ぬらりひょんの孫ー陰陽物語   作:ヤマタノオロチ

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今年最後の更新です。
結構恋愛と重要が混ざった内容になっております。
感想お待ちしております!!


京都への旅立ち、新たな仲間と共に

京都で羽衣狐とキュウビが封印を解いている時から一週間前、リクオは遠野の里で修行していた。事の始まりは常闇ノ皇との戦いからであった。皇の力の前に手も足も出ず、自分の実力不足を思い知ったリクオは祖父と父親に頼んで強くなるために遠野の里に向かったのだ。

ちなみに遠野側としては、オロチの侵攻に対する件もあって構っていられる余裕がないはずだったが、リクオが雑用係になって見張りにつける妖怪の数が増えるという話で手を打つ結果になった。

最初は二、三日経っても成果を出すことをできずにいたが、翌日遠野の里に訪れて襲い掛かってきた京妖怪・鬼童丸達との戦いによりリクオは畏の強化術・鬼憑を発動させることができたのだ。そしてしばらくの間それを更にうまく使えるよう励んでいたが、京都の状況を聞いて仲間となった遠野妖怪を連れて本家に戻った。

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォンッ!!

 

 

 

それから日が暮れて夜となり、妖怪が活発に動く時間になった時、奴良組の門が凄まじい音とともに開いた。その音を聞いて本家の小妖怪達が集まった。

 

 

「何じゃ!?敵襲か?」

 

「あれ、リクオ様!?」

 

「リクオ様が帰ってきたぞぉ!!」

 

「急ぎテラ様にお知らせしろ!!」

 

 

遠野からリクオが無事に帰ってきた事に小妖怪達は大はしゃぎである。その場で喜ぶ者やチビテラスに知らせに行く者など様々である。

 

 

「とにかく、奴良組到着だぜ!!」

 

「ついに着いたね」

 

「へへへ・・・沼ある~?」

 

「おいリクオ。てめぇのせいで夜になっちまっただろ」

 

「しょうがないじゃない。昼間は人間になっちゃうんだから」

 

「つったって・・・」

 

「イタクもイタチになっちゃうでしょ?」

 

「お互い可愛いよね―――」

 

 

リクオにタメ口をつく遠野妖怪を黒田坊が錫杖を向けながら制する。それにより淡島と口喧嘩になる。そしてイタクは桜の木の上に、紫は納豆小僧と鬼ごっこ、雨造は池に飛び込んで同じ妖怪の河童と自己紹介、土彦はその場にあった大きな石で筋トレと、それぞれ自由にやり始めた。それを面白そうに見ていたリクオに知らせを聞いたチビテラスと首無、毛倡妓が駆け寄る。

 

 

「リクオ様?」

 

「ん?」

 

「これは一体・・・?」

 

「遠野もんだ。ちょっくらじじいと親父に挨拶してくっから、面倒見てやってくんな」

 

「あれが遠野妖怪で・・・面倒?」

 

「リクオ様。もしかして京都に行くんですか?」

 

「ああ、盃を交わした奴は準備してくれ。それと・・・ただいまテラ」

 

「お帰りなさいリクオ様」

 

 

今まで失っていた温もりを求めるかのようにリクオは優しく力強くチビテラスを抱きしめる。チビテラスもそれに抗うことなく受け止める。

 

 

「悪ぃなしばらくの間勝手にいなくってよ」

 

「いいえ、リクオ様が必ず帰ってきてくれると信じていましたから」

 

 

自分を信じて待っていたチビテラスにリクオは、ご褒美とばかりに頭を数回撫でて解放し、祖父達のいる部屋に向かって歩き出した。その後ろ姿をチビテラスは頭を押さえて顔を真っ赤にしながら見つめた。この光景を近くで見ていた首無と毛倡妓は嬉しそうに感じていた。チビテラスは部屋の縁側に座ってリクオが話し終わるのを待った。

 

 

「へ~~お前がリクオの言っていた美人なお嫁さんか」

 

「えっ?」

 

 

声がした方をチビテラスが振り向くと、目の前に雨造とイタクが自分をマジマジと見つめていた。

 

 

「自己紹介が遅れてすみません。私は日の御子・チビテラスと申します。気軽にテラと呼んでください」

 

「オイラーは沼河童の雨造。こっちはカマイタチのイタクって言うんだ。残りの連中も後で教えてやるからよ。とにかく宜しくな」

 

「はい。お二人とも宜しくお願い致します」

 

「・・・・・」

 

「ん~~どうしたイタク~~。お前もしかして惚れちゃったか~~?」

 

「バッ!そんな訳ねぇだろ!!」

 

「ギャッハハハ!まぁ、リクオが相手だけどオイラーは応援しているぜ」

 

「だから違うって言ってるだろ!!」

 

「・・・?」

 

 

コソコソと話し合う二人にチビテラスは不思議そうに首を傾ける。どうしたのかと聞こうとした時、背後からリクオが強く抱きしめて二人から距離をとった。

 

 

「えっ!?リクオ様どうかs「ちょっと目を閉じていろ」きゃあ!?」

 

 

少し強引にチビテラスを自分の方に向かせ、顔を胸の中に押し込めて周りを見えないようにするとリクオは二人を睨みつけて・・・

 

 

「分かっているよな・・・(テラに手を出したら殺すぞ)」

 

「「あ、あぁ・・・(汗)」」

 

 

殺意が籠った目と少しドスのかかった声で言いながら忠告するリクオに二人は冷や汗をかきながら頷いた。

 

 

「その辺にしておきなさいリクオ君。それとテラが苦しんでいるわよ」

 

 

不機嫌なリクオに臆することなくアマテラスは言う。リクオもアマテラスに言われて落ち着き、すぐチビテラスを解放する。

 

 

「義母さんもついて行くのか?」

 

「当たり前よ。可愛い娘と息子を放っておけるわけないじゃない。本当は鯉伴さんも行く予定だったけど、刀を修理している事から後から来るからね」

 

 

そんなこんなで全員が庭に集まり、ぬらりひょんが用意した『戦略空中要塞・宝船』に乗ってリクオ達は京都に向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

打って変わって京都では、羽衣狐・妖魔連合軍が第二の封印・相剋寺で長い時間、陰陽術達と戦闘を繰り広げていた。戦況は京妖怪側に有利であったが、先の戦いで人質にした秋房を奪い返されて陰陽師達にも逃げられてしまった。その事に少し不満が残ったけど相剋寺を手に入れることができたことで良しとなった。

そして今封印を解こうと幹部と精鋭妖怪を連れて寺の中に入った。

 

 

「陰陽師共はまたあっさり封印場所を明け渡しましたなぁ。ではちゃっちゃと抜いてしまいましょう」

 

「生きていたのか鏖地蔵・・・」

 

「チッ・・・」

 

「羽衣狐様が死ぬまで死ねませんから。ところでエキビョウよ・・・お主今舌打ちしなかったか?」

 

「別ニ・・・」

 

 

地面から這いずるように出てきた鏖地蔵を見てエキビョウはとても嫌そうに見つめる。そんな彼らの事を気にせずに羽衣狐は封印を解く。いつも通り妖気が溢れ出たのと同時に巨大な蜘蛛の妖怪も一緒に出てきた。羽衣狐は驚きもせずに振り向いてその妖怪の名を言う。

 

 

「久しぶりだな土蜘蛛よ」

 

「・・・・・」

 

「お主も力を貸せ。これから最後の封印・弐條城を落とし、妾はそこでやや子を産む。宿願まであと一つじゃ」

 

 

腹を撫でながら言う羽衣狐に土蜘蛛は強い相手との戦いしか興味がないと、煙管を吸いながら返事する。それを見たキュウビは誰にも気づかれないようにこっそりエキビョウを呼び寄せる。

 

 

「ドウシタエキビョウ?」

 

「先程の奴の態度から奴が我々の言う通りに動くと思うかエキビョウ。そこで奴を・・・お前の器にしようと思うのだが・・・」

 

「ホゥ・・・ソレハ面白イ」

 

 

キュウビの提案に賛成したエキビョウはすぐに妖刀の姿になる。そしてキュウビはそれを掴んで己の妖気も込めて背後から土蜘蛛を呼ぶ。

 

 

「土蜘蛛!!」

 

「アン?」

 

 

振り向いた瞬間、キュウビは刀を土蜘蛛の口の中に放り込む。すると突然土蜘蛛が苦しみだしてその場で埋まる。手を伸ばしたりして何かに抵抗しながら苦痛の声を響き渡らせるが、それも暫くすると静まって土蜘蛛はゆっくり立ち上がる。一見なんともないように見えたがよく見ると彼の紅い眼は黒く染まっており、口からは毒霧が漏れていた。

 

 

「どうだエキビョウ・・・その器の状態は?」

 

「・・・・・ああ、とても気分が良いぞキュウビ」

 

「ククク、そうかそうか。喜べ羽衣狐!最強の妖怪が我らの思うが儘になったのだ!!」

 

 

土蜘蛛を操ることに成功した事にキュウビは高く笑った。最強の戦力が今、彼女達の物になったのであった。

 

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