「あの魔力…ククク…クックックッ…ヒャーッヒャッヒャッヒャッ!やはりアレは間違いない!」
老人は再び魔弾を連続で撃ち出す。
(あれが今回の討伐目標だろう)
「…研究材料、か」
呟く。
「フン、あんなモノ研究材料にもならんワイ。ちゃんと始末しろヨ?」
(あれが目標ではないのか…?)
距離を保ち連続で矢を放つ。
鋭く標的に向かう矢と魔弾、しかしそれらは届くことなく凍りつき、砕け散った。
ドラゴンは気にも留めぬかのように眼を閉じたまま動かない。
「絶対零度か…厄介だな…」
今度は力を溜め弦を引き絞り黒炎を纏わせた一撃を放つ。
凍てつく空気を裂きドラゴンの首元に届き、突き刺さる。
しかし黒炎は消失し、深手には至らない。
閉じられていたドラゴンの眼がゆっくりと開かれる。
翼を広げ、一度大きくはばたく。
真空が冷気を巻き込み、氷の刃となり襲いかかってくる。
間一髪凶刃をかわし、ソウルを込めた一撃で反撃する。
「ダークエアレイド…!」
攻撃後の隙を狙い黒ローブも攻撃に加わる。
魔弾はドラゴンの翼に直撃し、衝撃が広範囲にダメージを与える。
黒ローブは正確に翼へと追撃を与える。
「まだだ…!」
続けて技を放つ。
しかし、ドラゴンが吐き出した息吹が技を相殺する。
「ふム…ちと力不足かの…」
老人が銃に魔弾を込め直す。
間髪をいれず攻撃をするも、その殆どは届くことなく打ち消されてしまう。
僅かに届いた攻撃に黒ローブが追撃を与えているが致命傷には至らない。
「なんて力だ…」
再び弦を引き絞ろうとするとー
衝撃
背中が焼けるように熱く、意識が霞む。
振り向くと老人が俺に銃口を向けていた。
「グッ…ナンだ…これハ…」
弓から黒炎が吹き出す。
「貴様らが弱いからのォ、〈チカラ〉をヤロウかと思ってナ…ククク」
そう言って笑いながら黒ローブにも魔弾を打ち込む。
「き…サ…マ…」
黒い翼は黒炎を纏い全身をおぞましい瘴気が包み込む。
「グッ…カハッ…」
目の前が漆黒に包まれ心が闇に閉ざされる。
「…」
弓を構える。
「エンガルフィング・フレイム」
放たれた一矢は黒炎の柱を纏いドラゴンの反撃をかき消しすべてを焼き尽くす。
「クックックッ…お見事…流石は闇の〈チカラ〉じゃ…ククク」
パチパチと手を叩きながら老人が言う。
「これだけの魔力を込めて守護獣を創り出せるモノ…間違いない、ココに居るナァ…ククク…ヒャーッヒャッヒャッヒャッ」
先程の一撃により雪が溶け道となり森にはポッカリと入り口のようにその道が続いている。
「では、行くとしようかのォ」
再び馬の歩みを進める。
二つの闇を携えて。