ぬらりひょんの孫ー陰陽物語   作:ヤマタノオロチ

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今回はオリジナル話です。ちなみに今回出てくる妖怪は前に私が書いていた小説の主人公だった妖怪です。


間話
怨念から生まれた獣


四国の騒動が終結してから一カ月経ったある日のことーーー

 

 

「窃盗事件?」

 

「はい。ここ最近浮世絵町内にて財布を盗まれる事件が多発しております。しかも人間の間だけでなく妖怪の間にも被害が出ております」

 

 

自分の部屋でカラス天狗の報告を聞いたリクオは溜息をつきたくなった。やっと平穏な日常に戻りかけたと言うのにまた新しい問題がでてきたのだ。

 

 

「それで、犯人は誰なの?」

 

「息子達の調べを見るからに妖怪の仕業ではないかと・・・」

 

「そっか・・・今後も詳しく調べるよう伝えといて、僕もできる限りの事をするから」

 

「はっ!!」

 

 

部屋からカラス天狗が去った後、入れ替わるようにチビテラスが入ってきた。

 

 

「どうするつもりですかリクオ様?」

 

「どうするって・・・何が?」

 

「先程聞いた件です。調べるにもどこから調べるつもりですか?」

 

「それなら大丈夫だよテラ。こういう妖怪関係の事なら絶対僕らのよく知っている人が何か教えてくれるはずさ」

 

 

リクオの言う妖怪の事に対してよく知っている者が組の者や親以外にいたであろうか?とチビテラスは首を傾げた。その答えは次の日の学校の放課後で分かった。

 

 

 

 

 

「やぁ諸君!!今回また新しい妖怪について情報が入ったんだ!!」

 

「・・・(いましたね)」

 

 

目の前にいる清継を見てチビテラスは心の中で静かに頷いた。清十字怪奇探偵団のメンバー(ゆらはいない)が集合している部室に入った清継は自分専用のノートパソコンを開きながら話し出した。

 

 

「今回は最近起こっている窃盗事件に関係ある奴なんだ」

 

「窃盗事件に・・・?」

 

「本当なのそれ?」

 

「ふふふ、君達もこれを見たら納得するはずだよ」

 

 

そう言って清継はパソコンを全員に見せる。パソコンには一枚の黒い犬の写真と動画があった。

 

 

「清継君、これは?」

 

 

メンバーを代表してリクオが清継に質問する。

 

 

「これは『影犬』と言う妖怪さ。昨日偶然この動画を見つけてね。僕が調べた結果この妖怪が犯人じゃないかと思ったんだ。皆もちょっとこの動画を見てくれ」

 

 

動画の再生ボタンを押すとそれはある公園に設置されていた監視カメラに映っていた映像だった。一人の女性が公園の近くを歩いて電柱に近づいた瞬間、突然持っていたバックが消えてしまった。

 

 

「えっ、何!?」

 

「バックが・・・消えた!?」

 

「いえ、消えたのではなくて何かに盗られたようです」

 

「その通りだよテラ君。今のところを拡大してみるぞ」

 

 

画面を大きくして見ると女性の影に犬の姿があった。そしてその犬は隣にある写真と一致していた。これを見てリクオ達は驚愕した。

 

 

「き、清継君・・・影犬って何の妖怪なんですか!?」

 

「慌てなくても今教えるよ島君。昔の人が書いた話によるとある土地に我儘な殿様がいたんだ。ある日、殿様は領内の犬を全て殺すよう家臣に命じたんだ。理由は城下を歩いていた時に一匹の犬が殿様の影を踏んだからさ」

 

「何それ!?」

 

「ひどすぎないその殿様!!」

 

 

説明を聞いていた鳥居と巻が殿様の行いに怒った。

 

 

「それから数日後の夜中、城から殿様の悲鳴が響いた。家臣達が殿様のいる部屋に入るとそこに大きな黒い犬が殿様を食い殺していたんだ。全員が呆然としていると黒い犬は先頭に立っていた家臣の影に入るように消えたそうだ。それからその土地で動物を虐待してきた人間は全員影犬によって殺されたと書かれてある。つまり影犬は殺された犬達の怨念から生まれた妖怪なんだ」

 

「怨念から・・・」

 

 

清継の話が終わると場は重い雰囲気となり、リクオ達は複雑な気持ちになった。人間の身勝手な行いで妖怪になってしまった影犬を想って・・・。

 

 

「ボソッ(テラ、氷麗!)」

 

「(は、はい!)」

 

「(何でしょうかリクオ様)」

 

「(今すぐ帰るよ。この事をカラス天狗に伝えて、すぐに影犬を捕まえるようにするんだ)」

 

 

リクオは雪女とチビテラスに小声で伝え、清継達に用事があるからと言って部室から出て本家に急いで帰った。だが彼らが帰った時、さらに驚くことが待っていたのを今は知らない。

 

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