僕の平穏な人生がある日突然終わりを告げたようです   作:木原

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なんか書いてるうちに

「あれ?今までどんなふうに書いてたんだ?」

と、ふと思う事が多くなった気がする。

引き続きよろしくお願いします


働きたくないでござる!!

「お前ら、俺たち堕天使の側に来い‼︎」

 

「はい、喜んで‼︎」

 

アザゼルの誘いを僕は考えることも悩むことさえせずに二つ返事で返した。

 

理由は簡単だ。こっちの方が強そうだから。

 

何度も言うが僕は強いものの味方だ。

 

例え、犯罪者やどれほどの外道であっても強ければ僕は喜んでその者に従う。

 

ただし、僕に被害を与えない前提でだが。

 

『強いものは弱いものを匿う義務がある』

 

これ僕の信条。

 

このような信念もあり、返事を受けざるおえなかった故に返事をした僕だったが後ろに侍っているアルトリアは、どうやら僕と信条を理解できないようだ。

 

「シドー!あなたは自分がなに言ってるかわかっているのですか?」

 

でたよ。アルトリアは、騎士の誇りを重んじるあまり他人に頼るのを嫌う節がある。

 

まぁ、騎士の誇りとやらは、わからんでもないが……。

 

それにアルトリアは、堕天使側に着いたときのメリットを理解していない。

 

「わかってるよ。目の前のおじさん達がこれから僕たちを養ってくれるのだろ。やったね。これでもうバイトしなくていいし、将来のこと考える必要もナッシング。晴れて僕は人生の勝ち組になったわけだ……そうだろ」

 

「いや、違うだろ」

 

何故かアルトリアに言ったはずなのにアザゼルが応じる。

 

「言っとくが俺の組織は、ニートを養う余裕なんてねぇぞ。お前も堕天使の側についた以上これからは俺の指示に従って働らいてもらう」

 

「………な、なんだって」

 

多分、今の僕の顔は突きつけられた絶望に打ちひしがれている表情だろう。

 

「つ、つつ、つまり、ぼ、僕に労働を押し付けるのかッ!なんて外道!まるで悪魔だ」

 

「ほれ、見た事か!貴様ら堕天使は、人間を駒のように働かせ最後にはゴミのように捨てる。奴らは化けの皮をかぶった外道ですよシドー。今すぐこの話はなかった事にしましょう」

 

アルトリアが母性溢れる笑みで僕の前に立った。

 

その姿はまるで子を守る親子。

 

悪い言い方をすると働かない子を甘やかす母親。

 

「……なぁ、お前達の耳には俺の言葉がどう変換されてんだ?」

 

アザゼルが僕らの思考回路に疑問を投げかける。

 

でも交渉次第で働かないで暮らせるかもしれない。

 

これはチャンスだ。

 

これからの人生を左右する別れ道だ。

 

そもそも現状は、向こうが仲間になってくれと頼み込んできている。

 

つまり状況的に僕の方がアザゼルより上の立場なわけだ。

 

「……でも、よくよく考えてみれば堕天使の目的って僕じゃなくて聖杯……いや、僕が聖杯だから僕自身なわけか」

 

ここでちょっと僕の事を相手に再確認させる。

 

「あぁ、そうだが」

 

フッ、計画通り。

 

僕は君が肯定すると思っていたさ。

 

今度は、格の違いを認識させる。

 

「なら、僕は、聖杯という価値を君たちよりも高く僕を買ってくれる組織に行く事もできるという事だ。あぁ、勘違いしないでくれよ。別に堕天使側似つかないと言ってるわけではないんだよ。ちゃんとした手順で僕の求めているものを用意してくれれば喜んで堕天使側につこう」

 

「お前、何様だ?別に俺は誘拐まがいな事をしてもいいんだぞ」

 

そう言って背中から12枚の漆黒の翼を展開し、威圧してくるアザゼル。

 

「……それが堕天使の頼み方かい?だとしたら失望するよ。僕は堕天使側に入るのもやぶさかではないと思ってたんだがね」

 

「……お前面倒くせぇな!わかったよ。頼めばいいんだろ」

 

とアザゼルは、翼をしまい身だしなみを整え……

 

「俺たち堕天使に協力してくれないか?もちろんタダでとは……」

 

「はぁ、全然ダメだ。ダメだダメだダメだ。全然なってない。もっと頼み方ってのもちゃんとあるんじゃないか?……僕が頼む側なら菓子折りぐらいは持って行くけどね。まっ、仮に持ってきたとしても僕の舌を満足させれるかは別の話だけど……」

 

なんか、よくよく考えてみれば僕が協力して堕天使側に与える代償は大きいがその逆は余りない。

 

アザゼルは、どこか諦めた表情で僕を指差し……

 

「………なぁ、嬢ちゃん。こいつと一緒にいて疲れない??」

 

僕の態度に何か感じ取ったのかアザゼルは、僕の後ろに侍るアルトリアに話しかけた。

 

「シドーは、なんというか、相手が社会的に見て自分より目上の場合や単純に目上の者に対しては、飼い犬のように謙虚に振る舞うんだが、自分より下の者になるとすぐに調子に乗って自分が神にでもなったような振る舞いをするんだ。今回もシドーを求めていると言う貴方達の言動を読みあげた上で自分の価値を棚に上げ、偉そうに振る舞い出したのだろう。まぁ、大抵の場合、いつも後で痛い目見るんだが……」

 

やれやれといった感じでアルトリアが解説する。

 

……い、いや、アルトリアさん。貴方どっちの味方なわけ?

 

それにうまいこと図星をつかれただけになにも言えない自分が恥ずかしい。

 

「……つまり、あれか?ゲームとかでよく見る普段から主人公の嫌味を言っときながら危なくなったら主人公に助けを求め、挙句に主人公の足を思いっきり引っ張る感じのダメな脇役みたいな奴か⁉︎」

 

なにその評価?

 

僕って周りから見たらそんなキャラなの⁉︎

 

お、おい、アルトリアまで同感して一緒に頷くんじゃない。

 

すぐさま後ろに振り返り、『フォローお願い!』アイコンタクトを送る。

 

「………ひ、酷い言いようだなアザゼル。堕天使の総督であろうものが聖杯とあろうシドーにそのような評価しか下せぬとは、世も末だな」

 

「悪いが俺が興味あるのは、乙坂士道ではなく聖杯だ。聖遺物をなした神器、それが聖杯しかも神滅具である『幽世の聖杯』以外の聖杯となれば俺にとっては、金を積んででも手に入れたいレア中のレア神器というわけだ」

 

「大体の話は理解した。ならば私は、シドーの騎士として今回の話を受けるわけにはいかない……」

 

「ちょっぉぉぉとまった!!」

 

僕は、急いでアルトリアの口を手で塞ぎ耳元で呟く。

 

「ちょっなにやってんの?なんで勝手に断ろうとしてんの?ダメだからね。認めないからねそんなこと」

 

まったく、アルトリアにも困ったものだぜ。せっかくニートになれるかもしれない交渉の場だというのに。

 

アルトリアが何か言いかけていたが僕はそれを無視しアザゼルに言う。

 

「あっ、このまま行くと並行線のまま終わりそうだからぶっちゃけるけど僕は賛成だからね、アルトリアの言っていること鵜呑みになんてしないでよ」

 

「別に鵜呑みになんてしてないが……で、俺たちの陣営に入るのか入らないのかどっちだ?」

 

「でも入ったら僕働かないとダメなんでしょ?」

 

「なら俺たちに協力した分だけお前の口座に大金が振り込まれるってのはどうだ?これならお前の言う労働には当てはまらないだろ」

 

確かにそういうことなら協力してもいいかな。

 

「でもな〜」

 

悩む僕にとうとう痺れを切らしたのかアザゼルは、思い切った表情で胸ポケットから何かを取り出し机に叩きつけた。

 

「なら、俺たち堕天使が経営する風俗店の永久パスポートでどうだ!今ならナンバー1の嬢を独り占めできる権利もつける。お前にとって童貞を卒業できる絶好のチャンスだ」

 

ドウテイヲソツギョウ?

 

この俺が……だと!

 

その衝撃の一言に僕は、自分でも気付かぬ内にふらふら立ち上がりアザゼルの手を掴みとろうと……

 

「……以後、謹んでこの身は、貴方に託しま…ぐぶえっ!!」

 

瞬間、脇腹を鋭い一撃が重くのしかかり、壁を破り隣の部屋まで体が吹っ飛んだ。

 

「シドー、貴方と言う人は一体どこまで愚かなのですか。堕天使に協力ということは研究材料にされることを意味するのですよ。それを風俗などというくだらないものに惑わされて……バカなんですか?」

 

僕を蹴った後、脇腹を抑えうずくまり僕に一歩一歩ゆっくりと近づいてくる。

 

「……だ…だ、だってこの永久パスポート一枚で童貞を卒業できんだよ。性の衝動ッ………」

 

痛み体にムチを入れ、自分なりの考えを必死に訴えるもアルトリアは、それを聞くこともなく僕の口の中へ強引に足を突っ込んできた。

 

「どうせ風俗なんか入る勇気もないヘタレの癖に口だけは達者なんですから……ってすいません、ただのバカでしたね」

 

ゴミのような目で僕を見下しながら口だけに限らず顔面まで踏んでくるアルトリア。

 

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

や、やばい。き、切り替わる。切り替っちゃいけない方向に切り替わりゅううう!!

 

アルトリアの肉つきがちょうどいいアルトリアの御み足に踏まれるたびに僕の中で何かが弾ける。

 

あっ、甘い。

 

アルトリアの生足、少し甘い。

 

それにいい匂いがする。

 

「ひっ!」

 

踏まれることによって生まれる僕の恍惚な笑みを一目見たアルトリアは、悲鳴を上げて一歩引いた。

 

「…あれ?なんでやめんのさ。もっと踏んでよグリグリしてよ」

 

じゃないとくんくんペロペロできないじゃないか!

 

僕はそう吠えて仰向けになった。わんわん!

 

もうこの際、脇腹の痛みなど我慢してやる。だから犬のようにアルトリアの足を求め、転がっていくも、嫌悪感がこもったアルトリアの蹴りが僕の顔面に真正面からクリーンヒットし完全に意識を持って行かれてしまった。

 

その後、目が覚めた僕を待っていたのは、アルトリアの侮蔑的な僕に対する対応だった。

 

調子に乗りすぎました。

 

 

ーーー◯△◯ーーー

 

 

 

僕が蹴られ気を失っていた隙にアルトリアが僕の意向を汲み取ってくれたようで、永久パスポートの話は無くなったが、結果的に堕天使側に人為的に協力し、その代わり僕達は堕天使の庇護を受けることになった。

 

まぁ、堕天使の庇護と言ってもそんなにいいものではないが。

 

言葉通り堕天使から守ってもらうのではなく、今後、僕らに他勢力から勧誘の声がかからないように堕天使側がガードしてくれたり、お金に困った時、仕事を探してくれたりや表の人間にばれた時の記憶改竄など率先的に堕天使側のバックアップを受けれるとのことだ。

 

聞いていて思ったが、これどこの芸能事務所?

 

ちなみにこのことは、悪魔側は知らない。

 

まぁ、グレモリーの庇護と堕天使の庇護のどちらがいいと言われれば断然堕天使側だ。

 

なんというかグレモリー先輩は、金持ち故に好かない。

 

それに彼女が初代か二代目なら言わずとも三代目以降なのも減点対象だな。

 

たいていの場合、三代目以降の代が一族が積み上げてきた努力を水に流す。

 

結論、グレモリー先輩のいいところはデカ乳だけです。

 

まぁ、そんなことを思いならが僕らは、6月のジメジメした天気の中、今日も学校に行く。

 

ただ、今日に限っては、学校に登校と言ってもただの登校というわけではない。

 

ただいまの時間は、朝の10時。

 

学校に登校するには遅すぎる時間だ。

 

それもそのはず、本日は土曜日、休日だ。

 

本当は家でゴロゴロする予定のはずが今朝、休みの朝だというのにグレモリー先輩から電話がかかってきて

 

『今日のオカルト研究部の活動は10時からよ。持ち物は水着。後遅刻は厳禁ね!」

 

と、朝の寝ぼけた耳に耳障りな本日最初の第一声を醸しやがった。

 

本当に迷惑極まりない。

 

少しは夜型人間の気持ちも考えろ!

 

そう思ったものの口に出すことはできず二つ返事で承諾してしまった。

 

そんな訳で僕は、重い足を動かし学校指定の水着が入った鞄を持ち通学路を歩いている。

 

「そういえば知ってるかい?あんぱんマンの頭の中に入っているあんこってのはつぶあんなんだぜ」

 

これ実は、昨日僕も初めて知ってしまったんだがまさかあんぱんマンが関西出身だったとはな。衝撃だったぜ。

 

「……シドーはあんぱんマンの裏事情を突然、なんの話のくだりもなく聞かされた私の心情をお察しで?」

 

アルトリアが、僕の問いに心の底から嫌そうに返す。

 

「うん、わかってるよ。驚き100%だろ」

 

「いえ、困惑100%です」

 

「あぁ、そう」

 

「「…………………」」

 

沈黙が2人の間を流れる。

 

実は今日起きてから僕に対するアルトリアの距離感が遠くなったような気がする。

 

そのことを本人に聞いても否定するがその時目が泳いでいるのを僕は見過ごさなかった。

 

多分昨日のことが線を引いているとは思うも、ここまで避けるだろうか?

 

だって僕がしたことといえば、足を舐めたり足を嗅いだりふくらはぎをペロペロしたぐらいだ。

 

「……ねぇ、アルトリアさん」

 

「なんですか?さっきから今日はいつも以上に話しかけてきますね」

 

まるでハエを見るかの如くうっとしそうな目で僕を射抜く。

 

い、いや。別に特別今日は多く話してるわけでもないんだが……まぁ、いいだろう。

 

僕を射抜く視線が僕好みの視線だし。

 

それに人間、生きてりゃたまにはそんな日もある。

 

「……なんでそこで顔を赤らめるんですか気持ち悪い」

 

「……べ、別にもっと罵って欲しいとか思ってないんだからね。勘違いしないでよね」

 

「何故にそこでツンデレですか?気持ち悪い。というか男のツンデレとかだれに需要あるんですか?気持ち悪い。いい加減しないとゴミ箱に捨てますよ」

 

「…うんごめんね。それはちょっと困る」

 

だってアルトリアの場合、冗談ではなく本当に実行しちゃうもん。

 

でも僕は嬉しいよ。最近アルトリアとの距離が縮まったような気がして。

 

 

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