僕の平穏な人生がある日突然終わりを告げたようです   作:木原

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ふと、疑問に思ったのですがエクスカリバーって湖の乙女に返されているはずですよね。

それにアーサー王って生まれる時にマーリンから赤い龍の因子を埋め込まれたとか・・・まさかその赤い龍ってD×Dでいうところのドライグ・・・なのか

まぁいいや


誘拐されそうです

学校が終わり、ふと「そういえば冷蔵庫の中、空じゃね?」と思ったのが仇となったのか、アルトリアを先に帰らせ1人でスーパーに買い出しに言ったその帰り、

 

「………」

 

僕の視線の先で僕と同い年ぐらいの白髪の青年神父が同業者と思わしき神父に対し中々にバイオレンスな事を一方的にしていた。

 

周りに人はいない。

 

どうやら人払いの結界の中のようだ。

 

まったくと言っていいほど気づかなかった。

 

それにこの結界、一般人は、入れないんじゃないのか?

 

先ほどまでの平和な日常が一変、地獄へと化した。

 

思わずその場に立ち尽くしてしまう。

 

夕方という事もあって青年神父の表情まで見えないが僕の直感が全力で赤信号を発していた。

 

日頃からの鍛錬もあってか、それとも僕の天性の能力なのか、眼の前でリアルに人が八つ裂きにされているというのにびっくりする程の僕の心は冷静だ。

 

だが、力がなければ冷静なだけでは何もできない。

 

ふいに地面に横たわる死にかけの神父と視線が合う。

 

ゲッ!

 

途端、神父の目線を辿って振り返った青年神父が後ろにいる僕の存在に気づいた。

 

「あらぁ?なに俺のお楽しみタイムを覗き見しちゃってくれてんですか?殺していいの?」

 

僕は死にかけの神父を睨みつつ、どうにかして場を切り抜けようとする。

 

「……い、いや、たまたまここを通りかかっただけで僕はなにも見てません!はい、帰ります」

 

と言って足に力を入れ後退しようとした時、相手の姿がブレた。

 

嫌な予感が全身を駆け巡りると同時に僕は反射的に首を後ろに引いた。

 

瞬間、さっきまで僕の首があったところを何かが通過し、そこから生まれた空気だけが僕に直撃する。

 

「あんれぇ?なんで雑魚のくせしてエクスカリバーちゃんを避けれんだよぉ??」

 

相手は、いつの間にか手に握っていた西洋剣を手元でくるくる回しながら一方的にキレる。

 

避けられたぐらいでキレるなんて相手のカルシウム不足を心配する僕だが、僕も僕のほうで十分驚いていた。

 

今、ほぼ無意識で回避していた。

 

それに青年神父の剣筋までは見えなかったものの相手が俊足で距離を詰める所は、完全に目で追える事ができた。

 

まさかこれがアルトリア監修の特訓の成果なのか?

 

もしそうだとしたらあの地獄のようなと特訓は無駄ではなかったということだ。

 

心の中で間接的にも僕の命を救った彼女にお礼を言う。

 

だが、一回回避したぐらいで浮かれるのはまだ早い。

 

沸点が低い彼からの殺気が以前にもまして濃厚だ。

 

「いんやー、俺っちわかっちゃった。お前アレだろ。雑魚の中でもできる雑魚だ。なら俺っちも少し本気出しちゃおうかな?」

 

・・・ただの一般人ですけど。

 

青年神父の言葉に思わずそう言い返そうとするが喉まででかかった所で口を閉じた。

 

ああ言うイカれた奴は、何を言ってもイカれた思考で変な自己解釈をする。

 

ここは、老若男女誰にでも違和感なく聞けて相手の思考に合わせて言葉を選ぶんだ。

 

「まぁな。確かに僕は雑魚だ。今のもマグレみたいなもんだし。でも雑魚でもやるときはやるんだ」」

 

そう言って以前見たカンフー映画を思い出し見よう見まねでこぶしを握り構える。

 

全くわけのわからん言葉に自分でもなに言ってんだと思う。

 

だが、その光景を見て青年神父は、ぴゅーっと口を吹き笑みを深めた。

 

「死亡フラグもらいました。さてさてチョッパーのお時間でございんす!」

 

そして一瞬の静寂の流れたその時、両者の足が動いた。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!」

 

青年神父が剣を振り回しながらこちらに向かってくるのに対し、僕はその場で回れ右をして、雄叫びを上げながらひたすら我が家を目指し夕方の住宅街を駆け抜けた。

 

戦おうにもその辺にいる不良ならまだしも、実力の差がありすぎる。

 

しかも、こんな時に限ってアーチャーのクラスカードは家に置きっぱなしだし。

 

「うそうそ、逃げんのかよっ!でも一方的な鬼ごっこも嫌いじゃないぜ」

 

そう言って後ろから剣を振り回して、ブロック塀や電柱をバターのように切り裂きながら追いかけてくる青年神父。

 

あの剣の切れ味にも驚きだが、青年神父のスピードにも驚きを隠せない。

 

僕も鍛錬で魔術師がならう初期の初期である強化の魔術で筋力を強化しており、オリンピック選手以上のスピードで走っているのにのかかわらずそれ以上のスピードで追いかけてくる。

 

数メートルの距離も開けないまま、瞬く間に距離を詰められ、剣を振るわれる。

 

僕は、とっさに学校の鞄を剣にぶつけ軌道を逸らすが逸らされた勢いのまま、回し蹴りを放ってくる。

 

それを腕をクロスすることでガードするが勢いまでは防げずクロスした腕から変な音が体に響き渡る。

 

「これでさっさと死んでちょうだいな!」

 

青年神父が嬉しそうに剣を振り上げる。

 

その光景に僕は以前のように目を閉じビビる事なくとっさに折れた腕を犠牲に直撃は避けようとする……が、いつまでたっても剣が僕の腕を切り落とす事はなかった。

 

何故なら振り上げた腕を背後から伸びた第三者の腕が掴んでいたからだ。

 

僕は一番にアルトリアが助けにきたのかと思ったが違った。

 

見ると僕が嫌いなクラスメイトがいた。

 

「……木、場?」

 

「クラスメイトが襲われていると駆けつけてみたら、まさかまだこの街に潜伏していたとはな、フリードセンゼン!」

 

だが、木場は僕の声に答えようとせず、そのまま魔法陣から剣を取り出し青年神父に斬りかかった。

 

「……」

 

その光景を見て、僕は驚く。

 

だって、学校でただのイケメンだと思っていた木場が今、僕の目の前で虚空から西洋剣を創造したりとすごい非現実的なことをしてるんだもん。

 

「……おっと、いつぞやのイケメン君??もしかして、その小気味のお友達かい?イイね。イイ友情愛だね。やっぱエクスカリバーちゃんの相手は悪魔ちゃんがふさわしいでござんすわ。さぁさぁ、バッチコイッ!」

 

「き、貴様、その剣をどこで手に入れた??」

 

突然、木場の様子が変わる。

 

「悪魔風情に教えるわけねぇーじゃん。そんなに知りたかったら俺を倒す事だ。まっ、無理だろうけどね。強くてサーセン、マジサーセン!」

 

「なら、力づくで口を割らせるのみだ」

 

青年神父の挑発に木場は、普段の木場とは思えない表情を浮かべながら真正面から斬りかかる。

 

見るからに木場の様子が可笑しくなったが、僕には関係ない。

 

助けてもらった所悪いが僕は先に戦線を離脱する。

 

まぁ、やられっぱなしでなんもしてないけど。

 

ぼっち生活で培ったボッチスキル、その名もステルスシドーを発動させ足に力を入れ後ろを振り返る事なく全力で駆け出す。

 

すまない、木場。お前の事は僕が責任を持って後世に伝えると思う。

 

そう心の中で思いつつ住宅街の角を曲がった途端、向こうから来た人にぶつかりぶつかった反発で尻餅をついてしまった。

 

「いたたたたた!」

 

知らぬ間に人払いの外に出ていたのだろう。

 

ステルスシドーを発動中、僕の存在感が薄くなる。

 

だから僕に相手が気づかなかったのだろう。

 

尻餅特有の痛みがお尻を駆け抜ける中、安心感が僕の心を満たしていく感覚に浸りながら、安堵の表情でぶつかった相手に謝罪しようと立ち上がろうとするが相手の顔を見た途端、僕の体が猛烈な赤信号を発した。

 

恐怖で体が動かなくなった。

 

まるで魂を縛られているかのようだ。

 

黒いローブのようなものを着用し、ウェーブのかかった黒髪で明らかに人間のものではない耳。

 

そして、その者の纏うオーラというか雰囲気がこの空間のすべてを支配しているようだ。

 

「………ん??」

 

その者の目がギロリと僕を捉える。

 

「ひっ!」

 

恐怖に支配された足を動かし無様に背を向けもと来た道を引き返そうとするも、軽く捕まり、片手で首を持たれ塀に叩きつけられる。

 

「ガッ!」

 

衝撃で肺から空気が一気に込み上げてくる。

 

「まさか俺が暗殺者の接近を許してしまうとはな……誰の差し金だ?」

 

……嘘だろ。冗談じゃない。相手が何言ってるかわからんがさっきの青年神父の方がマシだ。

 

つうかなんで僕が暗殺者なんだ!

 

……はっ!まさかステルスシドーを発動していたせいなのか?

 

マジかよ!どんだけ僕のボッチスキル、強力なんだよ。

 

不良のたまり場を通り過ぎる時しか使ったことないのに

 

あいつの場合、大体の実力差が把握する事ができたがこいつの場合は、実力の差がありすぎて全くわからない。

 

まるで廃墟で化け物相手に戦ったアルトリアを前にしてるようだ。

 

「お前、まさかミカエルの手の者じゃないだろうな?」

 

目の前の男が疑りの目を向けてくる。

 

は?……ミカエル?

 

何言ってんだ?こいつ。

 

普段なら即答で拒否する所だが恐怖で今は口が開けないし、なぜかこいつ相手だと頭が正常に動かない。

 

そんな僕の状況に相手は何か察したのか、さらに拘束を強める。

 

「ふん、どうやら高位のエクソシストといったところか。ミカエルの野郎、やはり裏でこそこそ聖遺物持ちを送ってきていたか」

 

 

僕は関係ない。だから見逃してください。と必死に懇願しようにも口が動かないし、ブロック塀に叩きつけられたせいなのか息が喉でつまり言葉が出てこない。

 

「ふんっ!相当訓練されてるみたいだな。堕天使の幹部を相手にしても口を割るつもりはないとは」

 

男は、そう呟いた後、口元に展開した魔法陣に向かって言い放つ。

 

「……フリード、いつまで遊んでいる。早く戻れっ!」

 

なんかこの後の展開読めるんですけど……

 

男は、魔法陣を消し視線を再び僕に向ける。

 

「まだ口を割るつもりは割らないか。まぁいい。お前は、ミカエルの野郎に送る果し状に使ってやる」

 

そう言われた後、予想通り僕は、気を失った。

 

 

 

 

 




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