Fate/Living god 現人神として転生したんだが好き勝手しても良いよな? 作:妖牙
やあ、姿を消せる神器を使って暗殺者紛いのことをしている俺だ。実際はギルガメッシュの顔を拝みに行くだけなんだが、やってることは暗殺しに行ってるようなものなので反論ができない。因みにこれは弁明だが、俺には暗殺なんて起こすつもりはないと言っておく。だってその後のこと考えたら面倒臭いじゃないか。何より、あの金ピカ慢心王は慢心こそするがそう易々とくたばる様なタマではない。これは確実だと思うが、異論は認める。
そんなことはさておき、今俺はギルガメッシュが恐らく住んでいるであろう巨大な城の前にいる。無論誰からも見られていないし、あっさりと城門とかもスルーしてきたばかりだ。こんな不審者通すなんて衛兵何してんの?とか思われた方が居るかもしれないのでここで衛兵の皆さんへのフォローをさせてもらうが、決して衛兵の皆さんが無能だという訳じゃなく、俺が使っている神器が反則なのだ。だから衛兵の皆さんを責めないであげてほしい。
因みに俺の今使っている神器の名前は
「それにしてもデカイな。日本の城とはまた違う迫力がある。」
まだ城の中に入ってはいないものの、その城の大きさに驚嘆していた。やはりこの世の全ての財宝を手にした男の城は一味違ったようだ。誰からも見られることがないのをいいことに、ゆっくりとした歩調で城の中へと足を進めていった。
―――――――――この時に気付くべきだった。何処か怪訝な表情を浮かべながらも俺の方を真っ直ぐに見つめていた人物がいたことを。そしてその人物の容姿が中性的で非常に美しいものであったということを。そうしていればきっと恙無く事を終わらせて旅に出られたかもしれなかったのに―――――――
城の内部を悠々と歩くこと30分。ぶっちゃけ広すぎて歩くのがしんどくなってきた。いや、肉体的にではなく精神的にしんどくなったという話よ。最初の方は城の中の調度品とかを見て驚嘆したり、恐らく給仕なのであろう女人達がせっせと働く仕事風景なんかを見たりしてそこそこ楽しんでいたのだが、正直飽きたのだ。
そもそも不法侵入をしている俺からしてみればさっさと目的を達成してしまいたいのだが。ギルガメッシュがどこにいるのかが分からない以上この広大な城の中から探し出すのは厳しい。神器使えばいいじゃんと思った人もいるだろうが、今の状態だと別の神器を併用することが出来ないのだ。
結局は自分の足で探さなければならない訳である。
「このままじゃ埒が明かん。一気に上から探すか。」
ギルガメッシュの性格から考えて、きっと高い場所にいるのではと予想を立てて、一気に最上階を目指すことにする。じゃねえと埒が明かねえもん。そうと決まれば階段を探すぞ!階段は何処じゃぁぁぁぁぁぁ!!
結果だけ言おう。ギルガメッシュは見つかった。但し、部屋に足を踏み入れた直後に剣が飛んできた上に、ギルガメッシュ傍には表面上は穏やかな表情を受かべてはいるが静かに殺気を放つエルキドゥも一緒にいた。ついでに言うと二人の視線は俺がいる場所に釘付けである。あれ?俺の存在バレてる!?
「我の城に足を踏み入れた愚かなる雑種よ。どのような手品かは知らんが姿を見せよ。」
あらら、やっぱりバレてる。流石に見破られるとは思ってなかったんだがな。見破られているのならこの腕輪も必要ないか。魔力の供給を絶って、隠蔽していた姿を彼等の前に晒す。
姿を見せた瞬間に全身へと注がれる視線。片方は此方の力を計ろうとする視線が、もう片方は面白いものを見たと言わんばかりの品定めをするような視線だ。どっちがどの視線であるかは言わなくても分かるだろう。
「いやはや、まさかバレるとは思わなかったな。」
出来るだけ動揺しているのがバレないように口を開くが、返って来たのは射殺すような殺気を帯びた視線と嘲笑だった。
「ふん。確かに姿を眩ませていた道具の力は認めてやろう。大方あの神々から貸し与えられた道具のようだが、それが通じるのはただの人間のみ。神を知る我にはその溢れ出る神の気配が手に取るように分かるわ。」
「成程。神性を持つ相手には通じなかった訳か。これは盲点だったな。」
思わぬ改良点が浮上してきたな。このままだとイスカンダルとかにはバレるというわけか。後で改良しておこう。
「それで?この我の城に足を踏み入れたのだ。何が目的だ?我の命でも奪いにきたとでも申すか?」
そのギルガメッシュの言葉で、この場に満ちていた殺気がより濃い物へと変わっていく。これは下手な回答をした瞬間、戦闘開始だな。
「いやいやそんなつもりは。彼の英雄王の御尊顔を拝みたいと思い、ここまで足を運んだだけのこと。それ以外の目的はないよ。」
俺は本当の目的を告げるが、殺気はより濃くなるばかりだ。もうおうち帰りたい。あっ、俺家なんて持ってなかったや。
「どちらにせよ生きて返れると思うなよ雑種。だが、貴様が持っている姿を消す道具をこの我に献上すると言うのならば見逃してやらんでもないぞ?」
口ではそう言うが、恐らくギルガメッシュは俺を見逃す気はないだろう。どちらにせよ『隠匿の腕輪』は渡せないからその言葉が本当でも関係ないのだが。
「それは悪くないな。だが生憎とアレは改良点の多い代物でね。どちらにせよ渡せないんだよ。」
俺の言葉を聞くと同時に、ギルガメッシュの背後に無数の剣や槍などといった武器が並び、此方へとその矛先を向けた。恐らく俺が『隠匿の腕輪』を渡していたとしても向けられていたであろうその宝具の数々を見て戦慄する。画面越しに見てきたものが今殺気を添えて目の前に自分の命を奪おうとするために存在するのだ。これを見て戦慄しないわけがない。
だが、今の状況はとても―――――――――
「ほう、命の瀬戸際でありながら笑うとは頭でも狂ったか。」
「違えよ。楽しみで仕方ねえんだよ。今ここでお前みたいな強者と戦えるのがなぁ!!」
―――――――そう楽しい。何時の間にこんな好戦的な性格になってしまったのかと考えたことはあるが、今となってはそんなことはどうでもいい。口の端が耳元まで届くのではと言わんばかりに歪むのが自分でもよく分かる。嫌な癖が身についてしまったものだ。こうなったのも全部
「この我との戦いを望むか。ならば、望み通りここで死ね―――――雑種!!」
「手加減なしで行くぜ!
今ここに、現人神と英雄王が激突する。
今回はここまでです。ギルガメッシュが主人公に腕輪を渡すように促したり、一応会話をしたりしたのは、腕輪や主人公が纏う神の力を感じ取って興味を抱いたからだと思ってください。それ以外の補完でも構いませんが指摘されれば修正します。次回も早めに投稿したいです。(遠い目)
それから、感想や助言なども書いていただけるとありがたいです。近いうちにヒロインのアンケートをとろうかな・・・。