僕の平穏な人生がある日突然終わりを告げたようです   作:木原

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字数ちょっと少なめですね


旧校舎

 

放課後、僕は授業が終わるとクラスメイトが扉をくぐるよりも早くアルトリアの手を引き誰もいない屋上へと向かった。

 

屋上に出た途端、山から吹き上げる春風が僕ら2人の髪をぐちゃぐちゃにしてゆくが、2人ともファッションや見た目をあまり気にするタイプの人間ではないため、あまり気にすることはなかった。

 

僕は、屋上でも風をしのげる場所に移動するとアルトリアの方を向きの後の奥に溜まっている言葉を吐き出した。。

 

「で、なんで駒王学園の生徒になってんの?学費はどうした?それに手続きは?いや……それより……」

 

「落ち着いてくださいシドー。そんないっぺんに聞かれても困ります」

 

確かにそうだ。

 

僕は、深呼吸を2回ほどし頭を冷静な状態に戻す。

 

「ごめんアルトリア。教室で目立ちすぎたから少し焦ってた」

 

そして僕は、一番気になっている事を直球に聞いた。

 

「……学費どうした?」

 

ただでさえこの学校は、私立なうえ学費も一般の私立と比べて少しお高い。

 

当然、僕の家には、そんなお金ないし代わりとなる物もない。

 

「ま、まさか奨学金じゃないよね?」

 

いや、でも奨学金なら保証人が必要だしそれはないか。

 

じゃ、どうやって。

 

僕が色々推測を立てているとアルトリアが口を開いた。

 

「学費なら私が全額支払いましたが……」

 

「……へ?」

 

学費を支払った……だと。

 

年間120万だぞ。

 

後期前期分けても60万だぞ。

 

アルトリアは続ける。

 

「いえ、前々から駒王学校に入学する算段を立てていたのですがやはり資金という壁にぶち当たりましてシドーが入院中、シドー個人の財産と口座を使って色々させてもらいました」

 

……は?

 

「……ちょっ、待って。人のお金でなにやってんの?いや、その前に何をやったんだ?」

 

恐る恐る聞いてみる。

 

「……たしか、株取り引きというものだったような」

 

はっ、株?

 

「……いやいや、えっ、株?野菜じゃなくてあの株?」

 

「はい、そうですよ」

 

思いのほか呆気なく答えるアルトリア。

 

人の名前で何してくれちゃってんの⁉︎

 

「……よ、よく出来たね。株なんて、でアルトリアがここにいるってことは結果的に儲けることができたってことだよね」

 

「ええ、と言っても微々たる額ですがね」

 

僕は、すぐさま学生服のポケットから携帯を取り出しネットバンクにアクセスする。

 

パスワードを入力後、表示された画面に僕は目を見開いた。

 

だって、生活費を切りくづしてでもコツコツと貯めた20万程のお金がな、なんと100倍近い2000万近くまで膨れ上がっていたのだから。

 

目をこすりもう一度画面を見る。

 

「こ、ここここれは、あのあの、な、なななんでございましょうか?」

 

見た事ない数字が僕の言葉遣いを変えさせる。

 

「別に驚くほどではありませんよ。自分の直感で稼いだだけですから」

 

いやいや、直感でここまで増やしちゃうってどんだけだよ。

 

もう、アルトリアって呼び捨てにできない。

 

「あの、シドー?」

 

「あっ、はい。なんでしょう。アルトリア様」

 

やべーお金とアルトリア様の存在に対し自然と敬語になってしまったよ。

 

そんな僕にアルトリア様は、クスクスっと優しい笑みを浮かべ慈悲をくださる。

 

「なんですかその言葉使い。なんか今日のシドー変ですよ」

 

あなた様が僕をこんなにしたんですよ。

 

もう、責任とってもらおう。

 

そして僕が死ぬまでに養ってもらいたい。

 

「あの、結婚してください」

 

あっやべ。思わず口からこんな言葉が出てしまった。

 

こ、これがお金の力という訳か。

 

2000万恐るべし。

 

しかし、アルトリア様は、僕の告白をさらりと流し話を変えてきた。

 

「そうですね、考えておきます。それよりシドー。時間がもったいないです。トレーニング始めましょう」

 

「イエス、マイロード……と言いたいところですが実はこれから用事がございまして……」

 

「その言葉そろそろ遣いやめてもらっていいですか?何か違和感があって気持ち悪いです」

 

「……でも、アルトリア様に向かってご無礼など……」

 

「トレーニングメニュー増やしますよ」

 

「……ごめんなさい。調子に乗ってました」

 

即、謝った。

 

それを出されちゃ僕としては、従うしかないよね。

 

「それで用事とは?」

 

「実はグレモリー先輩に用があってね」

 

僕の言葉に何か引っかかることがある模様のアルトリア。

 

「グレモリー……あぁ、以前家に訪ねてきた女ですね。今思い出しました」

 

「そうそう、そのグレモリー。今からちょっとそのグレモリー先輩のところに謝るというかケジメ的なものを着けに行くから先帰ってていいよ」

 

そう言い、アルトリアの横を通り屋上の出入り口に向かおうとするがすれ違いざまに腕を掴まれた。

 

「なら、私も共に行きます。私はあなたの剣なのですから」

 

ミシミシッ!と僕の掴まれている腕の骨が軋む。

 

だからそんな僕よりも細い腕のどこにそんな力があるんだ?

 

それに目が怖いよ。

 

僕のような一般人に向けてはいけない目だよそれは。

 

「………あ、うん。じゃ、来る?」

 

「それでは、僭越ながらご同行させてもらいます」

 

 

 

 

ーーー◯△◯ーーー

 

 

 

 

吹奏楽部の楽器音が響き渡る放課後の校舎を歩く僕。

 

その後ろにはアルトリアが続き、どこか外を警戒しているようだ。

 

「シドー。一つ気になることがあるのですが……」

 

「なに?僕の知る範囲でならなんでも答えるけど」

 

「リアス・グレモリーは、部活動で校内にいるんですよね?」

 

「うん、まぁね」

 

そう言いながら下駄箱から外靴を取り出し履き替える。

 

「……では、何故外に?」

 

あぁ、そういうことか。

 

「……いや、グレモリー先輩って旧校舎を縄張りにしてるってことで有名なんだ」

 

「旧校舎……ですか」

 

そう呟き外に立っている旧校舎を見るアルトリア。

 

「……ならば私が先導するのでシドーは後についてきてください」

 

瞬間、アルトリアの体を光の粒子が包み込む。

 

駒王学園の制服姿から甲冑のついたドレス姿になると僕を守るように前に立つ。

 

その様子を口を開けて見ていた僕は、今の様子を見られてないか辺りを見渡し確認し、校庭から死角になる下駄箱の影にアルトリアの腕を引く。

 

「…ちょっ…なにやってんの?」

 

「いえ、シドーが旧校舎に逝くといったので」

 

逝くとは言ってない。

 

それだとまるで死地に自分から向かうみたいじゃないか。

 

僕はアルトリアに言い聞かせるように言う。

 

「旧校舎は戦場じゃないからね」

 

どうにかアルトリアの旧校舎に対する謎の警戒心を解くように説得し、服装を制服に戻した上で改めて向かって歩き出す。

 

まったく、ヒヤヒヤしたぜ。

 

だがアルトリアは、まだ納得できないのか振り向きざまに僕に言う。

 

「しかし、シドー。旧校舎に近づくと言うのなら覚悟しておいたほうがいいですよ」

 

「だから旧校舎は、戦場とかじゃないって……確かに学校の怪談的な噂は絶えないけど」

 

例えば、夜な夜な吸血鬼がいるとか魔女が変な儀式をしているとかとか。

 

まっ、あくまで噂だけどな。

 

「まさか、気づいてないのですか?」

 

「えっ、なにに?」

 

「……旧校舎の様子にです」

 

チラっと旧校舎を見てみるが別に変わった様子はない。

 

「もっとよく観察してください」

 

そう言われても別にかわった様子はない……はず。

 

「いや、特になにも感じないしなにも変わった様子は……」

 

と言いかけたところで僕は気づいた。

 

何か不自然だ。

 

旧校舎など授業中か登校する時にしか目にしなかったし目に入れなかったため自然に流していたためにあまり気にしなかったが、今改めて見るとこの光景は不自然だ。

 

そう、誰も旧校舎に近寄っていないのだ。

 

校庭には、放課後の部活動に励んでいる体操着姿の生徒たちが各部活ごとにひろがっているがみんながみんな旧校舎など初めから存在しないかのように行動している。

 

「やっと気がつきましたか」

 

「……ちょっと待って!どういうこと⁉︎」

 

「ただの人払いですよ。あの程度のことなら魔術が苦手な私でも容易くできますが問題はそこではありません」

 

……なるほど。

 

アルトリアが言いたい事が分かった気がする。

 

「あぁ、そういう事ね。あそこに人払いする理由がある何かがあるって事だよね……ってそれ不味くない。もし、人払いしているのがグレモリー先輩ではなくグレモリー先輩を狙った誰かって可能性もあるよね」

 

まっ、別にそうだとしても知り合いでもない先輩の為に僕が助ける切りなどないんだけどね。

 

もしそうだったとしてもせいぜい学校が臨時休校になり喜ぶだけだろう。

 

しかし、その推測は違ったらしい。

 

「その可能性は低いですよ。リアス・グレモリーと言う女は、以前シドーを襲った化け物と根本的な部分でどこか似た感じがしました。それにあの場からは、リアス・グレモリー以外の強い力を持つ者の気配もしますし……」

 

「………」

 

マジかよ。

 

全然気配の気の字もしないんだけど。

 

それにそんな事聞いたらもうグレモリー先輩に近ずけないし。

 

結構、あの化け物の事トラウマになってんだよ。

 

僕は、前を歩くアルトリアの腕を掴み止める。

 

「……なんでしょうか」

 

「……アルトリア。触らぬ神に祟りなしだ。今日は帰ろう、そしてこれから僕らからは関わらない事にしよう」

 

そう言って僕達は、帰路についた。

 

 

 

 

 

そして、それから約1ヶ月。

 

「oh、俺様の姿を見たからには、迷える子羊であろうとも死んでもらいま〜す♪」

 

学校の帰り道、異常にテンションが高い神父服を着た青年に僕は剣を向けられていた。

 

 

 

 

 

 




聖剣編から原作に関わっていく事になります。

感想などなどお待ちしています。
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