「はじめまして。私は、現魔王アジュカ・ベルゼブブ。君の噂は、聞いてるよ。乙坂士道君。なんでも生まれながらにして聖杯の機能をその身に宿した激レアな人間だということをね」
冥界の部長宅に到着した次の日。
酔うほど飲んだ挙句、小猫ちゃんに一発殴られて、目が覚めてすぐに、銀髪のメイドさんに連れられ、グレモリー邸に負けるも劣らない豪邸に案内された早々、これである。
人が二日酔いだろうか全く持って無視である。
一応、銀髪メイドさんには精一杯抵抗したのだが、あの銀髪くそメイド!マジこわぇよ。
庭?だろうか。緑に囲まれた広い庭園の中央に置かれたテーブルと椅子。
そこに座る妖麗な雰囲気と美しさを持った男性が僕の顔を見た途端、テーブルに置かれたティーカップを口に着けながらそう、言ってきたのだ、
銀髪のメイドさんが、アジュカ・ベルゼブブとなのる男性に一礼して下がっていく。
「えっと……」
「実はね。君をここに呼び出したのは、俺が君に興味を抱いたこともあるけど、アザゼルの頼みでもあるんだ」
「……はい?」
いまいち、要領をつかめないな。昨日、飲み過ぎたせいで頭がガンガンしてるからかな。今は何も考えたくねぇ。
つうか、アルトリアはどこ行った?
彼女がいれば僕の代わりに目の前のめんどくさそうなおじさんの対応してくれんのに。
「あ、あの。魔王さまに向かってこんなこと言うの失礼だと思うんですけど、用があるならちゃっちゃと終わらせてくれませんかね。こう見えて僕、忙しいんですよ」
せっかく、ふかふかの超高級ベットで寝てたのによ。あーあぁ。早く、戻ってあのふかふか枕に顔うずめてぇ。いや、あの銀髪のメイドさんにでも膝枕してもらおうかな?
「それは残念だ。だが俺もこの後、若手悪魔の会合やらで多忙でね。君の協力次第ですぐに終わるかもしれない。まず、腕を見せてくれないか?」
腕とは、言わずも令呪のことだろう。
ため息をつきつつ、右腕をまくりながらアジェカに歩み寄る。
「はいよ。これが令呪。アザゼル曰く、聖杯とは別のサーヴァントに対するシステムだそうだ」
「……」
アジュカは、僕の言葉に耳も傾けず、手元の小型魔方陣を操作していた。
話聞けよ!僕の話は聞くまでもねぇってか?
「わぁっ!」
アジェカの態度に若干、苛立ちを覚えていると僕の右手の甲に、いきなり小型の魔方陣が現れ、魔方陣に記された数式が高速で動いていく。
「動かないでほしいな。式が乱れる」
「は、はい」
アジュカに注意され、あっけなく引き下がる僕。
だって、相手が魔王なんだもん。普通に怖いよ。
右手の甲に現れた魔方陣は、数秒ごとに増殖していき、瞬く間に僕の体が無数の魔方陣に覆われていった。
「あ、あの。まだですか?」
「これはすごい。見たことのない数式に理論に……なに!!これでは、まるで魔術炉心ではないか!これを考案したものは天才か……いや、聖書の神の意思と言うやつか。願いを叶える機能も必要な魔力もすべて一人の人間に収まっている。まるで生きた聖杯だな……」
このおっさん、恐いよ。僕の体を涎を垂らしながらすごい情熱的な目で見てくるよ。
アルトリアさあああああんん。助けてぇぇええ。士道君の童貞が危ないよぉぉぉおお。
「し、失礼。俺としたことが。君の体に備わったモノが俺のハートを刺激してね。とりあえず、これで君のデータは取れたよ」
アジュカが手元の魔方陣を消すと僕を覆っていた魔方陣も消える。
「ありがとうございます」
やっと解放された。短かったけどすごい長くて怖かった。
なんかおもわずお礼いっちゃったし。
何はともあれ、はやく帰ろう。
「それでは、そろそろいい時間になったので失礼しますね」
踵を返して、早々に、立ち去ろうとする僕だったが…
「おっと、まだ終わっていない。君が持ってるカードをまだ見ていないよ」
そう言いながら僕の下半身に熱い視線を送ってくるアジュカ。
まさかクラスカードの存在まで知ってたとは、アザゼルめ!口が軽いぞ。
それに確かに右ポケットにアーチャーのカードを忍ばせているけど、他の第三者がこの状況を見たら誤解されかねんぞ。
しぶしぶ、ポケットから財布を取り出し、キャッシュカードと一緒の場所に入れたポケットから弓兵の絵が描かれたアーチャーのクラスカードを手に取ると、カードをそのままアジェカに手渡すと、早速、小型魔方陣を展開させてカードの解析に入る。
「ほう、ほう、これはまたしても驚かされた。これほど高度で極めて特殊で複雑な魔術理論、私でも創作できるか怪しいレベルだな。士道君は、これの使い方を知ってたりするのかい?」
「ええ、まぁ、実際使ったことはありませんけど……使い方は知ってます」
「それは誰かに教えられたとかで知ったのかい?」
「いえ、物心ついた時には、使い方を知っていたというか、心が憶えていたみたいな」
カードもいつの間にか持っていたという感じだったし、全く持って不思議だぜ。
「よかったら、そのカード、貸しますけど」
「いや、この場で使ってみてくれ」
「……えっ!いいんですか?」
アルトリアが僕の身命を見捨ててまで、カードの使用を阻止したぐらいだぞ。
それを目の前の魔王さまは使ってよろしいと。
確かに僕も人間だ。カードを一回使いたい欲がない訳じゃない。
目の前にボタンを置かれて、押さない人間などこの世にいるか?
否、いるはずもない。
しかしだ。カードの使用は、あれほど僕のために動いてくれたアルトリアを裏切ることになるのだ。
そんなこと、僕は絶対に……。
「いいでしょう。クラスカードの真の力を御見せしましょう」
ここにアルトリアはいない。イコール、クラスカードを使ってもバレないし、怒られない。
あくまでこれは僕の意思で使うんじゃない。魔王さまに脅されて仕方なく使うんだ。
僕は、アジュカからカードを受け取り、詠唱を開始した。
「ーーー告げる!汝の身は我に!汝の剣は我が手に!」
「聖杯の寄るべに従い、この意、この断りに従うならば応えよ」
僕を中心に魔方陣が独りでに描かれ始め、まばゆい光を放つ。
「誓いを此処に!我は常世総ての善と成る者!我は常世総ての悪を敷く者――!汝、三大の言霊を纏う七天!抑止の輪より来たれ天秤の守り手―――」
そして、僕は最後の言霊を紡ぐ。
「インスト―――「待つんだ士道君!!!」なんだよ」
おっと、思わず素が出てしまった。
瞬間、儀式は途切れてしまい、足元の魔方陣も光の粒子となって霧散していく。
「待つんだ。士道君。発動しかけて確信した。そのカードは生身の人間には、危険すぎる。人の身に余るモノだ」
「いやいや、せっかく、チートになれる寸前だったのに。邪魔すんなよ」
「だが、そのカードに君の体が耐えれない。使ったら最後、カードの負荷に押しつぶされるだけだ」
「いやいや、きっと主人公補正とかで、お、俺が、俺が倒す!!的な感じで大丈夫だから。ラノベの主人公舐めんなよ」
「君は何を言ってるんだ?まぁ、私も使えを言った手前、待ったを掛けたことには申し訳ないと思っているが、そのカードの発動は危険だ。ただ、どうしても君がそのカードを使いたいというのなら手がない訳でもない」
言うなりアジュカは、カードに人差し指を突き付けて、小さな魔方陣を幾重にも展開させる。
「このカードの大まかな構造、理論、組まれてる方程式は、解析できた。なら、その方程式を少し弄る」
魔方陣に記された悪魔文字や数字やらが物凄い勢いで魔方陣の上を暴れまわる。
「なに、このカードの本質は、術者の体を英霊の物に書き換えるモノ。つまりは俺の専売特許のイービルピースと同じ要領だ。カードに書かれているプログラムにイービルピースのコードを上書きする。多少、誤作動するかもしれないが、俺のコードの方が書き換えの際の肉体への負荷は少ないはずだ」
ん?今誤作動がどうとか、聞こえたんですが?
数分後、カードの調整が終わったのか、アジュカは、魔方陣を消すと、カードを手に持ち、僕に渡してくるのかと思いきや、そのまま、カードを握った右手ごと、僕の胸の中へと沈めた。
「これで君は、晴れて人外の仲間入りだ。カードの特性上、何かと置き換えられるのは、確かなのだが俺にもこのカードのすべてを把握することはできなかった。まっ、生きるも死ぬもあとは君次第だ」
「えっ!なにが、全然パワーアップした感じないんだけど」
「おっと、もうこんな時間か。士道君。俺はこれから若手悪魔の会合へ向かう。もしよかったら君も来ると言い。昼飯ぐらいは用意しよう」
アジェカが手を前に出すと、転移魔方陣が展開された。
ここに入れということだな。
きっと、魔王も出席するぐらいの昼飯。バイキングだな。
「しょ、しょうがないな。部長たちには申し訳ないけど、お昼はごちそうでも……へ?」
涎を垂らしながら、一歩踏み出した途端、先に魔方陣に入ったアジュカだけが魔方陣によって飛ばされていった。
「へっ?僕は」
―――○▽○―――
結局、若手悪魔の会合会場の場所がわからず、お昼は、電車でグレモリー邸まで帰った。
え?どうやって帰ったのか?
そんなの駅員さんにグレモリーさん宅まで繋いでもらって銀髪のメイドさんに迎えに来てもらったんだよ。
まったく、僕の扱い雑じゃないか。
そして、グレモリー邸でゴロゴロ、ダラダラして過ごしていると、夕方ぐらいに銀髪のメイドさんから温泉に入らないか?とお誘いがあったので行ってみることにしたのだが……
「旅ゆけば~♪」
そこには、鼻歌を交じり、温泉につかっている堕天使総督さまと、木場、イッセーが先にいた。
グレモリーの庭の一角にぽつりと存在している和風の温泉。
僕が想像してたのは、銀髪のメイドさんに付きっきりで奉仕されえる方の温泉だったのだが、マジか!
「おっ、シドー。遅いじゃねぇか。お前も早く入れ。地獄と言えばやっぱ温泉だぜ。ハハハハ!」
何ともテンションの高い総督様。和服も好きそうだしもしかして日本の文化大好きなのかな
年取ったおっさんほど、面倒な人は、いないからな。とりあえず、アザゼル先生を避けて、イッセーの隣へと向かおうとすると、なんか背後から違和感が……。
「たしかビショップのギャスパーだったけ?僕の背中に引っ付いてなにしてんの?」
首だけを回し、見て見ると、僕の背中に隠れるようにして密着させている童顔の悪魔。
金髪と朱いガラスのような双眸をした人形のような顔たちの美少女のような男。
タオルを胸の位置で巻き、女の子のように振る舞っているが、股に付いたモノがすべてを台無しにしている。
「イッセー先輩から守ってくださいぃぃ。ぼ、僕の体を犯そうとね、狙ってるんですぅぅぅぅっ!」
「おい、マジか。イッセー。さすがに男はねぇだろ」
「ちげぇよ。ギャー助も適当なこと言うな」
湯につかったイッセーから抗議が上がる。
別にイッセーが誰に惚れようとどうでもいいけど、僕を巻き込まないでほしい。
とりあえずこいつが女みたいな恰好してるのが悪いんだろ。
「……あ、あのこっちみないでください……」
「知るか。とりあえず胸の位置でバスタオル巻くのやめろ。いろいろとわかってるんだけど戸惑うから」
「……そ、そんな、シドー先輩も僕のことそんな目で見てたんですか……?」
「見てねぇよ!!おい、イッセー手伝え」
「はいよ」
このままだと禁断の聖域に目覚めそうなので、アイコンタクトで呼んだイッセーと一緒にギャスパーを持ち上げると、一気に温泉へ――。
「「せーの」」
ドボーーーン!
放り投げてやった。
「いやぁぁぁぁん!あっついよぉぉぉ!溶けちゃうよぉぉぉ!イッセー先輩のエッチィィィッ!シドー先輩の強姦魔ぁぁぁぁああああっ!」
絶叫がこだまする。おい、僕だけすごい言いようだな。
「隣に部長が入ってんだから訂正しろ。シドー先輩のイケメンとな」
『シドーッ!貴様、我が眼前で幼子を襲うか、外道ッ!』
ほらぁぁぁっ!部長じゃないけどアルトリアさん誤解してんじゃん!
「ち、違うって。襲ってもないし、相手男だから。女の子の振りした男の子だから。僕は生まれてからずっとアルトリア一筋だから」
次に聞こえたのは、部長のからかい声だった。
『シドーにイッセー。あまりギャスパーにセクハラしないでね』
そのあと、女子達の小さな笑い声が聞こえてきた。
アルトリアさんめっちゃ怒ってたじゃん。
僕はたまらなくなり温泉へ飛び込み、遅れてイッセーも温泉の中へ飛び込んできた。
うぅ、引きこもりを温泉に入れただけなのに……。
「ところで二人とも」
涙目の僕たちの隣に移動してくる先生は、先導士のような爽やかな顔だ。
「なんですか?」
「いや、なに?愛しの使い魔さんに怒られてしょんぼりした少年にアドバイスをと思ってな」
「はい?」
「なに、女に嫌われることなんて生きてりゃ星の数ほどあるさ。大事なのは謝るか謝らないかだ。だからよ。行ってこい!謝りにな」
アザゼルは僕の腕を掴み。そして―――
ぶぅぅぅぅぅぅうううんっ!と、投げ飛ばしやがった。
おわああああああっ!僕を襲う浮遊感とぐるぐると動く視界。
宙に吹っ飛ばされてるよ。
視界が男湯から隣の湯へと移り、部長たちを目が合う。
その中には当然、アルトリアさんもいるわけで、そうこうしてるうちに――。
ドッボォォォォォンンンッッ!!
勢いよく、温泉に叩き付けられた。
痛い。すげぇ痛い。
だが、お湯から飛び出してみるとそこは桃源郷だった。
部長!副部長!アルジェントにゼノヴィア。小猫ちゃん。アルトリア。みんな裸だった。
普通なら、『キャー』とかいってみなさん裸体を隠そうとするはずなんだけど、部長も副部長も裸体を隠そうとしなかった。
いや、アルジェントだけ、小さく悲鳴を上げて隠してるわ。
別にお前の裸なんか興味ねぇ。
と、思っていると、続いてイッセーが宙を舞い、僕と同じくこちらへと落ちてきた。
途端、アルトリアと小猫ちゃん除く、女子たちは、イッセーの下へ向かう。
くそっ!イッセーばっかりモテやがって。僕もイッセーみたいにおっぱいにはさまれてバユンッバユンッってされたい。
まぁ、いいや。僕にもちゃんとおっぱいの大きさこそ負けるけど、部長より魅力的な彼女がいるもん。
こちらをジッと見つめたまま湯船に深く浸かっているアルトリアに、近づき、よう、と気さくに片手を上げた。
そんな僕を見て、口をポカンと開けたまま、アルトリアは、胸を隠して背を向け、睨みつけてきた。
「……し……しし………しししシドーッ!」
「…?どうしたアルトリア。実はさっきのことで誤解を正そうと思って……」
「ち、ちち、違う!それは私の早とちりだった。じゃなくて。いや、その、えっと、どうしてシドーはそんなに平然としていられるんですかっ!」
「そろそろ裸の付き合いってのも悪くないかなってな。別に僕ら、いまさら恥ずかしがる仲じゃないだろ?」
「うう……。たしかにリアス・グレモリーも堂々としてるが………。私が異常なだけなのか?」
頬を赤らめ、アルトリアがぶつぶつ言いながらもゆっくり胸を隠しながらこちらに体を向ける。
お湯の透明度やタオルを巻いてないこともあって彼女の透き通るような白い肌が鮮やかに映えた。
なんというか。前々からエロい体をしていると思っていたがこうして見ると中々のプロポーションだな。
鍛えてるからもっとごついのかと思っていたが、出るところはむっちりと出ている。
「おっと、別にアルトリアも部長達みたいにパフパフしてくれてもいいんだぜ。むしろ大歓迎。というよりみんながしてる中、一人だけしないっていうのおかしくない?」
イッセーの方を指さし、僕にも同じことをやれと、アルトリアに要求する僕。
「おかしくない……と思う。あれはあくまでもグレモリー達の……しかし、教会の者までもが、なぜだ。やはり私がおかしいのか?」
胸を隠すアルトリアの腕が徐々に緩まっていく姿に、なんだか初々しさが感じられる。あと一歩だな。
「早くしてくれませんかね。ほらぱふぱふ。もう、いろいろと堪りません」
「うぅ……やっぱりおかしい。幾ら私がこういうことに疎いといっても、これは流石に絶対おかしいですっ!」
そう言うと、アルトリアは、僕の腕を掴み、男湯へと放り投げたのだった。
―――○▽○―――
次の日、僕は、朝から戦闘ドレス姿のアルトリアに叩き起こされグレモリー家の広い庭の一角へと連れていかれた。
そこには、グレモリー眷属とアザゼル先生がすでに集まっており、皆ジャージ姿。
何をするのかと思いきや、庭に置かれているテーブルと椅子に座ってなんと、修行開始のミーティングとなった。
何の修行か、要領をえなかったが話を聞いているうちに、今度開かれる、グレモリー眷属のレーティングゲームと呼ばれる戦争ごっこに備えての修行ということを理解したものの、僕関係なくね?
資料やデーターらしきものを持ったアザゼル先生指揮の元、各自のトレーニングメニューが提示されていき、小猫ちゃんは、落ち込んだり、イッセーは、突然現れたドラゴンに連れていかれたりし、最後に僕の番がやってきた。
「最後にシドー」
「……はい?」
「なんで俺がって顔だな。生まれながらの聖杯のお前は、誰もが喉から手がでるぐらい手に入れたい存在だ。これから神、悪魔、吸血鬼、人間、すべての種族がお前を狙ってくるぞ。だからせめて自衛の手段ぐらい持っておけ」
多分今の僕、露骨に嫌な表情を浮かべてると思う。
隣では、アルトリアがとてもうれしそうに頷いているし。
「取り敢えず、基礎体力を上げることと自分の中の魔力の運用だ。お前は否応なく常にこの星から魔力を吸い上げている。その魔力を力に変え、振るわなければ、将来、必ず死にはしないが、魔力を吸って吐くだけの存在になり果てるぞ」
「……マジで?」
「マジだ。お前には引き続き、騎士王さまが修行についてくれるそうだ。よかったな。伝説のアーサー王がみっちり修行をつけてくれるとは、お前が世界初だぜ」
「シドー。今日からはこれまで行ってきた鍛錬が天国に思えるほど、鍛錬量を増やしますのでお覚悟を」
いやぁぁあああ!死んじゃう!横でうんうんとアザゼル先生が頷いてるけど、納得しないで!殺されちゃう!
「期間は人間界の時間で20日ほど。それまでイッセーは禁手に至らせろ。シドーは、まぁ……頑張れ!」
そう先生が言い残すと、各自、自分たちのトレーニングのため四方に散らばっていった。
同時に僕にとって地獄の20日間が始まろうとしていたのだった。