Infinite Stratos~Full Throttle of MACH~   作:朝陽祭

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展開に四苦八苦したり体調不良に苦しむ中、色々と新情報が発表されて困惑してます。

・仮面ライダーチェイサー:未視聴
・小説版仮面ライダードライブ:面白かったんですがネタを組み込むにしてもまだまだ先の話ですね
・ドライブサーガ第二弾:まって、色々とまって!?
・フィギュアーツゴルドドライブ一般発売:蛮野ォォォォォォッッッッ!!

あとご報告なのですが、今回の話に伴い『他作品ネタあり』のタグを追加します。
今後への布石とでも思っててください。
(どうしてもやりたいネタがあってそれを書く為にこの作品を始めたようなものなので、そこまで行けるように頑張ります)


第四話 その日、目覚めたのは何だったのか~後編~

 

 

 

 

 

 

 

 

 入学式から、一週間が経った。

 

 一夏は楯無の協力によりISの訓練を順調に行い、箒は剣道部に通いながら束から貰ったプレゼントの解析を進め、セシリアも己の訓練を続けていた。

 

 そして、いよいよ模擬戦当日となったその日――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「HA!HA!HA!元気そうじゃないかBADBOY!どうだ?ちゃんと飯は食べてるか!?」

 

「ちょっ、痛い。痛い痛い痛い痛いってハーレー博士!?りんなさん、助けて!?」

 

「ごめんね~一夏く~ん♪私、ちょぉっと手が放せないから~♪あ、箒ちゃんこれ手伝って。」

 

「一夏、感動の再会という奴だ。少しは我慢しろ。」

 

「箒ぃぃぃぃっっっっ!?」

 

 

 

 ――ISの一夏は、サンタクロースのように白ひげを蓄えた老人【ハーレ・ヘンドリクソン】博士に思いっきりハグをされて身動きが取れなくなっていた。

 

 その様子を微笑ましく見つめながら、倉持技研の開発チームとしてやってきた【沢神 りんな】は箒と共に、整備ピットに佇む白を基調とし、黒と赤いラインが差し色になっているISの調整を行っていた。

 

 

 

 

「しかし、これが一夏の乗るIS、【白式】ですか。なんというか……随分とピーキーな機体なのですね」

 

「まぁ、基本コンセプトが千冬ちゃんの【暮桜】と同じだから、ある意味一夏君にはお似合いなのよねー。ただ、調整が大変で大変で……ハーレー博士!そろそろ時間なんで一夏君を離してあげてください。」

 

「おぉっ!もうそんな時間か!それじゃあ一夏、頑張れよ!」

 

「いってぇっ!?ったく、もうちょい手加減してくれよ……」

 

 

 

 白式の調整を行いながら空間モニターを開きカタログスペックを確認していた箒は、その性能に思わずしかめっ面を浮かべている。そんな様子にりんなは苦笑しながら、ハグどころかプロレスじみた形でじゃれあっている一夏とハーレー博士に声をかける。

 

 それを受けてハーレー博士が思いっきり一夏の背中を叩きつつ解放すると、一夏は少しよろめきながらも白式の前に立ち、背中を預けるようにして白式を装着していった。

 

 

(……不思議だな、他のISと違ってなんか妙にしっくりくるや)

 

「織斑、準備はできたようだな。では、さっさと向かえ。アリーナの使用時間は限られているからな」

 

「織斑君、頑張ってくださいね!」

 

「あいよ!山田先生も応援ありがとうございます!さてと――それじゃ、行きますか!」

 

 

 

 白式の感覚に『違和感がないこと』に驚きつつ一夏が各部を動かしていると千冬と真耶がピットを訪れ、一夏にアリーナへ向かうよう促す。

 

 それに答えた一夏は深呼吸をすると、ピットの出撃スペースから勢い良く飛び出していった。

 

 

 

 

「――やれやれ、こっちには挨拶もなしか。」

 

「あーら?箒ちゃんはそんなこと言ってる場合じゃないでしょ?束ちゃんから聞いたわよ~?誕生日プレゼントとして、貰ったんでしょ『あれ』を?」

 

 

 飛び出していった一夏の後ろ姿を眺め、そんなことをぼやいていた箒の後ろから、りんなが笑みを浮かべつつ箒の肩に両手を乗せる。恐る恐る振り向いた箒がりんなの顔を見ると、そこには好奇心に満ち溢れた科学者としての笑みを浮かべたりんなが居た。

 

 

「さ!それじゃ調整も兼ねて思いっきり調べちゃいましょうか!ハーレー博士も手伝ってください!」

 

「いや、これはこの試合で使う予定では……織斑先生!山田先生!助けてください!?」

 

「諦めろ篠ノ之……さて、まずは織斑とオルコットのお手並みを拝見しようじゃないか。」

 

「ご、ごめんなさい篠ノ之さん……」

 

 

 

 りんなに両手を掴まれてピットの奥に引きずり込まれていく箒をよそに、千冬と真耶はアリーナを映しだしたモニターを見つめる。

 

 観客席は授業が終わって集まった1組だけではなく、噂を聞きつけた他の1年生や上級生達の姿もあった。

 

 ……ちなみに余談ではあるが、一夏のコーチを務めていた楯無も試合を観に来ようとしていたのだが、一夏の訓練に付き合うために溜め込んでいた生徒会の書類を片付ける為生徒会室に監禁されているのであった。

 

 本人曰く「私ならあの程度すぐに片付くから、問題なっしん♪」とのことだったのだが、生徒会会計である【布仏 虚】はそれを許してはくれなかったようだ。

 

 

 

 

「さて。双方、準備はいいな?」

 

『こっちは問題ないぜ千冬ねぇ!』

 

『私も準備はできておりますわ織斑先生』

 

「一夏、貴様は後で折檻だ。では――試合、開始!」

 

 

 

 そして、通信装置を手にとった千冬が一夏とセシリアに最終確認を取ると――試合開始の合図が、アリーナに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ――さて、場面は一夏が出撃した瞬間に戻る。

 

 アリーナの中央にてセシリアと対峙した一夏は、その右手に白式の専用武装である【雪片弐型】を出現させると重さを確かめるかのように二度、三度と軽く素振りをした。

 

 

 

「どうやら、調子は問題ないようですわね?結局の所その姿を見るのは初めてですが、『ISに慣れてないせいで負けたー』等と言われたらこちらとしてもどうしようかと思っていた所でしたわ」

 

「へっ、こっちの情報収集を怠ってなかった癖によく言うよ。まぁ、その心配はなさそうだから安心しろよオルコット!」

 

「それは結構。例え相手が初心者であろうと手を抜かないのが私の主義ですから、覚悟してください織斑君」

 

 

 そんなやりとりを交えつつ、二人は牽制を交えつつ相手の動向を伺っていた。

 

 セシリアは己の纏うIS【ブルー・ティアーズ】の武装であるスナイパーライフル【スターライトMk-Ⅲ】をいつでも一夏に向けて放てるように構え、一夏は雪片弐型の切っ先をセシリアに向けつつブースターを小刻みに吹かせることでセシリアの狙いを外そうと動く。

 

 

『さて。双方、準備はいいな?』

 

「こっちは問題ないぜ千冬ねぇ!」

 

「私も準備はできておりますわ織斑先生」

 

『一夏、貴様は後で折檻だ。では――試合、開始!』

 

 

 そんな中、千冬からの通信が双方に届き試合開始の合図が響く。そこで真っ先に動いたのは――ブースターを全力で吹かせ一夏から一気に距離を取りそのままスターライトMk-Ⅲを構えてレーザーを放つ、セシリアだった。

 

 

「あれ、セシリアさん逃げちゃうの?」

 

「織斑君のIS、ブレードオンリーっぽいよね?なんというか余裕そうなんだけど?」

 

(――勉強不足、ですわね。織斑君と倉持技研、そしてあのブレード。そこまでの情報を得たのなら、織斑君のISがブレードオンリーであることに脅威を持つのは至極当然のことなのですが)

 

 

 集音センサーに入ってくる他の1年生の声に内心舌打ちをしつつ、セシリアは一夏が思うように動けなくさせる為に距離を取り、かつ動きまわりながら次々とレーザーを放つ。一夏はというと、その場から動かずにセシリアが放つレーザーを『切り払って』対処していた。

 

 

「へぇ……なかなかやるねぇ織斑君?反応センスはピカイチって所かな。」

 

「それだけじゃない、あの刀、レーザーを切り払うたびに刀身が点滅してる……いや、『切り払う瞬間だけ』エネルギーを展開してるのか。となると、やっぱり――」

 

(さすがに、先輩方の中には気づく方もいらっしゃいましたか。やはりあのIS、織斑先生が現役時代に使用していたIS【暮桜】と同コンセプトのようですわね)

 

 

 ――ISに関連する事柄において、織斑千冬は伝説的な扱いになっている。ISという存在が公になってからほぼ第一線で活躍してきた事実と、過去2回行われたIS世界大会【モンド・グロッソ】において総合優勝および格闘部門の優勝者を2度もかっさらい、殿堂入りの証でもある【ブリュンヒルデ】の称号を唯一所持していることが主な理由だ。

 

 そしてなにより彼女の存在を際立たせているのが、愛機であった【暮桜】の存在だ。【零落白夜】――自らのエネルギーを全て攻撃に振り分けることで、ISに標準装備されているシールドバリアーを切り裂き直接ダメージを与えられる、文字通り『諸刃の剣』な単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)――を備えた専用武装【雪片】のみを武器として戦ったその姿は、当時『サムライガール』とも呼称されていることからわかるように強烈なインパクトを与えている。

 

 

(織斑君は、ISによって女尊男卑が進んだ今の社会において男性陣の期待を背負った存在。織斑先生の愛機を製造した倉持技研が織斑君の機体を製造するというのならば、同じようにISという新鋭の兵器を普及させた『織斑千冬(フラッグシップ)』にあやかろうとするのも不思議ではありません。8割方この路線になるとは思っていましたが当たっても嬉しくないですわねこれ。というか、さっきからこちらの狙撃を『視て』から対応されているのでこちらのプライドが砕け散りそうですわ!?)

 

 

 そんな推測と焦りを心の中に秘めながら、動きまわりながらスターライトMk-Ⅲのトリガーを引き一夏をその場所に足止めしようと動く。かろうじて一夏の足止めという目的は成功しているものの、セシリアは己の分が悪いことを感じ取りながら攻撃を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、モニターで試合を観戦していた千冬と真耶は、冷静に二人の動きを評価していた

 

「オルコットさん、先程からスナイパーライフルによる狙撃のみですね。ブルー・ティアーズの主兵装はその名を冠した遠隔無線誘導型ビットのはずなのですが?」

 

「使いたくとも使えないのだろうさ。実技試験の映像記録を見たが、少なくとも入学時点のオルコットはビットの制御に集中すると他の武器との連携ができず、動きも止まりがちになる。実験試作機という面が強いのを加味しても、織斑のISとは本質的には相性が悪いということを理解しているからこその立ち回りは、むしろ己の欠点をカバーしようと動いているので褒めるべきだな」

 

「なるほど……では、織斑君の方は?オルコットさんの攻撃に対応する反射速度はなかなかのものだと思いますが?」

 

「論外だ。あのバカは自らの技量に白式がどの程度ついていけるのか試そうとわざとオルコットの思惑に乗っかっている。そろそろ動くとは思うが、あの浮かれようではしっぺ返しを食らうだろうな。」

 

「浮かれ……ですか?とてもそうは見えませんが。」

 

「左手をよく見ろ。さっきから手を閉じたり開いたりしているだろう?あれはあのバカの昔からの癖でな、あれをした後は大抵簡単なミスを……山田先生、何をニヤニヤしている?」

 

「いえ、別に?ただ、さすがご姉弟だなぁって思っただk……ちょっと、ちょっと織斑先生!?ヘッドロックは駄目ですって!?」

 

「私はからかわれるのが何より嫌いでな」

 

「わかりました、わかりましたってっ!?」

 

 

 途中、一夏について尋ねられた為つい私情の混じった評価をしてしまった千冬は、照れ隠しにニヤニヤとした表情を浮かべていた真耶にヘッドロックを仕掛ける。

 

 そうこうしているうちに――先程千冬が予見していたように、アリーナでは大きな動きがあった。

 

 

 

 

「それじゃ、そろそろ――ギアを上げて行くかぁっ!」

 

「くっ!?インターセプター!」

 

 

 その言葉と共に、一夏が一気にブースターを点火させてセシリアへと接近し雪片弐型を振り下ろす。セシリアはとっさに近接武装である【インターセプター】を呼び出して受け止めるも、次の瞬間腹部に激しい蹴りが襲いかかり吹き飛ばされる。

 

 

「レディに対して随分と乱暴ですわね!」

 

「バリアがあるから問題無いだろ!もう少し荒っぽくいくから、ギブアップするなら早めになぁっ!」

 

「……ご冗談を!」

 

 

 そのまま接近戦を仕掛けてくる一夏に対し、セシリアは時にインターセプターを、時にスターライトMk-Ⅲを盾代わりにして凌ぎながらどうにか自分のペースに持ち込もうとタイミングを図る。

 

 しかし、一瞬の隙をついて離れようとしても即座に一夏がブースターを吹かせて接近してくる為、先程までとは打って変わってセシリアが防戦一方となっているのであった。

 

 

(しかし、更識会長との訓練の際から思っていたのですが……織斑君、やけに『戦い慣れた』動きですね!それも、喧嘩などのようなものではなくどこか武術の流れを汲む動きでありながら、剣道とはまた違う『なんでもあり(バーリトゥード)』な!いったい、どのような経験を積めばこんなことに!?)

 

「貰ったああああああああっっっっっっっっ!」

 

「くっ……仕方ありませんわねぇ!」

 

 

 防戦一方の最中、一夏の戦い方がやけに慣れているのにセシリアが疑問を持ったその隙を目ざとく見ぬいた一夏が、横薙ぎに雪片弐型を振るう。インターセプターやスターライトMk-Ⅲでの防御が間に合わないと悟ったセシリアは瞳を閉じ――ドレスのスカート状に装着していた遠隔無線誘導型ビット【ブルー・ティアーズ】のうち2基に搭載されているミサイルを、自身が巻き込まれることも厭わずに一夏に向けて放った。

 

 次の瞬間一夏とセシリアを爆煙が包み込み、二人の姿はアリーナの観覧席に居る人間からも、モニターからも見えなくなった。

 

 

 

「くそっ!まさか爆発反応装甲(リアクティブアーマー)まがいのことをしてくるたぁ……レディどうこう言いながら随分肝が座ってるじゃんかよオルコット!」

 

(やっべぇ……とっさに雪片弐型を解除したもののシールドエネルギーがそろそろやばいぞ……さて、どうしたものか……っ!?)

 

 

 もうもうと立ち込める煙幕の中から最初に飛び出してきたのは、一夏だった。そこまでダメージを負っているようには見えないものの、残エネルギーが心許ないことに内心焦りを感じながら、セシリアがどこから現れるのかを注意深く観察していた。

 

 次に煙幕の中から飛び出してきたのは、無数のレーザーだった。とっさに一夏は回避をするものの、更に煙幕から飛び出してきた4つのビットが一夏を追い詰めるかのように距離を取りつつ縦横無尽に動きまわり、レーザーを放っていく。

 

 なにより、最大の難点は――いつの間にか煙幕から飛び出してきたセシリアが、『ビットを操作しつつ動きまわり、一夏へ向けてスターライトMk-Ⅲで狙撃を行っている』ことだった。セシリアもまたビットとは違った動きをしながら縦横無尽に動き回り、一夏を追い詰めていく。

 

 だが、異様だったのはセシリアの表情だ。鬼気迫る表情を浮かべたセシリアは自身の鼻から血が滴り落ちているにも関わらず、高速で移動し狙撃を行いつつ、ビットを操作する。

 

 

 

「――ッ!おいおいどうしたオルコット!その綺麗な顔が台無しじゃないか!レディってのは身だしなみに気を使うもんじゃないのかよ!?」

 

「あなたを相手にしてそこまで考えるのは止めましたわ!このセシリア・オルコットの全力の円舞曲(ワルツ)――一緒に踊っていただきますわよ、『一夏』さん!」

 

「……へっ!上等だ『セシリア』!いくぞおらああああっっっっ!」

 

 

 

 一夏はビットの攻撃を凌ぎながら挑発を入れようとするも、逆にセシリアの獰猛な笑みに一瞬怯み、その想いに応えようと咆哮する。

 

 そして、一夏は白式のブースターを吹かせてセシリアに詰め寄ろうと――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ。盛り上がるのは結構だが、私のことを忘れているだろうお前達?」

 

 

 

 

 

 

 

 ――その瞬間、どこからかエネルギー刃が一夏とセシリアを遮るように飛んでくる。それを回避した一夏とセシリアがエネルギー刃が飛んできた方向を向くと……そこには、真紅を基調としたISに身を包み、長さの違う日本刀状の武器を構えた箒の姿があった。

 

 

「おい箒ぃ!邪魔するなよこれからがいいところなのにさ!」

 

「まったく、無粋ですわね……そんな方だとは思いませんでしたわ!」

 

「貴様ら、バトルジャンキー化してないか!?もっと驚く所があるだろう私が纏ってるISとかなどなぁっ!?」

 

「「束さん(篠ノ之博士)が関わってたら何があってもおかしくないだろ(ですわね)!被害担当お疲れ様(ですわ)!」」

 

「事実だが嫌な納得のされ方だなっ!?後私は被害担当ではないからなっ!?外野も頷くんじゃない!?」

 

 

 

 勝負に水を差されたことに抗議する一夏とセシリアに対しツッコミを入れる箒だったが、妙な説得力を生み出す諸悪の権化(しのののたばね)を引き合いに出され、しかも外野までが一斉に頷いた為困惑の表情を浮かべるしかなかった。

 

 

 

『篠ノ之を責めるな二人共。介入は私の指示だ』

 

「あぁ?どういうことだよ千冬ねぇ?」

 

「納得のいく説明を求めますわ」

 

『貴様ら二人が、この模擬戦がクラス代表を決める為の総当り戦ということを忘れて全力全開で戦いそうだったので予定変更だ。バトルロイヤル方式で最後に残っていた奴がクラス代表だ。どうだ、更にシンプルにしてやったぞ感謝しろ』

 

「それはわかりやすくていいな」

 

「えぇ、実にシンプルですわね。感謝しますわ織斑先生」

 

「お前らそれでいいのか……」

 

 

 途中、千冬による通信が入りルールの変更を言い渡されるが、そちらには抗議どころか快諾する二人に対し、箒は肩を落として脱力した。

 

 どうやらこの二人、戦闘に熱が入って思考回路が戦闘に特化しつつあるようだ。

 

 

 

『さて、3人共問題ないようなら試合を再開しろ。アリーナの借用時間も限られているからな』

 

「それじゃあ……いくぜセシリア!」

 

「えぇ、お供致しますわ一夏さん!箒さん、お覚悟を!」

 

「えっ…………き、貴様らぁぁぁぁっっっっっ!?!?」

 

 

 

 そして、千冬による試合再開の合図が鳴り響くや否や、一夏とセシリアは瞬時にコンビを組んで箒へと襲いかかる。

 

 その猛攻を凌ぎながら、箒の絶叫がアリーナに響き渡るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、アレがもう一人の『仮面ライダー』か……なかなか面白い少年(ギャルソン)じゃないか。実際に相まみえる時が楽しみだよ。」

 

 

 その光景を、ひっそりと中継しているワインレッドに包まれたミニカー状の機械が存在していることには……誰も気がついていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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――中国、IS研究施設内

 

 

 

 

 

 

「――ホォォォォォォォ、ワチャアッッッッ!!」

 

 

 ――掛け声と共に、屈強な体格をした男性や引き締まった肢体を持つ女性達が吹き飛んでいく。

 

 地面が揺れ、衝撃が響く。まるで嵐のような乱舞の中、その中央に――彼女は立っていた。

 

 150センチほどの小さな身体に、所謂ツインテールの形に纏められた髪と黄色のリボン。

 

 身にまとう衣は赤い上着に黒いズボンの武術着。身体のラインを隠しているが、服の上からわかる程にその胸は平坦だ。

 

 それはともかく、その少女はその小さな身体を駆使し飛びかかってくる人々を蹴り飛ばし、なぎ払い、打ち負かしていった。

 

 そして、最後に跳びかかってきた女性の腹部に軽く小指を突き立て間合いを測ると、次の瞬間寸勁を叩き込み、女性を壁に叩きつける。

 

 やがて、疲れたと言わんばかりに首を回して周囲を見渡すと――そこには、息も絶え絶えに屍の山となった人々によって、埋め尽くされていた。

 

 

 

 

 「いやー、相変わらずすごいわねぇ鈴音!確か、流派は『星心大輪拳』だっけ?こっちに戻ってきてからのあなたの努力を証明するかのような凄まじさね!」

 

 「褒めたって何もでないわよ?これでもまだ修行中の身だし、私より極めてる人だってたくさん居るんだから……で、結果は?」

 

 「筆記も実技も文句なし!おめでとう、これであなたもIS学園の一員って訳ね!……まぁ、上がごねたせいで中途編入という形になってしまったのは謝るわ。」

 

 「こっちこそ、無理言ってごめんね。ふふっ、でもようやくか――」

 

 

 そんな鈴音に対し、手を叩きながら軍服を着た女性が近づいて来て労いの声をかける。そんな女性に対し、少女は可愛らしい笑みを浮かべたかと思いきや……天井を見上げると、獰猛な笑みを浮かべる。

 

 

 「――さぁ、待ってなさいよ一夏!」

 

 

 そして、右手を高く突き上げたその少女――【凰 鈴音】は、そう叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~To Be Continued~

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