Infinite Stratos~Full Throttle of MACH~ 作:朝陽祭
このぐらいの分量なら定期的に投稿できるといいなと思っております。
また、色々と試行錯誤中で過去の話と微妙に括弧の使い方等が違う点がありますが、ご了承ください。
それと、ちょっとした解説をあとがきに付け加えております。
「それじゃあ!織斑君のクラス代表就任を祝って!かんぱぁぁぁぁい!」
「「「「「「「「「「かんぱぁぁぁぁい!」」」」」」」」」」
夕日が沈みかけ、空が宵闇に包まれた頃。IS学園のレストランでは1年A組の無駄に行動力のある結果により一区域が貸切状態となり、これまたいつの間にか用意されていた『祝!織斑一夏クラス代表就任!』の垂れ幕の元どんちゃん騒ぎが行われていた。
なお、どんちゃん騒ぎとは言ってもジュースとちょっとだけ豪勢になったバイキングメニューによるパーティーのような形であり、少し離れた場所では他クラスや他学年の生徒達がその騒ぎに苦笑しつつも日常を繰り広げていた。
「…………勝った気が、しねぇ!」
「まぁまぁ。織斑先生が定めたルール上、『最後まで立っていた』のは一夏さんですし。クラス代表となったからにはシャンとしていただかないとこちらとしても困りますわよ?」
一方、祝われる立場であるはずの一夏はというと。
クラスメイトのどんちゃん騒ぎを他所に用意されたスペースの隅で仏頂面を浮かべながらジュースを飲んでおり、その隣ではセシリアが一夏をなだめている様子が伺えた。
理由としては、整備科の面々に連行されて今この場には居ない箒と……彼女が駆る第四世代IS――【紅椿】の存在である。
箒が乱入してきた際一夏とセシリアはそれまでの戦いで気分が昂揚しており、そこに水を差したことへの八つ当たりも兼ねて即興でコンビを組んで箒へと襲いかかった。
だが、蓋を開けてみれば……消耗していた一夏とセシリアが協力しなければ、箒とろくに戦うことができなかったのである。
無論、これは箒と一夏やセシリアの間に技量の差があったという訳ではない。生身での技能については一夏と箒に分野の違いはあれど差はなく、ISの技量という点ではむしろセシリアの方が上だ。
その差を圧倒的に突き放すほど、紅椿の性能が脅威だったのである。
「攻撃・防御・起動のあらゆる状況に対応でき、遠近どころかブルー・ティアーズよりも完成度の高い
「更にはあの【絢爛舞踏】とかいう
「至近距離でのブルー・ティアーズ一斉掃射とフルパワー状態の零落白夜で一点を集中して狙うという攻撃でようやく瞬間的にシールドエネルギーをゼロにできたので撃墜判定となりましたものね……最も私はその前にあのクロスボウみたいな形態で落とされたので、せめてもの悪あがきでしたが。」
「くそっ、今度は最初から全力の状態でぶっ倒してやる!」
「あら、私も負けていられませんわね……では、改めて今回の一応の勝利と、次への勝利に向けて」
「「かんぱい!」」
最終的な勝者であるものの気分は敗北者である一夏と、同じく敗北者であるセシリアは『完敗』と『乾杯』をかけた掛け声と共にジュースの入ったコップを鳴らすと、笑いながらジュースを飲み始めた。
「あー!なんか織斑君とオルコットさんいいふいんきー!ずるいー!」
「というか主役がなにそんな隅っこにいるのさっ!?ほら、二人共こっちこっち!」
「ん?あぁ、わりぃわりぃ!」
「あー、二人共ちょっといいかな?私、二年の黛薫子。新聞部の副部長をしています!入学早々激しいバトルを繰り広げたという二人にちょいっとインタビューしたいんだけどいいかな?」
「えぇ、構いませんわよ?」
笑いながらジュースを飲んでいるのを見たクラスメイトが手招きをしつつ二人を呼ぶと、一夏とセシリアは立ち上がりみんなの輪へと入っていくと、歓談をしつつ新聞部のインタビューに答え始めた。
「なるほどなるほど!インタビューへのご協力ありがとうございました!あ、それとこれは割と多い質問だったからついでに聞いちゃうんだけど、織斑先生と一年寮副管理人の音無さんって実はひょっとして付き合ってたりしちゃう?最近よく一緒にいる所を目撃されてるんだけど?」
「へっ?なんすかそれぇっ!ないない絶対ないっすよ!確かに千冬姉ぇには彼氏居ますけど音無さんじゃないっすよ!」
「なんだー、スクープになると思ったのにざんね……………………うぇいうぇいうぇい、わんもあぷりーず?」
「あっ」
「え、俺何か変なこといいま…………あ゛っ、やっべっ」
一夏とセシリアがインタビューに答えている中、ふと薫子がさりげなく千冬についての話題を問いかける。そのままの流れについうっかりと答えてしまった一夏だったが、我に返った時にはその場に居た全員の視線が一夏へと向いており――
『ええええええええええええっっっっっっっっっっ!?!?!?!?』
――次の瞬間、レストランに大多数の絶叫が響き渡ったのだった。
「――それで、だ。私の恋人についてはこれ以上触れるな、いいな?」
『まむ!いぇす、まむ!』
「あの、ちふゆねぇそろそろこのアイアンクローを解いていただけると……のおおおおおおおおおおおおう!?!?」
余談だが、騒ぎを聞きつけ鎮圧に乗り出した千冬が踏み込んだことで情報が漏れたことが発覚し、口を滑らせた一夏が折檻を受け、あまりの凄みにその場に居た全員が千冬の命令に従ったのは、言うまでもないことであろう。
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一夏達がレストランで大騒ぎに発展させてしまい、千冬によって物理的に鎮圧されている頃。
すっかり日が沈み、地上がギラギラと輝くライトに照らされ、星や月の光を遮ったビル街の屋上にて――
「――はぁっ!」
「どうした、その程度かなクリム特製の【仮面ライダー】の力は!?」
――ビルの屋上と屋上を飛び移り戦う、二つの影があった。
一つは、黒いボディに紫のライン、そして左肩からタイヤをタスキがけのように装着し、銀色のベルト【ドライブドライバー】を装着した零路こと【仮面ライダープロトドライブver2.0】。
もう一つは、山高帽を模したヘッドパーツに口髭のような装飾、フィルム風に縁取られたマントにハサミを模した蝶ネクタイ等、映画や怪盗をモチーフにしたかのような【怪人】、いや――
『ルパン!まさか、日本に来ていたとは!?』
「おいおい、つれないなぁクリム……この姿の時は、仮面ライダールパン!そう呼んで欲しいものだねぇ!」
――仮面ライダー、ルパン。そう名乗った存在は、その手にもつ金色のナイフのような物体【ルパンガンナー・ブレードモード】で斬りつけると、その勢いで回転しつつドライブの胸部を蹴り飛ばし、ビルの屋上へと着地してマントを翻した。
「くっ……手強いな」
『開発者の私も想定外の力を見せているとは、まさにアンビリバボーな存在だ……しかし、解せないことがある。ルパン!貴様、その変身装置をどこで手に入れた!それは、蛮野が連れていたあの強化型ロイミュードと同種のはずだ!』
「なぁに、簡単なことだ。どれだけ痕跡が消されていても、それを見つけ出すことは不可能ではない。それを証明しているのは他ならぬ、我が親愛なる宿敵……探偵や警察といった存在だがね?」
『蛮野が葬った研究データをサルベージし解析したという訳か……』
ダメージを負いつつもルパンと同じビルに着地したプロトドライブは戦闘態勢を取りつつ、ルパンとの距離を測る。その一方で、クリムはルパンと問答を行い、情報を集めようとしていた。
「しかし、クリム。解せないな……なぜお前は、3年前の【彼女】ではなくそいつを使って仮面ライダーになっている?フランスであった時も感じたが、そいつでは真の意味で【仮面ライダー】となることはできないだろうに?」
『っ!?3年前だと……貴様、なぜそのこと知っている!?』
「知っているも何も、私もあの場所に居たからさ!3年前、あの少年が蛮野天十郎によってさらわれたあの日!私はあの場所で見た!お前が【あの少女】と共に変身した【仮面ライダー】の姿を!」
ルパンからの問いかけに、クリムは驚愕し声を荒げる。それを位にも介さず、ルパンは周囲にワインレッドに染まるミニカー状の機械【バイラルコア・ルパンモデル】をいくつも浮かべながら、【
――黒と紫の装甲に身を包んだ【死神】と、虚ろな目をした女性が持つスマートパッドに映し出される、蛮野の頭脳をコピーした存在。
――無敵のはずのISが【死神】に敗北する瞬間と、その装着者であった左目に眼帯を着けた少女を守ろうとする少年の姿。
――そして、突如として現れた少女が、銀色のベルト……ドライブドライバーを用いて変身した、【
「そして私は憧れた!あの姿に!だからこそ、蛮野が葬ったデータを集め、お前からサイバロイドを盗み、こうしてこの姿を得たのさ!まぁ、それだけではないのだがね……それはそれとして、あの時の少年が【仮面ライダー】となっていることにも驚いたよ」
『まさか、IS学園のセキュリティも突破したというのか!?』
「あの程度、篠ノ之博士のセキュリティに比べればマシだったよさ。さて……こうして話を続けるのもよいのだが、あいにくこちらにも予定というものがあってね、今日はこの辺で失礼させてもらうよ。では、また会おうクリム!」
「くっ!?……待て!」
プロトドライブ達に別れの言葉を告げると、ルパンは閃光弾と煙幕を同時に炸裂させる。急な輝きによりセンサーが反応しなくなったプロトドライブはセンサーが回復した瞬間にルパンが立っていた場所へと跳躍し周囲を見回したが、既にそこにはルパンの姿はなく、代わりに『仮面ライダールパン、参上!』と書かれ専用のマークが入ったカードが突き刺さっているのみだった。
『……どうやら、逃げられてしまったようだね』
「そのようだな。だが、次は逃しはしない」
『……プロトゼ、いや、零路。何も聞かないのかい?』
「3年前、俺が【仮面ライダー】用の調整を受けている間に現れたという少女の事か?一夏や箒ならば問い詰めただろうが、俺にはどうでもいいことだ。ただ、人々をロイミュードの手から守る、それが俺の使命だからな」
『そうか……』
「しかし、奴の目的がわからない。奴はなぜ、蛮野と敵対してる?」
『……それは私が知りたいくらいだよ』
クリムの問いかけに対し特に反応を見せなかったプロトドライブは、変身を解除し零路の姿に戻りながら、ルパンの目的について考察を行う。
そもそも、なぜ彼らとルパンが戦闘を行うことになったのか……それは、重加速現象の発生を確認した零路達が現場に急行すると、そこには蛮野が作り出した【
ルパンが世紀の大怪盗であるという事実から、彼がクリムや蛮野の技術を盗み出し独自に開発を行ったことは疑うまでもない。しかし、その目的が何なのかは、彼らにとっては謎だった。
零路はふと、空に見上げ雲に隠れつつも光を放つ満月を見つめるのだったが――月は、何も答えてはくれなかった。
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「ねぇねぇ聞いた?また『どんより』が発生したんだってぇ!」
「えー?あれ都市伝説じゃないの?やたら噂だけは聞くけど」
「ほんとだって!警察も専門の部署立ち上げて対策取ってるらしいよ?」
「ほんとかなー?……あ、そういえば2組に転校生来たんだって!」
「は?ここって転入の条件厳しいしそもそも中途入学の試験って国家の推薦が必要なはずでしょ?」
「だーかーらー、そういうことらしいよ?」
「うっわー、ここに来て学食デザート半年分フリーパスチケット(クラス全員分)ゲットへの大いなるルートに障害が現れるとは……」
「まぁ、織斑君が想像以上に強いしうちのクラスが首位独走は間違いないっしょ!」
「そうだねー!織斑君には頑張ってもらわないとね!」
クラス代表決定戦から数日が経った朝。IS学園は来たるべきクラス対抗戦に向けて着々と準備を進めていた。
あるものは訓練に勤しみ、あるものは勉学に励み、またあるものは教師達にバレぬよう食券を賭けたトトカルチョを行っていたり。
そんな中、一夏達はというと――
「おはようございます更識先輩、一夏を引き取りにきました」
「あら、毎朝ご苦労様♪はい、それじゃ持って行っちゃって~♪……ところで箒ちゃんにセシリアちゃん、簪ちゃんの様子はどうかしら?その、最近二人共仲良くしてるみたいだけどぉ?」
「……そんなに気になるなら、ご自分からもっとスキンシップを取られてはどうですか?あちらもどう接していいか図りかねてるようですし……」
「あ、あははははは……今までが今までだったから、どうにも距離感がつかめないのよねぇ……はぁ、もうちょっと頑張ってみるわ」
「……おい、俺の心配はなしかよ?」
「「今更だな(ですわね)」」
楯無との早朝トレーニングによってボコボコにされた一夏を箒とセシリアが引き取り、一夏がシャワーを浴びた後一緒に朝食を食べて教室に向かうという日常が出来上がりつつあった。
「……しかし、生徒会長の戦い方が未だに読めねぇ。IS名でもあり異名でもある【
「あの、一夏さん?現役の国家代表である生徒会長が専属コーチになっているからとはいえ、ISについて本格的に学び始めて数週間レベルで国家代表相手に曲がりなりにも1勝できる方が異常なのですが?」
「諦めろセシリア。こいつの姉はあの織斑先生だぞ?」
「それもそうですわね」
「お前ら千冬姉ぇに聞かれてたら出席簿チョップだぞ……ん?」
「どうした、一夏……あれは?」
何気ない会話を交わしながら教室へと向かう途中ふと一夏が足を止めた為、箒とセシリアが一夏の見ている方向へ顔を向ける。
するとそこには、1年1組のドアの前でクラス内の様子を覗きながら挙動不審な動きを見せているツインテール女子の姿があった。
「見ない顔ですわね?あれが噂に聞く2組の転校生なのでしょうか?でも、どうして1組に?」
「転校生?あぁ、そんな話もあったな。だが、あれは――おい、一夏!?」
箒とセシリアが訝しむのを他所に、一夏はなぜか抜き足差し足忍び足でこっそりとそのツインテール女子の背後へと近づく。そして――
「…………げっとぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!」
「みぎゃああああああああああっっっっ!?!?」
――その両脇に手を差し込んで所謂『高い高い』の体勢で少女を持ち上げると、そのまま少女を抱えてその場でぐるぐると回り始めた。
「なはははははははは!ちんちく鈴!ちんちく鈴じゃないか!お前なんでここに居るんだよ!?というか相変わらずちっちぇなぁ!一目見てすぐにわかったぜ!」
「なっ!?ちょ、一夏!?降ろしなさい!おーろーせえええええええええええ!!!!」
「いいじゃねぇか久しぶりに会った幼馴染のスキンシ……ごふっ!?」
顔を真赤にしながら足をばたつかせて振り回されている少女を他所に、一夏はやたらテンションの高い状態でその場で回り続ける。その一夏の行動を止める為、箒とセシリアが介入しようとしたその瞬間、二人の後ろから手裏剣のように飛んできた出席簿が一夏の後頭部へと突き刺さる。
その攻撃により一夏の体勢が崩れると、抱えられていた少女が全身をバネのようにして宙へ飛び上がり――
「ホォォォォォォォォ、ワチャアッ!」
「がはぁっ!?」
――どこからともなく取り出したハリセンを、一夏の頭に叩き込むのだった。
「い、一夏さんっ!?ちょっとあなた、いったい何を……」
「落ち着けセシリア、私も初めて見るがあれはじゃれあいのようなものだ。その証拠に見ろ、あれを。」
崩れ落ちた一夏を見たセシリアはやりすぎではないかと少女に詰め寄ろうとするが、それを箒がやんわりと制する。そして、その指差す先には。
「……り、鈴てめぇ……またツッコミの腕をあげやがったな……さすが、チャイナのツッコミ女王と呼ばれる女だぜ……」
「うるっさいわっ!?というかまだその渾名残ってるの!?勘弁してよ恥ずかしい!!」
腹部を抑えつつもなお少女を茶化している一夏の姿があり、セシリアはそれを見て毒気を抜かれるのであった。
「ところで貴様ら、もうHRの時間が迫っているのだが……そんなに遅刻扱いにされたいようだな?」
『すいませんでした織斑先生!』
そして、箒とセシリアの後ろでは黒いオーラを纏い、笑みを浮かべる
~To Be Continued~
・仮面ライダープロトドライブver2.0とは
見た目はプロトドライブカラーの仮面ライダードライブ・タイプスピード。
原作のプロトドライブをver1.0とし、プロローグに登場した胸部がアーキタイプギアではなくタイヤコウカンシステムに対応したものをver1.5と位置づけてます。