Fate/Living god 現人神として転生したんだが好き勝手しても良いよな?   作:妖牙

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 更新が遅くなってしまい申し訳ありません。前回の更新から大分時間が空いてしまいました。

 今回はトロイア戦争に関するお話です。主人公の行動が果たしてトロイア戦争にどの様な変化を齎すのでしょうか。

 少しでも目を通して頂ければ幸いです。

 注意・今回のお話にもトンデモ展開があります。苦手な方はご注意下さい。


ギリシャ神話Ⅱ

―――――トロイア戦争と呼ばれる戦いをご存知だろうか?

 

 かのギリシャ神話の中において足かけ9年に及んで行われたとされる戦争であり、ギリシア諸国連合軍(スパルタ)とトロイア王国との間で勃発した。

 

 その戦争には、ギリシア諸国からはアキレウス、アガメムノン、メネラオス、オデュッセウス、パトロクロスなどが、トロイア軍からはヘクトール、ペンテレイシア、プリモアスなどの名立たる英雄達が参加し、熾烈な争いを繰り広げた。 

 

 人間の諍いによって引き起こされた戦いではあるのだが、やがて神々も両陣営に分かれて自らが贔屓にしている英雄に肩入れし出し、この戦争は神々の代理戦争としての面も呈し始めてしまった。それによっていつ戦争が終わるかも分からない泥沼状態となり、数多くの戦死者を出してしまうことになった。

 

 そんな泥沼と化してしまった戦争にも当然終結の時が訪れる。ギリシア諸国連合軍のオデュッセウスが打ち出した奇策―――――即ち『トロイの木馬』である―――――によって、今までギリシア諸国連合軍の攻撃に耐え続けてきたトロイア王国の王城はあっさりと陥落、結果としてトロイア王国は滅亡した。

 

 ―――――因みに、トロイアの王城が陥落した時にトロイアの王族の一人であるアイネイアスが逃げ延びており、彼の子孫であるロムルスがローマを建国するというローマ建国神話へと繋がっていくことになるのは余談である。

 

 さて、トロイア戦争はトロイア王国の滅亡によって幕を下ろしたという一通りの事実を確認して頂いた訳だが、そもそも何故この戦争は引き起こされたのだろうか?

 

 この戦争が引き起こされた直接的な要因としては、トロイアの王族であるパリスがスパルタの王妃ヘレネを誘拐してトロイアに逃げ帰ったことが挙げられる。つまり、他国の王族が他国の王様の妃を誘拐した(人妻に手を出した)ことが原因なのだ。どうしてパリスがこんな暴挙に躍り出たのかについてだが、実はここには神々(もっと正確に言えば女神達)が関わっているのだ。

 

 ある時、ティターン神族の女神テティスと人間の戦士ペレウスが恋に落ち、結婚した。しかし、彼等の結婚式には戦乱の女神エリスは呼ばれず、怒ったエリスは黄金のリンゴに「一番美しい女神へ」と書いて会場に投げ込んだ。すると、これを見た女神であるヘラ、アテネ、アフロディーテは我こそが一番だと争い始めてしまったのだ。この事態を見たゼウスは、トロイアの第二王子パリスを呼んで彼に一番は誰かを決めさせることにした。(他人に丸投げしている時点で可笑しいのだが・・・。)

 

 それから紆余曲折を経て、パリスはアフロディーテを選んだのだが、その際アフロディーテはパリスに褒美としてギリシャ一の美女と言われているスパルタの王妃ヘレネを彼に嫁がせることを約束していた。(尤も、アフロディーテとパリスの約束は口約束のようなものであったし、スパルタ側がその約束を知ったところで素直に承諾するとは思えないが・・・。)

 

 まあ、約束を交わしたところまでは目を瞑るとしよう。だが、この時にアフロディーテと交わした約束によって浮足立ったパリスはスパルタへと赴き、あろうことかそのままヘレネを誘拐してしまったのだ。青天の霹靂とは正にこのことだろう。

 

 いきなりヘレネを誘拐されたスパルタは当然の如くヘレネの返還をトロイアに要求したのだが、この要求をトロイアの王族はおろかヘレネに魅せられてしまった一般市民までもが拒否したのである。(王族はまだしも一般市民達よ、それでいいのかと突っ込みたくなる。)

 

 舐め腐ってんのか、と言われても可笑しくない対応をしたのだ。これでは、戦争を吹っ掛けられても仕方がない。

 

 斯くして泥沼とも言えるトロイア戦争は引き起こされることになったのだ。戦争や歴史に『もしも』等は存在し得ないが、もしトロイア戦争が起こることが無かったら一体どんなことになっていたのだろうか。

 

 それは誰にも分からない――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『スパルタとトロイアの戦士諸君!気合い入ってるかァァァァァ!!』

 

『ウォォォォォォォォ!!』

 

 俺の拡声器越しの声に合わせて雄叫びを上げる戦士達。数はざっと数百から数千ってところだろう。それだけの数の戦士たちが、特別に拵えられたこの会場を埋め尽くしていた。

 

 いや~、毎年思うが凄い数だな。正に壮観と呼ぶに相応しい景色だ。

 

『今日という日に向けての準備は万全かァァァァァァ!!』

 

『ウォォォォォォォォ!!』

 

『今回で九年目だけどやる気は十分かァァァァァァ!!』

 

『ウォォォォォォォォ!!』

 

 そう、なんやかんやありつつ早いもので今年でこのトロイア戦争―――――――いや、トロイア大運動会と呼ぶべきだな―――――――も九年目に突入でありますよ。

 

 え?トロイア戦争じゃないのかだって?違うんでござる。ここにも私は介入させて頂きますた。いやぁ、血塗れな泥臭い戦争なんて正直見たくなかったんで、オリンピックみたいな競技大会形式の決戦場を用意して『そこで雌雄を決したら良いじゃない』と提案したんだよ。

 

 最初はそんなので決着を着けるなんて言語道断だとスパルタとトロイア両方から言われたんだが、そこは試しにやってみようぜと押し通してやらせてみたところ、何とこれがかなり大ウケしちゃったらしい。まあ、ウケるように景品を用意したりとか色々と細工を施したのもあったが、犠牲者が出ることもなく、資金の出費も戦争をするよりも遥かに低く抑えられるということもウケた理由らしい。あ、因みに会場の設営とかは俺が責任を持ってキッチリやっておきましたよ。言い出しっぺは俺である以上、これ位はやっておかなきゃね。

 

 本当なら一年目で雌雄が決する筈だったんだが、何故か毎年引き分けるんだ。そうしてズルズルと九年目、トロイア戦争の行われていた期間とほぼ同じになってしまった。もしかしたら、せめて期間だけでも史実の通りにという修正力が働いているのかもしれないな。これが歴史の、世界の修正力か。(驚愕)

 

 まあ、そんなものあっさり無視できるスキルを『作れる』からあっても関係ないけどね。え?何でスキルを作れるのかって?だって俺現人神だし♪

 

 ・・・という冗談は置いておいて。真面目に答えると俺の特典である『異能を創造する神の御技』(スキルメーカー)という能力のお陰だ。効果は単純にして明快、俺が望む効果を発揮できるスキルを自由自在に生み出すというものだ。アニメや漫画の中の能力を再現することは勿論、オリジナルの能力だって作れちゃう優れ物だ。しかも生み出した能力は他人に分け与えることも可能だから、何の変哲もない平凡な一般人を超能力者に大変身させてしまうなんて芸当をやってのけることもできる訳さ。

 

 まあ、俺の特典についてなんて今はどうでも良いか。今は目の前のことに集中しよう。

 

『筋肉鍛えてますかァァァァァァ!!』

 

『筋肉全開だァァァァァァ!!』

 

 こんな質問を叫んだ俺も如何かしてるが、何でこの質問だけその答えなんだよ。しかもその答え言ったの絶対スパルタの奴らだろ。いや、あいつらしか言わんでしょこんな脳筋染みた言葉なんて。ほら、今も一番表情を輝かせながら盛り上がってるのあいつらだけだし。

 

『ちゃんと宿題とか仕事とかやってきたかァァァァァァ!!』

 

『・・・・・・・・・・・・・・。』

 

 え、なんで沈黙してんの。もしかしてやってないんか!?

 

 バッと戦士達に視線を向けると、一部の人間を除いて居心地が悪そうに俯いていたり、視線を泳がせていたりしていた。アキレウスやヘクトールなどの名高い人間はケロッとした表情で立ってるんだが、残りがそうじゃないみたいだ。特にスパルタの奴ら、俺と視線合わせた瞬間にあからさまに動揺してるってことはお前らほぼ全員アウトじゃねえか。

 

 何やってんだよダレイオスとかの歴代のスパルタの王達は。武力に力入れすぎたツケが全国民脳筋化という形で回ってきてるぞ。何なの?スパルタでは全国民脳筋化計画でも秘密裏に遂行してるの?

 

 全く、ちゃんと勉学にも力を入れとけってあれだけ言っといただろうに。(憤怒)

 

『――――――――やれよォォォォォォォ!!』

 

 沈黙が支配していた会場に俺の怒声が響き渡る。いや、こいつらやるべき仕事放棄して来てるんだもん。これぐらいは言わなきゃダメでしょ。特にスパルタの奴ら、テメェ等にだよ。

 

 え?さっきからスパルタの奴らだけに風当たり強くないかって?そんなことないよ?別に昔スパルタの奴に(何処かは敢えて明言しないが)掘られかけたことを根に持ってる訳じゃないよ?ホ〇ォな奴がいる国なんて滅んじゃえば良いなんて思ってないよ?本当だよ?

 

『何なのお前等!?まさかの仕事丸投げェ!?そんなことしちゃダメでしょォ!!いいかお前等!こういう時、後に仕事とか宿題とか残しておくとだな―――――――――』

 

 兎に角ガツンと言おうとしたその矢先に、隣から肩を優しく叩かれる。叩かれた方へと首を回すと、そこには麗しい見た目をした美少女――――――カリストが立っていた。

 

 え?どうしてカリストが此処に居るのかだって?いや、俺にもさっぱりだよ。何ていうかさ、前に彼女を助けたことがあっただろ?あれ以降、ちょくちょく俺の所にやって来るようになったんだよね。本人的には恩返しの一環として俺の所に来るみたい。

 

 アルテミスにどやされるぞー、って言ってみたりもしたんだよ?でも、中々引き下がらなかったんで、俺も折れて今では受け入れましたよ。

 

 そういえば、アルテミスから色々と言われたことがあったが、もしかしてこのことを言ってたのかね?もうよく分からんよ。

 

「ヤクモ様、落ち着いて下さい。話が脱線しています。」

 

「ん?ああ、うっかり熱が入っちまったか。済まんな止めてくれて。」

 

 いや~、いかんいかん。つい要らん所に労力を割いてしまったか。いい加減にこの脱線癖はどうにかしようと思う。

 

「いえ、それも私に与えられた使命ですから。」

 

 ん?今変なこと言わなかったか?俺の耳が可笑しくなったかな?

 

「俺はお前に使命なんぞ与えとらんぞー。」

 

「自分で自分に与えました。」

 

「ア、ハイ。」

 

 何という理論だ。それでいいのかカリストよ。(困惑)

 

「それよりも、ヤクモ様。そろそろ・・・。」

 

「ん?ああ、そうだな。そろそろ始めますか。」

 

 さてと、皆さんもお持ちかねのようだし、そろそろ開幕の宣言を行うことにしましょうかね。

 

『ああ~、取り乱して済まない。色々と言いたいことはあるが、今は置いておくとしよう。さあ、お前等!今まで通り、己の全てを掛けて戦い抜けよ!』

 

『ウォォォォォォォォ!!』

 

『それじゃあ、行くぜ!第九次トロイア戦争の始まりだぁぁぁぁ!』

 

 さてと、今年も盛り上がって行こうぜ――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――足かけ9年にも及んだとされるトロイアとスパルタ間での『無血決戦』。見つかった壁画や石板などといった資料から、この戦いは後世でいうところのオリンピックとも言うべき様相を呈していたことが判明し、一部の歴史研究家の間では『これこそがオリンピックの源流なのでは?』、『戦争と銘打たれてはいるが、実際は両国間の友好を深めるための祭典だったのでは?』などといった議論が飛び交っている。

 

 そして、この戦いの決着についてなのだが、戦い自体は9年で終結したのは間違いない。しかし、肝心の決着が記されている筈の9年目の戦いに関する資料は全くと言って良い程出現しておらず、唯一の手掛かりである石板も大部分が経年劣化によって読み取れない状態となっている為、真相は現在でも闇の中である。尤も、その後にローマ帝国が興っていることから、『トロイア側の敗北で終わったのではないか』という説が有力であるとされている。

 

 本来の歴史であれば『トロイア戦争』と呼ばれるべきだった戦いは全く異なる形でその存在を歴史に残すことになった。また一つの歴史が狂い、本来の流れから逸脱していく。

 

『血には塗れず、されど汗と勇気に塗れながら戦い抜いた勇者達に敬意を表し、此処にその戦いの記録を残そう。出来ることなら、この戦いの有様が世に広まってくれることを切に願う。』

 

 その一文に込められた意味が何なのか。それは神のみぞ知る――――――――

 

 




 今回はギリシャ神話の中でも比較的有名なトロイア戦争について書かせて頂きました。ガチな戦争の描写でも書ければ良かったのですが、自分の文章力ではとてもではありませんが書ききれないと思いこのような形になりました。(それと、主人公の雰囲気やこの作品の作風にも合わない気がしたというのもあります。)

 今回のお話は人によって賛否が分かれると思います。正直、そろそろ叩かれるんじゃないかと思っております・・・。

 次回も早めに投稿出来るよう努力致しますので、これからもこの作品を見守って頂けると幸いです。
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