けんぷファー With ~AGITΩ~   作:navaho

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第五話

 

こんなこと、わかっていた。ずっと、前からわかっていたことなのに……

 

オレが”化け物”だってことは……人間じゃないってことは…ずっと昔から………

 

なのに、どうしてオレは、痛いんだろう。胸を張り裂きそうな何かがオレの中で動いている。それが、何のか、よくわからない。

 

”アギト”になったあの日から感じていたモノなのに……

 

あの日、父さんと母さんがオレの前から逃げ出した日からずっと、心の中にある言葉………

 

”なんで、オレなんだよ……オレ、これから、どうやって、生きていけばいいんだよ”

 

目からあふれ出る涙。震える体……もう、何もかもがオレの前から消えていった。

 

残っているのは、どこにも居場所を持てないこの中途半端な身体と”アギト”という化け物の力だけ……

 

目の前にあるこの絶望にオレの心に大きな罅が入っていくのを感じる。音を立てて、心が崩れ、何かが溢れだす。

 

”なんで、オレが!!!”

 

”どうして!!!!”

 

”みんな、どうして、オレを嫌うんだよ!!!!”

 

”どうして、嫌われなきゃいけないんだよ!!!!!!”

 

”好きでこんな身体になったんじゃない!!!!好きでこんな力をもったんじゃない!!!!!!”

 

”だから、なんでだよ!!!!!”

 

今まで、たまっていた怒りの声が溢れだし、オレを包んでいく。そして、身体が変化していく……

 

オレの大嫌いな”アギト”へ……

 

”オレが、化け物だからかよ!!!!!”

 

アギトに変身したオレは、近くに飾ってあった家族写真の入った写真立てを手に取った。

 

今まで、オレに笑いかけてくれた二人の両親に対してどうしようもない理不尽な怒りを抱いた。

 

”うわああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!”

 

家族写真を叩き付け、”パリーン”と、写真立てのガラスが割れたと同時にオレの中にある怒りが爆発し、誰もいない我が家を徹底的に力の赴くままに壊し続けた。

 

”キエロ!!!!!”

 

”キエロ!!!!”

 

”皆、消えてしまえよ!!!!!!!オレも、皆も!!!!アギトも!!!!!皆、みんな、みんなっ!!!!!”

 

目の前の現実に対して、自分勝手な怒りをぶつけて、徹底的に壊した。この壁も、皆で過ごしたこの部屋も…このテーブルも、何もかもが憎かった……

 

そして、家族を壊した原因である自分自身が”大嫌い”になった。

 

”ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!”

 

怒っているのに、なぜか涙があふれてくる。どうしてなんだ?怒っているのに、憎んでいるのに、なんで、涙があふれだすんだよ!!!!!!!!!!!!!!

 

訳が分からなくなったオレは、破壊しつくされた家の中心でうずくまるように床を何度も叩きつけた……

 

何度も…何度も……何度も…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両親が消えたこの日から数日後、オレはこの家を出た。オレがめちゃくちゃにした家族がいたこの場所に居たくなかったから………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日からオレは、一人遠くの町まで来ていた。

 

 

 

 

 

 

”………お前は、怪物じゃない。だから、一緒に行こう。俺達と……”

 

 

 

 

 

 

冷たい豪雨の中、あの人は泣きながらオレに手を差し伸べてくれた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けんぷファー WITH AGITΩ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイテツ学園に数台のパトカーが集まってくる。学園の校庭は、避難してきた生徒達の列で溢れかえっており、騒がしい喧騒に包まれていた。

 

数人の警察官が校舎の方へ向かっていく中、スーツを着込んだ長髪の男性が一人覆面パトカーより現れる。

 

「氷川警部!!!」

 

若い警官が彼、氷川誠に呼びかけた。。

 

「はい。今回は、どういう事件なんでしょうか?」

 

「それが化け物が暴れていたそうです……」

 

「化け物?」

 

怪訝な表情で氷川は警察官に視線を向ける。

 

「はい。それが女子高生を襲った奴が三体いて、互いに殺し合ったそうなんですが」

 

目撃者の証言を書き取った手帳を片手に若い警官は報告を行う。

 

「三体……現れたのは、オルフェノクでしょうか?」

 

氷川誠は可能性の一つを提示した。かつての”オルフェノク事件”ほどではないが、今でも”オルフェノク”による犯罪は多い。

 

「いえ、アギトらしいんですが?」

 

「アギトっ!!?!!」

 

氷川誠は、警官の声に対してこれでもかという声を上げた。氷川の声の大きさに少しビクつきながら、警官は概要を説明する。

 

「はい。アギトが女子高生を襲おうとしていたと、あちらの娘が……」

 

警官が視線を向ける先には、長髪の茶髪の女子高生が事情聴取を受けていた。

 

「まさか、アギトが人を襲う?そんなことあるわけないでしょ!!!!!!!!!!」

 

怒声があたり一体に響き渡った。その怒声に、周りが鎮まった。

 

「ですが…アギトも……人間とは、違う生き物では…」

 

「違いますっ!!!!!!アギトは!!!!!!!」

 

氷川の脳裏に、あの頃に肩を並べた”戦友”達の姿が浮かんだ。彼らは、間違いなく人間なのだ。人であろうと”運命”と戦ったこの世で最も勇敢な者達………

 

「人間ですっ!!!!!!!!!!!!」

 

思いのたけを叫んだ氷川に対して、ほとんどの者が?マークを浮かべるものの、只一人事情聴取を受けていた女子高生 佐倉楓だけは僅かに黒い笑みを浮かべた……

 

「…アギトは人間?つまり、人を超えながら人を捨てられない”できそこない”ですか……」

 

佐倉楓の脳裏に怪物と言った時に酷く怯えたアギトの姿が浮かんだ。あれだけの力を持ちながら、心はもろく崩れやすい……

 

あの時の様子に…佐倉楓は

 

(赤の、いえ、青のけんぷファーも、”ロードの使い”に対抗できるだけの力はない……だったら……と思ってみたけど…意外と扱いにくいわね)

 

怪しげな視線をちょうど後ろを通り過ぎていく一人の女子高生に向け、怪しげに笑みを浮かべたのだった。その女子高生もまた、長袖に仕込んだ赤い腕輪をちらつかせるように、佐倉楓に見せ、頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アギトはナツルの姿に戻り、紅音の案内で校舎の中に来ていた。紅音もまたけんぷファーからいつもの姿に戻っている。

 

「こっちです。ナツルさん」

 

「……………………」

 

ナツルは俯きながら、無言で紅音の後に続いている。その姿を見ると紅音も胸を締め付けられるような思いに駆られる。

 

(どうして、ナツルさんが怪物なんですか?そんなんじゃないのに……)

 

校舎の窓からは、校庭に乗り込んできたパトカーが数台と数人の警察官の姿が見える。

 

騒ぎがあって、誰かが呼んだのだろうか?

 

紅音は、今は誰もいないであろう女子校舎の屋上へとナツルを案内するのだった。

 

「……大丈夫ですか?」

 

何もしゃべらないナツルに対して、紅音は聞いてみた。

 

「…………………………」

 

ナツルは応えない。何も言いたくはないのだろうか?だが、気に掛けてくれる彼女に対して、何も言わないのは、失礼なことぐらいナツルにもよくわかっている。

 

「ごめんなさい、ナツルさん」

 

「………なんで、紅音ちゃんが謝るの?」

 

突然、謝ってきた紅音に対してナツルは、震える声で答えた。その様子に紅音はナツルが怒っているのではないかと思ったのか、表情を強張らせるのだが………

 

「……紅音ちゃん。オレは、別に怒っていないよ。これは、いつものことなんだから……気にしないで」

 

紅音に対して、うつむいていた顔をナツルは彼女に向けた。

 

「ナツルさん………」

 

その表情は、紅音が今までに見たことのない痛々しいものだった。涙をこらえ、抑えの利かない感情を何とかして抑え込もうとしている。そんな表情だった。

 

今、ナツルから溢れているのは、悲しみによるモノがほとんどであろう。だが、その悲しみから生じる怒りもまた、持て余していたのだった。

 

アギトの力を使うといつもこうなるのだ。たとえ、誰かのために立ち上がっても、所詮は”化け物”。

 

助けた者から罵られ、迫害される。

 

「………怪物呼ばわりされるのは、慣れているから大丈夫だよ」

 

曇った顔で紅音を安心させるようにほほ笑むナツルであったが、あまりに痛々しい笑みに紅音は、胸が締め付けられる思いだった。

 

(どうして、この人は、こんなにも辛そうに笑うの。どうして、怪物と呼ぶの?アギトは、私や、自分を傷つけた人をも助けようとしたのに……悪い人じゃないのに……どうして?)

 

自分とは、比べ物にならないほどの辛いことを経験してきたようなナツルの目に映る哀しみと無理やり繕った笑みがどうしようもなく痛々しい。

 

「だから、大丈夫だから……気にしなくていいから…」

 

笑いながら、紅音に答えるナツルの姿はあまりに痛々しい。紅音以外の人が見てもそう感じるほど、ナツルの心に刻まれた傷は深いのだから……………

 

「気にしなくていいって……」

 

紅音は、その先が言えなかった。仮に言ったとしても、ナツルの心に刻まれた傷を癒すことなど叶わないのだから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瀬能ナツル

 

紅音ちゃん……オレにどういっていいのか、分からないって感じだな。無理もないよな、こんな”化け物”みたいな奴にどう応えていいのか、分からないもんな。

 

みんながみんなそうだ。人とは違う奴は、色を付けて区別し、排除する。それが、人間であって、自分勝手だ。

 

だから自分勝手な解釈で物事を片づけたがるんだ。自分の身があまりにも可愛すぎるから……それはオレも同じ。オレも自分自身が可愛いから、こんな風に自分を卑下して哀れんだりできるんだ。

 

こんな自分勝手な感情に紅音ちゃんを付き合わせるんだから、本当に嫌になる。なんでだろう……どうして、こんなにも自分が嫌いなんだろう?

 

自分が好きになれないのだろうか?誰かに教えてもらいたくて、でも、それを聞くのが怖くて、前に進めない。

 

前に進むと、そこには、オレを傷つける何かがありそうで……怖いんだ………

 

だからこそ、オレはいつまでも、自分を卑下して哀れんでいられるんだろうな……

 

でも、今は自分を可愛いと思っていちゃいけないんだ。紅音ちゃんに迷惑をかけたままなんて、あまりに最低すぎるから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅音ちゃん」

 

ナツルは、紅音の傍により自分よりも小柄な彼女の肩に手をやりまっすぐに彼女に向かい合う。

 

「ナツルさん」

 

「何も言わなくていいから………オレは、平気だから…だから、何も言わないで…オレのことで、紅音ちゃんに傷ついてほしくないから……ね……」

 

紅音の肩にやったナツルの手が震えているのを彼女は感じていた。

 

(ナツルさん……もしかして、わたしに気を使って…自分がすごく辛い目にあっているのに、この人は……)

 

瀬能ナツルは”怪物”などではない。ナツルは、心やさしい人間だ……おそらく、だれよりも………傷つきやすく、それでいて優しすぎる人間だと……

 

そう思うと紅音は、ナツルの想いにこたえなくてはならないと思った。

 

「わかりました。今、出ていくと、困ったことになるかもしれませんから、しばらくは屋上に居ましょう」

 

紅音は、ナツルの手をとり、屋上に続く階段を上っていく。意外と大きな手をしたナツルに対して紅音は少しだけ驚いていた。

 

「ナツルさんの手……なんだか、男のひとみたいに大きいです」

 

(!!?!!!)

 

紅音は、僅かに頬を赤く染めながらつぶやいた。この言葉に、ナツルは紅音の自分よりも一回り小さい手を放そうとしたが、彼女の自分に絡みつく手を解こうとすることに対して戸惑いを感じていた。

 

(…オレが、男でも女でもない変な奴って、ばれないかな。でも……なんでだろう。どうして、この子は、オレなんかのために………)

 

ナツルは、紅音と言う存在に対して戸惑いを感じていた。

 

彼女との出会いは、自分が路上で襲撃され、殺されそうになったことから始まった。世界中どこを探しても、このような出会いをした人間はかなり特殊な状況であろうと思う。

 

戦いは、互角とは言えずナツルの”アギト”の力があまりに強すぎたがために一方的な展開であったが、ナツルに戦う意思がなかったために双方が傷つくことはなかった。

 

なぜか、ナツルの下宿先兼職場であるレストランアギトに紅音が迷い込んでしまい、彼女と話したことによって、交流が生まれたのだった。

 

ここまで奇妙な出会いをした二人と言うのも中々ないとナツルは思う。

 

そう思いながらも二人は、屋上へとやってきた。入口には立ち入り禁止の鎖と看板がひっかけられていたが、そんなものなど、眼中にはないのか二人はそのまま屋上のてっぺんまで登り、並ぶように座るのだった。

 

「ねえ。紅音ちゃん。どうして、けんぷファーはけんぷファー同士で戦うのかな?」

 

少しだけ、間が経ってからナツルが紅音に話しかけてきた。

 

「それは…分からないんです。ただ、戦わなければならないって、セップククロウサギさんが……」

 

「セップククロウサギ?」

 

「はい。臓物アニマルシリーズの一つで、黒いウサギが血走った目で、おなかに刀を入れているぬいぐるみです」

 

紅音の言葉に、ナツルは自身の下宿先にあるあの腹黒いぬいぐるみを連想するのだった。

 

「うちにも、似たようなのがあるよ。確か、アレはトラだったかな…紅音ちゃんとこも喋るの?」

 

「はい。口の悪い田村ゆかりさんみたいな声でしゃべるんです」

 

「田村ゆかり?」

 

「はい。声優さんです、わたしもチェックを入れている方です」

 

アニメをほとんどみないナツルは、誰がどうなのかまったくわからないといった顔だった。

 

「うちのは、昔の静香ちゃんみたいな声してたけど」

 

繰り返すが、かなり腹黒い。

 

「ナツルさんのところにも、臓物アニマルが?」

 

「うん。紅音ちゃんところもメッセンジャーだよね?」

 

「はい……けんぷファーになった時に初めて喋ってきました」

 

「うちのは、昨日の朝から喋ってるよ。ただ、オレはけんぷファーじゃないんだけど…」

 

「そうですよね、どうして、けんぷファーじゃないナツルさんのところにメッセンジャーが?」

 

「何かと戦わせたいんだって……その何かが、アンノウンっぽいんだけど…」

 

「あの…アンノウンって一体、何なんですか?ただの怪物じゃないみたいですし…そもそも天使って・・・・・・・・・」

 

紅音は昨夜と先ほどのアンノウンの姿を回想した。半神半獣の姿は、異形でありながらどこか、神々しい何かを感じさせる。

 

ただ唸るだけだが、天使の輪を思わせる光の輪を頭上に掲げ、様々な武器を召喚し操る。

 

紅音がよく見るアニメでは、使徒という変な生き物が人類の切り札である汎用人型決戦兵器と戦うものがあり、使徒は人類に敵対する設定である。

 

「オレもよくは、分からないんだ真魚ねえが言うには、遠い昔に居た神様の使いだってことぐらいしか…」

 

ナツルも分からないといった表情であった。話には聞いていたが、実際に遭遇して戦ったのは、初めてのことだから。

 

「わかるのは、アンノウンの神様が”ケンプファー”が嫌いで、それを何とかしたくて、アギトの力が必要みたい」

 

だからこそ、自分が”モデレーター”に選ばれたのだろう。アンノウンに対する”力”として…………

 

ここでナツルは、嫌なものを吐き出すかのように目を閉じた。それは、まるで未だに癒えることのない傷が開き、痛みが身体を走るかのように。

 

「だから、アギトについて話すよ…ちょっと、辛いけど……」

 

「……ごめんなさい」

 

「いいんだよ……オレもいつまでもふさぎこんでいるわけにはいかないから……」

 

紅音を少しでも安心させたいのか、ナツルは無理に笑みを作って応えた。見ている方が辛い対応であった。

 

辛気臭い自分のために彼女にまで辛い気持ちを押しつけたくはないのだから………

 

「アギトは、人間の進化の可能性の一つなんだ」

 

「に、人間の進化の可能性ですかっ!?!」

 

アギトについて、色々とファンタジーな想像をしていた紅音だが、ナツルの言葉から出た意外な単語に驚きの声を上げた。

 

「……うん。人間は、誰もがアギトになる可能性を持っているんだって……それが覚醒するのは、凄く低いんだ……」

 

すさまじい話だと紅音は思った。アギトとは、今の人類よりも一歩先に進んだ人類である。アギトの優れたところは、あの戦闘能力の高さと相手に対して、その強さを変化させる適応能力である。

 

「凄いんですね。アギトって……TVやアニメみたいな話が本当に起こっていたなんて、あ、ごめんなさい」

 

つまりアギトはある意味選ばれた存在かもしれない。故に紅音は、ナツルの話に関心を覚えたのだが、当のナツルがアギトの力で苦悩を抱えていることに気づき、思わず”ごめん”と口走ってしまった。

 

「いいよ。気にしてないから………アギトは、アンノウンの神様と敵対していた神様が、アンノウンの神様に好きにさせないために生み出したんだって……」

 

世界が生まれるはるか昔に行われた戦いの果てに、アギトは誕生した。人間の無限の可能性として…

 

だが、ナツルにとってアギトは忌々しいものでしかない。この力のために、自分は今まで苦しんできたのだから……

 

「そうなんですか……じゃあ、なぜ、けんぷファーはアンノウンに?」

 

けんぷファーは、アンノウンに因縁をつけられるほどの何かをしたのだろうか?

 

「………うん。オレも気になってたんだ。どうして、紅音ちゃんみたいな子を戦わせる必要があるのかって……」

 

「えっ!?!私のことを、心配してくれるんですか?」

 

ナツルの言葉に紅音は、思わず頬を赤くしてしまった。気になる人物が心配してくれることが嬉しいのだろうか。

 

「………だって、紅音ちゃんは、戦う必要ないじゃん。普通の子で、シャイで良い子なのに、悪いことなんてしてないのに……」

 

ナツルは、けんぷファーの存在についての疑問をそのまま口に出してみた。

 

自分は、けんぷファーに関わる脅威と戦うために”モデレーター”という存在が選んだとあのぬいぐるみから聞かされている。

 

関わる脅威を払うため、要するにけんぷファー同士の戦いを続けさせるために……

 

「オレは、けんぷファー同士の戦いを誰にも邪魔されないようにするために、選ばれたんだ。あのぬいぐるみがいうには……」

 

ナツルの目に僅かながら、怒りの色が浮かんだ。モデレーターは、すごく自己中心的で勝手な奴だと思う。ナツルの怒りに呼応するように僅かながら瞳に赤みが刺した。

 

「そうだったんですか……でも、ナツルさんは、モデレーターの都合のいい存在じゃなくて、凄く素敵な方だと思います」

 

「ふえっ?」

 

いきなり、出てきた紅音の意外な言葉にナツルは、小首を掲げて頭にはてなマークを浮かべた。

 

「だって、私を助けてくれましたし、それに…敵のけんぷファーも助けに行くなんて……普通なら、絶対に見捨てますのに……」

 

見捨てるというところで紅音が俯いてしまった。アンノウンに敵が倒されればいいと思ったことに軽い自己嫌悪をしてしまった。

 

(私って……なんだか、凄く嫌な子です……)

 

「……そんなことは、ないよ。紅音ちゃんの言うように、普通、敵は見捨てるよ。あの時は、オレが変な正義感みたいなのを勝手に思って、やったことだから…そんなに、凄いことでも、何でもない」

 

「そんなことっ!!!ないです!!!!!だって、行動を起こしたことだけでも、凄いんですよ!!!!!普通の人は、そこまでしません!!!!!!!!」

 

「……いや、只の自己満足だよ。オレの…自分勝手な」

 

隣にいるナツルに向かい合うように、紅音は身を起してナツルに言った。だが、ナツルはそんな紅音から目をそらすように俯いてしまった……

 

「てめぇっ!!!!いつまで、いじけるつもりかよ!!!!!!!」

 

ナツルに対して勘忍袋の緒が切れたのが、紅音がけんぷファーに変化していた。胸倉をつかみ、鼻と鼻さきがくっつく距離まで手繰り寄せた。

 

「お前は、あたしを助けた。お前を殺そうとした奴を助けるぐらいのお人よしだ。お前は……」

 

「……そんなの……ただの、思い違いだよ。オレは、紅音ちゃんが思うほど、優しい人間じゃないし…そもそも、こんな”力”を持っている奴が……」

 

まっすぐに目を向けてくる紅音に対して、逃げるように目をそらすナツルだった。この様子に対して、紅音はさらに感情を激しくさせる。

 

「許さねえ…こんな情けないこと言いいやがって……」

 

座っていたナツルを立たせた紅音は、目に真っ赤に燃えるかのような怒りを浮かべて、

 

「あたしを助けた奴が、こんな情けない奴じゃ、ゆるせねえ!!!!お前は、アギトっていう化け物なんかじゃない!!!!」

 

人間の進化の可能性であるアギトは、一般の人間から見たら化け物以外の何物でもないかもしれない。だが、紅音はアギトが普通の人間と何も変わらない存在であることを理解していた。

 

「なあ…おまえ、なんで、自分を化け物扱いするんだ?お前は、人間だろ?まわりもお前も自分を化け物扱いして、何がしたいんだよ」

 

自分を自分で傷つけるナツルの態度に対して、紅音は静かな口調で問いかける。先ほどの感情は、まだ高ぶっているが……

 

「………オレは、このアギトの力で昔、父さんや母さんは、オレから逃げ出したんだ………」

 

「はぁっ!!?!おまえを!!?!!」

 

ナツルの言葉から察するに、紅音は、ナツルの心に刻まれた傷は自分が思う以上に深いものであることを察した。アギトの力を得た代償はそうとう辛いものだったのだろう。

 

紅音もナツルの言葉に戸惑いを覚えたのか、胸倉を掴んでいた手を思わず放してしまった。

 

「…………オレが13の時だよ………アギトになったあの日、二人はオレの目の前から……」

 

ナツルの脳裏に、アギトとして覚醒したあの日の夜の情景が写り込んだ。あの日は、例年にないほどの巨大な台風が来ていた日だった。

 

数日前からよくわからない怪事件が立て続けに起こっていたことを覚えている……確か……殺された人間が灰になっていく奇妙な事件が………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツルは体調不良のために数日前からずっと寝たきりだった。身体が熱く、節々が痛く、とてもじゃないが我慢できるものじゃなく、何度も泣き叫んだ。

 

この日は、痛みが落ち着いていた。

 

”ナツル、大丈夫?”

 

今は、顔すら思い出せない母の声が木霊する。

 

”うん…大丈夫……”

 

声変わりすらしていない少女のような声で応える自分自身。寝巻の胸の部分が大きく膨らんでいる。いつからか、母は自分に対して、よそよそしくなっていた。

 

瀬能ナツルは、少女とも少年ともつかぬ姿をした子供であった。生まれた時は、男の子だと思っていた……

 

”そう…なら、ここに着替えを置いておくから、後で着替えるのよ”

 

綺麗にたたまれたお気に入りの青の寝巻が枕元に置かれた。

 

”うん…ありがとう”

 

よそよそしくなっている母であるが、気遣いがうれしいのか、ナツルは無邪気な笑みを浮かべて応えた。

 

そんな笑みに対して、母は目をそらし、そそくさに部屋から出て行ってしまった……

 

”………………”

 

母の態度に悲しくなったのかナツルは、顔を伏せるようにしてベットの中にうずくまってしまった。

 

”どうして母さんは、オレに笑いかけてくれないんだろう?やっぱり、オレが変な奴だからかな?”

 

よそよそしくなったのは、母だけではない。父もまた同じだった。いや、父の場合は完全に自分を無視しているようにさえ思える。

 

自分が居ても視界に入れないようにしている感じで、傍に居たがらないのかすぐに自分の書斎にひっこんでしまうことが多い。

 

”どうしてかな?オレ…そんなに嫌な奴かな?どうして、水琴のお父さんやお母さんみたいに扱ってくれないんだろう?”

 

ナツルは、半年前に海外へ行ってしまった幼馴染の両親と自分の両親との扱いを思うと少しだけ悲しくなった。

 

水琴。近藤水琴は、ナツルが物心つく前からの幼馴染である。ナツルが男の子でも女の子でもない子供であるのに、態度を変えることなく接してくれた友達である。

 

”じゃあ、ナツルはあたしのお嫁さんになれるの!!!!”

 

溢れんばかりの笑顔で、語りかけてくれる水琴に対して、困惑気味のナツルに追い打ちをかけるように…

 

”それなら、おばさん。嬉しいわ、可愛い息子と娘を両方兼任できる子がうちに来てくれるなんて…”

 

”母さん、気が早いぞ。水琴もナツル君も人生、これからなんだから、今の内に決めつけてしまうなんて……”

 

”あら、こういうことは早い方がいいのよ。水琴、ナツルちゃん、こっちきて”

 

まるで本当の子供のように、可愛がってくれた。だけど、仕事の都合で向こうへ行ってしまった。でも、お手紙はいつももらっている。また、一緒に遊びたいな………

 

水琴の事を思い出すと、悲しい気持ちが少しだけやわらいだ。今日は、身体が少し痛いけど、着替えてから早く寝よう。明日も多分、早いから………

 

おばさん…オレ、男の子なのに、どうして、女の子の格好をさせたがるんだろう?あ、水琴も喜んでる…男の子なのに………

 

”ナツルは、私のお嫁さん!!!!!”

 

なんか…変だよ……

 

ナツルは、ベットから起き上がり、母が畳んでくれた寝巻に手を掛ける前に自身が着ている衣服に手を掛けた。

 

真っ先に気になるのが、自分の胸に存在する大きく豊かな乳房であった。女の人にしかないものが、どうして男の子である自分にあるのだろうか?

 

変なのは水琴の言葉じゃなくて、自分自身なのかなあ?だから、学校でいじめられるのかな?

 

自分の身体にある青いあざや擦り傷、よくわからないけど、自分は皆から意地悪をされる……

 

自分自身がどうして良いのかわからないのか、ナツルは部屋の窓に反射した自分の姿を横目に着替えるのだった………

 

窓の向こうの嵐は、以前、勢いを増していく。そして、ナツルにとってその運命を大きく変える瞬間が近づいてくる……

 

”……ぁう…”

 

突然、腹部に痛みを感じたのかナツルはその場にしゃがみ込んでしまった。

 

”キィィィィィィィィィィィィィン”

 

耳を裂くような音が耳に木霊する。その音に呼応するように腹部に光の目が現れ、大きく輝き始めたのだった。

 

激しい痛みで声すら上げることができない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツルが住む家に近づくように一体異形の影が忍び寄っていた。

 

「ハハハハハハハッ!!!!!!!どうした、もう終わりか!!!!!」

 

雨の中一人の男が、背後からくるその影に怯えていた。それは、グレー単色のダニを模した奇怪な怪人であった。

 

「わかったっ!!!!!金は返さなくていいから!!!!だから、助けてくれ!!!!!!」

 

いかつい男は、懇願するように背後の怪人に懇願するモノの怪人は、奇妙に灰色の目をゆがませ、白い影が人の姿を取る。

 

「嫌だね……お前は、そうやって、俺から色々なモノを奪ってくれた。だから、俺はお前にとって大事なモノを奪う」

 

そう言って、怪人は男に向かって背中の脚をその胸に突き立てたのだった。

 

「…命を奪う」

 

最も自分がすがりたいモノを奪う。その意志に呼応するように胸に突き立てられた触手に力が送られ男の心臓が一瞬にして灰になった。

 

そして、男はまるでできの悪い砂の彫刻のように崩れ去って行った………

 

これ以上に最高なものはないといった笑みで怪人は、

 

「ハハハハハハハッ!!!!最高だっ!!!!さえない俺が、こんなにも強くなれるなんて!!!!HOOOOOOOOOOOOOOOッ!!!!!!!」

 

興奮した男は、雨の中叫び続けた。そして、さらなる衝動が彼を駆り立てる。

 

「もっと、力を使いたい…次は……そうだ、俺が苦労していたときに、幸せにしていた奴を懲らしめてやろう…そうだ。それがいい」

 

そして男は、目を付けたナツルの家に向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪雨が激しさを増していく。薄暗い部屋の中でナツルは、じっと見慣れている天井を見ていた。

 

下からは両親が何やら、話している声と物音が僅かながら聞こえてくる。傍では、時計の秒針を刻む音がはっきりと耳に響いてくる。

 

ナツルは、幼いながら自分が両親から疎ましく思われているのを感じていた。理由は、自分が二人にとって理解ができない”もの”でしかないからだ。

 

男でも女でもないよくわからない自分達の”子供”。どう扱っていいのかわからない。

 

二人が自分と向かい合うことに対して、ある種の恐れを抱いている。このことに、ナツルは幼いながらも哀しいと感じていた。

 

(……オレは、二人の子供なのに、どうして、オレの事をみようとしないんだろう。水琴のお父さんとお母さんは、オレをちゃんと見てくれるのに……)

 

自分が居るだけで家族の空気が重くなるのが辛かった・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ、ナツルは自身の知らない町まで来ていた。

 

”うぅっ!!!・ひっく…ひっく…うううぅぅ……”

 

幼い心に十分すぎるほどの鋭利な厳しい現実がナツルを容赦なく傷つけていく。寒さに震え、傷の痛みに泣き、さらに心が音を立てて、傷つき崩れていく様子にただ、ナツルは泣くことしかできなかった。

 

学校でもいじめられ、両親からの拒絶、自分自身への嫌悪感…ありとあらゆるものがナツルを負の道へと掻き立てる。何もかも嫌になっていく……

 

”おい、ここにいるんだろ?出て来いよ”

 

ここで声を上げるのは、津上翔一。反射的に声に反応するナツルであったが、その表情は、怯えの色を含んでいた。

 

あの人もオレを…傷つけに来たの?

 

”なあ、お前もアギトなんだろ?じゃあ、出て来いよ。オレもアギトだからさ、アギトつながりだから、仲良くしよう”

 

天真爛漫が似合う笑みでナツルに語りかける翔一。逆にそれが、ナツルの怒りに触れてしまった。なぜなら、ナツルにとってこの力は”忌むべき”ものであり、それを出汁に近づこうとする事があまりに許せなかったからだ。

 

”……アギト?なんだよ…お前も、オレを化け物呼ばわりかよ……何が、仲良くしようだよ…ふざけんなよ!!!!!お前!!!!!!!!!!”

 

アギト同士仲良くしよう?このアギトのせいでオレは、さんざんな目に遭ってきたのに、それを分かって言ってんのかよ!!!!!!!!

 

思わず立ち上がったナツルは、これまでにない怒りを瞳に浮かべる。その感情に同調するように目が赤く濁った輝きを放って行く………

 

それと同時に腹部に現れた”オルタリング”もまた、禍々しく輝き始めていた。

 

声の発せられた場所には、ニ十代後半の青年が笑みを浮かべている。彼の名は、津上翔一。

 

”お前か、傘もささないで…風邪ひくぞ”

 

そう言いながら、津上翔一は予備の傘を手渡すようにナツルに近づく。俯いていたナツルは、

 

”あああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!”

 

感情の高鳴りとともに、アギトへと変身を遂げたのだ。怒りが強すぎるのか、手が握られ、まっすぐその拳を津上翔一へ叩きつけるべく駆けだしたのだ。

 

”おいっ、やめろ!!!俺は、お前とは戦いたくない。一緒に、俺と行こう”

 

殴りかかってきたナツルことアギトに対して、津上翔一は傘を手放し、それを避けた。傘は近くの水たまりを弾かせて、落ちていく………

 

”うるさい!!!!!!お前も!!!!!!!オレを化け物呼ばわりするんだろ!!!!!!!!!!”

 

アギトから発せられる少年とも少女ともつかぬ幼い悲痛な叫びに津上翔一は思わず、顔をゆがませた。

 

”お前……一体………何が、あったんだ?”

 

悲しそうにアギトに視線を向けるものの、アギトは赤い目を憎悪に近い怒りの輝きを放って、向かってくる。アギトの攻撃は、人間のそれをはるかに超えている。

 

急所にくらってしまえば、命に関わる。翔一は、アギトが自分が想像する以上に悲しく辛い思いを察したのか、

 

”俺の名は、津上 翔一!!!!!!!俺は、お前を傷つけない!!!!!!!!”

 

向かってくるアギトを受け入れるかのように翔一は、正面からアギトに向かうのだった。

 

強烈な力を伴った拳が翔一の左頬に走った。意識が思わず飛びそうになるほどの衝撃であるが、翔一は何とか耐えるべく歯を食いしばる。

 

だが、アギトからの攻撃は容赦なく、さらに蹴りを翔一の胸部に加えてきたのだ。その衝撃に吹き飛び、大の字で雨で満たされたアスファルトの地面に叩きつけられた。

 

”っ!!!?!!!”

 

苦痛に歪ませ、口内に鉄の味を感じつつも翔一は立ち上がった。口内の血を吐きだしたと同時に折られた歯も飛び出した。

 

翔一は、口元をぬぐいながら、正面に立つアギトを再び見据えた。アギトは自分を睨みつけ、赤い目が爛々と怒りの色を浮かべている。

 

”何が…傷つけないだよ!!!!!嘘ばっかりいってんじゃねえ!!!!!”

 

癇癪を起した子供のような叫びと共にアギトは再び、翔一へ拳を振り上げる。翔一は、言葉を続ける。

 

”嘘じゃない!!!!!!!!俺もお前と同じだ!!!!!!アギトだ!!!!!!”

 

振り上げられた拳から回避するように翔一は、アギトから距離を取り両手で円を描くような構えを取ったと同時に、ナツル=アギトの腹部に巻かれたベルトと同じモノを自身の腹部に出現させたのだ。

 

”ッ!?!!”

 

自分と同じものが目の前の男から現れたことに、ナツルは驚いた。そして、

 

”変身ッ!!!!”

 

その声と共に翔一もまた、アギトへの変身を遂げた。その姿は、大きく盛り上がった赤く燃え上がる炎を纏った筋骨隆々の黄色い目を持った赤い角を持ったアギト バーニングフォームである。

 

纏った炎は、降り注ぐ雨をモノともせず大きく燃え上がっていた。

 

”お前も?オレと同じ化け物かよ!!!!!”

 

勢いを弱めた拳に再び力を込めてナツルは、翔一へと拳を再び叩きこむモノの翔一が変身したバーニングフォームの強固な胸部へと叩きつけられるが、

 

がっ!!!!!!!!!!

 

鈍い音が路地裏に響き渡るものの、微動だにせず翔一はナツルの攻撃を受け切っていたのだった。

 

”うう…うう”

 

ナツルは叩きつけた拳から感じる痛みに僅かながら身体が震えるのを感じた。そして悟ったのだった。この男の力は自分と同種であるが、その差はあまりにも歴然としていることを。

 

何も言わずに沈黙する翔一に対して、ナツルは怯えるように翔一を見上げた。自身の変身を遂げた姿よりも逞しく、力と言う力を称えた拳が自分に向けられると思うと恐怖心が芽生えてきたのだ。

 

”………怖がらなくてもいい。言っただろ、俺は、絶対にお前を傷つけないって”

 

その言葉と同時に翔一はアギトの変身を解く。翔一はまっすぐ、ナツルに視線を向けた。ナツルの赤い目は、変身を解いたのに、まだ怯えたように震えている。

 

”ごめんな…ほんとうにごめんな。お前、すっごく辛い目に会ったんだな。俺は、お前がどんな風に辛い目に遭ってきたかわからない”

 

表情をゆがませて翔一は、ナツルに対してわびるように泣いた。わびるように涙を浮かべた翔一に対して、ナツル自身は、なぜ、この男は涙を流すのかと困惑した。

 

”だけどな、これだけは言わせてくれ。俺は、もうアギトの力で自分を傷つける奴を見たくない”

 

その言葉に涙を流しながらナツルは……

 

”なんだよ…それがどうしたっていうんだよ。あんた、何様のつもりだ…”

 

”そんなに偉いわけじゃないけど……俺、すっごく頼りないけど……だから、もう泣くのやめにしよう。辛いことは多いけど、その分、嬉しいことはいっぱいあるから…”

 

そして翔一は、ナツルに向かい合うようにして

 

”俺と一緒に行こう。お前を、俺は一人にしておけない”

 

その言葉に応えるように、ナツルはアギトへの変身を解いた……豪雨の中、二人はその場を後にした・・・・・・

 

 

 

 

 

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