そして主だった守護者達が現れる。
ここまで長かったよ…
恥ずかしすぎて第六階層の闘技場まで来てしまった。走って……疲れなかったからいいけど。
さてとモモンガさんは………居た。遠くからだけどスキル使ってるからよく見える。双子のアウラとマーレに飲み物を勧めてる。優しいな怖い骸骨だけど…
ぼっちは物音一つ立てずに双子の背後まで移動したのだがいっこうに気付かない。
気付かれないようにしたのだからアウラとマーレは許そう。でも、こっちを向いているモモンガさんは無視することはないでしょうが!
と、そうだスキル使いまくっているから透明化まで使っているの忘れてた。テヘッ
「………ぼっち様?」
名前を呼ばれてめちゃくちゃびびった。気付かれた訳ではなさそうだ。
「ん、どうしたのマーレ?」
「え、い、いや…なんかぼっち様の気配感じなかった?」
気配?そんなスキルあったっけ?モモンガさんなら絶望のオーラ出せるけど俺は出してたら逃げれなくなるから使わないようにしてるんだけど…
「うーん?私は感じなかったけど…」
「……………」
「き、気のせい……だったのかなぁ?」
なんだこの可愛い生物たちはアウラもマーレ仕草一つ一つが可愛いなぁ。癒されるなあー。ロリコン&ショタコンでもいいかも。
あと中の性格を知っているからかキョロキョロ辺りを見渡している骸骨まで可愛く見えるな…病院って創ったっけ…よし、ここはひとつ
「・・・気のせいではないぞ」
「「「!!!!????」」」
ふふふ、驚いてる驚いてる。アウラは体を大の字に近い形で飛びのいている。アウラちゃん?それ女の子の驚き方ではないと思うんだけど。
そしてマーレは男の子(娘)だったよね?最小限の動きで跳ねてスカートの裾を気にしてる辺り超女の子っぽいんだけど。
で、モモンガさん怖いですよ!下あご外れかかってますよ!?
「ぼっち様!?大変失礼しました」
「し、失礼しました」
いやちょっと待って。子供にそこまで謝られるとボクが悪いみたいじゃないか。悪いんだけどさ。
こんなときこそ旦那に頼むべき……さっき失敗したばかりだよな……また空母がくるよおお……偵察機が十字架のように突き刺さり、炎上した空母が……
「・・・マーレはよく気付いたな・・・アウラはもっと精進せよ・・・」
「はい。精進いたします!」
「え、えへへへへ」
二人は頭を撫でられて本当に嬉しそうにしている。もうこの身体になれた……が、何様だよ……こんな子供に「精進せよ」って…ボッチオウチカエリタイ。ぼっちにはまだ帰れるところがあるんだ……あ、どっちにしてもぼっちに変わりなし。逃げ道は無かった。
「ぼっちさん。どうでしたか?」
おお!?モモンガさん今の声かっこいい。どったのいつもの優しげな声は?なんか威厳があるっていうか、俺もしたほうが良いのかな?
…喋ることが少ないから関係ないな…
「・・・問題なく」
その言葉を聞いたモモンガさんはほっとした様子だった。
「・・・!」
後ろの方で何かの気配を感じた。
ぼっちは目にも映らぬ速さでモモンガさんの後ろまで移動した。もちろんモモンガさんを盾にじゃなくて守れるように。
何もない空間に黒い穴が開き、その中から現れたのはさっきまでお茶をしていたシャルティアだった。
「おや……私が一番でありんすか」
やっぱりそのままが一番だよな。てか、あのままだったら机の上のも全部つめる気だったりしないよね。どこぞの軽巡じゃないんだから詰め過ぎ注意。
「モモンガ様。ただいま参りました」
「うむ」
あれれ?予想外なんだけど。確かシャルティアって屍体愛好家って設定なかったっけ。モモンガ様に何かしらアピールするかと思ったのに。
「あんたさあ、なにゲートなんて使ってくんのさ?」
「いいではありんせんか」
なぜに俺に熱っぽい視線を向けてくるの?ぼっち分かんないんだけど。
なんかアウラと話し出したし……聞こうと思えば聞けるけど女の子の会話を盗み聞く趣味はないと言うか悪口だったら精神が崩壊してしまう……
「えーずるーい!」
「ふふーん」
「???」
え、なにがずるいのお兄さんにも教えてくれないかな。ぼっち口では言えないから誰か受信してくれる人募集中。
あとマーレもぼっちになってる。モモンガさんは…そっとしておこう…
「オクレテシマイモウシワケアリマセン」
「いや、遅れてはいないから気にするなコキュートス」
モモンガさん一時的ぼっちから脱出おめでとう。アーンドギルティー!コキュートスは無罪の方向でと。にしてもやっぱりコキュートスって格好いいよな。虫なんだけれどもどう見ても武人って感じでさ。
「マーレハ幸セソウナ顔ヲシテイルナ」
みんなの視線がいっせいに集まる。見ないで。みないでー。って、そりゃ見るよねぇ。だってマーレぼっちかわいそうだったんだもん。ていうか俺がぼっちだったもので。だからさっきと同じように撫でてみた。
最初はびっくりしたようでおどおどしてたが段々慣れてきたのか満喫し始め、いまやトロ顔になっていた。
なにこれお持ち帰りしたい。おじさんなにもしないよ。モッテカエルダケダヨー…なんか犯罪者っぽくなってきてない…
撫でるのをやめるととろっとろになった視線を向けてきた。
やばい俺の理性が持たない。そしてそこの二人は鋭利な刃物並みの視線向けるのやめて。しかもマーレに…
「お待たせして申し訳ありません」
声を聞いて動きを止めてしまった。
守護者統括のアルベドと並んでデミウルゴスが来た。
さっきの対応を思い出して内心焦りまっくてる。ほら、脳内会話で噛むほどに…
デミウルゴスは会釈をしてからコキュートスの横に並んだ。そしてアルベドが一歩前に出た。
「では至高の御方々に忠誠の儀を」
アルベドの言葉を聞いた守護者達の雰囲気が変わった。
「第一、第二、第三階層守護者シャルティア・ブラッドフォールン 御身の前に」
「第五階層守護者コキュートス 御身ノ前ニ」
「第六階層守護者アウラ・ベラ・フィオーラ 御身の前に」
「お、同じく第六階層守護者マーレ・ベロ・フィオーレ… お、御身の前に…」
「第七階層守護者デミウルゴス 御身の前に…」
「守護者統括アルベド 御身の前に」
一切の乱れなく進むNPC達から目が離せなくなっていた……
「第四階層守護者ガルガンチュアおよび第八階層守護者ヴィクティムを除き各階層守護者御身の前に平伏し奉る。……ご命令を至高なる御身よ。我らの忠義すべてを御身に捧げます」
人間だったら鳥肌もんの興奮が訪れた。
モモンガさんなんでオーラ出してるって、なぜに絶望のオーラ出してんのこの人!?
本当に俺はこの先やっていけるかな?
少しマーレびいきだったかなぁ
自分で書いて「コキュートス台詞すくな!」って思ってしまった