東方彩久劇   作:げてもの

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「おい、章変えるの早すぎだろ」

「区切り失敗しないようにしたの!」

「ほう……」

「止めて!蔑む目で見ないで!」


日常~School Days~

頭が重い。思い出したくない夢をみるといつもこうだ。

 

 

自分の脳の意識の感覚を”弄って”無理やり覚醒させる。もう寝る気も無くなってしまった。

 

 

俺―まぁ皇 久遠(すめらぎ くおん)だが―は体を起こし、とりあえずベッドから降りることにした。

 

 

どうせこの誰もいない家の中、いつ起きようが俺以外困るやつなんていない。

 

 

カーテンを開けてみるが、まだ外は暗かった。

 

 

時計で時間を確認すると、まだ短針は4の位置を向いていた。

 

 

それでも起きてしまったものは仕方ない。階段を下りてリビングへ出る。

 

 

 

 

リビングに着くと、様々な国の産物や銃火器が無造作に置いてあるのが視界に入る。俺の海外で軍医をしている父親の手土産だ。

 

 

おかげで今では仕事でも使ったりしているスペツナヅナイフも手に入ったが、流石に床に銃火器を転がしておくのはどうかと思う。そこらへんに寄せておこう。

 

 

さて、朝に起きたということは朝食を食べる必要がある。

 

だが料理は作らない。作り方が分からない。よって作れない。

 

味覚などは誤魔化せれるが、どうしても食うといつの間にか3時間ほど経っていることが多い為、却下。よって今日はファミレスにでも食いに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

結局ファミレスが開いてる訳がなく、家に帰ってきた俺は食品の入ったビニール袋を持っていた。

 

 

 

 

買って来た惣菜を平らげたあと、俺はなにか面白いことがないか探しに、外へ出てみた。

 

 

しかしまだ5時。他の人々が行動をし始めるにはまだ早い時間のようだ。

 

 

外は遠くから郵便局のバイクが走り回る音が聞こえる程度で、町は静寂に包まれていると感じられる。

 

 

静かなのはいい。だが好きなのは時と場合による。今は全くすることがない、もとい暇すぎる状態であるため、正直静かなのはよろしくないのだ。

 

 

「……暇だ。なにか起こらないかねぇ……。」

 

 

頭をガシガシと乱暴に掻きながら無愛想な顔でつぶやく。

 

 

早起きは三文の徳と聞くがこのままでは徳どころか損になってしまう。

 

 

……仕方ないから散歩でもしよう。自分からなにかにあたりに行けばいいのだ。

 

 

そう決めた俺はあまり広いとは言えない道路を少しずつ歩いていくことにする。

 

 

 

 

といってもすぐに何かあるわけもなく、適当に人が増えてきた町のなかをブラブラ歩き回ること数時間。

 

 

いつの間にか日は東の空に上りきって7、8時頃だということを堂々とその身で表現している。

 

 

「流石に暇だし学校にでも顔だしてみるか・・・」

 

 

欠伸しながらそう決めた俺はのらりくらりと体を動かして己の学校へ向かいだした。

 

 

 

 

校門についてみるとまだちらほらと学生諸君が登校していた。

 

 

中には俺のことを知っているのかこっちをみたまま意外そうな顔をして固まっているものもいる。そんなに珍しいものでもないんだがな。

 

 

教室に入ってみるとこれまた意外そうな顔をする輩がいる。校門の辺りより比率が多いが。

 

 

「やぁ久遠、久しぶりだねぇ。今回は何日だっけ?」

 

 

自分の机に座ると不意に声がかけられる。こいつは赤霧 瞬鵺(あかぎり しゅんや)。俺と一緒に仕事をしている仕事仲間だ。

 

ちなみに周り(一部例外除く)は知らないが妖怪で、種族は赤烏なんだと。何でそんなに位が高いのがこんなところにいるのか知らんが、まぁ周りを気にしてやれるいいやつである。

 

 

「今回は……三日だな。月曜から来てなかったな。」

 

 

少し考えた後にさっきの質問に答える。だいたい想像つくかもしれないが俺はあまり学校に来ていない。一応仕事という名目にしてあるが正直なところサボっている。

 

 

「はぁ、ちょっとした皮肉だったのに…。サボるのはあんまり良くないからちゃんと来たほうがいいよ。

 

まぁいいか。それより、知ってる?最近なんだか行方不明になる人間が増えてきてるらしいよ。久遠はそれについて何か知らない?」

 

 

瞬鵺がいきなり真剣な顔をしながら話しかけてきた。というかさっきの皮肉だったのか…。

 

 

とはいえ、俺自身もそんな話を聴いたのは今のが初めてなため、知るわけがない。

 

 

「いや、知らないな。その話もいま初めて聴いた。」

 

 

こう返すと瞬鵺はうんうん唸りながら考え事を始めた。真剣な顔をしていたところ、結構な大事になる可能性があるんだろう。

 

 

「いやぁ、さ。今日資料を見たんだけど、その行方不明になった人間の中の一人がふらーっと見付かったらしいんだ。

 

そこまでは良かったんだけど、その人は極端に日光を嫌いだしたり、いきなり『血を寄越せ』とか言って警察の人間に噛みつこうとしたり、なんか正気じゃないんだよ。

 

欲望に身を任せてるみたいな。これって……吸血鬼じゃない?」

 

 

最後の方は流石にトーンを下げて話してきた。それにしても、

 

 

「吸血鬼ってお前それって……。」

 

 

「やーやーおはよう瞬鵺君ー!そして久しぶり久遠君!」

 

 

俺が意見を言おうとした瞬間、大きな声が教室を埋める。

 

 

俺は少し驚いたが他の奴等は慣れてるのか一瞬こちらを見たようだがすぐにまた自分達の世界へ戻って行った。

 

 

俺はトコトコとこちらへ歩いてきているそいつに苦笑いをしながら言い返す。

 

 

「あぁ、たしかにこの場では久しぶり、彩霞。といってもお前昨日勝手に俺の家に来ただろ……。」

 

 

こいつは綾峰 彩霞(あやみね さいか)。小さい頃から一緒にいたりするが……精神的にお子様な奴だ。少しは成長したらどうかねぇ。

 

 

「それよりさぁ、なんの話してたの?教えて!」

 

 

俺に主幹を置いていたはずなのに俺が話し始めるとスルーとか、最早いじめの類じゃないか?これ。

 

 

全く悪びれてもいなそうだし。というか気づいてないだろ。俺が少しにらんだ目つきで顔を見ても頭にはてなマークでも出してるかのような顔してるし。

 

 

「あぁ、彩霞ちゃんおはよう。ごめんねー。今話してたのは仕事の話でね。」

 

 

瞬鵺がにこやかなジト目のまま言った。結構真面目な話だっただろうに。そういった空気を今は微塵にも感じさせない雰囲気を醸し出している。

 

 

対する彩霞は仕事のワードが出た時点で少し悪びれたような雰囲気を醸し出す。俺の時は全然だったくせに……。

 

 

「いやぁごめんねー真面目な話をしてるときに……邪魔しちゃったみたいだねー。」

 

 

ハハハ、困った表情をしながら彩霞が謝ってくる。

 

 

「いや、大丈夫大丈夫。こっちも一区切り付いたから。」

 

 

謝ってくる彩霞をフォローするように再び瞬鵺が口を開いた。俺としては全然ついてなかった気がするが……なんと言う紳士だ。

 

 

まぁこんな場所であんな話をするのもあからさまにおかしいとあいつも考えたんだろう。

 

 

その言葉を聞いた彩霞はみるみるうちの先程の様な活発な雰囲気を取り戻す。

 

 

そして、安堵のため息を一息ついた後、彩霞がこんなことを提案してきた。

 

 

「そうなの?よかったぁ邪魔しちゃったかと思ったよー……。

 

それじゃぁさ、いきなり話変えるけど今度三人でお買い物にいかない?買いたいものがあるんだけどどれがいいか決まらなくて。二人に決めてもらおうって考えたんだ。」

 

 

買い物か。そんなことならセンスのない俺らより他の方がいいだろうに。まぁ暇だし俺は良いが。

 

 

「ん、俺たちでいいならいいんじゃないかなー?どうだい久遠?」

 

 

「俺も別にいいぞ。どうせその日も暇になるだろうし。」

 

 

瞬鵺が聞いてきたから俺もOKの方向で進めておいた。暇になるのはあまりよろしくないからな。

 

 

「本当!?ありがとう二人とも!それじゃあ……今度の土曜日に行こう!それでいい?」

 

 

どんだけ喜んでるんだこいつは…買い物にいくだけだろうに。

 

 

というか今度の土曜日って言うと明日じゃないか。そこのところちゃんと考えたのか?こいつは。

 

 

……まぁ俺の答えは変わらんがな。

 

 

「異義なし。」

「りょーかいー」

 

 

瞬鵺も意見は変わらないらしく、快く受け付ける。

 

 

「ほらーSHR始めるから座れがきんちょどもー」

 

 

ちょうど話が終わったあたりでのっそのっそと教室に教師が入ってきて良い放つ。それにつられて他の生徒たちも自らの席へと移動を始める。

 

 

「あ、先生来ちゃったね。それじゃぁよろしくね!二人ともー!」

 

 

教師の声に続くように彩霞が嬉しそうな顔をしながら小走りで走りながら去っていった。いつのまにか瞬鵺もいなくなっている。

 

 

さて、今日はどんな日になるやら。

 

 

 

 

 

 

 

正直に言おう。

 

 

……暇だ。

 

 

昼休みになったものの、午前中の授業はあまりにも退屈だった。

 

 

授業内容が全て分かるとかではない。純粋につまらないのだ。

 

 

結局午前中は頬杖をつきながら寝るだけで終わった。

 

 

教師の方々は俺を指名する事はない。

 

 

俺がそうするように頼んだからだ。

 

 

仕事の都合上学校に来ることが少ない俺は、授業もあまり受けていないからという事を伝えると彼等は快く(一部例外あり)承諾してくれた。

 

 

ちなみに仕事の内容は教師間では理事長しか知らない。

 

 

中々に秘密にしなければいけない内容だからだ。

 

 

また眠くなってきたため机に突っ伏して寝ようと思った矢先に瞬鵺に話しかけられた。

 

 

「そういえば久遠、今日はなにか食べるもの持ってきたの?」

 

 

ヤバいな、全くもって忘れてた。

 

 

俺が見事にしまったという表情を見せていたのだろう、瞬鵺が苦笑しながら俺に袋を渡してきた。

 

 

「そんな事だろうと思った。購買に行ったついでに買ってきたから食べると良いよ~。」

 

 

「ん、あぁ、すまんな。」

 

 

気が利きすぎだろう、こいつ。袋を受け取りながらそんなことを考える。

 

 

瞬鵺もすぐ隣に座って自分の袋を開け始めたため、俺も袋を開けて中に入っているパンを食べようとした瞬間。

 

 

仕事用の携帯電話が鳴った。

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