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リクオ達が学校から帰った後、奴良組本家では三つの騒動が起きた。
・敵の偵察に行った牛頭丸と馬頭丸が負傷して帰ってきたこと。
・リクオが重圧で倒れたこと。
・四国の軍勢が総攻撃を仕掛けてきたこと。
これらの事により妖怪達は騒ぎだし、逃げる準備をする者さえいたが・・・
「兢兢としてんじゃねぇ。相手はただの化け狸だろーが」
夜の姿になったリクオによって混乱は治まった。
「へ~~やるじゃねぇかリクオ」
近くの柱に背を乗せながら見ていて呟く鯉伴にリクオは近づいた。
「親父、俺はこれから出入りに行く。その間母さんやこの家を守っていてくれ」
「ああ、任せな。全力で叩きこんでこい」
息子の頼みを鯉伴はすぐに承諾する。そしてリクオはチビテラスも含めた百鬼夜行を率いて本家から出て行った。
「二代目は・・・・行かないのですか?」
「うん?俺かい」
リクオ達が出て行った後、鴆が鯉伴に話しかける。
「俺が行ったらリクオの為にはならねぇからな。・・・・・今回はこっそり後をついて行って見守るだけさ」
そう言って鯉伴は闇の中に姿を消した。
浮世絵町・道楽街道ーーー
街道の中心でリクオが率いる百鬼夜行と玉章が率いる八十八鬼夜行が対峙した。緊迫した空気の中で互いに動かず、静かに相手の様子を窺う。
ザッ、ザッ!
「「「「「「「!!?」」」」」」」
リクオが一人だけ四国勢に向かって歩き出した。突然の事に側近達は混乱した。
「何をしている!!リクオ様を止めろ!!」
「ハ、ハイ」
「リクオ様!!」
氷麗やチビテラスが止めようとするが・・・
「大将が一番先に出て来たぞ!!」
「何考えてんだあいつは!?」
「行け!!殺っちまえばァ俺達の天下だぁーー」
リクオ目掛けて一斉に襲いかかる四国勢に、リクオを守ろうと駆け出す奴良組がぶつかり合う形で戦闘が開始された。
ガギィィン!!
ズガッ!!
バギッ!!
そこら中から刀の重ね響く音や殴りあう音などが聞こえる。リクオを守ろうとした側近達は四国の幹部達に阻まれて動けずにいた。
その戦いを玉章は幹部・犬鳳凰とともに見つめていた。
「自ら進んで先陣を切るとは一体何の策があるのかと思いましたが、何の事はない。ただのハッタリでしたな」
「奴良リクオはどこだ?」
「さぁて、見当たりませんな。しかしこの百鬼の乱戦。死なずとも進めますまい・・・」
話を聞きながら玉章は静かに見つめる。その時こちらに向かって歩いてくるリクオに気がついた。
「!!?」
「うん?どうしました?玉章様・・・」
突然驚愕する玉章に犬鳳凰は首を傾ける。その間にリクオは誰からも邪魔されずに懐から刀を抜きながらさらに距離を縮める。
「(おい、何だーー!?)お前達!!何をしている周りをよく見ろ!!」
「えっ!?」
「何故誰も気付かぬ。リクオはそこにいるぞ!!」
リクオがいる事を部下に伝える玉章だったが・・・
「よう・・・」
ザギィン!!!
リクオは玉章に向かって刀を振り下ろす。それに対して玉章も刀で受け止める。いつの間にか二人が対峙していることに四国の妖怪達は驚いた。
「た、玉章様!今助太刀いt・・・!?」
「ガウ!」
加勢しようとした犬鳳凰にチビテラスが神器で攻撃するが避けられた。
「フゥ~~」
「おのれ~大神めが!!」
攻撃をかわした犬鳳凰は距離をとりながら睨みつける。チビテラスも背を低くして睨む。
「クワアアァァァッー!!」
犬鳳凰は口から凄まじい火炎を吐いて焼き殺そうとする。しかしチビテラスはその場を動かず、筆業・疾風を使って火炎を押し戻した。
「くっ」
自分の火炎が押し戻されたことに悔しく思いながら犬鳳凰は後ろに飛んでかわす。その頃玉章は刀に力を込めてリクオを押し返した。それと同時にリクオは懐から盃を出す。
「明鏡止水・桜」
青色の炎が玉章に向かって放たれる。このまま玉章に当たると思った瞬間・・・・・
「・・・・・ふん」
「た、玉章様!何を!?」
寸前に玉章は犬鳳凰を自分の前に押し出した。
「ギャアアアアアァァァァーー!!」
犬鳳凰は避けることができず、焼け死んだ。
「・・・・・おいおい、部下を身代りにして逃げるのか。いつまでたっても小物にしか見えねぇ奴だ。このまま消してもかまわねぇ気がしてきたぜ」
そう言った瞬間、リクオの真横に夜雀が現れた。
「そうだ!この玉章の部下となる者は・・・玉章の為に犠牲となり、玉章につくすのだ。見せてやれ夜雀」
玉章の命令を受けて夜雀は漆黒の羽根を出す。それによりリクオの目は真っ黒に染まった。目の前が完全な闇になってリクオは動けなかった。
「フフ・・・世の理には“陰”と“陽”がある。“陰”とはすなわち妖怪のことだ。姿を消して・・・闇に消える。まさに“陰”の存在。その“陰”を相殺するものーー“陽”。“陽”の力を持つことで・・・“陰”を消すことができる。つまり妖怪退治とは“陽”の力を加えることなのだ。それが人間が生み出した陰陽術であり、君の繰り出した『明鏡止水・桜』さらにあの大神の業---普通の妖怪は持たぬ・・・かつて百鬼を統一した君の祖父が手にした力・・・そしてこの玉章が手にしている力もまた・・・!」
ズブッ!!!
玉章の刀がリクオの脇腹に突き刺さる。リクオは口から血を流して膝をついて崩れた。
「人間はかつて“陰”を強く畏れた。だが今は世界が明るすぎて妖怪の“存在”が薄れてしまうわけだ。変える必要がある。そして我々は、再び人々に畏れなければならない。そうだーーーこの玉章がこの世に闇を取り戻すのだ」
「ん?た、玉章様!?」
「あれは奴良リクオ!?」
「どういうことだ!?」
薄く笑いながら玉章は片足をリクオの肩に置く。
「どうやら君の姿はもう認識されているようだね。形勢逆転とはこのことだリクオ君。さて訊こうか奴良リクオ・・・我が八十八鬼夜行の末尾に加わらんかね?働き次第では幹部にしてもいい・・・どうだ?」
「・・・断る」
「・・・・・」
「てめぇと盃交わすと考えるだけで虫唾が走る。それに・・・誰にもテラを渡しはしないぜ!!」
「そうか・・・ならば君を殺して君の百鬼の畏れを得るとしよう!!」
刀を大きく振りかぶってリクオ目掛けて振り下ろす。
ガギィィッピキピキパッキィィ!!!
「!?」
「ワンワン(大丈夫ですかリクオ様!!)」
「リクオ様!やっと見つけました!!」
斬られる寸前に刀は、氷麗の氷で作った薙刀とチビテラスの神器によって防がれていた。