けんぷファー With ~AGITΩ~   作:navaho

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アギトよりあのライダーが登場です。個人的には、このライダーはかなり好きなんですよね(喜)

かなり更新の間が空いていまいましたので、こういうサービスはしておきたいものですね。


第八話

 

内でも屈指の高級住宅街の中でも一等地に建てられた住宅の一室で彼女は目覚めた。

 

彼女の名は、三郷雫。品の良いカーテンの隙間から差す太陽の光を浴びながら今日の天候について思いを巡らせる。

 

普通の人間ならば、今日の天候については”晴れ”か”雨”の状態に一喜一憂するだろうが、彼女の場合少しばかり大きく飛躍する。

 

この太陽は、社会的な格差に関係なく万人に降り注ぎ、その恵の恩恵を受けられる。しかしながら地域によっては、太陽により過酷な状況を強いられることもあると……

 

それによって国家もまた事情が変わってくると考えてしまう。

 

その度に、彼女は自身の考えに呆れてしまう。今日もやらなければならない事は多いのだ。それをこんな呆れた発想にいつまでも浸っているわけには行かない。

 

世間では一般の高校生であるが、彼女自身は大人顔負けの行動力と明晰な頭脳を持っているため、大人のやるべき仕事もこなしてしまう。

 

一年以上前に彼女は、それに加えて普通の高校生とはかけ離れた存在になっていた。

 

「雫様。お目覚めはどうですか?昨日は、あまりお顔が優れていませんでしたが?」

 

いつもの部屋の隅ではなく、今日はベッドのすぐ傍まで来ていたのは、カンデンヤマネコ。あまりにも不評を買ってしまった”臓物アニマル”シリーズのうちの一体である。

 

これも一般とはいいがたい光景である。何故なら、生き物ですらない”化学繊維の物体”が動き、喋っているのである。

 

その状況になれつつある自分を見て、人間とは非常に適応能力に特化した生き物であると思う。先ほど、考えていた太陽の件も踏まえると今度は”世界の成り立ち”について、論文が書けるかもしれない。

 

「えぇ…少しだけ、昔を思い出したの……それとアンノウンは、私達けんぷファーを相当目の敵にしているわ」

 

自身の机の上にある資料は、これまでに起こった事件の記事が切り取られていた。アンノウンは”不可能犯罪”と呼ばれる事件を起こしていた未確認生命体以上に不可解な存在である。

 

ある事件を境に姿を消したはずだったのだが、この街を限定に姿を現し、赤、青のけんぷファーを襲撃している。

 

さらには、昨日、自分自身もカラスに似た黒いアンノウンの襲撃を受けてしまった。

 

それに加えて………

 

「あれはG3システム……単なるアギトの添え物というわけでもなかったのね」

 

当初調べた時は、アンノウン事件を解決したのは”アギト”の強大な戦闘能力あってのことだと考えていたが、G3システムもまた強大な戦闘能力を誇っていることを昨日の戦いで認識させられた。正確にはG3Xシステムであるが……

 

自分が苦戦したアンノウンを自分ほど苦戦はせず倒してしまったのだ。あの時は、詳しく分析をすれば彼女自身が非常に動揺し、心を乱してしまったために普段の実力が生かしきれて居なかっただけだが……

 

自分の知らないところで人間は、異常な現象に立ち向かえるほどの力を身につけていたのだ。科学技術による”力”に惧れに近い物を感じるが、

 

更には、昨日そのG3Xシステムを管理する警察機構に自分いや、けんぷファーの存在を知られてしまったことに雫は……

 

「私にとっても、モデレーターにとっても最悪な展開だわ……」

 

昨日の件を三郷 雫は忌々しく思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日

 

普段の彼女からありえないほど三郷雫は動揺していた。

 

(なぜ、あの刑事は先輩を知っていたの?どうして・・・・・・)

 

あの日、消えてしまった”彼女”。生きていた痕跡、いや、最初から存在していなかったように消えてしまったのに・・・・・・

 

それに加えて

 

(警察がこの事”けんぷファー”を知っていたなんて……此処にはあまり近づかないほうがいいわね)

 

これから数日をかけて、アギトの事を知ろうと足を運ぶつもりで居たかったが、高いリスクが掛かる可能性があるため、雫は調査がさらに遠のく事に舌打ちをするのだったが……

 

その時、赤の腕輪が輝き始める。この反応は近くにけんぷファーが現れたときのモノであるが普段よりも激しく点滅している。

 

そう、まるでそれ以上の脅威がきたと言わんばかりの………

 

「まさかっ!?!」

 

自身の勘に従い、頭上を見上げると黒い異形が勢い良く飛び込んできた。

 

赤の腕輪に力を込め、赤のけんぷファーへと身を変える。普段と違うところは長髪の内側が銀色の髪へと変化することである。

 

鎖を付けた短剣を二振りを構えて頭上からの脅威に備える。頭上の脅威は強力な風圧と共に地上へと降り立つ。

 

「guuuuuuu………kenpfer………」

 

半身獣神の姿と身につけた装飾品と背中に存在する小振りな羽が単なる怪物ではないことを物語っている。

 

「まさか……こんな所……一般人の居るところに現れるなんて……」

 

警察組織の最高峰である警視庁の直ぐ傍である。当然のことながらこの光景に辺りは騒々しくなっていた。

 

長居は無用と言わんばかりに雫は一旦、人気の少ない場所へと駆け出した。幸い近くに公園もあるため、そこで迎え撃つのも悪くはないし、最悪撤退も視野に入れなければならない。

 

その光景を見ていた一人の男 氷川 誠が飛び出した。

 

「三郷さん!!!!早く逃げてください!!!」

 

拳銃を取り出し、アンノウンから彼女を護るべく氷川誠は立ち上がったのだ。

 

「無論。そうさせてもらうわ」

 

自分の秘密に感づいているかは分からないが、ここはこのまま素直に撤退すべきだろう。一応は調べが付いている”アンノウンは特定の条件の人間しか襲わない”という事を三郷雫は知っていたのだ。

 

この場合のアンノウンの狙いは”けんぷファー”である自分だけ……あの刑事は怪我をするかもしれないが、これは仕方がないことだと雫は結論付けるのだった。

 

効果はないことは分かっているが、発砲を行う。背後の雫が少女とは思えない程の跳躍で撤退したのに対して、アンノウンもまた飛翔する。

 

銃弾を喰らうものの微動だにせず、飛翔すると同時に衝撃波が発生し、氷川誠はそれに巻き込まれて転倒してしまった。

 

「うわっ!?!」

 

額を切り視界が赤くなるが、それでも少女を護らなければならないという”警察官としての使命”で立ち上がる。

 

「氷川さん。相変わらず、無茶をしますね」

 

北条がいつの間にか現れ、ジェラルミンケースを氷川の前に差し出した。

 

「今回だけは、特別です。貴方だけだ、これを使うことが出来るのは……」

 

ケースの中には、かつて自分が使っていた”鎧”のベルトに似た、そのもののベルトがあった……

 

「こ、これは……まさか……」

 

「はい、氷川さん。技術は常に進歩しているものですよ」

 

ベルトの脇には、技術協力 SMART BRAIN 監修 小沢澄子と記載されていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園に撤退した雫をアンノウンは執拗に追撃をしていた。

 

「しつこい生き物……まるで人間みたいね」

 

姿形は、ハッキリ言うと人外そのものであるが、その行動は、まるで人間のようにも見えた。

 

かつての未確認生命体もまた、人類が別系統に進化した人種であるといわれているが、アンノウンのそれは未確認のような享楽に身を任せているのではなく、使命感に似た何かで行動をしている。

 

雫は木々の間を飛び交いながら、鎖を張り巡らせある一点にアンノウンを誘き寄せようとしていた。

 

「まずは、あの動きを止めさせてもらうわ」

 

戦いに関しては、エリートである彼女だが……

 

(……それにしても……何故、あの刑事は……)

 

脳裏にあの刑事の言葉が再び木霊する。

 

”あなたは、篠宮多美子を知っていますか?”

 

誰も知らないはずなのに、何故か知っている刑事。分からなくなってくる……

 

本来ならば、戦闘の最中に考え事などしてはならなかった。それは、かつて先輩にも言われたことだった……

 

鎖を蜘蛛の巣のように編みこみ、これによってクロウアンノウンを捕縛し倒す算段をえていたのだが、

 

公園の森林地帯を飛行するクロウアンノウンを鎖により捕縛するが、余計な事を考えてしまったために編み込みが甘く振り切られる様に鎖による拘束が解けてしまった。

 

相手の力は思うよりも強く、足場にしていた枝すらもなぎ倒すようにこちらに一直線に向かってきた。

 

”油断大敵よ”

 

かつて師事していた頃に言われた言葉が脳裏に響き、地面に叩きつけられる感触を感じるかと覚悟をしたが……

 

「三郷さんっ!!!!」

 

彼女を寸前で受け止めたのは、青い装甲を纏った氷川誠であった。強化装甲服の名称はG3Xシステム。

 

「逃げてください!!!」

 

上空から迫ってきたクロウアンノウンに対し、専用の武器GM01 スコーピオンを発砲することでその攻撃を阻止した。

 

「guaッアッ!?!」

 

雫の代わりに叩きつけられたようにクロウアンノウンが白い煙を吹きながら叩きつけられた。G3Xとその背後に居るけんぷファーに敵意の視線をクロウアンノウンは向ける。

 

(これがG3Xシステム……あのアンノウンにダメージを)

 

図書室での攻防で銃を使う青のけんぷファーの弾を止めており、当たってもダメージは受け付けなかった。

 

畳み掛けるようにG3Xは、クロウアンノウンに向かっていった。

 

「guaaaaッ!!!」

 

「ウワアアアアッ!!!」

 

再び飛翔しようとするクロウアンノウンの両足を掴み、そのまま地面に叩きつける。

 

過去の未確認生命体、アンノウンとの戦闘の経験により飛行するタイプは一度地上に降ろしたら、そのまま追撃を行い、殲滅することが良策であることを氷川誠は知っていた。

 

専用の警棒を太ももから引き抜き、クロウアンノウンに叩きつけた。

 

クロウアンノウンとの戦いを雫は驚いた目で見ていた。あのアンノウンと互角以上に戦うことの出来る”鎧”の凄まじさを………

 

火花を散らしながら、クロウアンノウンを拳で叩き付けたと同時に、近くに待機させていたガードチェイサーの荷台に乗せていた専用のガトリング砲 GM05”ケルベロス”を起動させた。

 

”解除します”の音声と共に発砲される。特殊徹甲弾を一秒間に三十発打ち込むことにより、クロウアンノウンはその威力によって沈黙、頭上に天使の輪を浮かび上がらせたと同時に爆発、消滅した。

 

ケルベロスを降ろし、G3Xを纏った氷川誠は雫に歩み寄る。

 

「三郷さん。貴女は一体……」

 

氷川誠の言葉に対し、雫は……

 

「答える事は、何もありません」

 

「あっ…待って下さいっ!!!」

 

氷川誠の呼びかけに応えることなく、雫はけんぷファーの驚異的な脚力でその場を後にするのだった……

 

後を追うことも出来るかもしれなかったが、氷川誠は敢えて追う事はしなかった。

 

「それにしても……北条さんは、どうして、今更ながらこれを………」

 

ベルトの一部をスライドさせ、その奥にあるスイッチを押すと同時にG3Xの姿は、一瞬にしてその装甲を分割させ、トランクケースへと変化するのだった。

 

さらには、特別捜査令状の書類を懐から取り出し意味深にそれを眺めるのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日のことを苦々しく思いながら、雫はこの先の対応をどうすれば良いのかを思案した。

 

出来れば使いたくはないが”親”に頼れば、”警察組織”の追求をなんとかできるかもしれない……だが、それを彼女自身の”自尊心”が許さなかった……

 

そうしたら、今までの自分を否定してしまうように思えてしまう……

 

だったらと考えていたが、少しでも気を紛らわしたいと思い、自身の携帯電話に一通のメッセージが来ていたのを確認した…

 

”ねえ、雫ちゃん。三嶋さんが凄く格好良い女の人を連れてたんだけど、そのことが聞きたいから一緒に手伝ってほしい”

 

そのメッセージと共に圧倒的な力を持ったアギトを思い浮かべた……

 

「強大な力でも……首輪さえあれば……」

 

脳裏に浮かんだプランに満足したのか雫は薄く笑い……

 

”えぇ、もちろん手伝うわ。だって楓は、私の友達ですもの……”

 

 




不定期ですが、こちらも地道に更新していきたいと思います。
こんな愚痴ばっかりのような……
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