ぬらりひょんの孫ー陰陽物語   作:ヤマタノオロチ

6 / 38
ようやく原作に突入します!!
ガゴゼ会との戦いを激しく書いたので少しオリジナルのセリフも混ざっています。


魑魅魍魎の主となる

かつて人は

 

 

 

妖怪を畏れた

 

 

 

その妖怪の先頭に立ち

 

 

 

百鬼夜行を率いる男

 

 

 

人々はその者を妖怪の総大将ーーー

 

 

 

あるいはこう呼んだ

 

 

 

魑魅魍魎の主・ぬらりひょんとーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アマテラスとチビテラスが奴良組に住むようになってから三年が経った。どちらも今では奴良組を支える者となっていた。

リクオも小学三年生となり、チビテラスとの仲も徐々に深まっていた。

いつもと変わらないようにリクオが朝から本家の妖怪達に悪戯をして、チビテラスがリクオのために朝ご飯や学校に行く支度などを手伝う。

 

 

「それじゃテラ!行ってくるね」

 

「はい。道中気をつけてくださいね」

 

 

靴を履きながらリクオはチビテラスに自分がつけた愛称で言いながらバスに向かった。

リクオを見送った本家の妖怪達が溜息をついた。

 

 

「フ~~~やっと行ってくれたわい!」

 

「ほんと、総大将に似て悪戯好きで・・・元気がよくって!」

 

「ハハ、将来が楽しみですね」

 

「そうですね。あのお方がこの奴良組の三代目を継ぐのですね」

 

「ええっ、どうですかのぅー。いくら総大将の孫といっても人間の子供にワシら奴良組の長がつとまるでしょうか?」

 

 

そんな事を聞いてもチビテラスは薄く笑い、家事の手伝いをするため屋敷に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方アマテラスはーーー

 

 

「う~~む」

 

「どうするんだい親父?」

 

「降参しますか?」

 

 

午前の街の見回りから帰ってきたアマテラスは鯉伴とぬらりひょんに将棋の相手をしてくれと頼まれて人型の姿へと変わって対戦していた。

最初は鯉伴と対戦し結果は引き分けで、ぬらりひょんとの戦いの状況はアマテラスの方が有利な展開となっており、先程よりぬらりひょんは必死に次の手を考え続けていた。

 

 

「まだなのかい親父・・・」

 

「お前は黙っとれ鯉伴!・・・アマテラス殿少し待ってくれぬか!?」

 

「構いませんよ」

 

 

ぬらりひょんの頼みにアマテラスは優しく微笑みながら言った時、後ろからチビテラスがお茶とお菓子を皿に乗せて持ってきた。

 

 

「皆様。お茶が入りましたよ」

 

「御苦労さん」

 

「ありがとうねテラ」

 

「いつもすまんのぅ。リクオもこんないい人を嫁にしてもらって嬉しいことだろう」

 

 

お茶を手に持ちながら呟いたぬらりひょんにアマテラスは凄まじい殺気を放った。

 

 

「まだ娘を結婚させるつもりはございません。あの子が三代目となって娘を守れるようになれたら認めます!(怒)」

 

 

アマテラスの条件を聞いてもぬらりひょんは笑って承諾した。

今日夜中の八時くらいになると本家に幹部達がやってくるのだ。そしてその総会にて、ぬらりひょんは幹部達にリクオを三代目にすることを言うためである。

それから午後四時になるとリクオが学校から帰ってきた。

 

 

「お帰りなさいませリクオ様」

 

「うん・・・ただいま・・・・・」

 

 

いつもとは違って元気のないリクオにチビテラスは首を傾ける。

そして総会での一件によってリクオはさらに落ち込んだまま学校に行った。

 

 

「う~ん・・・・・よし!」

 

 

リクオの落ち込んでいた事を朝から考えていたチビテラスは元の狼の姿になって門を出て、リクオが通っていると学校を目指した走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方・奴良家ーーー

 

 

 

 

 

「あ!帰って来られた・・・!」

 

「若!!ご無事で!!」

 

「?どーしたのじゃ?皆の衆」

 

 

帰りが遅いリクオを心配して迎えに行っていたカラス天狗は涙目になりながら慌ててリクオに寄り添う雪女に聞いた。

 

 

「だって!だって・・・!」

 

 

雪女が指を差している方向にはテレビがあってそれには・・・・・

 

 

『中継です!!浮世絵町にあるトンネル付近で起きた崩落事故で路線バスが“生き埋め”に・・・中には浮世絵小の児童が多数乗っていたと見られ・・・』

 

「!?」

 

「それからリクオ様・・・実は、先程からチビテラス様の姿が見えないんです。もしかしたらリクオ様を迎えに行って・・・巻き込まれているかもしれないんです!!」

 

 

雪女が体を震えさせながら言う。それを聞いてリクオも震えだす。

そんなリクオを鯉伴とアマテラスが気がつかれないように見つめている。

 

 

「助けに・・・行かなきゃ・・・!!ついてきてくれ!!青田坊!!黒田坊!!皆!!」

 

 

「「へ・・・ヘイッ!」」

 

 

しかしリクオとついていこうとする妖怪達を幹部の木魚達磨が止めた。

 

 

「木魚達磨殿・・・?」

 

「なりませんぞ。チビテラス様は大切な御方であることは分かっておりますが、人間を助けに行くなど・・・言語道断!!」

 

「な、何で・・・?」

 

「そのような考えで我々妖怪をしたがえることが出来るとお思いか!?我々は妖怪の総本山・・・奴良組なのだ!!人の気まぐれで百鬼を率いられてたまるか!!」

 

 

遠くから見つめていたアマテラスは木魚達磨の言葉を聞いて低く唸っていた。

早く自分が愛する娘を助けに行きたいが、鯉伴に頼まれてここで静観していたのだ。

 

 

「中々キツイ掟のようですね」

 

「まぁな。さぁーてリクオの奴どうするのかねぇ?」

 

「や・・・やめねぇか!!」

 

 

リクオの叫び声に言い争いをしていた青田坊と木魚達磨、彼らを止めようとしていた全員が驚いたようにリクオの方を向いた。

 

 

「時間がねぇんだよ。おめーの分かんねー理屈なんか聞きたくないんだよ!!木魚達磨!!」

 

「?」

 

「なぁ・・・皆・・・」

 

「若・・・?」

 

「若の姿が・・・?」

 

「何これ?こんな若・・・初めて」

 

「俺が『人間だから』だめだというのなら・・・妖怪ならばお前らを率いていいんだな!?だったら・・・人間なんてやめてやる!」

 

 

妖怪となったリクオの鋭い深紅の瞳を見た木魚達磨は畏怖になって額に汗を浮かべる。

 

 

「え・・・(なんだ!?これは・・・この目さっきまでとは別人)」

 

 

そんな木魚達磨を無視してリクオは妖怪達を連れて行こうとすると鯉伴とアマテラスが出てきてリクオに刀を渡した。

 

 

「リクオ・・・そいつの名は『祢々切丸』と言ってな俺が親父から受け継いだ刀だ。百鬼を率いるならそれを持っていきな」

 

「それから私達も付いていきますよ。愛する娘と義息子を放ってはおけませんからね」

 

「親父・・・義母さん・・・・・」

 

 

いろんな者たちに感謝しながらリクオは百鬼夜行を率いて自分の愛する者と人間達を助けにトンネルへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チビテラスside

 

 

 

リクオ様を迎えに行っただけなのに何故こんなことになってしまったのかな。

学校に向かっていた時に突然トンネルが崩れて確か・・・バスという乗り物が転倒して、それによって怪我をしてしまった子供達を治療しています。

あっ!ちなみに今は狼の姿じゃなくて人の姿になっています。

 

 

「はい!これで大丈夫よ」

 

「ありがとうお姉ちゃ・・・キャッ!!」

 

「!?」

 

 

女の子が見つめていた方に振り向くとそこには奴良組幹部の一人、ガゴゼさんが部下と一緒にニヤニヤしながら私を見つめていた。

嫌な予感がして私は子供達の前に出た。

 

 

「ガゴゼ様。これはどういうつもりですか?」

 

「これはこれはチビテラス様。まさかあなた様がここにいるとは思っておりませんでした。・・・・・お前も若もろとも死ぬがいい!!」

 

 

ニヤニヤした顔から一変して恐ろしい顔へと変えながら手を上げる。

すると後ろにいた部下達が一斉に襲い掛かってきた。

普段だったら狼の姿に戻って滅するけど・・・・・

 

 

「(さすがにこの子たちの前で姿を変えるわけにもいかない)」

 

「ケケケケッ!!」

 

「!!」

 

 

子供達に目を向けた隙をついて一匹が私の顔を木の棒で殴りつけた。

倒れることはなかったけど・・・こんな外道共に子供達を守ることができないのは悔しい。

いつの間にか私の眼から涙が落ちていた。

 

 

 

 

 

ゴバッ!!!

 

 

 

 

 

その時激しい音がしたのとともに岩が弾け飛んでそこから私を愛してくれているリクオ様が多くの奴良組の皆さんと一緒に入ってきた。

 

 

「・・・・・ガゴゼ貴様・・・なぜそこにいる?」

 

 

私を殴った屍妖怪が奴良組本家が現れたことで恐れながらガゴゼに助けを求めた。

 

 

「ガ、ガゴゼ様・・・」

 

「本家の奴らめ・・・・・」

 

 

怯える子供達を安心させながらリクオ様は私のもとへ駆けつけた。

 

 

「テラ!大丈夫だっ・・た・・・・・」

 

「リクオ君どうし・・・・・テラ・・・あなたその血はどうしたの!?」

 

 

急に体を震わせながら聞いてくるリクオ様とお母様。後ろには同じように鯉伴さんが震えながら見つめている。

 

 

「これはガゴゼ達に殴られt「テラ!!」ひゃっ!?」

 

 

急にリクオ様が私の体を抱きしめた。

あまりに突然の事でおかしな声を出してしまったではありませんか!!

 

 

「待っていなテラ・・・今すぐこいつらを殺してやるからな!!(怒)」

 

「私の娘に手を出すなんていい度胸じゃないガゴゼ!!(怒)」

 

「私じゃねぇだろアマテラスさんよ。正確には俺の義娘でもあるんだからよ(怒)」

 

 

三人から感じる殺気にガゴゼは慌てながら部下に命令しだした。

 

 

「くそっ!!殺せ!!この場で若を殺せ!!ぬるま湯にそまった本家のクソどももろとも!!全滅させてしまえ!!」

 

 

「「「「「うおおおお!!」」」」」

 

 

奇声を上げながら襲い掛かってくる屍妖怪達に奴良組の皆さんやリクオ様、お母様、鯉伴様は恐れることもなくそれぞれの武器を構える。

 

 

「死にやがっ!?」

 

「若とチビテラス様には一歩も近付かせん!動けばさらにしめる」

 

 

私を抱いて無防備な状態のリクオ様を殺そうとした屍妖怪の腕に首無さんの持っていた赤い糸が絡みついた。

 

 

「なめるなぁああぁあぁ・・・」

 

 

凄まじいくらいの砕け散る音と一緒に屍妖怪は赤い血飛沫が広がせながら死んだ。

また木の棒を手に持って迫ってくる屍妖怪には青田坊さんと黒田坊さんが・・・

 

 

「足りねぇな・・・突撃隊長青田坊にはよーーー!!」

 

 

額で木の棒を受け止めて巨大な拳で叩き潰したり・・・

 

 

「貴様一人ではないぞ。突撃隊長はーーーっ!」

 

 

武器を巧みに使って薙ぎ倒したりした。

 

 

「フゥウーーーーー」

 

「ぐお!」

 

「ぐぅッ!?」

 

「ふふ」

 

「ぐぇ!」

 

「ほいっさ!」

 

「ぎゃあ!」

 

 

口から吹雪を吐いて凍らせていく氷麗さんや長い髪の毛で首を絞める毛倡妓さん、水の玉を作って潰す河童さん。

 

 

「はっ!」

 

「よっ!」

 

 

「「「「ガッ!!」」」」」

 

 

狼の姿にならず神器を使って敵を切り裂いていくお母様や刀を使って切り裂いていく鯉伴様。

私も戦いたいのですが・・・

 

 

「リクオ様。離してください!」

 

「駄目だ・・・お前はこのままでいろ」

 

 

先程からリクオ様に抱かれていて動くことも出来ないのです。

仕方なく諦めて再び前を向くとほとんどの屍妖怪達が倒されていてガゴゼが青くなっていた。

 

 

「こ、こんなバカな・・・私の組が・・・誰よりも殺してきた・・・最強軍団なのに・・・・・ん?」

 

 

突然動きながら笑い声をあげたガゴゼはバスの横にいる子供達に向かって行った。

 

 

「リクオ様!」

 

「・・・・・チッ。そこにいろよ」

 

 

な、何故不機嫌になりながら言うんですか!?

そのまま素早く子供達を襲いかかろうとしたガゴゼの前に現れて持っていた刀で顔を斬り付けた。

 

 

「なんで、なんで貴様のようなガキに・・・ワシのどこがダメなんだーー!?妖怪の誰よりも恐れらているというのにーーー!!」

 

 

顔面からは勢いよく血と文字のようなものが吹き上がらせて泣きわめくガゴゼにリクオ様が説明する。

 

 

「子を貪り喰う妖怪・・・そらぁおそろしいさ。だけどな・・・弱えもん殺して悦にひたってるそんな妖怪がこの闇の世界で一番の“畏れ”になれるはずがねぇ」

 

「!!」

 

「情けねぇ。こんなんばっかか俺の下僕の妖怪どもは!だったら!!俺が三代目を継いでやらあ!!人にあだなすような奴ぁ俺が絶対許さねぇ」

 

 

リクオ様の三代目襲名の言葉に奴良組の皆さんが嬉しそうに声をあげる。

 

 

「「「「「「若!!」」」」」」

 

 

「世の妖怪どもに告げろ俺が魑魅魍魎の主となる!!」

 

「ぬあああ~~~~~!!」

 

 

奇声を上げながら爪で切り裂こうとするガゴゼを逆に刀で真っ二つに斬り伏せて高らかに宣言した。

 

 

「全ての妖怪は俺の後ろで百鬼夜行の群れとなれ」

 

「へへ・・・格好いいこと言うねリクオはよ」

 

「あなたの夫になるにはいいかもしれないねテラ」

 

「はい!お母様!!」

 

 

すると突然リクオ様がクラリと体をふらつかせたので急いで駆け寄る。

 

 

「リクオ様!?」

 

「テラ・・・悪いな・・・お前の体に・・・・甘え・・・さえてもら・・・うぜ」

 

 

苦笑しながら倒れたリクオ様を私は体で押さえる。

その寝顔はとても気持ちよさそうになって。

 

 

「ど、どうされましたー?」

 

「!?」

 

「いや急に倒れられて・・・」

 

「まさか・・・やられていたのか!?」

 

「いえ・・・おそらく限界だったのね」

 

「みてぇだな。つまり妖怪の四分の一血を継いでいるから一日の四分の一しか妖怪でいられないということだ」

 

 

鯉伴様が楽しそうに笑いながら説明する。

お母様はそれを見て溜息をついているけどね。

 

 

「えーーーーーなんですってぇえーー!?」

 

「そ、それって」

 

「どーーなるのぉーーーー!?」

 

 

「「「「「若アァァーーーーー!!」」」」」

 

 

トンネル内で騒がしく奴良組の皆さんの声が響き渡った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。