仮面ライダーLYRICAL A’s to StrikerS   作:(MINA)

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第四話 「打ち上げ」

モニュメントバレーを髣髴させる荒野の中を三両編成のAライナーが線路を敷設・撤去の工程を繰り返しながら走っていた。

Aライナーはゼロライナーと同じく黒色をメインにしてポイントカラーを青色にしている。

一両目はネドケラトプスの先頭部になっているAライナー・ミサイル(以後:Aライナー)。

二両目は翼竜系のダルウィノプテルスが先頭部になっているAライナー・ガトリング(以後:ガトリング)。

三両目はT-REXの頭部がモデルになっているAライナー・マガジン(以後:マガジン)である。

Aゼロノスとプロキオンは二両目のガトリングに乗っていた。

Aゼロノスはゼロノスカードを抜き取ってゼロノスベルトを外す。

ゼロノスカードがシュウウウという音を立てながら消滅しながら、Aゼロノスからユーノ・スクライアへと姿を戻す。

プロキオンも身体全体が光り出してイマジンモードからフェレットモードへと変身する。

Aライナーは『時の空間』を抜けて、真っ暗な部屋に抜け出た。

『時の空間』は穴を閉じてしまう。

プシュウウウウウウと音を立てて停車した。

ここは司書長室から通じる地下格納庫である。

ここの存在を知るものは時空管理局の中でもごく僅かに限られている。

ガトリングのドアが開いて、ユーノとプロキオンが降りた。

プロキオンは専用席といわんばかりにユーノの左肩に乗っている。

司書長室へと繋がるエレベーターに乗る。

キュィィィィンという音を立てて、昇っていく。

エレベーターが止まると降りて、自動で本棚が動いて司書長室へと足を踏み入れる。

ガーッと本棚がスライドして元の位置に戻る。

「おかえりぃ。ユーノ」

アルフ(幼児)が出迎えてくれた。

「アルフ。僕の不在時に何かあった?」

「いつもの通りさ。クロノが訊ねてきたけど、何とか上手く誤魔化しといたよ」

「そっか。ありがとう」

「ありがとうございます。アルフさん!」

ユーノが軽く礼を言い、プロキオンは深々と頭を下げた。

「アンタは相変わらず礼儀正しいねぇ。本当にモモタロ達と同じイマジンなのかい?はやてがおデブをイマジンなのかって疑った事あったけど、まさかあたしがそんな心境になるとはねぇ」

アルフはプロキオンがイマジンである事を知っている。

もちろん、ユーノが何故Aゼロノスになったのかもだ。

「僕、イマジンですよ」

プロキオンはアルフに自身がイマジンだと公言する。

「わかってるって。でも、フェイトやなのは達には絶対に言うんじゃないよ?」

「はい!アルフさん」

アルフとプロキオンの会話が終わりを迎えようとしていた。

「アルフ。ロッキー。そろそろアースラに向おうか?今から行けばいい時間になるだろうしね」

「「はーい」」

アルフとプロキオンは子供のように返事した。

 

 

第162世界の衛星軌道上に停滞している次元航行艦アースラ。

「護送隊と『レリック』、先程本艦に収容しました。残念ながら爆発点からは『レリック』やその残骸は発見できませんでしたが……」

クロノ・ハラオウンがモニターに映っているカリム・グラシアに報告していた。

『お気になさらずクロノ提督。事後調査は聖王教会でも致しますので……』

カリムが笑みを崩さずにクロノに労いの言葉を送る。

「確保したレリックは厳重封印の上で自分が本局の研究施設まで運びます」

『ああ。その件なんですが、こちらから一人警護員を送りました。ご迷惑でなければご一緒に運んでいただければ……』

「ああ……。はい……」

カリムの含みのある言い方が気になるが、クロノは了承した。

 

ユーノ、プロキオン、アルフの二人と一匹はアースラへと転送されており、打ち上げ会場となっているレクリエーションルームへと向うために廊下を歩いていた。

「これがアースラ。広くて綺麗な所ですね~」

プロキオンがキョロキョロしながら感想を述べていた。

「ロッキー。アンタはアースラに来るの初めてだったね?」

「はい。次元航行艦というものはたくさん見た事ありますけど中に入るのは初めてです」

アルフの言うようにユーノの隣にいるプロキオンは時空管理局本局をあちこち回る事が多い。

そのため次元航行艦を見る機会は多いのだ。

「あれ?ユノさん。誰か来ますよ」

プロキオンの言うように、向かいから一人の青年が歩いてきた。

白いスーツに緑色の長髪をした長身の青年である。

「アイツ、どこかで見た事あるような気がするんだけどねぇ」

アルフも会った事があるのだが名前が思い出せないようだ。

「アルフさん。思い出さないとダメですよぉ」

「わかってるんだけど二、三回程度だったらどうしても出てこないんだよねぇ」

青年がこちらに歩み寄ってくる。

「スクライア司書長?」

「アコース査察官」

青年---ヴェロッサ・アコースから先に話しかけ、ユーノも応じた。

「ああ、やっと思い出したよ!ヴェロッサ・アコースだよ!本局の査察官!」

「正解。思い出してくれてありがとう。ハラオウン執務官の使い魔のアルフさん」

ヴェロッサは笑みを浮かべて返す。

「あたしを知ってんのかい?」

アルフが目を丸くしている。

「職業柄、一度会った人の事は忘れないようにしてるんだ。ん?そちらのフェレットはスクライア司書長の使い魔ですか?」

ヴェロッサがプロキオンに目を向ける。

「あ、はい。僕ユノさん、じゃなかったユーノ・スクライア司書長の使い魔でロッキーです!よろしくお願いします。査察官さん」

フェレットモードのプロキオンは世間では『ユーノの使い魔、ロッキー』として通している。

つまり『プロキオン』という本名を知らない者の方が多数なのだ。

「こちらこそよろしく。ロッキー君」

ヴェロッサが右人差し指を出して、プロキオンは小さな両前脚で掴む。

『握手』である。

「それでアコース査察官はどうしてこちらに?レクリエーションルームは逆ですよ」

「ああ。僕は義姉の頼まれ事を果たさなければならないんで打ち上げには参加できないんですよ」

「聖王教会からですか……。それはまた……」

ユーノもまた職業柄、一人の人間の身辺を調査するのは得意分野になっている。

そのためヴェロッサの周辺は一通り把握していた。

「いえいえ。たまには義姉孝行しませんとバチが当たりますよ」

ヴェロッサはケラケラと笑いながら言う。

「バチ……ですか……」

ユーノは一瞬暗い影を落としたが、すぐに戻る。

「それではこれから知人と共に任務に行きますので失礼します。また機会があればゆっくりと話しましょう」

「ええ。そうですね」

ヴェロッサの誘いにユーノは笑顔で応えた。

(幼馴染を偽って動いている僕にも下るんだろうね。バチが……)

ユーノはそんな事を考えながら、アルフとプロキオンを連れてレクリエーションルームへと向った。

 

クロノがカリムの含んだ言い方を気にしながらも、警護員が待機している艦内応接室へと向っていた。

入ると、そこにはヴェロッサが思いっきり寛いでいた。

「やぁ!クロノ君」

「ヴェロッサ!君だったか」

警護員が知り合いだとわかると、クロノの肩も軽くなっていた。

その証拠に表情が柔らかくなっていた。

座っていたヴェロッサが立ち上がって歩み寄る。

「久しぶりだね。先の調査行以来だ」

「ああ。元気そうで何よりだ」

再会を祝するようにして、ヴェロッサとクロノは手を握り合う。

「今日はどうした?義姉君のお手伝いか?」

クロノが席に着きながら訊ねる。

「うん。カリムが君達を心配してたから……っていうのもあるんだけど」

ヴェロッサが習うようにして、席に着く。

「本音を言えば面倒で退屈な査察任務より、気の合う友人と一緒の気楽な仕事のほうがいいなってね」

「相変わらずだな。君は」

ヴェロッサの本音を聞き、クロノは苦笑する。

「そうしていると局でも名の通ったやり手とは思えないからかえって怖い」

クロノが紅茶が入っているカップを手にする。

「こっちが素なんだけどね」

ヴェロッサは苦笑いを浮かべていた。

「君と君の義姉君である騎士カリム。そしてはやてを加えた三人は局内でも貴重な古代ベルカ式の継承者で有用でレアスキル保有者。その上それぞれの職務でも優秀だ」

「確かにカリムは優秀だし、はやては色々凄い子だけど僕は別に、さ」

「謙遜を。ともあれ君が警護についてくれるのならありがたい。出る前にはやてに声をかけるか?」

「ああ。大丈夫だよ。お土産はもう届けてあるし」

ヴェロッサはその必要はないという感じで告げた。

「それとクロノ君。出る前にひとつ聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「何だい?」

「さっきそこでスクライア司書長に会ったんだけどね」

ヴェロッサの表情は能天気なものではなく、『査察官』としての表情になっていた。

「ユーノがどうかしたかい?」

「彼ってどういう人なんだい?」

クロノはヴェロッサがどうしてそのような事を訊ねてくるのかはわからなかった。

「元フェレットもどきで『無限書庫』の司書長で、なのはの魔法の師匠でイマジン達に毒されて口が達者になった奴、くらいだけど。それが何か?」

「僕の印象とは違うなぁっと思ってね」

ヴェロッサは紅茶を口に含む。

「君はどういう風に思ってるんだい?」

クロノの質問に答えるためにヴェロッサはカップをテーブルに置く。

 

「普段は温厚で人当たりのいい人だけど、肝心な部分は決して人にはさらけ出さない上に自分の事になると人を踏み込ませない壁を作っている人かな……」

 

ヴェロッサのユーノに対する印象にクロノは何も言えなかった。

クロノ自身、ユーノについてどのくらい知っているかと聞かれると返答に詰まってしまう。

言われてみたらわからない部分が多い。

休日はどのように過ごしているのかとか。

趣味は何なのかとか。

高町なのはとの仲はどのようになっているかとか。

「六年の付き合いなのに君に指摘されるまで考えもしなかったな……」

腐れ縁で六年なだけという事を改めて認識させられた。

 

レクリエーションルームではというと。

和洋中とありとあらゆる料理がギッシリと並んでいた。

「おお!すごいですねぇ」

「肉がある!!」

「こんなに用意されたんですか?」

「ユノさん。コレ食べてもいいんですか?」

エイミィ・リミエッタが驚き、アルフが眼を輝かせユーノが調理したリンディ・ハラオウンに訊ね、プロキオンがユーノに食してもいいのかと聞いてきた。

「半分はアコース君からの差し入れよ。任務を終えたエース達にですって……」

そうなると半分はリンディが用意した事になる。

「艦長……じゃないリンディさんもすみません」

エイミィが未来の義母に頭を下げながら、自身もエプロンを着用する。

「ふふ。いいのよ。私も艦を降りてから平穏な内勤職員だもん。子供達のお世話してあげたいしね」

リンディは現在のライフスタイルを満喫していた。

「そうですか」

エイミィも料理の準備に取り掛かる。

「と、言ってるそばから……」

リンディとエイミィの顔を向ける方向に、前線に向っていた面々が入ってきた。

「ただいま戻りましたー♪」

八神はやてが筆頭になって、声高らかに叫ぶ。

「おかえり」

「おつかれー」

リンディとエイミィが労いの言葉をかける。

「フェイトー♪」

アルフが主であるフェイト・T・ハラオウンに駆け寄った。

「おお!なんだこの食事の量!?」

「すごいわねー」

テーブルに乗っている食事の量を見て、ヴィータとシャマルは驚きの声を上げていた。

「この辺はアコース君から」

リンディがテーブルに乗っている食事の実状を話す。

「あ、ロッサ(ヴェロッサの事)来てるんですか?」

「クロノ君と一緒に本局まで護送だって」

はやてにしてみてもヴェロッサ来訪は予想外だったらしい。

エイミィが来訪目的を話した。

「お疲れ様です。義母さん」

「うん」

フェイトが抱きついているアルフの頭を撫でながら、リンディに労いの言葉をかける。

「ユーノ君、ロッキー君。三日ぶり♪」

「うん。なのは」

「はい!なのさん!」

ユーノと高町なのははハイタッチをする。

パンという掌同士がぶつかる音が鳴る。

ユーノとプロキオンにしてみれば三日ぶりではなく、さっき会ったばかりだがなのはは知らない。

「ロッサもクロノ君と一緒なら会いに行ってもお邪魔かなぁ……」

「あの二人、仲良しさんですもんね」

はやては男同士の友情に水を差すわけにはいかないと自粛し、シャマルはその判断が妥当だと思った。

 

クロノとヴェロッサは艦内応接室ではなく、転送室へと移動していた。

「最近はどうだい?次元世界(うみ)の方は?」

主要地上世界(おか)と同じさ。芳しくない」

ヴェロッサの問いにクロノは答えるが、両者共に先程のような穏やかな表情はしていない。

仕事をするときの表情だ。

「『世界は変わらず、慌しくも危険に満ちている』で、旧暦の時代から言われている通りだ」

クロノは旧暦の格言を引用した。

「各世界の軍備バランスの危うさ。世界内での紛争や闘争。それぞれの世界が壊れないようするだけで手一杯さ」

「陸も相変わらずだね。危険なロストロギアの違法捜索や不法所持にさらにはそれらの密輸問題。地上はまさにそういったことの舞台だからね」

人がいる限り、どこの場所にも平和はないと言いたくなるような内容を二人は言う。

「破滅的な力を持つロストロギアはよからぬ輩の手に落ちればすぐさま争いの道具となる……」

「そして『秘匿級』のロストロギアともなれば戦いの道具として手に入る事が出来れば……」

クロノが切り出し、ヴェロッサが続ける。

二人の目の前には輝きを出している一つの石が厳重に保管されていた。

人を魅了する光だ。

二人はそのように思ってしまった。

「世界の『バランスを崩す』どころじゃない」

「破滅に向って一直線……ってね」

クロノとヴェロッサは最悪の事を口に出した。

「そうやって滅びた世界はいくつもあるのに、それでも自分達を守るために力を求めなきゃいけない……」

「そういう気持ちもわからなくもないんだけどね」

「しかしそれでも……」

クロノとヴェロッサは複雑な表情を浮かべている。

余程の事でない限りは自衛手段として力を求めているからだ。

それを一概に『悪』と言い切るほど自分達は立派ではない。

「それを防ぐために働かなきゃならない……だろう?」

「こういう仕事を選んだ以上はな……」

ヴェロッサとクロノは決意を秘めた眼差しを向け合っていた。

「検分はもういい。封印処理を頼む」

「はい。クロノ提督」

クロノはアースラスタッフの一人であるルキノ・リリエに処理を命じた。

「検査担当が誰だか聞いてるかい?」

「技術局のマリエルさんのチームらしいよ。ところでクロノ君。最近噂になっている青い仮面ライダーについてどう思う?」

「青いゼロノスのことかい?」

「青いゼロノス?」

ヴェロッサは話題を変えてAゼロノスの事を切り出し、クロノが応じた。

「ああ。今日の任務で姿が明らかになってね。僕が名付けたんだ」

「神出鬼没で正体は不明。目的はイマジンを倒す事、つまり『時の運行』を守る事と考えていいね」

「僕達の味方になると思うかい?はやては味方にはなってほしいと言ってるけど、乗り気ではなくてね」

「無理もないさ。管理局に引き込んでイマジンが現れる度にその変身者に出動要請していたら間違いなく管理局の財政は破綻するよ」

ヴェロッサはゼロノスの変身に用いる代価を知らされていないのか、味方にはなってほしい純粋に思っている。

対してクロノは味方になってほしいと思いつつも、そうなったら時空管理局の財政は破綻すると断言していた。

「財政破綻って……。クロノ君、大袈裟すぎない?」

「いや支払う代価がアレである以上、そうなっても不思議じゃないさ」

「一体何を代価にしてるんだい?」

ヴェロッサがクロノに早く答えるように急かす。

 

「記憶だよ。正確には『変身者に関する記憶』を僕達周囲の人間が忘れていくんだ」

 

「………。だからはやては乗り気じゃなかったし、クロノ君は味方に引き入れた場合財政破綻をしてもおかしくないって言ったんだね」

ヴェロッサはようやく義妹や友人が複雑な表情を浮かべている事を理解した。

「良太郎が言うには忘却している以上、取り戻す事はできるらしいがあまり効率的とはいえない上に僕達ではどうしようもない手段だそうだよ」

クロノはかつて野上良太郎に訊ねた事がある。

その際に『時の列車』で過去に向えば忘却した記憶を取り戻す事が出来るらしい。

だが『時の列車』を所有していない時空管理局ではその方法は使えないし、忘却した人間を捜し当ててその都度、過去に向わせるなんて非効率にもほどがあるというものだ。

「つまり一度忘れてしまったら……」

「事実上、不可能だろうね」

クロノは締めくくった。

「現在イマジンを倒す事が出来るのは青いゼロノスだけというのが余計に辛いね……」

「邪な企みを持つ偉い人は是が非でも引き入れようとするし、管理局の面子を過剰に保とうとする者は適当な罪をでっち上げて犯罪者同然に扱うかもしれないしね」

ヴェロッサとクロノはAゼロノスは管理局にとっても決して楽観視できない存在だと言う。

Aゼロノスにとって最大の敵は半端な権力を持つ者の嫉妬ややっかみだろう。

巨大な組織にとって一番の屈辱とはたった一人によって存在を虚仮にされることだ。

それから三分後に二人は転送室から出立した。

 

「アースラ本局直通転送ポイントに到着。クロノ君とアコース査察官転送室から無事出立!というわけでみんなは安心して食事を楽しんでね♪」

レクリエーションルームではエイミィがクロノとヴェロッサが無事に出立したと告げた。

その場にいる全員がテーブルに置かれている料理を我先にと手にしていた。

アルフは目当ての肉を手にして、かぶりついていた。

なのは、フェイト、はやての三人は「おつかれー♪」と言ってグラスを片手に乾杯する。

ユーノも皿に料理を乗っけていく。

その量は明らかに『無限書庫』で内勤している人間の量とは思えなかった。

誰もがその量を見て目を丸くしていた。

「?どうしたの?みんな」

ユーノは気にせずに皿に盛り付けていき、口の中に放り込む。

「僕も食べまーす!」

プロキオンはユーノが盛り付けた皿の料理を食べていく。

その仕種は何とも可愛かったりする。

なのはやリィンは目をキラキラと輝かせている。

ビクッと何か寒気を感じたのでプロキオンは手にしている料理を口に含んでから専用席であるユーノの左肩に乗っかる。

「ユーノ君」

シャマルがグラスを渡してくれた。

「ありがとうございます。シャマルさん」

シャマルは笑顔で渡す。

(あの世界にいたって事は聞くまでもなくイマジンがいたのね?)

直後にユーノに念話の回線を開いた。

(ええ。イマジンはすぐに倒しましたけど、その後の機械兵器があんなに現れて帰るのに手間取ったんですよ)

(そう)

(これで何枚目になる?)

ザフィーラ(獣)がシャマルの隣に寄り、念話の回線に入り込んだ。

(今月に入って三枚目です)

(ちょい待ち!アタシを抜きにして話を盛り上げるのはなしだよ!)

(僕もです!)

骨付きマンガ肉を持ったアルフも寄って、念話の回線に入り込んだ。

プロキオンはイマジンであるが契約者がユーノである為かそれとも突然変異かどうかはわからないが、『念話』という手段を使う事が出来る。

「ユーノ君?」

フェイト、はやての二人が会話を盛り上がる中、なのははユーノを見た。

プロキオン、アルフ、シャマル、ザフィーラに囲まれて何かを話している姿が見えた。

ただそれだけなのに、何故だろう。

(何でだろう……。同じ部屋にいるのにユーノ君が遠い人のように感じちゃうよ……)

なのはの胸中で言い知れない不安が渦巻いていた。




次回予告

第五話 「夢に向かう者。夢を護る者」
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