ぬらりひょんの孫ー陰陽物語   作:ヤマタノオロチ

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四国からの刺客

アマテラスside

 

 

 

 

私は今ぬらりひょんさんの護衛をしながら街の中を歩いている。

普段は狼の姿だけど今回は人の姿になっている。また出ていく際に納豆小僧さんがお供として一緒について来ている。

 

 

「まったくカラスの奴め!リクオの過保護はアイツの責任じゃぞ」

 

「そう言わずに・・・彼は組の事を思ってやっているのですから」

 

 

愚痴を言うぬらりひょんさんを静めながら私は街を見る。自分のいた世界とは違って緑が少なく、建物だらけなので、走り回ることが好きな私にとって少しつまらないと思う。

 

 

「おや、こんな所にもビルを建てとるのかい?まったく風情がない高いビルばかり建てよって」

 

「そうですねぇ~~~」

 

 

 

 

ビュウウウ

 

 

 

 

 

「キャッ!」

 

「すごいビル風ーーー!!」

 

 

目の前にいた二人の女の子はスカートが捲れ上がらないように必死に押さえてる。

私?私はすぐに風の流れを感じたので平気ですよ。

 

 

「ビル風か。高層ビルもいいもんじゃのぅ~」

 

 

あらあら。ぬらr・・・いえ、覗き魔さんにはキツイお仕置きをしないといけませんね。

私は隣で浮かれている覗き魔さんの脇の下を強く捻りました。

 

 

「アイタタタタッ!!ア、アマテラス殿許しておくれーーー!!」

 

「分かればいいのですよ」

 

「(怖えぇぇぇ~~!)」

 

 

 

 

side end

 

 

 

 

 

 

それから日も暮れて、三人は買ったお菓子を食べながら本家に帰ろうとしていた。

ちなみにこのお菓子は盗んだ物ではなく、ぬらりひょんがアマテラスに(強制的に)言われてしっかりお金を払って買ったお菓子などである。

 

 

「しっかし、宇佐美ばぁさんの飴はマズイのぅ~」

 

「そっすね~食えたもんじゃないっすね~~」

 

「・・・ならばどうして食べるのですか?」

 

「いや~~どうも癖みたい・・・ん?」

 

 

目線の先にはスーパーがあった。そこで多くの主婦が帰っていく中、一人の少女が俯いていた。

どうやら買いたかった物が他の主婦に取られて負けてしまったようだ。

 

 

「あの娘は・・・確かリクオの友達で陰陽師だったな」

 

「ええ、前にテラと一緒に窮鼠に捕まっていた娘でした。納豆小僧君は危ないから袋の中に隠れていなさい」

 

「お前さんは平気なのか?」

 

「あの娘はまだ未熟者であるので、神気を弱めれば大丈夫ですよ」

 

 

俯いている少女・ゆらにぬらりひょんとアマテラスはお菓子を差し出しながら近づいた。

 

 

「大変じゃのぅ」

 

「大丈夫?」

 

「確か奴良君のおじーさんと・・・」

 

「私はテラのお母さんなの。よろしくね♪」

 

 

その後公園に移動して貰ったお団子を食べながらゆらはここに来た理由を話した。

彼女は立派な陰陽師になるために修行に来て、妖怪ぬらりひょんを倒すことだった。まぁ、その倒すべき妖怪に食べ物をもらっているのでは無理だと思うけど・・・。

話を聞いてぬらりひょんは面白く笑い、アマテラスは頑張っているゆらを褒めた。

 

 

「なんか・・・おじーさんとテラさんのお母さんとは仲良くなれそう」

 

「そりゃー嬉しいわい」

 

「これからもよろしくね」

 

 

 

 

 

 

ビュウウゥゥゥゥウ

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャウ!何や変な風や・・・」

 

「ビル風じゃろ。ほら、すぐ後ろに真新しいビルが・・・」

 

「(これは妖気!?)」

 

「危ない!!」

 

 

突然風が襲い掛かってきた。しかしとっさにゆらが守ったおかげで二人は怪我を受けずにすんだ。

 

 

「ほぅ、よけたか。勘のいい護衛だな・・・!」

 

 

数メートル先に黒服の五人の男達がいた。そして中央にいるリーダー的な男が腕を振ると再び風が襲い掛かった。

それをゆらは小さなポーチから出した札で防いだ。また、防ぎきれなかった風はアマテラスが気が付かれないように筆業・疾風(しっぷう)で消した。

 

 

「おじいちゃん、お姉さん!悪いことは言わんから逃げて!!」

 

「確かにそうじゃの。しかし“カマイタチ”はこんなに荒っぽい奴だったか・・・」

 

「・・・妖怪に詳しいんやなおじいちゃん。けど、アイツらはカマイタチとはちゃうよ。アイツは風の“ムチ”!四国の山奥に現れる怪異妖怪で、あの風は人を病にさせる猛毒の風や!」

 

 

ゆらが説明終わった時にムチはヒュンヒュンと音を鳴らした。その時に周りにいた部下がいなくなっていた。ゆらが気がづいた時にはすでに囲まれていた。

 

 

「風の陣形・砂打ちの鞭」

 

 

風圧によって舞い上がった小石がぬらりひょんに向かってきた。筆業で全て打ち返そうとアマテラスが身構えた時、ゆらが自ら盾になって二人を守った。

 

 

「!?何やってんのゆらちゃん!!」

 

「ワシらの事はほっとけ」

 

「(このままじゃ、守り切れん)二人ともこれに捕まって!式神・禄存!!」

 

 

巨大な鹿はぬらりひょんとアマテラスを乗せて安全なビルの上まで走って行った。

 

 

「(風が届かん。クソが!!)」

 

 

安全なビルの屋上にたどり着いた二人は上からゆらを見て絶句した。

彼女の服はあっちこっちに切り裂かれており、毒によって苦しそうに息を吐いていた。

 

 

「なんて酷いことを!!」

 

 

ゆらの姿を見てアマテラスは怒り出した。

 

 

「立派な護衛だが、死ね」

 

 

そう言ったのを合図に部下達が一斉に攻撃して、誰もがやられたと思った瞬間、突然爆風によって風が打ち消された。

 

 

「やっと足手まといがいなくなったわ。式神・貪狼!武曲!」

 

 

ゆらの声と同時に巨大な狼と武者が現れて、ムチの部下達に襲い掛かった。さらにゆらは金魚の式神も出して自分の左腕に巻き付かせた。

 

 

「花開院流陰陽術・黄泉送葬ゆらMAX---!!」

 

 

 

 

 

ドォォオオオン!!

 

 

 

 

 

強力な技によって全員が倒れて全滅したと思った。

だが、突然ゆらの背後から風が襲い掛かった。まだムチが生き残っていたのだ。

 

 

「(油断した?一匹やり損ねたか)こいつ・・・」

 

「おめーと遊んでいる暇はないんだ。あばよ!!」

 

 

ムチはそう言ってぬらりひょん達のいる屋上へ向かって飛んで行った。ゆらは追いかけたかったが毒によって体に力が入らず、ただ見つめるしかなかった。

 

 

「あの護衛はしばらく来ないぞ。隣の女は役に立ちそうにないし、ビルの上に逃げて逆に追い詰められたなぬらりひょん」

 

「私が役に立たないと見えるのですか・・・」

 

「・・・・・狒々の奴を殺したのはお前か?残念だのぅ。アイツとは随分前に杯を交わした奴で、時々カフェ~もする仲だったんじゃが・・・」

 

 

残念に思っているぬらりひょんをムチは問答無用に攻撃した。ぬらりひょんが逃げまくっているのを見てムチは笑い出した。

 

 

「ふはははは!俺の技から逃げているなーーー!!・・・ん?」

 

 

ふとムチは気が付いた。先程まで隣にいたアマテラスの姿がどこにもいないことを。

 

 

「(逃げだしたか?まぁいい。)あんたみたいな大物をこの手でやれる日が来るとはよぉ!怪異・八陣風壁!!」

 

 

ムチの周りに八つの凄まじい竜巻が現れたが、ぬらりひょんはただ見つめていた。

 

 

「我が八陣の風壁にのチリとん「ワン!」・・・ワン?」

 

 

気が付くと竜巻の前に狼の姿に戻ったアマテラスが平然とお座りをしていた。

あまりの事にムチは自分の目を疑った。

 

 

「(なんだあの犬は?一体何のつもりだ!?)」

 

 

驚いているムチを見つめながらアマテラスは筆業・疾風で竜巻全部を消し飛ばして、さらに筆業・霧隠(きりがくれ)を使って時間を惑わした。

それによって周りの動きが遅くなり、その隙をついてアマテラスは神器・天叢雲劔でムチの体を斬りさいた。

 

 

「(な、何が起こったんだ!?アノ犬の仕業なのか!?そんなことより早くぬらりひょんを殺らないと・・・)っいない!?そんなバカな!!」

 

 

今まで目の前にいたぬらりひょんがいないことにムチは斬られた部分の痛みを抑えながら辺りを探したがどこにもいなく、背後にいるアマテラスはのんきに欠伸をしている。

 

 

 

 

ヒタ・・・ヒタ・・・

 

 

 

 

 

「(いる。確かに俺の目の前を・・・歩いている。なのに何で見えねぇ・・・!?)」

 

 

 

 

 

ブスッ!

 

 

 

 

 

 

「何者も、自分にとって大きすぎる存在と出会ってしまった時・・・その存在を畏れるあまり、気づくことをーーーやめる」

 

 

長ドスでムチの急所を刺しながらぬらりひょんは語る。

 

 

「・・・“見えて”いても“認識できぬ”ようになる。それがワシの力。真・明鏡止水ーーーワシの盃に波紋は鳴らぬ。・・・どうじゃ、ワシの戦い方、風情があるじゃろ?」

 

「ワン!!」

 

 

ぬらりひょんの言葉にアマテラスは力強く吠えた。

 

 

「ワシのドスにやられたら立つことはできん。死ぬ前に言え、何故四国からの妖怪がワシを襲うんじゃ?」

 

 

質問するぬらりひょんを不気味に笑いながらムチはチリとなって消えた。

それを静かに見ていたアマテラスは、階段から聞こえる音に気が付くとすぐさま物陰に隠れた。隠れるのと同時に屋上の扉から全速力で駆け上がってきたゆらが飛び込んだ。

 

 

「ハーハー大丈夫おじいちゃん。私が来たからには・・・アレあの男は?」

 

「おお?何もないよ。奴はもういないから」

 

 

 

 

 

 

ゴボォォォ!ベキベキベキ!ガラガラガラ!

 

 

 

 

 

 

二人の背後でビルのコンクリートが凄まじい音とともに崩れ落ちた。

 

 

「ええぇぇぇ!!何もなくないで!!それにテラさんのお母さんは何処に行ったんや!?」

 

「私なら此処よゆらちゃん(ニコッ)」

 

 

人の姿になって物陰からゆらの前に出たアマテラスはぬらりひょんとともに「守ってくれてありがとう」とお礼を言う。

 

 

「いや~二人を守れてよかった。そうやおじいちゃんとお姉さん。お腹も空いたからうちでTKG食べへんか?・・・・・アレ?」

 

 

屋上に二人の姿はなく、ゆら一人だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああー!総大将にアマテラス様!!ご無事でしたか」

 

 

二人が再び公園に行くと納豆小僧が吹き飛んだお菓子を集めながら近づいてきた。

 

 

「お前こそ無事だったか納豆」

 

「私の事よりも早く帰りましょ」

 

「・・・ワシは帰らんぞ。しばらく戻らんからそう伝えとけ。アマテラス殿、ついてきてくれるか?」

 

「ええ、構いませんよ」

 

「え~~~!?そ、そ、総大将、アマテラス様~~~!?」

 

 

夕日の中で納豆小僧の叫び声が響き渡った。その間にも二人は西に向かって歩いて行き、納得小僧も観念して一緒に行くのであった。

 

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