モモンガ様迷惑を受ける   作:大きな像の金槌

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感想を頂けるだけでも有難いと思っています。

が、反論したいと思った部分もあります。

感想にもありましたが、ロンギヌス?

そんなもの主人公への絶望を味わせるための物です。

もとより主人公には死んでもらわないと最終話へ進みません。



20.ナザリックVS人間種

カッツェ平原

 

アインズ・ウール・ゴウンの軍勢と

 

王国より集められた10万の兵

スレイン法国からも30万の兵、いや、兵以外にもスレイン法国に住む武器を取れるもの全てが集められていた。

 

さらにバハルス帝国から、6万の兵が部隊を成している。4騎士はおろか、フールーダーも参戦している。

 

 

 

 

人間種にとって最大となる軍勢が相対していた。

あれ程の存在に対して。これ以外に対処する手段があるなら教えてほしいと思うくらいだ。とグレンは思う。

 

 

 

そう、この場面になるために考えられるだけの手を打った。

 

 

結果は思ったようにはならなかった。

 

周辺国家を人類の危機と回いたのだが・・・帝国以外には協力を取り付けることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

元より、帝国以外に余力がある国はなかったのが原因だが。

 

 

 

 

 

せめてもの解決策を、と思いナザリック地下大墳墓にある、あのアイテムを回収できればと考えていた。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――万に一つの可能性だと思っていたが―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

まったくの無意味と終った。所詮はこの世界の人類種程度では太刀打ちできるわけがなかったのだ。

 

 

 

 

 

こうなれば、残る手段は周辺国家を巻き込んでの連合を組み僅かな可能性を掛けるだけだと思って行動していた。のだが・・・・・・・

 

 

 

 

 

アインズに勝つには、全ての魔物、アンデットを倒す必要はないはずだ。

ギルド長たるアインズさえ倒せば、他の存在は生きる意義を失い自滅するだろう。

アインズを消滅させようと考えていたが、もはや手は思い浮かばない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際その予想は当たっている。ギルド長たるモモンガさえ消滅させればNPCは生きる意味を失うのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのためには、あのアンデットの軍勢を突破しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナザリック・オールドガーター 3000体

ナザリック・エルダーガーダー、ナザリック・マスターガーダーを合わせ総数6000の部隊だ。

 

さらに前面に、構えているのは、魂喰らい:ソウルイーターと、それに騎乗する死の騎士:デスナイトが500組。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユグドラシルのプレイヤーが多数いるのならば問題が無い数だが、あいにくと、人間種側には俺1人しかいない。

 

神人も連れて来てはいるが、前面の部隊を倒せれば御の字だろう。

 

あとはシャルティアがどこまで粘るかだ。

 

 

この戦いに勝つにはアインズのMPを、からにし攻撃を加えるしかない。

こちらの軍勢全てを使ってでも構わないからMPを消耗させたい。

 

そうすれば、シャルティアと俺が2人でかかれば間違いなく勝てる。

この戦いはそういう戦いだと。そう思っていた。

 

 

 

 

たとえ死んでしまったとしても、

超位魔法:星に願いを:ウィッシュ・アポンスターで全ての人間を生き返らせることは可能だ。

 

実験の末、問題ないことは確かめてある。

 

 

なんて便利な魔法だと思うが・・・・・何か肝心なことを見落としている気がするのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

「アインズ様、準備は終わっております。あとは御身が、その御力を示せば決着が着くことでしょう」

 

 

「そうか」

 

デミウルゴスの言葉に頷き、超位魔法の準備に入る。

 

超位魔法:イア・シュブニグラス/黒き豊穣への貢

 

狙いは王国の軍勢だ。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

あれは、超位魔法?

 

まずい・・・・普通なら初手ではありえないが、今この状況下において、もっとも有効な手だ。

 

当たり前だ。

 

 

MPを消費させるためのエサとして集めたはずなのに

 

 

 

 

 

 

その役目を果たすことは無く、アインズに対しての肥料を渡してしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうする。この場所から発動を止める方法は、まったくない。

 

 

超位魔法を止める手段がまったく思い浮かばない、単騎で突撃し、無謀にダメージを与えて止めるなんて手は、それこそ相手の思うつぼだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、本来かかるはずの魔法詠唱時間もなく・・・・・・・・・イア・シュブニグラス/黒き豊穣への貢が発動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

王国の陣営、その命、5万という数が一瞬にして吹き飛んだ。

 

 

 

 

そのあまりの出来事に、その場にいた人間種が動くどころか、瞬きさえできなかった。

 

 

 

 

恐ろしいことはさらに続く。

 

殺された人を養分に、黒い塊が大きくなっていく。

 

「メェェェェェェェェ」

 

この世のものとは思えない声を上げ、黒い仔山羊が5体生まれた。

 

そのままじっと、動かない異形の存在を人はただ、ただ見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

戦場の中央に、巨大な姿をしたものが現れる。

 

幻影の魔法により、戦場中央にアインズの姿が映しだされる。

 

 

 

スレイン法国の、何か所から、ある存在の名前がつぶやかれ、伝染していった。

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

「死の神 スルシャーナ様・・・・・」

 

 

 

 

さらに大きな声が上がる。

まるで神の再誕を喜ぶ歌のようだ。

 

 

 

「スルシャーナ様っ」

 

「スルシャーナ様っ」

 

「スルシャーナ様っ」

 

「スルシャーナ様っ」

 

「スルシャーナ様っ」

 

「スルシャーナ様っ」

 

 

スレイン法国に所属する人間から湧き上がる歓声が止まらない。

 

 

 

中には祈るように地面に伏せる者もいる。

 

 

だが、信じるべき神の存在を目にし、その眼には狂気の色が宿っている。

 

 

スレイン法国が最高位の六大神官長の上に立つ最高神官長ですら、アインズ・・・スルシャーナと名乗った人物に見惚れている。

 

 

いや、最高神官長がアインズを、死の神スルシャーナと認めていることこそが、法国全ての人間を狂気の渦に招いている元凶だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうこの狂気を止める術は無い。確信にもにた思いが背筋に走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗く、冷たく、生命を凍らせそうな、それでいて絶望へと導き、響く声が、その場にいた存在、全てに届く。

 

 

 

 

「我は、アインズ・ウール・ゴウン。そして死の神 スルシャーナ。

愚かにも、我に反旗を翻したものがいる。その存在を我に差し出すがよい」

 

 

 

 

「誰だ・・・・」

 

「誰の事だ・・・・・」

 

 

「誰だ・・・・」

 

「誰の事だ・・・・・」

 

 

「誰だ・・・・誰だ」

 

「誰の事だ・・・・・」

 

 

「誰だ・・・・誰だ」

 

「誰の事だ・・・・・誰を差し出せばいいんだ」

 

 

この言葉が、法国の部隊全てに伝染し、ある人物に行き当たる。

 

 

一人の存在が、あいつのことだっ、そう叫んだ瞬間

 

 

全ての存在が、グレンに目を向ける。

 

 

 

「あいつを殺せ、神に捧げるのだっ」

 

 

その言葉が一瞬にして法国の存在全てに広がる。

 

 

恐ろしいことに、スレイン法国が用意した30万もの人間が、一斉にグレンに襲い掛かってきた。

 

 

 

その突然の出来事に、王国の兵と、帝国軍は動くことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信仰心を利用して、こっちの軍を操るなんてっ・・・・・・

信仰ってやつのせいか?気にしなかったことがこんな事態を起こすとは・・・

ありえるかもれないが本当に目にすると目眩を起こしそうだ。

 

神なんて存在がいるわけがない。

法国で聞いていた話をまとめると、六大神も13英雄もすべて、ユグドラシルのプレイヤーだと。

 

なら、この世界の神って俺と同じ存在じゃないか。

 

俺が神となっていてもいいだろうに。

 

何を誤ったと・・・・・・・・・・。

 

 

グレンは心の中で叱咤する。

 

だが、この暴れ狂う軍勢を静させる方法はないだろう。ないのであれば逃げるしかない。

 

1点突破をかければ、所詮はカンストプレイヤーである俺に勝てるものは法国内にはいない。

 

だが、

 

「奴を攻撃するんじゃっ」

 

近くにいたカイレが、あの存在に命令を下す。

 

 

「なっ婆ちゃんまでっ」

 

かつてスレイン法国に訪れたときに、少しでも優しさを与えてくれた人ですら敵になった。

 

 

 

グレンは思う。

 

この人は信仰心に惑わされることはないと思っていたのに。この世界の全てが俺を裏切ったと思った。

 

 

すぐそばのシャルティアから攻撃を受け態勢を崩し、法国軍の中に飛ばされてしまう。

 

多くの人間に圧し掛かられ、潰されそうになるが力づくで吹き飛ばす。

 

さらに、力任せに鞭を振るい周囲の人間をなぎ倒すが、キリが無い。

 

一人一人程度であれば、楽に殺せるのに、あまりにも多い数が鞭の加速力を失わせる。

 

初速が無ければ、せっかくの神器級装備も活かせない。

 

 

 

 

 

 

次から次へと、人間が波となって押し寄せてくる。

 

 

さらには、黒い仔山羊が5体も動き出し、シャルティアと連携しつつ攻めてくる。

 

 

「対応策が・・・・・・・・・」

 

先日の戦闘で、最高位天使を召喚する魔封じの水晶は使ってしまっている。

経験値を消費してでも生み出すチャンスがない。詠唱時間を与えさせてくれないのだ。

 

 

召喚体制に入ろうと、飛行:フライの魔法でとんだ矢先に、

 

フールーダーが

アインズが

 

適宜遠距離魔法を放ってくるのだ。

 

「法国の人間ならまだしも、なんでフールーダーまでっ」

 

「わが師に尽くすこと。これこそ本望だっ」

 

完全に詰んでしまっている。

 

 

まさか、フールーダーを取り込んでいるなんて・・・・・

 

フールーダーだけならどうとでもなるが、攻撃するチャンスを、黒い仔山羊と、シャルティアが、アインズが潰す。

 

 

 

 

 

 

 

ならば、

残された最後の手で、この場から逃げようと腕輪の力を発動する。

 

超位魔法:ウィッシュ・アポンスター

 

この場から遠く離れた場所へ転移してくれっ

 

 

願いを込めた魔法が不発に終わった・・・・・・・・

 

一体何がっ起こっ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

アウラの持つ山河社稷図が戦闘が始まる前から、このカッツェ平原全てを隔離していた。

 

神器級アイテムではワールドアイテムの効果を超えられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

回復魔法を行使し、身体を癒してもいずれはMPが尽きる。

人間種であるいじょう、いつかはスタミナも尽きてしまう。

 

 

 

 

 

アインズとグレンの立場が逆であったなら、疲労というバットステータス無く戦い続けられたかもしれない。

 

 

 

 

だが、現にグレンは人間種なのだ。

 

 

 

「スルシャーナ様っばんざーい」

 

「スルシャーナ様に全てを捧げるんだっ」

 

我先にと、死を恐れない軍勢が襲ってくる。

 

「あれは、スルシャーナじゃないっアインズだっ」

そう叫んでも聞き入れてくれる人は誰一人としていない。

 

倒しても倒してもキリが無く襲ってくる。

 

信仰心という名の狂気を纏い襲ってくる人が恐ろしさ・・・・・・

 

決してlv差で、どうにかされるはずがないのに・・・・・・・・死へと近づく気配を感じる。

 

 

 

 

 

攻撃をするたびに・・・・・・・・・・

回避するたびに・・・・・・・・・・・

ダメージを受けるたびに疲労がたまっていき・・・・・・・・・・最後の止めとばかりに

 

 

 

《グラスプ・ハート/心臓掌握》

 

 

 

 

アインズの即死魔法が止めを刺した。

 

 

 

「戦いは始まる前に終わっているのだよ」

 

 

まぁぷにっと萌えさんの言葉だがな?

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

グレンがアインズと戦うために準備していたように、

アインズ、いやデミウルゴスがそれに対抗する術を用意していた。

 

最もデミウルゴスが全て計画していた通りとなったのだが・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

法国を調査しているうちに六大神の一人、死の神スルシャーナの存在を知ったことから全ての作戦は始まった。

 

法国の部隊に所属する何名かに、アインズの姿が映し出された瞬間、スルシャーナの名を叫ばせる。

 

たったそれだけのことで、法国の部隊はグレンに攻撃が向けられると想定されていた。

 

高い信仰心ゆえにだ。

 

「まさか、あれほど簡単に扇動されるとはな。」

 

「人間など所詮はその程度の生き物です。法国の場合は、その信仰心が仇となったのでしょう」

 

 

 

フールーダはもっと簡単だった。

グレンがバハルス帝国を離れた後で、会うだけでことはすんだ。

 

当たり前と言えば当たり前だろう。

 

フールーダにとって最も重要なことは魔法の深遠を覗くことなのだから。

 

グレンとアインズ

 

どちらが優秀な魔法詠唱者か比べるまでもないのだから。




無茶苦茶だと思うかもしれませんが、絶望の末、主人公が殺された。

という描写を思い描いていただければと思います。



最終話まで、あと2話
暇つぶしでもと、お付き合いください。

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