って誤魔化そうとするのだが……
「……はぁ、わかったよ。俺の今のレベルは42「嘘はダメだよ?」だ………」
フィリアにあっさり看破された。嘘が一瞬でばれたアルスはかなり動揺して冷や汗を垂らしている。フィリアの言葉は疑問系だが間違いなくばれているだろう。なぜなら目が笑っていない。
この状況にアルスはこんなことを思っていた。
(え……なんでばれたの?俺の挙動に不信感はなかったはず……癖も多分ない……やばいやばい!どうすんだよ!これ隠すの無理ゲーじゃない?だってフィリアの目が怖いもん。なんか俺のこと全てお見通し感が半端ないんだけど)
「……49」
結局アルスは悩んだ結果、素直に答えた。どうやっても嘘をつくのは不可能だと思ったからだ。
「49なの⁉︎確か攻略組の最高レベルってキリトの44だったはずだよね⁉︎どうやったらそんなレベルになるの?」
よほど驚いたのか少し興奮気味にアルスに詰め寄るフィリア。
「……俺の装備品の中に獲得経験値増加っていう効果がある装備があるんだよ。それを使ってるから上がりが速いんだ。……他のやつ…特にアルゴには黙っててくれよ?ばれたら面倒だから」
「え〜どうしよっかな♪」
「………本当にお願いします」
アルスはその言葉とともに土下座をした。フィリアがからかっているとわかっていても本気でやらなければいけないくらいアルスにとっては重要らしい。
「えぇっ!冗談だから!しないから!」
アルスのこの行動には相当面食らったみたいでフィリアが慌てながら否定した。
「ふぅ、よかった。これで生きていける」
「……本当にアルスの周りはどうなってるの?」
アルスのつぶやきにフィリアは小声で自答するように言った。
アルスたちはそのあとは先ほどのような爆弾発言もなく他愛のない話をしながら食事をした。そして食事を食べ終え、店を出て転移門まで歩く。その間はなぜか2人とも無言だった。フィリアはまごまごしてアルスの様子を伺っている。そのため自分から話しかけないアルスはフィリアの挙動に不信感を抱きつつも気にせず歩く。
そして別れ際フィリアは意を決したような顔をしていった。
「……これからもよろしくね、アルス!」
「あぁ」
フィリアは可憐な笑顔で去っていった。アルスはその顔に少しドキッとしたのか少し顔を背けてぶっきらぼうに返事をした。
これ、デート回になるのかな?……ならない気がする。
25層のボス戦って書いたほうがいいのでしょうか?書くべきか迷っています。