僕の平穏な人生がある日突然終わりを告げたようです   作:木原

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fetaの設定を1から読み直していると投稿が遅くなってしまいました……すいません。




童貞は文化です

5月の中頃だというのに外は肌寒い。

 

だが、5月だというのみ空を見上げると、澄んだ大空に満天の星空が広がっている。

 

プラネタリウム並みの星空を眼にして普段なら心の奥から何かしらの感情が込み上げてくるが、残念ながら、僕は星なんて興味もないし、今は満点に広がる星座について何の感想も抱けない。

 

それは今の僕の状況に原因がある。

 

現在僕は、鉄と埃の臭い匂いが蔓延る薄暗い隙抜けの天井付きの廃墟で、廃材で作られた椅子に手を後ろに回された状態で拘束されていた。

 

もう、目が覚めてから1日が経とうとしているが飲まず食わずでずっと今まで座りっぱなしだ。

 

おかげで喉もカラカラだし、座りっぱなしのせいで尻もいたい。

 

 

開いたばかりでまだ自身の体に馴染んでない魔術回路を無理して酷使したおかげか身体中が軋む。

 

目が覚めた時は、ひたすら助けを求めるために叫んだりもしたが、外からの人工音が聞こえない所を見ると、ここは人がいない山の奥地か、それとも結界が張られているかのどっちかだ。

 

まぁ、多分両方だと思うけどね。

 

だってここ、明らかに駒王町の山中にある有名な廃教会だもの。

 

首を少しあげればそこには首のないマリア像がいるんだもん。

 

それに足元には黒いカラスの羽にしては、大きい羽が大量に散らばっている。

 

さらに僕の恐怖心を掻き立てるのはそのマリア像の前、つまり僕の目の前にいるハゲの神父だ。

 

まるでザビエルみたいなハゲかたしやがって!

 

しかもこのハゲ、昨日から僕の体を隅から隅まで笑いながらペタペタ触れてくるし。

 

キモい!木場の次にキモい。

 

あまり関わりたくないが、そんな事も言ってられない。

 

意を呈して今も僕の胸を触っているハゲに嫌々ながらスマイルを浮かべ……

 

「なぁ、そろそろ解放してくれるとありがたいんだけど……」

 

もう、何回目になるのだろうか、同じ質問を投げかける。

 

だが、目の前のハゲは、一向に僕の要求を聞いてくれない……と言うよりも耳に入っていない。

 

「……わかったぞ!」

 

「……ッ⁉︎」

 

突如、目の前のハゲが目を輝かせながら声を上げた。

 

「……コレは聖杯の機能を持った人間だ。まさか神器以外にもこんな物を持った人間が生まれてくるとは………とすると」

 

「なにさ?」

 

「君は、もしや教会が作ったホムンクルスではなかろうか?」

 

「………は?」

 

「いや、コカビエルは、君が上級のエクソシストだと思っているようだが私は、そうは思えん。なぜなら君からは信仰心が感じられないからだ。つもり君は教会が極秘裏に作成したホムンクルスで間違いない」

 

「……いや、違いますけど」

 

なんかこのハゲ、いきなりとんでもない陰謀論を展開したと思ったら僕をなんか特別な存在のように言ってきやがった。

 

確かに、学校で1人でいると自分が特別な存在でないかと思う時もたまにあったが、僕はホムンクルスではない。正真正銘の人間だ。

 

………ていうか、ホムンクルスってなにさ、聖杯ってなにさ?

 

イミワカンナイ。

 

まぁ、昔は、宇宙一のマッドサイエンティストが製作した究極人工生命体シドゥー……いや、僕が厨二だった時代の話はよそう。

 

それよりも今は、ここを脱出することに専念したほうがいい。

 

だが、今の拘束されている状態からでは無理だ。

 

なら助けが来るまで待つか!

 

アルトリアのことだ。僕が帰ってこないのを不審に感じているだろう。

 

そして、今頃血眼になって探しているだろう。

 

だから僕は今、僕にしかできないことをする。

 

「僕をこれからどうするのさ」

 

そう、身の安全の確保だ。

 

人間、生きててナンボだからな。

 

「たしか天界に貴様の死体を送ると聞いていたが……」

 

「………いや、えっ……ちょ、マジ?」

 

「私は嘘はつかんよ」

 

「そ、そういえばさ……僕が珍しいみたいなこと言ってなかった?今、ここで助けてくれたら何でもするから……僕の体が欲しいんでしょう?………んっ?」

 

ここで気づいた。なんか今の言いようだと見方によっちゃすごくホモホモしくはないか?

 

決して男には興味ありません。

 

「……確かに聖杯の機能を持った人間だなんて滅多に見れない品物……だが私は、興味がなくてね。君を実験材料に使うならさっき捕縛した聖剣使いを実験材料に選ぶ」

 

「……チッ!」

 

まぁ、初めから目の前のハゲには期待してなかったけどね。

 

「なら、これから僕をどうするんだ?」

 

「その質問は、さっき答えたはずだが」

 

「そうか、ならいいわ」

 

すぐに頭を切り換え、目の前のハゲとの交渉をやめる。

 

その後、ずっと脱出することだけを考えていると………

 

 

あっという間に夜になってしまいました。

 

しかも、夜になるとコカビエルと青年神父が戻ってきて、なにも聞かされないまま突然駒王学園にみんなで転移。

 

そして今、僕は駒王学園の運動場のど真ん中で手足を縛られた状態で芋虫のように捨てられていた。

 

コカビエル曰く、同僚の前で公開処刑らしい。

 

同僚なんてコミュ症のこの僕に、未来現在過去を通して作れるわけがないというのに。

 

一応、近くにはいつもニコニコな青年神父と何か大規模な魔法陣を刻んでいるハゲ。

 

それに真上には、何か意味があるのだろうか椅子を上空にわざわざ浮かばせ座るコカビエル。

 

何故わざわざ椅子を持参し空に浮かばせるんだ?

 

さっぱりわからん。

 

まぁ、そんなことはどうでもいい。

 

今は何としてもここから脱出が先決だ。

 

流されるままこんな所まで連れてこられたわけだが、実は今がものすごいチャンスなのではないかと思っている。

 

何故なら、ここは見慣れた学園だし見たところ結界の類は張られてない。

 

さらにコカビエルは、宙に浮かぶ椅子に腰掛けているし、ハゲも魔法陣の展開に追われている。

 

唯一、青年神父だけが僕の近くで暇そうにしている。

 

だが、そもそも僕には興味ないのだろうか、完全に僕を目に入れてない。

 

ということはだ。この手足を縛る縄さえどうにかすれば逃げられる。

 

2日ぶりにご飯を食べられる。

 

理由は不明だが、テスト前日にも似た根拠のない自信が湧いてきた。

 

僕は、手首を激しく動かし縄を解そうとする……

 

「……解けねぇ」

 

くそっ、全然解けん。

 

まぁ、わかってはいたけど……そもそもこんな簡単に解けるぐらいなら彼らは僕をほったらかしにはしないだろう。

 

それになんかこの縄、僕が抵抗すればするほど拘束力が強くなってはいるのは気のせいなのか?

 

まさか、呪ッ!

 

「……おんやぁ?今がチャンスとか思っちゃってる感じぃ〜?」

 

チッ!

 

青年神父が僕の様子に気づいて地面で這いつくばっている僕へ近づいてきた。

 

一応、自分の体で縄を解こうとしているところは、隠していたつもりだったんだが無駄だったか。

 

「……無視かよ。ここがお前の最後だからもっと泣き喚けよ!俺にすがって助けを求めろよ……優しい俺っちが最初にチョッパーしてあげんのによぉ」

 

それ、懇願する意味ないよね。

 

心で思ったものの口には出さない。

 

「……なぁ、一つ聞いていいか?」

 

「んだとゴラァァ!!」

 

ドガッ!

 

無防備な僕の体に青年神父の蹴りが何度も襲い掛かる。

 

「お前自分の立場わかってんのか、敬語使えよ!」

 

「ガハッ!ゲホッゲホッ……ア"あァ、……ちょっと聞いただけじゃん!」

 

まったくこの程度でキレるなんてどんだけ沸点低いんだよ。

 

おかげで胃酸が口に込み上げてきて気持ち悪い。

 

だが、昨日から今日にかけてのこいつらから振るわれた尋問と言う暴力に比べたら全然、痛くない。

 

再び、今のでそっぽを向いた青年神父に話しかけようとした瞬間、突如、空一面に様々な色が混じった薄い膜のようなものが張られた。

 

結界だ。

 

誰が張ったのかは不明だが少なくとも目の前の青年神父含む3名ではなさそうだ。

 

3人とも表情を変えないところをから、こうなることを見越していたのだろう。

 

やがて結界が張られてからすぐに4人の敵が現れた。

 

「コカビエルッッ!!よくも私の土地で好き勝手やってくれたわね」

 

グレモリー先輩をはじめとするオカルト研究会の面子だった……木場がいないが。

 

「……フリード。テメェよくもイリナを……ってお前乙坂⁉︎」

 

「……やぁ、兵藤一誠。助けてくれると嬉しいな」

 

兵藤一誠がフリードの足元に縛られている僕を見つけて目を見開く。

 

まぁ、無理もないだろう。

 

どこにでもいる平凡な高校生が全身痣だらけで堕天使に捕まっているのだから。

 

自分自身でも驚いている。

 

「……あっ、あなた、あの時……」

 

「ハハハハハハハハハハハッッ!!」

 

グレモリー先輩が僕の顔を見て何か思い出した風だったがそれを遮り、急に笑い出すコカビエル。

 

一瞬、頭が本格的にヤバイのかと思ったが、コカビエルがすると悔しいがさまになっている。

 

「おい、リアス・グレモリー、ザーゼクスはどれぐらいで来る?」

 

「お兄様は、ここには来な……」

 

ズドドドドドドオオオオォォォォンンン!!!

 

極太な光の槍が体育館を貫いた。

 

「……ザーゼクスは来ないのか、まぁ、余興にはちょうどいい。お前とその眷属でも壊せばさすがのザーゼクスも顔をだせざるえないだろうし……そうだな、お前達には、こいつらと遊んでもらうとするか」

 

コカビエルが指を鳴らすと、闇夜の奥からズシンズシンと何かが地を揺らしながら近づいてくる。

 

それは犬だった。

 

犬と言ってもただの犬ではない。

 

地のように赤い双眸を持ち、口からは涎が垂れている。

 

その体は、黒く、10メートルを軽く超えており太い足から生える爪は鋭すぎて悪寒が走る。

 

しかも極め付けは、首が三つもある。

 

僕は、こんな生き物を本の中でしか見たことない。

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォォォンンンッッ!!

 

辺り一面を吹き飛ばすほどの咆哮!

 

三つの首が同時に吠えやがった。

 

………逃げないと。

 

ここにいると死ぬ。

 

そもそもこんな場違いなところに僕はいるべきではない。

 

手足を縛られている状態で僕が移動できる手段はただ一つ。

 

体を回転させ、ひたすら遠くへ転がることだ。

 

「……あっ、ちょっテメェ何逃げてんだ」

 

転がる僕を仕留めようとフリードがライトセーバーのような光の剣を取り出し、追いかけてきた。

 

だが、僕の転がりテクニックを舐めてもらっちゃ困る。

 

フリードの振るってくる光剣を華麗に避けていく。

 

ある時は、頭を軸にして急カーブしたり、体の不均等さを利用してジャンプしたりと……まったく自分の才能が怖いぜ。

 

「……はっはーん。僕を仕留めたかったら今の30倍は、早く動くんだな」

 

「……ちょっこまかと、あんまちょーしのんじゃねぇぞ。三下ガァ!」

 

スルリ、スルリと光剣を紙一重で躱してゆく

 

「ハハハハハッ!見える、君の剣筋が見える……そしてターン!」

 

頭を軸に華麗に方向を変え、フリードの足元へ突撃する。

 

フリードはバランスを崩し、その間に僕は全速力で体を回す。

 

もう、脱出も目の前……と思われたその時、

 

僕をすっぽり影が覆う。

 

ケルベロスの足だ。

 

フリードに気を取られすぎていつの間にかケルベロスの足元まで転がっていたみたいだ。

 

あまりにもフリードに気を取られすぎた。

 

迫るケロベロスの巨足。

 

だが、これは捉え方によっちゃ好奇ではないか?

 

ゴロゴロと転がりケロベロスの爪先が襲い来る地点であろう場所に移動し、爪が手足を縛る縄に引っかけられる位置に体をとる。

 

刹那、

 

ガリガリガリっ!!

 

「……痛っ!」

 

思い通りにケルベロスの鋭爪は、手足の間をすり抜けていき晴れて僕は自由の身になった訳だが、さすがにそんな綺麗にいかないのか、一部、腕の肉が削がれている。

 

幸いなことに薄皮一枚で腕が切断されることはなかったが、まぁ、これぐらいで済んだから幸運な方だろう。

 

しかし、手足が自由になったところでケロベロスの足元にいるため、ここが危険なところにいるのは変わりない。

 

久しぶりに動かす体を馴らす時間もなく、僕はひたすら無我夢中にオカルト研究部が集まる方へと走ろうとしたときだった。

 

ズバッ!

 

僕を狙っていたケロベロスの首が一つ宙を舞う。

 

木場、なのか?

 

しかし、僕の目の前に現れたのは長剣のを握る同い年ぐらいの少女だった。

 

「加勢に来たぞ」

 

「お前誰だよ」

 

言うやいなや、少女は僕を担いでグレモリー先輩の方へと駆け出す。

 

遠くに木場も加勢しケルベロスを屠っている。

 

もう、この際オカルト研究部の正体なんてどうでもいい。

 

それに、あんな手から雷や変な赤い籠手を装備した面々だ。

 

なら奴らは、僕を守る義務がある。

 

「……はぁはぁ、おい、グレモリー先輩……早く僕をここからだぜ」

 

オカルト研究部の所まで走り抜けた僕の第一声がこれだ。

 

先輩相手に失礼なのは承知だが、正直それどころではない。

 

「……いや、それはできないわ。あなたも関係者ならわかるでしょ。今彼らを逃すわけにはいかない」

 

だから関係者じゃない!

 

そう訴えようとした時とした時、バルパーの声と共に校庭に展開された魔法陣がありえないほどの光を発し始めた。

 

「4本のエクスカリバーが一本になる」

 

神々しい光が皇帝全域に広がってゆく。

 

「エクスカリバーが一本になったことで下の術式も完成した。あと20分もしないうちにこの街は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」

 

ボスを取り巻く雑魚みたいな台詞をバルパーは堂々と言った。

 

彼の言った言葉の内容は、非常にまずい。

 

今から20分以内にこの街から脱出しなければならない。

 

脱出する以外にもコカビエルを目の前にいるメンバーが倒してくれるという手段もあるが、こいつらが倒せると思えない。

 

腕を組み2秒ほど考えた僕は、一つの答えを導き出した。

 

「コカビ……いやコカビエル様」

 

「ん?どうした自分から殺されたくなったのか?」

 

興味なさげに視線だけをよこしてくるコカビエル。

 

オカルト研究部の面々も突然の僕の行動に目が離せないようだ。

 

そんな中、宙に浮かぶコカビエルに向かって僕は、躊躇することなく土下座した。

 

「雑用から身の回りのお世話までなんでもしますので僕をあなた様の仲間にしてくださいッ!」

 

…………。

 

「あ、あなたね。自分が何言ってるのかわかってるの」

 

一瞬の静寂が過ぎ、グレモリー先輩が額に青筋を浮かべ言い、後から兵藤一誠をはじめとする部員から冷たい視線が突き刺さる……

 

「うるせぇ、僕は強いものの味方だ。お前らみたいな小ボスとそれを取り巻く雑魚キャラは引っ込んでろよ」

 

そう彼らの言葉を一掃し、コカビエルに向き直る。

 

「言ってやりましたよ旦那。ささ、早くやっちゃいましょうぜ」

 

まるで懐かしの仲間にあったのかのごとく堂々とフリードの隣へ戻ってゆく。

 

「お前、いきなりどうしたの?もしかしてとうとう頭イカれた?」

 

まったく、フリード先輩は冗談がきついぜ。

 

「せんぱい、僕のことはいいんで早くこいつらやっちゃいましょうよ」

 

フリード先輩は、僕の急なキャラ変更を認めてくれたのか面倒くさかったのかわからないが、フリードは、僕の横を通り過ぎグレモリー先輩たちに立ちはだかった。

 

後は、コカビエルの仲間として一緒にこの街を脱出するだけだ。

 

その後、すぐに結界を抜けてきたのか木場とエロい身体をした姉ちゃん2人が参戦するもフリード先輩にも勝てないでいる。

 

まぁ、僕としては、命さえ無事ならばどちらが勝ってもいいんだけどね。

 

そんなことを思っていると突如、木場を中心にに幽霊のようなものが現れた。

 

幽霊たちは、何やら口を動かしボソボソと呟いている。

 

木場本人は、幽霊たちに対して涙を流しているが端から見るととても気持ち悪い。

 

白いモヤ相手にボソボソ何かつぶやいた挙句、涙を流してるんだぜ。

 

事情を知らない第三者が見たら完全にイタイ子だろ。

 

その後も僕は、完全に蚊帳の外でひたすらこの戦いを眺めていた。

 

突如、木場が覚醒しフリードを圧倒したりとか、神が死んだとかでバルパーがコカビエルに殺され、エロい身体付きの姉ちゃんと最近転校してきたアルジェントがショックを受けるていたが、僕としては、ただただ茶番に過ぎなかった。

 

つうか、神が死んでいたとかで精神壊れそうになるとかどんだけメンタル弱いんだよ!

 

吹いたわ。

 

無神論者の僕にはわからん。

 

残ったのは、コカビエルと僕だけだ。

 

「……コカビエルの旦那。そろそろ退散しましょう」

 

完全にコカビエルの仲間になったと思っている僕はそう、提案する。

 

だが、コカビエルは、僕の意見など軽く一蹴して拳を天にかざした。

 

「おれは、戦争を始める。これを機に!お前らの首を土産に!おれだけでもあの時の続きをしてやる。我ら堕天使こそ最強だとザーゼクスにもミカエルみも見せつけてやる!」

 

と、ふいにコカビエルが僕に向けて手をかざす。

 

……what?

 

なんか、光の粒子みたいなのが収束されてるんですけど

 

「……まずは貴様だ聖遺物保有者よ。貴様とそこのデュランダル使いを贄とし、戦争の火種を起こす」

 

「……いやいやいや、僕さっきから旦那の仲間!……仲間だよ。部下だよ。一緒に世界を獲るって約束したじゃん!」

 

「……適当な事を言うな。俺がいつお前を仲間にした?……じゃぁな、教会のエクソシストよ。お前の遺体はミカエルに送り届けてやるさ」

 

収束された光の球体から僕めがけて眩い奔流が目前に迫る。

 

「……あぁっ!」

 

もう、終わりだ。

 

今、死ぬ間際だというのか様々な事が脳にフラッシュバックしてくる。

 

エロ本を発見し異常にテンションが上がったあの時の光景や、初めて女の子と話したあの授業、それに女子から避けられていた中学時代。

 

って、一つも異性と絡んでねぇーじゃんかよ。

 

前世も含め33年の人生で童貞とか……もう耐えらんねぇよ。

 

まぁ、魔法使いにはなれた訳だけど。

 

クソォー、誰でもいいから短な女とチュウぐらい済ませとくべきだった。

 

僕は静かに目を瞑り、接吻一つ出来ない自分を責めながらすぐに訪れるであろう『死』を待ったその時、

 

まるで僕の願いを聞き入れるかのように右手の令呪が疼き出し、目の前が光が溢れ出した。

 

思わず目を閃光を遮ろうと眼を腕で覆うと、僕が今一番聞きたい声が聞こえてきた。

 

「シドー……あなた一体令呪に……ッ」

 

だが、コカビエルが放ったビームに気付くと易々と片腕だけでコカビエルの光のビームを跳ね除け、こちらを向いた。

 

顔がどこか火照ってるような気もしたが、歓喜のあまりアルトリアの手を取ろうとしたが……

 

「今すぐ私から……逃げてください」

 

「……えっ、ちょ……ア、アルトリむぎゅ……!……」

 

逆に押し倒され手足を女とは思えない怪力で拘束された。

 

つまり、アルトリアが僕の上に覆い被さっているわけだ。

 

気高く、そして気の強そうな青い瞳が僕をまっすぐ捉えている。

 

そして、なんだか若干息が荒い息がする。

 

いきなりの展開にコカビエルでさえ、攻撃をやめこちらに釘付けだ。

 

実は、僕自身もいきなりの事で頭が正常に動かないでいた。

 

「……申し訳ありませんシドー。体が、体が……言うことを聞かない」

 

そう言うアルトリアの顔がみるみるうちに近付いて………

 

唇に何か柔らかい感触を感じた。

 

………え、どうゆうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字、脱字または酷評、感想ドシドシお待ちしています。

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