問題児と銃使い(?)が異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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日本語、難しい・・・。


白夜叉との会合、だそうですよ?

「な、なんであの短時間で“フォレス・ガロ”のリーダーと接触して、しかも喧嘩を売る状況になったんですか!?」「しかもゲームは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備をする時間もお金もありません!」「一体どんな心算があってのことことですか!?」「聞いているのですか三人とも!!」

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

 

「黙らっしゃい!」

 

スパーン、と黒ウサギのハリセンが炸裂する。

 

世界の果てを見た後、噴水広場で飛鳥達と合流したら黒ウサギが飛鳥達三人に怒りだした。

 

なんでも他のコミュニティに喧嘩をうったらしい。

 

「別にいいじゃねえか。こいつらも見境なく選んで喧嘩売ったわけしゃないんだから許してやれよ」

 

十六夜が仲裁に入る。

 

「い、十六夜さんは面白ければそれでいいと思っているのでしょうけれども、このゲームで得られるものは自己満足以外ないんですよ?この“契約書類”を見てください」

 

黒ウサギが見せた“契約書類”は“主催者権限”を持たない者達が“主催者”となってゲームをするために必要なギフトである。

 

それにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品がかかれており“主催者”のコミュ二ティのリーダーが署名することにより成立する。黒ウサギの指す賞品の内容は、

 

「“参加者が勝利した場合、主催者権限は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しく裁きを受ける。のちにコミュ二ティを解散する”ー確かに自己満足だな」

 

「で、ですが時間さえかければ、彼らの罪は暴かれます。だって肝心の子供たちは・・・」

 

「確かに人質は既にこの世にいないわ。そこを責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。しかしそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの」

 

「黒ウサギ、ここはお前か退がれ」

 

「しかし」

 

「しかしも何もない。こいつはもう既に決まったことだ。今何か言うよりも準備をしたほうがいい」

 

殊牙の言葉を聞いて考える黒ウサギ。そして諦めたように

 

「確かに殊牙さんの言う通りですね。はあ、仕方のない人達です。でもまあ腹立たしいのは黒ウサギも同じですし、“フォレス・ガロ”程度の相手なら十六夜さんと殊牙さんがいれば楽勝でしょう。」

 

しかし黒ウサギのこの考えは十六夜と飛鳥の言葉によって無視されることになる。

 

「何言ってんだ?俺は参加しねえよ。」

 

「当然よ。貴方なんて参加させないわ。」

 

フン、と鼻を鳴らす二人。

 

「だ、駄目ですよ!御二人はコミュ二ティの仲間なんですからちゃんと協力しないと!」

 

「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。いいか?この喧嘩は、こいつらが売った。そしてヤツらが買った。だから俺達が手をだすのは無粋だって言ってんだよ」

 

「あら、分かっているじゃない」

 

「・・・ああもう、好きにしてください」

 

「はは・・・それじゃあ今日はコミュニティに帰る?」

 

「いえ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日ならば今日中に“サウザンドアイズ”に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと」

 

「“サウザンドアイズ”?」

 

「YES!“サウザンドアイズ”は特殊な“瞳”のギフトを持つ者達の集まったコミュ二ティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュ二ティです」

 

「ギフト鑑定におけるメリットは?」

 

「自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

黒ウサギの言葉に対して反論もなく、一同は“サウザンドアイズ”に向かった。

 

“サウザンドアイズ”に向かっている途中、飛鳥が道の脇を埋める桃色の街路樹を見て呟く。

 

「桜の木・・・ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けているはずがないもの」

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合いの入った桜が生きててもおかしくないだろ」

 

「・・・?今は秋だったと思うけど?」

 

「・・・俺のところも夏だった」

 

話がかみ合わない。そこに黒ウサギが

 

「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのデス。元いた時間軸以外にも歴史などが所々違う箇所があるはずですよ」

 

「へぇ?パラレルワールドってやつか?」

 

「近しいですね。正しくは立体交差並行世界論と言うもの何ですが・・・今からコレの説明をするには時間がかかりすぎますので、またの機会ということに」

 

そんなことを話している内にどうやら店に着いたらしい。途端に黒ウサギが走り出す。店の方をよく見ると割烹着の女性店員が看板を下げようとする。

 

「まっ」

 

「待ったは無しです御客様。うちは時間外営業をしていませんので」

 

間に合わなかったようだ。

 

「ちょっ、まだ閉店五分前のはずですよ!それなのに客を締め出すなんて!」

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方の出入りを禁止します。出禁です」

 

「出禁!?これだけで出禁とか御客様を舐めすぎでございますよ!?」

 

「なるほど、確かに“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュ二ティの名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

「・・・う」

 

一転して言葉に詰まる黒ウサギ。そこに殊牙が

 

「・・・俺らのコミュニティは“ノーネーム”」

 

「ほほう、どこの“ノーネーム”様でしょうか?」

 

「どこだっていいだろ。どうせここは“ノーネーム”はお断りなんだろう?だったらここに来た黒ウサギが悪い」

 

「しかし!」

 

殊牙の言葉に食い下がる黒ウサギ。

 

「しかしも関係ない。無理を押し通したって無駄だ。ここは帰って作戦なりなんなり話した方が効率がいい」

 

「・・・はい」

 

殊牙の言葉に納得し小さく返事をする黒ウサギ。

 

「うちのものが迷惑「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」・・・なんすか、これ」

 

殊牙が店員に謝ろうとすると着物風の服を着た髪の少女が黒ウサギに抱きつきそのまま吹き飛んだ。

 

ちなみに店員は頭を痛そうに抱えていた。

 

「・・・聞くけど、あれ誰?」

 

「・・・うちのオーナーです」

 

ハア、とため息をつく店員。

 

「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地からして違うのう!ほれここか?ここが良いか?ここが良いんだな!?」

 

黒ウサギに抱きついた少女は何度も何度も黒ウサギの黒ウサギの胸に顔を埋めてなすりつけていた。

 

「し、白夜叉様!い、いい加減にしてください!」

 

黒ウサギは無理やり引き剥がして店に向かって投げつける。

 

その少女を十六夜が

 

「殊牙!パスだ!」

 

足で殊牙にパス(?)をする。

 

「ここはノリに乗っておくかな、と!」

 

殊牙は地面に向かって叩き落す。

 

「ゴバァ!お、おんしら、飛んできた初対面の美少女を足で蹴り飛ばし挙句のはてに地面に叩きつけるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ、以後よろしく和服ロリ」

 

「そっちが先に黒ウサギに手を出した。ちなみに俺は殊牙だ」

 

「貴女はこの店の人?」

 

飛鳥がタイミングを見計らって話しかける。

 

「おお、そうだとも。この“サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしの年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「オーナ。それでは売り上げが伸びません。ボスが怒ります」

 

堂々としたセクハラ発言。それを冷静な声で女性店員が釘を刺す。

 

「ふふん、お前達が黒ウサギの新しい同士だな? そして異世界の人間が私の所に来たということは・・・遂に黒ウサギが私のペットに」

 

「なりません! どういう起承転結があったらそういうことになるのですか!」

 

ウサ耳を逆立てて怒りをあらわにする黒ウサギ。

 

「まあいい。話があるのなら店内で聞こう」

 

「いいの?そっちの店じゃ“ノーネーム”は」

 

「個人で招く分には構わんよ。ボスに睨まれたとしても怒られるのは私だけだからな」

 

「まあ、そっちがいいなら別にいいけど」

 

白夜叉に招かれて店内に入る殊牙達。

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

私室と言っても一人分には少し大きい。それにかなり和風な感じだ。中には香の様な物が炊かれており、五人の鼻をくすぐる。

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

投げやりな態度で受け流す黒ウサギ。

 

「その外門、って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強大な力を持つ者達が住んでいるのです」

 

黒ウサギが上空から見た箱庭の図を見せてくる。それを見て四人は

 

「・・・超巨大タマネギ?」

 

「いえ、超巨大バームクーヘンじゃないかしら?」

 

「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ」

 

(バームクーヘンがわからないから黙っておこう)

 

黒ウサギが書いた絵はバームクーヘンそっくりだった。

 

「ふふ、うまいこと例える。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」

 

白夜叉が黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向ける。

 

「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したのか?」

 

「いえいえ。この水樹は殊牙さんがここに来る前に、蛇神様を拳銃で叩きのめしてきたのですよ」

 

黒ウサギが殊牙の腰に着いてあるホルダーを指指しながら言う。

 

「最初にあいつを叩きのめしたのは十六夜」

 

「トドメを刺したのはお前だろ」

 

「なんと!?クリアではなく直接的に倒したとな!?ではその童達は神格持ちの神童か?」

 

「いえ、黒ウサギはそうは思えません。神格なら一目見れば分かるはずですし、それに殊牙さんの持っている拳銃も普通のようですし」

 

「それもそうだな。しかし神格持ちを倒すには同じ神格持ちか、種族によほどの崩れたパワーバランスがある時だけのはず。種族の力、というなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ」

 

(神格、ね)

 

白夜叉の物言いに心当たりがある殊牙。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」

 

それを聞いた十六夜の瞳が物騒に光、白夜叉に問いただす。

 

「ということはオマエはあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東の“階層支配者”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者なのだからの」

 

“最強の主催者”―――その言葉に、十六夜・飛鳥・耀の三人は一斉に瞳を輝かせる。

 

「そう・・・ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」

 

「無論、そうなるのう」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

 三人は剥き出しの闘争心を込めて白夜叉を見る。白夜叉はそれに気づいたようにからからと笑う。

 

「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え?ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。

 

「よいよ。黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

 

「ノリがいいわね。そういうの好きよ」

 

「ふふ、そうか。―――しかし、ゲームの前に一つ確認しておく事がある」

 

 白夜叉は着物の裾から向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、壮絶な笑みを浮かべ、一言。

 

「おんしらが望むのは“挑戦”か―――もしくは、“決闘”か?」

 

 




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